ご両親が契約している固定電話の権利、いわゆる「電話加入権」を、お子さんが引き継ぐケースは少なくありません。ただ、いざ手続きしようとすると「どんな書類が必要なの?」「費用はかかるの?」と、分からないことも多いですよね。実は、電話加入権の名義変更にはいくつかの種類があり、状況によって手続きや費用が異なります。この記事では、電話加入権の名義変更について、手続きの種類から必要書類、費用、税金のことまで、わかりやすく解説していきますね。
電話加入権の名義変更は3種類!状況に合わせた手続きを選ぼう
電話加入権の名義変更には、大きく分けて「譲渡」「承継」「改称」の3つの手続きがあります。どの手続きになるかは、現在の契約者の方の状況や名義変更の理由によって決まります。まずは、ご自身の状況がどれに当てはまるのか確認してみましょう。
譲渡|親が存命中に権利を譲るケース
「譲渡」は、契約者ご本人が存命中に、その権利を家族や第三者に譲り渡す場合の手続きです。例えば、ご両親が施設に入居されるタイミングで、実家で使い続ける固定電話の名義をお子さんに変更するといったケースがこれに当たります。親子間であっても、契約者が生きている間の名義変更は「譲渡」扱いとなり、後述する手数料がかかるのが特徴です。
承継|契約者が亡くなり相続するケース
「承継」は、契約者が亡くなったことにより、相続人が電話加入権を引き継ぐ場合の手続きです。これは相続の一環として行われるため、手続きに手数料はかかりません。遺言書で指定された方や、法定相続人の方が手続きを行うことになります。親が亡くなり、その電話加入権を子が引き継ぐ場合は、この「承継」に該当します。
改称|結婚などで氏名が変わったケース
「改称」は、契約者本人の氏名や法人の名称が変わった際に行う手続きです。例えば、結婚して姓が変わった場合や、会社名が変更になった場合などが該当します。権利を譲るわけではなく、あくまで登録されている名前を変更する手続きなので、こちらも手数料は無料です。
【ケース別】電話加入権の名義変更に必要な書類
名義変更の手続きには、本人確認などのためにいくつかの書類が必要になります。どの手続きを選ぶかによって必要書類が異なりますので、事前にしっかりと準備しておきましょう。手続きはNTT東日本・西日本の公式サイトからWebで申し込むのが便利ですが、郵送での手続きも可能です。
「譲渡」で名義変更する場合の必要書類
譲渡の場合は、権利を譲る方(現契約者)と、譲り受ける方(新契約者)の双方の本人確認書類が必要です。親子間で手続きする場合でも、お二人の書類をそれぞれ用意してくださいね。
| 必要な方 | 書類の例 |
| 現契約者と新契約者(双方) | 運転免許証、マイナンバーカード(表面のみ)、パスポート、健康保険証など |
※法人の場合は、登記簿謄(抄)本や印鑑登録証明書などが必要になります。
「承継」で名義変更する場合の必要書類
承継の場合は、新たに契約者になる方の本人確認書類に加えて、元の契約者が亡くなった事実と、相続関係がわかる公的な書類が必要になります。
| 必要な書類 | 書類の例 |
| 新契約者の本人確認書類 | 運転免許証、マイナンバーカード(表面のみ)など |
| 死亡の事実と相続関係がわかる書類 | 戸籍謄(抄)本、除籍謄本、死亡診断書、遺言書など |
※どの書類が必要になるかは続柄によっても変わるため、事前にNTTの公式サイトで確認しておくと安心です。
「改称」で名義変更する場合の必要書類
改称の場合は、氏名が変更になった事実がわかる書類を準備します。新旧の氏名が記載されているものが必要になるので、例えば運転免許証であれば裏面のコピーも忘れずに用意しましょう。
| 必要な書類 | 書類の例 |
| 氏名変更の事実がわかる書類 | 運転免許証(両面)、戸籍謄(抄)本、住民票など |
電話加入権の名義変更にかかる費用
名義変更にかかる手数料は、手続きの種類によって異なります。「承継」と「改称」は無料ですが、「譲渡」の場合は手数料が発生しますので注意しましょう。
| 手続きの種類 | 手数料(税込) |
| 譲渡 | 880円 / 1回線につき |
| 承継 | 無料 |
| 改称 | 無料 |
この手数料はNTTに支払うものですが、手続きに必要な戸籍謄本などを役所で取得するための発行手数料は別途ご自身で負担することになります。
電話加入権の名義変更手続きの流れ
必要書類が準備できたら、いよいよ手続きに進みます。現在では、NTT東日本・西日本の公式サイトからオンラインで手続きを完結できるので、とても便利になっています。基本的な流れは以下の通りです。
1. NTT東日本またはNTT西日本の公式サイトにある名義変更のページにアクセスします。
2. 「譲渡」「承継」「改称」の中から、ご自身の状況に合った手続きを選択します。
3. 画面の案内に従って、現契約者と新契約者の情報などを入力します。
4. 事前に準備しておいた必要書類のデータをアップロードします。
5. 入力内容に間違いがないか最終確認し、申し込みを完了させます。
もしWebでの手続きが難しい場合は、申込書をダウンロードして郵送で手続きすることも可能です。
電話加入権は相続財産?税金の扱いについて
「電話加入権って、資産になるの?」と疑問に思う方もいらっしゃるかもしれません。実は、電話加入権は法律上「無形固定資産」という資産に分類され、相続や贈与の際には税金の対象になる可能性があります。
電話加入権の相続税評価額
相続が発生した場合、電話加入権は相続財産として計上する必要があります。その際の評価額は、国税庁の財産評価基本通達に基づいて算出されます。一昔前は数万円で取引されていた時代もありましたが、携帯電話の普及によりその価値は大きく下落しました。現在、相続税申告における電話加入権の評価額は、全国一律で1,500円として扱われるのが一般的です(2021年1月1日以降の相続・贈与)。そのため、相続財産に加える必要はありますが、相続税額に大きな影響を与えることはほとんどないでしょう。
生前贈与の場合は贈与税の対象?
親が存命中に名義変更する「譲渡」は、税法上「贈与」にあたります。そのため、形式的には贈与税の課税対象となります。しかし、贈与税には年間110万円の基礎控除があります。電話加入権の評価額は1,500円と非常に低いため、他に高額な贈与を受けていない限り、実質的に贈与税がかかる心配はまずありません。
まとめ
今回は、電話加入権の名義変更について解説しました。ポイントは、ご自身の状況に合わせて「譲渡」「承継」「改称」の3つの手続きから正しいものを選ぶことです。特に親子間で名義変更を行う場合は、ご両親が存命であれば手数料のかかる「譲渡」、亡くなられた後の手続きであれば手数料無料の「承継」になると覚えておきましょう。必要書類をきちんと準備すれば、手続き自体はそれほど難しくありません。この記事を参考に、スムーズに名義変更を進めてくださいね。
参考文献
電話加入権の名義変更に関するよくある質問まとめ
Q.電話加入権の名義変更とは何ですか?
A.電話加入権の所有者名を、現在の契約者から別の人(家族や第三者など)に変更する手続きのことです。相続、譲渡、改姓などの際に行います。
Q.電話加入権の名義変更はどのような時に必要ですか?
A.主に、契約者が亡くなった際の「相続」、第三者に権利を譲る「譲渡」、結婚などで姓が変わった「改姓」の3つのケースで必要となります。
Q.名義変更の手続きはどこでできますか?
A.NTT東日本・西日本の「116」への電話、または公式ウェブサイトから手続きが可能です。必要書類を郵送する場合もあります。
Q.名義変更にかかる費用はいくらですか?
A.手続きの種類により異なります。「譲渡」の場合は手数料が必要ですが、「相続」や「改姓」の場合は原則無料です。詳しくはNTTにご確認ください。
Q.名義変更にはどのような書類が必要ですか?
A.相続、譲渡など手続きの種類によって必要書類は異なります。本人確認書類のほか、相続の場合は戸籍謄本、譲渡の場合は譲渡承認請求書などが必要です。
Q.契約者が亡くなった場合、電話加入権はどうなりますか?
A.契約者が亡くなった場合、相続人が権利を引き継ぐ「承継(相続)」の手続きを行います。相続関係がわかる戸籍謄本などを準備してNTTへ連絡が必要です。