大切な契約などで使う印鑑登録証ですが、持ち主の方が亡くなったり、お引越しされたりした場合はどうすればよいかご存知ですか?印鑑登録は自動的に効力を失いますが、登録証のカードは手元に残ったままになります。悪用などのトラブルを防ぐためにも、正しい返還方法や手続きについて知っておくことが大切です。この記事では、印鑑登録証の返還が必要になるケースや、具体的な手続きの方法について、分かりやすく解説していきますね。
印鑑登録証の返還・廃止が必要になるケースとは?
印鑑登録証の返還や登録廃止の手続きが必要になるのは、主に登録者の方の状況に変化があったときです。特に代表的なのは「亡くなったとき」と「市区町村の外へ引っ越したとき」の2つのケース。それぞれで印鑑登録がどうなるのか、詳しく見ていきましょう。
登録者が亡くなった場合
ご家族が亡くなられた場合、市区町村役場へ死亡届を提出しますよね。役所が死亡届を受理すると、その方の住民票は抹消され、同時に印鑑登録も自動的に失効します。そのため、亡くなった方の印鑑登録証明書は、死亡届提出後には発行できなくなります。
手元に残った印鑑登録証(カード)については、法律で「必ず返還しなさい」と定められているわけではありません。しかし、そのまま持っていると他の家族のカードと間違えたり、万が一の悪用につながったりする可能性もゼロではありません。そのため、多くの自治体では返還を推奨しています。
市区町村の外へ引っ越す(転出する)場合
今住んでいる市区町村から、別の市区町村へ引っ越す際には「転出届」を提出します。この転出届が受理されると、その市区町村での印鑑登録は自動的に失効します。転出の手続きをする際に、窓口で印鑑登録証の返還を求められることが一般的です。
もし引っ越し先でも印鑑登録証明書が必要になる場合は、新しい住所地の市区町村役場で、改めて印鑑登録の手続きを行う必要があります。以前の印鑑登録証は使えませんので、ご注意くださいね。
登録している印鑑を変更・紛失した場合
登録している印鑑そのものをなくしてしまったり、別の印鑑に変えたいと思ったりした場合も、手続きが必要です。この場合は、まず現在の印鑑登録を廃止する「印鑑登録廃止申請」を行います。その際に、これまで使っていた印鑑登録証を役所に返還します。そして、新しい印鑑で改めて登録手続きをすることで、新しい印鑑登録証が交付されます。
印鑑登録証の返還・廃止手続きの方法
それでは、実際に印鑑登録証を返還したり、廃止したりする手続きは、どこで、誰が、何を持って行えばよいのでしょうか。基本的な流れを確認しておきましょう。自治体によって細かなルールが異なる場合があるので、手続き前にお住まいの市区町村のホームページなどで確認すると、より安心ですよ。
手続きができる場所
手続きの窓口は、印鑑登録をしていた市区町村の役所になります。多くの場合、「市民課」「区民課」「戸籍住民課」といった名称の部署が担当しています。支所や出張所でも手続きができる場合があるので、お近くの窓口に問い合わせてみてください。
手続きができる人
手続きは、原則として登録者本人が行います。しかし、本人が窓口に行けない場合は、代理人に依頼することも可能です。その場合は、委任状が必要になることがほとんどです。
また、登録者が亡くなっている場合は、相続人や親族が届出人として手続きを行います。
必要な持ち物【一覧表】
手続きに行く際に必要な持ち物を、ケース別に表にまとめました。準備の際の参考にしてくださいね。
| 手続きの状況 | 主な持ち物 |
|---|---|
| 本人が転出・廃止手続きをする場合 |
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| 代理人が転出・廃止手続きをする場合 |
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| 相続人が死亡による手続きをする場合 |
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相続手続きと印鑑登録の関係
ご家族が亡くなった後の相続手続きでは、印鑑や印鑑登録証明書がとても重要な役割を果たします。ここで気をつけたいのは、「誰の」印鑑登録証明書が必要なのか、という点です。故人のものではなく、相続人自身のものが必要になります。
故人の印鑑登録証明書は使えない
先ほども触れましたが、ご本人が亡くなった時点で印鑑登録はその効力を失います。そのため、亡くなった方の印鑑登録証明書は取得できませんし、たとえ手元に有効期限内のものがあったとしても、相続手続きに使うことはできません。
もし、亡くなった後にその事実を隠して印鑑登録証明書を取得したり、使用したりすると、法的な問題に発展する可能性もあるため、絶対に行わないでください。
相続手続きで必要になるのは「相続人の」印鑑証明書
遺産分割協議や不動産の名義変更、預貯金の解約など、さまざまな相続手続きの場面で、相続人全員の実印と印鑑登録証明書が必要になります。特に、誰がどの財産を相続するかを話し合って決めた内容をまとめる「遺産分割協議書」には、相続人全員が署名し、実印を押印するのが一般的です。そして、その印鑑が本人のものであることを証明するために、印鑑登録証明書を添付します。まだ印鑑登録をしていない相続人の方がいる場合は、早めに手続きを済ませておくと、その後の手続きがスムーズに進みますよ。
まとめ
今回は、印鑑登録証の返還方法について解説しました。大切なポイントを最後にもう一度おさらいしておきましょう。
- 登録者が死亡したり、市区町村の外へ転出したりすると、印鑑登録は自動的に失効します。
- 手元に残った印鑑登録証は、悪用防止のため役所に返還するか、ご自身で確実に処分しましょう。
- 相続手続きで必要になるのは、故人のものではなく「相続人自身の」実印と印鑑登録証明書です。
- 手続きについて分からないことがあれば、登録先の市区町村役場に確認するのが一番確実です。
印鑑登録証は個人の大切な情報を証明するものです。状況が変わったときには、適切な手続きを行い、正しく管理するように心がけましょう。
印鑑登録証の返還方法に関するよくある質問まとめ
Q. 印鑑登録証を返還しなかったら罰則はありますか?
A. 死亡や転出によって印鑑登録は自動的に失効するため、印鑑登録証(カード)を返還しなかったからといって、法的な罰則が科されることは基本的にありません。ただし、そのままにしておくと紛失や悪用のリスクが残ります。役所に返還するか、ご自身でハサミを入れて裁断するなど、確実に処分することをおすすめします。
Q. 故人の印鑑登録証が見つからない場合はどうすればいいですか?
A. 探しても見つからない場合でも、ご安心ください。死亡届が受理された時点で印鑑登録は無効になっていますので、法的には大きな問題にはなりません。役所の窓口で手続きをする際に、紛失してしまった旨を正直に伝えれば大丈夫です。自治体によっては「亡失届」などの書類の提出を求められることもあります。
Q. 返還手続きに手数料はかかりますか?
A. 印鑑登録証の返還や、印鑑登録の廃止手続き自体には、手数料はかからないことが一般的です。ただし、新しく印鑑登録をし直す際には、自治体によっては300円程度の手数料が必要になる場合があります。
Q.印鑑登録証(印鑑登録カード)はいつ返還が必要ですか?
A.市区町村から転出する時、登録している印鑑を変更(改印)する時、登録者が亡くなった時、または印鑑登録が不要になった時に返還が必要です。
Q.亡くなった家族の印鑑登録証はどうすればいいですか?
A.死亡届を提出すると印鑑登録は自動的に抹消されますが、印鑑登録証は悪用防止のため、ご遺族が役所の窓口へ返還するか、ご自身で裁断して破棄してください。
Q.市外へ引っ越す場合、印鑑登録証の返還は必要ですか?
A.はい、必要です。転出届を提出すると印鑑登録は自動的に失効します。印鑑登録証は転出元の市区町村役場へ返還するか、ご自身でハサミで切るなどして確実に破棄してください。新しい市区町村で必要な場合は、改めて印鑑登録の手続きを行います。
Q.印鑑登録証の返還は代理人でもできますか?
A.はい、可能です。ただし、自治体によっては委任状や代理人の本人確認書類が必要になる場合があります。事前に手続きを行う市区町村のウェブサイトや窓口でご確認ください。
Q.印鑑登録証を返還する時の持ち物は何ですか?
A.返還する印鑑登録証(印鑑登録カード)が必要です。手続きによっては、窓口に来庁した方の本人確認書類(運転免許証など)の提示を求められる場合があります。
Q.印鑑登録証を紛失して返還できない場合はどうすればいいですか?
A.まずは、登録している市区町村の役所に連絡し、印鑑登録証の「亡失届」を提出してください。これにより第三者による不正利用を防ぐことができます。返還は不要になります。