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親の介護どうすればいい?慌てないための準備と手続き、費用まで徹底解説

2024-12-14
目次

「最近、親の様子が少し心配…」「もし介護が必要になったら、どうすればいいんだろう?」そんな風に、親御さんのことで不安を感じていらっしゃるかもしれませんね。介護は、多くの場合、突然始まります。いざという時に慌てないためには、事前の準備と正しい知識がとても大切です。この記事では、介護の第一歩から、具体的な手続き、費用のこと、そして利用できるサービスまで、皆さんの「どうすればいい?」という疑問に一つひとつ丁寧にお答えしていきます。一緒に不安を解消していきましょう。

まずは何から始める?介護の第一歩

親御さんに介護が必要かもしれないと感じたら、まずどこに相談すればよいのでしょうか。一人で悩まず、専門家の力を借りることが大切です。ここでは、介護を始めるための最初のステップを具体的にご紹介します。

最初の相談窓口「地域包括支援センター」

介護に関する最初の相談窓口として、ぜひ覚えておいていただきたいのが「地域包括支援センター」です。これは、高齢者の暮らしを地域で支えるための総合相談窓口で、市区町村が設置しています。保健師、社会福祉士、主任ケアマネジャーなどの専門家がいて、介護に関するあらゆる相談に無料で乗ってくれます。
「何から相談していいかわからない」という状態でも大丈夫です。「親の物忘れがひどくなった」「最近よく転ぶようになった」といった漠然とした不安でも、親身に話を聞いてくれますよ。お住まいの市区町村のウェブサイトで「地域包括支援センター」と検索すれば、担当エリアのセンターが見つかります。

介護保険サービスを利用するための「要介護認定」

介護保険のサービスを利用するためには、「要介護認定」を受ける必要があります。これは、どのくらいの介護が必要な状態かを客観的に判断するための審査です。認定は「要支援1・2」と「要介護1~5」の7段階に分かれており、段階によって利用できるサービスの種類や量が決まります。
申請は、親御さんがお住まいの市区町村の役所(介護保険担当課)や、先ほどご紹介した地域包括支援センターで行えます。申請後、認定調査員が自宅などを訪問して心身の状態を聞き取り調査し、主治医の意見書などをもとに審査が行われ、約1か月ほどで結果が通知されます。

ケアプランの作成

無事に要介護認定が下りたら、次はケアプラン(介護サービス計画書)を作成します。これは、ご本人やご家族の希望を踏まえ、どのような介護サービスを、いつ、どのくらい利用するかを決める計画書のことです。ケアプランの作成は、ケアマネジャー(介護支援専門員)が担当します。
ケアマネジャーは、介護の専門知識を持ち、ご本人に最適なサービスの組み合わせを提案してくれる頼れるパートナーです。地域包括支援センターや居宅介護支援事業所に相談して、ケアマネジャーを探しましょう。ケアプランの作成費用は全額介護保険で賄われるため、自己負担はありません。

介護にはどんな種類がある?在宅介護と施設介護

介護の形は一つではありません。大きく分けると、自宅で介護サービスを利用する「在宅介護」と、施設に入居して介護を受ける「施設介護」の2種類があります。それぞれの特徴を知り、ご本人やご家族にとって最適な方法を選びましょう。

住み慣れた家で暮らす「在宅介護」

在宅介護は、ご本人が長年住み慣れた自宅で生活を続けながら、必要な介護サービスを利用する方法です。最大のメリットは、ご本人が精神的に安心して過ごせる点です。また、生活の自由度が高く、家族との時間も持ちやすいでしょう。一方で、ご家族の身体的・精神的な負担が大きくなりやすい、24時間体制での見守りが難しいといった側面もあります。しかし、多様な介護サービスを組み合わせることで、ご家族の負担を軽減することも可能です。

専門スタッフのケアが受けられる「施設介護」

施設介護は、特別養護老人ホームや介護老人保健施設、有料老人ホームなどの施設に入居し、専門のスタッフから24時間体制でケアを受ける方法です。介護のプロが常に近くにいる安心感があり、ご家族の負担を大幅に減らせるのが大きなメリットです。また、他の入居者との交流が生まれることもあります。ただし、入居費用がかかることや、集団生活に馴染む必要があること、希望する施設にすぐに入居できない場合があることなどを考慮する必要があります。

在宅介護で利用できる主なサービス

在宅介護を支えるサービスはたくさんあります。代表的なものをいくつかご紹介しますね。

サービスの種類 内容
訪問介護(ホームヘルプ) ヘルパーが自宅を訪問し、食事や入浴、排泄などの身体介助や、掃除、洗濯、調理などの生活援助を行います。
通所介護(デイサービス) 日帰りで施設に通い、食事や入浴の介助、機能訓練、レクリエーションなどを受けられます。ご本人の孤立を防ぎ、ご家族の休息時間にもなります。
短期入所生活介護(ショートステイ) 数日間~1週間程度、施設に宿泊して介護サービスを受けられます。ご家族の出張や冠婚葬祭、休息(レスパイトケア)のために利用されます。
訪問看護 看護師が自宅を訪問し、主治医の指示のもと、点滴や褥瘡(床ずれ)の処置などの医療的ケアや健康管理を行います。

気になるお金の話。介護にかかる費用はどのくらい?

介護と切っても切れないのがお金の問題です。事前にどのくらいの費用がかかるのかを知っておくことで、安心して介護に臨むことができます。ここでは、費用の目安と負担を軽くする制度について解説します。

在宅介護と施設介護の費用目安

介護費用は、要介護度や利用するサービスによって大きく異なりますが、一般的な目安は以下の通りです。

介護の形態 費用の目安(月額・自己負担分)
在宅介護 約1万円~5万円(介護保険サービス自己負担分)+福祉用具レンタル代、おむつ代など
施設介護(公的施設) 約8万円~15万円(特別養護老人ホームなど。食費・居住費を含む)
施設介護(民間施設) 約15万円~40万円以上(有料老人ホームなど。施設やサービス内容による)

この他に、在宅介護では手すりの設置や段差解消などの住宅改修費、施設介護では入居一時金などの初期費用が必要になる場合もあります。

介護費用の負担を軽くする制度

介護保険サービスの自己負担額は、所得に応じて原則1割(一定以上の所得がある場合は2割または3割)ですが、それでも負担が重くなることがあります。そんな時に利用できる制度を知っておきましょう。

・高額介護サービス費制度
1か月に支払った介護保険サービスの自己負担額の合計が、所得に応じて定められた上限額を超えた場合に、超えた分が払い戻される制度です。上限額は世帯の所得状況によって異なり、例えば住民税非課税世帯の場合は15,000円、一般的な所得(課税所得380万円未満)の世帯では44,400円です。

・高額医療・高額介護合算療養費制度
医療保険と介護保険の両方を利用している世帯で、1年間(8月1日~翌年7月31日)の自己負担額の合計が著しく高額になった場合に、負担を軽減する制度です。こちらも所得に応じた自己負担限度額が設定されています。

介護費用も対象になる医療費控除

支払った医療費が年間10万円(または総所得金額等の5%)を超えた場合に受けられる医療費控除ですが、実は一部の介護サービス費用も対象になります。例えば、介護老人保健施設や介護医療院の施設サービス費(自己負担額)は全額が対象です。また、訪問看護や訪問リハビリテーションなど、医療系の在宅サービスも対象となります。おむつ代も、医師が発行する「おむつ使用証明書」があれば対象になりますので、領収書は必ず保管しておきましょう。

仕事と介護の両立はできる?知っておきたい支援制度

「介護のために仕事を辞めなければいけないのでは…」と心配される方も多いですが、今は働きながら介護をするための国の制度が整っています。安易に介護離職を選ぶ前に、ぜひこれらの制度の活用を検討してください。

介護休業制度

介護休業は、要介護状態にある家族を介護するために、まとまった期間仕事を休める制度です。対象家族1人につき、通算93日まで、3回まで分割して取得できます。休業中は、雇用保険から「介護休業給付金」として、休業開始前の賃金の67%が支給されるため、収入が完全に途絶える心配もありません。介護体制を整えるための準備期間として活用できます。

介護休暇制度

介護休暇は、家族の通院の付き添いや役所での手続き、ケアマネジャーとの打ち合わせなど、短期的な介護のために休みが取れる制度です。対象家族が1人なら年に5日、2人以上なら年に10日まで取得できます。1日単位だけでなく、時間単位での取得も可能なので、非常に柔軟に利用できます。

勤務時間を調整できる制度

育児・介護休業法では、介護を行う労働者のために、他にも以下のような制度が定められています。
・所定外労働の制限(残業の免除)
・時間外労働の制限(月24時間、年150時間が上限)
・深夜業の制限(午後10時~午前5時の労働の免除)
・短時間勤務制度(1日の労働時間を短縮する)
これらの制度を利用できるかどうかは会社の規定にもよりますので、まずは勤務先の人事部や総務部に相談してみましょう。

親の介護でやってはいけないこと・心構え

介護は長い道のりになることもあります。介護をする側が心身ともに健康でいることが、結果的に良い介護につながります。ここでは、介護者が追い詰められないための大切な心構えをお伝えします。

一人で抱え込まない

最も大切なことは、「一人で抱え込まない」ことです。介護の悩みや負担をすべて自分で背負ってしまうと、心も体も疲弊してしまいます。兄弟姉妹や親戚がいる場合は、役割分担についてしっかり話し合いましょう。また、地域包括支援センターやケアマネジャー、友人など、外部に相談できる相手を持つことも非常に重要です。愚痴をこぼせるだけでも、気持ちが楽になりますよ。

介護離職を安易に選ばない

「親のそばにいてあげたい」という気持ちから仕事を辞めてしまう「介護離職」は、慎重に考えるべきです。離職すると経済的に困窮するだけでなく、社会とのつながりが薄れ、精神的に孤立してしまうリスクもあります。まずは、先ほどご紹介した介護休業や短時間勤務制度などを活用して、仕事を続けながら介護をする道を探ってみてください。経済的な基盤を保つことは、介護を長く続ける上でも不可欠です。

完璧な介護を目指さない

「あれもしてあげたい」「これもやらなければ」と、完璧な介護を目指してしまうと、自分自身を追い詰めてしまいます。介護に100点満点の正解はありません。少し手を抜いたり、外部のサービスに頼ったりすることを「悪いこと」だと思わないでください。時にはショートステイなどを利用して、介護から離れる時間を作る「レスパイトケア(休息)」も非常に大切です。介護者自身が笑顔でいられること、それがご本人にとっても一番の幸せなのです。

まとめ

今回は、親の介護が始まった時に「どうすればいい?」と悩んだ時のための、具体的なステップや知識についてお伝えしました。大切なポイントは、「一人で悩まず、まずは専門家に相談すること」「利用できる公的な制度やサービスを積極的に活用すること」「完璧を目指さず、介護者自身の心と体の健康を第一に考えること」です。介護は大変なこともありますが、事前に情報を集め、周りの助けを借りることで、その負担は必ず軽くすることができます。この記事が、皆さんの不安を少しでも和らげる一助となれば幸いです。

参考文献

介護の始め方に関するよくある質問まとめ

Q.親の介護が突然始まったら、まず何をすればいいですか?

A.まずはお住まいの地域の「地域包括支援センター」に相談しましょう。介護の専門家が、今後の手続きや利用できるサービスについて無料でアドバイスしてくれます。要介護認定の申請もここで行えます。

Q.介護にはどんな種類がありますか?

A.大きく分けて、自宅でサービスを受ける「在宅介護」と、施設に入居する「施設介護」があります。ご本人の状態やご家族の状況に合わせて、デイサービスや訪問介護、特別養護老人ホームなどを組み合わせて利用します。

Q.介護にかかる費用はどのくらいですか?

A.費用は要介護度や利用するサービスによって大きく異なります。介護保険を利用すると自己負担は原則1割(所得に応じて2〜3割)に軽減されますが、食費や日用品費など保険適用外の費用もかかります。

Q.要介護認定とは何ですか?どうすれば受けられますか?

A.介護保険サービスを利用するために必要な、介護の必要度を判断する審査です。市区町村の窓口や地域包括支援センターで申請できます。申請後、調査員の訪問調査などを経て介護度が決定されます。

Q.仕事と介護を両立するにはどうすればいいですか?

A.介護休業・介護休暇といった会社の制度や、デイサービス・ショートステイなどの介護サービスを積極的に活用しましょう。一人で抱え込まず、ケアマネジャーや勤務先に相談し、負担を軽減することが大切です。

Q.ケアマネジャーとは何をする人ですか?

A.介護の専門家で、本人や家族の希望に沿ったケアプラン(介護サービス計画書)を作成し、サービス事業者との連絡・調整を行ってくれる存在です。介護保険を利用する上で中心的な役割を担います。

事務所概要
社名
税理士法人プライムパートナーズ
住所
〒107-0052
東京都港区赤坂5丁目2−33
IsaI AkasakA 17階
電話番号
対応責任者
税理士 島本 雅史

本記事は正確な情報提供を心掛けておりますが、執筆時点の情報に基づいているため、法改正や人的ミス、個別のケースにより適用が異なる可能性があります。最新の情報や具体的なご相談については、お気軽に弊法人の税理士までお問い合わせください。

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