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給与と退職金の税金、同じ税率じゃない?計算方法の違いを徹底解説!

2024-12-16
目次

毎月受け取るお給料と、長年勤め上げた証として受け取る退職金。どちらも大切な収入ですが、実はこの2つにかかる税金の計算方法は全く違います。「給与と退職金は同じ税率なの?」と疑問に思っている方も多いのではないでしょうか。結論から言うと、税率も計算方法も異なります。そして、多くの場合、退職金の方が税金の負担が軽くなるように設計されているんです。この記事では、なぜ違うのか、そして具体的にどう計算するのかを、わかりやすく解説していきますね。

給与と退職金の税金、何が違うの?

まず一番大きな違いは、税金の計算のベースとなる「課税方法」が異なる点です。お給料は「総合課税」、退職金は「分離課税」という方法で計算されます。なんだか難しそうに聞こえますが、仕組みはシンプルですよ。

毎月の給与にかかる税金(給与所得)

毎月のお給料は「給与所得」として扱われ、「総合課税」の対象になります。これは、給与所得以外にも不動産収入や副業の収入など、他の所得があればすべて合算した金額に対して税金が計算される方法です。所得が多ければ多いほど税率が高くなる「累進課税」が採用されているため、収入全体で税額が決まります。

課税される所得金額 税率
195万円以下 5%
195万円超 330万円以下 10%
330万円超 695万円以下 20%
695万円超 900万円以下 23%
900万円超 1,800万円以下 33%
1,800万円超 4,000万円以下 40%
4,000万円超 45%

これに加えて、お住まいの自治体に納める住民税(基本的には一律10%)がかかります。

退職金にかかる税金(退職所得)

一方、退職金は「退職所得」として扱われ、「分離課税」という特別な方法で計算されます。これは、給与所得など他の所得とは完全に分けて、退職金単独で税額を計算する方法です。一度に大きな金額を受け取っても、他の所得と合算されないため、急激に高い税率が適用されるのを防ぐことができます。これは、退職金が特別な収入であることを考慮した、税制上の大きな優遇措置なんです。

なぜ退職金は税制上優遇されているの?

退職金が税制上優遇されているのには、主に2つの理由があります。一つは、長年の功労に報いるためという報奨的な意味合い。そしてもう一つは、退職後の生活を支えるための大切な資金であるという側面です。このため、できるだけ多くの金額が手元に残るように、税金の負担が軽くなる特別な計算方法が用意されているんですね。

退職金の税額はどうやって計算する?具体的なステップ解説

では、実際に退職金の税額はどのように計算されるのでしょうか。少し複雑に見えるかもしれませんが、3つのステップに沿って見ていけば大丈夫です。一緒に確認していきましょう。

ステップ1:退職所得控除額を計算する

まず、税金の計算対象から外れる非課税枠である「退職所得控除額」を計算します。この金額は、勤続年数によって決まります。勤続年数が長いほど控除額が大きくなり、税金の負担が軽くなる仕組みです。

勤続年数 計算式
20年以下 40万円 × 勤続年数
(80万円に満たない場合は80万円)
20年超 800万円 + 70万円 × (勤続年数 – 20年)

※勤続年数に1年未満の端数がある場合は、1年に切り上げて計算します。(例:勤続25年3ヶ月 → 26年)

ステップ2:課税退職所得金額を計算する

次に、実際に税率をかける対象となる「課税退職所得金額」を計算します。ここが最大のポイントです。退職金からステップ1で計算した退職所得控除額を引いた後、さらにその金額を2分の1にするんです。

(退職金の収入金額 - 退職所得控除額) × 1/2 = 課税退職所得金額

この「2分の1」の措置により、課税対象額がぐっと抑えられ、結果的に税額がかなり軽くなります。ただし、役員としての勤続年数が5年以下の場合など、一部この措置が適用されないケースもあるので注意が必要です。

ステップ3:所得税と住民税を計算する

最後に、ステップ2で算出した「課税退職所得金額」をもとに、所得税と住民税を計算します。所得税は、給与所得と同じ税率表(累進課税)を使って計算します。住民税は、課税退職所得金額に一律10%(都道府県民税4%+市区町村民税6%)をかけて算出します。

所得税額 = 課税退職所得金額 × 所得税率 - 控除額
復興特別所得税額 = 所得税額 × 2.1%
住民税額 = 課税退職所得金額 × 10%

【シミュレーション】勤続年数と退職金額で税額はこう変わる!

言葉だけだとイメージしにくいかもしれませんので、具体的なケースで税額がいくらになるか計算してみましょう。

ケース1:勤続20年・退職金1,000万円の場合

  1. 退職所得控除額の計算
    40万円 × 20年 = 800万円
  2. 課税退職所得金額の計算
    (1,000万円 - 800万円) × 1/2 = 100万円
  3. 税額の計算
    ・所得税:100万円 × 5% = 50,000円
    ・復興特別所得税:50,000円 × 2.1% = 1,050円
    ・住民税:100万円 × 10% = 100,000円
    合計税額:151,050円

退職金1,000万円に対して、税金は約15万円となります。

ケース2:勤続35年・退職金2,000万円の場合

  1. 退職所得控除額の計算
    800万円 + 70万円 × (35年 - 20年) = 1,850万円
  2. 課税退職所得金額の計算
    (2,000万円 - 1,850万円) × 1/2 = 75万円
  3. 税額の計算
    ・所得税:75万円 × 5% = 37,500円
    ・復興特別所得税:37,500円 × 2.1% = 787円
    ・住民税:75万円 × 10% = 75,000円
    合計税額:113,287円

退職金2,000万円に対して、税金は約11万円です。勤続年数が長いと控除額が大きくなるため、退職金額が多くても税負担が軽くなることがわかりますね。

退職金を受け取る時の注意点

退職金の税金で損をしないために、いくつか知っておきたい注意点があります。

「退職所得の受給に関する申告書」の提出は必須!

退職金を受け取る前に、勤務先から「退職所得の受給に関する申告書」という書類の提出を求められます。これを提出することで、これまで説明してきた正しい税額計算(分離課税や退職所得控除の適用)が行われます。もしこの書類を提出しないと、退職金の金額に対して一律20.42%の高い税率で源泉徴収されてしまいます。後から確定申告をすれば払い過ぎた税金は戻ってきますが、手間がかかる上に一時的に手元のお金が大きく減ってしまうので、必ず提出するようにしましょう。

確定申告は必要?不要?

上記の「退職所得の受給に関する申告書」を勤務先に提出していれば、会社側で税金の計算と納税(源泉徴収)を済ませてくれるため、原則として自分で確定申告をする必要はありません。ただし、年の途中で退職して年末調整を受けていない場合や、医療費控除やふるさと納税の寄付金控除を受けたい場合などは、確定申告をすることで税金が戻ってくる可能性があります。

給与と退職金の税金の違いまとめ

最後に、給与と退職金の税金の違いを一覧表にまとめました。一目で違いがわかりますので、ぜひ参考にしてください。

項目 給与(給与所得)
課税方法 総合課税(他の所得と合算して課税)
税金の計算方法 (収入 - 給与所得控除)から各種所得控除を引いて税率をかける
税制上の優遇 給与所得控除
所得税の税率 累進課税(5%~45%)
住民税の税率 一律10%
申告方法 年末調整(会社が行う)、場合により確定申告
項目 退職金(退職所得)
課税方法 分離課税(他の所得と分けて単独で課税)
税金の計算方法 (収入 - 退職所得控除)× 1/2 に税率をかける
税制上の優遇 退職所得控除、課税所得が1/2になる措置
所得税の税率 累進課税(5%~45%)
住民税の税率 一律10%
申告方法 原則不要(会社が源泉徴収)

まとめ

今回は、「給与と退職金は同じ税率か?」という疑問について解説しました。結論として、給与と退職金にかかる税金の計算方法や適用される控除は全く異なり、退職金は税制上大きく優遇されています。この優遇措置のおかげで、長年の頑張りが詰まった大切な退職金を、より多く手元に残すことができます。ご自身の勤続年数と退職金の見込み額を把握し、今回ご紹介した計算方法で一度シミュレーションしてみることをおすすめします。税金の仕組みを正しく理解して、安心してセカンドライフの計画を立ててくださいね。

参考文献

国税庁 No.1420 退職金を受け取ったとき(退職所得)

国税庁 No.2732 退職手当等に対する源泉徴収

給与と退職金の税金に関するよくある質問まとめ

Q.給与と退職金は同じ税率ですか?

A.いいえ、異なります。給与は他の所得と合算して税率が決まる「総合課税」、退職金は他の所得と分けて税金が計算される「分離課税」となり、税制上優遇されています。

Q.退職金の税金はなぜ給与より安いのですか?

A.退職金には長年の功労に報いる意味合いがあるためです。「退職所得控除」という大きな控除があり、さらに控除後の金額を2分の1にしてから税率をかけるため、税負担が軽くなるよう配慮されています。

Q.「退職所得控除」とは何ですか?

A.退職金の税金を計算する際に、退職所得の金額から差し引ける控除のことです。勤続年数が長いほど控除額が大きくなり、税負担が軽減される仕組みになっています。

Q.退職金を受け取ったら確定申告は必要ですか?

A.原則として不要です。勤務先に「退職所得の受給に関する申告書」を提出していれば、会社が源泉徴収(天引き)で納税を済ませてくれるためです。ただし、申告書を提出していない場合などは確定申告が必要です。

Q.給与にかかる税金はどのように計算されますか?

A.給与収入から給与所得控除や各種所得控除を差し引いた「課税所得」に、所得に応じた税率(累進課税)をかけて計算されます。退職金とは計算方法が全く異なります。

Q.退職金を一時金ではなく年金で受け取る場合、税金はどうなりますか?

A.年金形式で受け取る場合は「雑所得」として扱われ、退職金を一時金で受け取る「退職所得」とは税金の計算方法が変わります。一般的に、一時金で受け取る方が税制上有利になることが多いです。

事務所概要
社名
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対応責任者
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本記事は正確な情報提供を心掛けておりますが、執筆時点の情報に基づいているため、法改正や人的ミス、個別のケースにより適用が異なる可能性があります。最新の情報や具体的なご相談については、お気軽に弊法人の税理士までお問い合わせください。