大切な方が亡くなられた後、ご遺族には悲しむ間もなく、たくさんの手続きが待っています。預貯金や不動産の名義変更などはよく知られていますが、実は見落としがちな「解約手続き」もたくさんあるんです。これを放置してしまうと、不要な料金が発生し続け、思わぬ損をしてしまうことも…。今回は、相続時に意外と忘れがちな8つの解約手続きについて、わかりやすくご紹介しますね。
金融・契約関連で見落としがちな手続き
まずは、お金に直接関わる大切な手続きから見ていきましょう。クレジットカードやリース契約など、放置すると継続的に支払いが発生してしまうものが多いので、早めの対応が肝心です。
クレジットカード
故人が使っていたクレジットカードは、カード会社に連絡して解約手続きが必要です。年会費がかかるカードはもちろん、年会費無料のカードでも、不正利用のリスクを避けるために必ず解約しましょう。故人のお財布や書類の中からカードを探し、裏面に記載されている連絡先に電話をします。死亡の事実を伝えれば、手続きを案内してもらえますよ。
リース契約
故人が個人事業主だった場合や、自動車、コピー機などをリース契約していた場合は注意が必要です。リース会社に連絡し、契約者が亡くなったことを伝えましょう。契約内容によっては、残りの料金を一括で支払う必要があったり、逆に解約が認められたりすることもあります。まずは契約書を確認し、リース会社に相談することが大切です。故人の準確定申告の際に経費として計上している可能性もあるため、税務上の手続きと合わせて確認すると良いでしょう。
通信・インターネット関連の解約手続き
今や生活に欠かせないスマートフォンやインターネット。これらも解約しない限り月額料金がかかり続けます。故人の利用状況がわからない場合も多いので、しっかり確認しましょう。
携帯電話・スマートフォン
携帯電話の契約は、自動的に解約されることはありません。携帯ショップの窓口で解約手続きを行いましょう。手続きには、故人の死亡が確認できる書類(除籍謄本など)や、手続きに行く方の本人確認書類、印鑑などが必要です。キャリアによって必要書類が異なる場合があるので、事前に電話で確認しておくとスムーズですよ。
インターネットプロバイダー
ご自宅のインターネット回線も忘れずに解約しましょう。プロバイダーの契約は、電話回線とは別契約になっていることが多いです。故人宛の請求書や契約書類を探して、契約先のプロバイダーに連絡します。こちらも解約しないと料金が発生し続けるので、早めに手続きを進めましょう。
会員サービス・サブスクリプションの解約
最近増えている月額制のサービス(サブスクリプション)は、契約していること自体に気づきにくいケースも。故人の銀行口座の引き落とし履歴やクレジットカードの明細を確認するのが有効です。
ネットの有料会員サービス
動画配信サービス(Netflix、Amazonプライムなど)や音楽配信サービス(Spotifyなど)、あるいはオンラインニュースの購読など、月々数百円から数千円のサービスも、積み重なると大きな金額になります。多くはオンラインで解約手続きができますが、IDやパスワードがわからない場合は、各サービスのカスタマーサポートに問い合わせてみましょう。
フィットネスクラブや習い事
故人がフィットネスクラブや地域のカルチャースクールなどに通っていた場合、それらの会費も解約が必要です。月謝が銀行口座から自動引き落としになっていることが多いので、通帳の履歴を確認してみましょう。しばらく利用がないと施設側から連絡が来ることもありますが、こちらから能動的に連絡して解約するのが確実です。
その他、意外と見落とす手続き
ここまでにご紹介した以外にも、見落としがちな手続きがいくつかあります。少し特殊なものもありますが、念のため確認しておきましょう。
互助会の積立金
互助会とは、結婚式やお葬式といった冠婚葬祭に備えて、毎月一定額を積み立てるシステムのことです。もし故人が加入していた場合、解約して払戻しを受けるか、名義変更して引き継ぐかを選択できます。解約すると、積立金の全額ではなく、一般的には10%~20%程度の手数料が引かれて返金されます。契約内容を確認して、どうするかを決めましょう。
航空会社のマイレージ
故人が飛行機をよく利用していてマイルを貯めていた場合、そのマイルも相続の対象になることがあります。航空会社によってルールは異なりますが、多くの会社では法定相続人がマイルを引き継ぐことが可能です。ただし、手続きには期限が設けられていることが多い(例:死亡後6ヶ月以内など)ので、早めに航空会社に問い合わせてみてくださいね。
解約手続きをスムーズに進めるためのポイント
たくさんの解約手続きを効率よく進めるためには、事前の準備がとても大切です。ちょっとした工夫で、負担を大きく減らすことができますよ。
故人の契約情報をリストアップする
まずは、故人の遺品の中から契約書や請求書、通帳、クレジットカードの明細などを探し、どんな契約をしていたのかを一覧にしてみましょう。毎月の引き落としがあるものは特に要注意です。リストにすることで、手続きの進捗状況も管理しやすくなります。
必要な書類をまとめて準備する
解約手続きには、共通して必要になる書類が多くあります。事前にまとめて準備しておくと、手続きのたびに取得する手間が省けて効率的です。
| 書類の種類 | 主な内容 |
| 故人の死亡が確認できる書類 | 除籍謄本、死亡診断書のコピーなど |
| 手続きをする相続人の本人確認書類 | 運転免許証、マイナンバーカードなど |
| 故人と相続人の関係がわかる書類 | 戸籍謄本など |
| 相続人の印鑑・印鑑証明書 | 手続きによっては実印と印鑑証明書が必要な場合も |
※手続き先によって必要書類は異なりますので、必ず事前に問い合わせて確認してください。
まとめ
いかがでしたでしょうか。相続時の解約手続きは、種類が多くて大変に感じるかもしれません。しかし、一つひとつ丁寧に対応していくことで、不要な出費を防ぎ、安心して故人を送り出すことができます。特に、クレジットカードや携帯電話、各種サブスクリプションサービスなど、毎月支払いが発生するものは、優先的に手続きを進めるのがおすすめです。もし手続きでわからないことがあったり、ご自身で進めるのが難しいと感じたりした場合は、専門家に相談するのも一つの方法です。大変な時期ですが、落ち着いて一つずつ進めていきましょう。
参考文献
相続時の解約手続きに関するよくある質問
Q.故人の銀行口座はいつまでに解約手続きが必要ですか?
A.法律上の明確な期限はありませんが、口座が凍結されると公共料金の引き落としなどができなくなるため、死亡を知ったら速やかに金融機関へ連絡し、相続手続きを開始することをおすすめします。
Q.亡くなった親のクレジットカードはどうすればいいですか?
A.カード会社に連絡して契約者が亡くなったことを伝え、解約手続きを行ってください。放置すると年会費が発生し続けたり、不正利用のリスクもあります。
Q.電気・ガス・水道などの公共料金の解約手続きはどう進めますか?
A.各供給会社に電話やウェブサイトで契約者の死亡を伝え、名義変更または解約の手続きを行います。最後の検針日までの料金は後日相続人に請求されます。
Q.故人が利用していたサブスクリプションサービスはどうやって解約しますか?
A.まず故人のメールやクレジットカード明細から契約サービスを特定します。その後、各サービスのウェブサイトの案内に従い、サポートに連絡して解約手続きを進めます。
Q.携帯電話やインターネット回線の解約は必要ですか?
A.はい、必要です。携帯電話会社やプロバイダーに連絡し、契約者の死亡による解約を申し出てください。死亡診断書や戸籍謄本などの提出を求められる場合があります。
Q.解約手続きを忘れるとどんなデメリットがありますか?
A.年会費や月額料金が故人の口座やクレジットカードから引き落とされ続け、相続財産が減少する可能性があります。また、個人情報漏洩や不正利用のリスクも高まります。