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直系尊属とは?直系卑属との違いや相続順位・相続分を徹底解説

2026-04-05
目次

相続の話になると、「直系尊属(ちょっけいそんぞく)」や「直系卑属(ちょっけいひぞく)」といった、普段あまり聞き慣れない言葉が出てきて戸惑う方も多いかもしれません。これらの言葉は、誰が相続人になるのか、どれくらいの財産を受け取れるのかを決める上でとても大切な役割を持っています。この記事では、それぞれの言葉の意味から、相続における順位や相続分、さらには贈与税の特例まで、優しくわかりやすく解説していきますね。

直系尊属・直系卑属・傍系とは?それぞれの意味を解説

まずは、相続の基本となる親族関係の言葉について、一つひとつ見ていきましょう。少し難しく感じるかもしれませんが、関係性をイメージするとスッと理解できますよ。

「直系」と「傍系」の違い

親族の関係は、大きく「直系」と「傍系(ぼうけい)」の2つに分けられます。「直系」とは、ご自身から見て上下にまっすぐつながる血縁関係のことです。具体的には、ご自身の父母、祖父母、そして子や孫といった、親子関係で直接つながる縦のラインを指します。法律上の親子関係を結んだ養親と養子も、直系の関係に含まれます。
一方で「傍系」とは、共通のご先祖様から分かれた、いわば横のつながりの親族のことです。例えば、ご自身の兄弟姉e妹は、父母という共通の祖先から分かれた関係なので傍系になります。同じように、おじ・おばや、いとこ、甥・姪も傍系の親族です。

「尊属」と「卑属」の違い

次に、「尊属」と「卑属」の違いです。これは、ご自身を基準とした世代の上下関係を表す言葉です。「尊属」は、ご自身より前の世代の血族、つまり父母や祖父母のことを指します。「卑属」は、ご自身より後の世代の血族で、子や孫、ひ孫などがこれにあたります。兄弟姉妹は同じ世代なので、尊属にも卑属にもあたりません。

「直系尊属」「直系卑属」「傍系卑属」は誰のこと?

ここまでご説明した「直系・傍系」と「尊属・卑属」を組み合わせると、誰がどの立場にあたるのかがはっきりします。

直系尊属 ご自身から見て、縦のラインでつながる上の世代の親族です。父母、祖父母、曽祖父母などが該当します。養子縁組をした場合の養親も含まれます。
直系卑属 ご自身から見て、縦のラインでつながる下の世代の親族です。子、孫、曽孫などが該当します。養子も含まれます。
傍系卑属 ご自身から見て、横のラインでつながる下の世代の親族です。具体的には、兄弟姉妹の子である甥や姪がこれにあたります。

これらの関係性を正しく理解することが、相続の第一歩になります。

相続における法定相続人の順位と相続分

亡くなった方(被相続人)の財産を誰が相続できるかは、法律(民法)で決められています。これを「法定相続人」と呼びます。誰がどの順番で、どれくらいの割合を相続できるのか、基本的なルールを見ていきましょう。

相続人には優先順位がある

被相続人の配偶者は、常に相続人となります。これを前提として、配偶者以外の親族には、相続できる優先順位が定められています。

第1順位 (直系卑属)
第2順位 直系尊属(父母、祖父母など)
第3順位 兄弟姉妹

この順位がとても重要で、上位の順位の人が一人でもいる場合、下位の順位の人は相続人になることができません。例えば、亡くなった方に子(第1順位)がいれば、父母(第2順位)や兄弟姉妹(第3順位)は相続人にはなれない、ということです。また、子がすでに亡くなっているけれど孫がいる場合は、孫が子に代わって相続人になります(代襲相続といいます)。

各ケースでの法定相続分

相続人になる人の組み合わせによって、法律で定められた相続割合(法定相続分)も変わってきます。これは遺産分割の際の目安となるものです。

相続人の組み合わせ 法定相続分
配偶者(第1順位) 配偶者:1/2、子:1/2(子が複数いる場合は1/2を均等に分ける)
配偶者直系尊属(第2順位) 配偶者:2/3、直系尊属:1/3(父母ともに健在なら1/3を均等に分ける)
配偶者兄弟姉妹(第3順位) 配偶者:3/4、兄弟姉妹:1/4(複数いる場合は1/4を均等に分ける)

配偶者がいない場合は、その順位の相続人がすべての財産を相続します。例えば、相続人が子2人だけなら、それぞれ1/2ずつ相続することになります。

直系尊属が相続人になるケースとは?

それでは、具体的にどのような場合に「直系尊属」である父母や祖父母が相続人になるのでしょうか。これは、相続順位のルールを当てはめて考えると分かりやすいです。

第1順位の相続人がいない場合

直系尊属が相続人になるのは、第1順位の相続人が一人もいないときです。つまり、亡くなった方に子や孫(代襲相続人)がいない、または全員が相続放棄をした場合に、第2順位である直系尊属に相続権が移ります。例えば、お子さんのいないご夫婦の一方が亡くなった場合、配偶者と亡くなった方の親が相続人になります。

親等の近い人が優先される

直系尊属が複数いる場合、例えば亡くなった方の父母と祖父母がどちらもご健在だったとします。この場合、亡くなった方から見てより世代が近い人(親等が近い人)が優先されます。したがって、相続人になるのは父母です。祖父母が相続人になるのは、父母が二人ともすでに亡くなっている場合に限られます。

直系尊属に代襲相続はない

子の相続では、子が亡くなっていても孫がいれば孫が代わって相続する「代襲相続」という制度があります。しかし、直系尊属の相続には代襲相続はありません。例えば、相続人となるべき父がすでに亡くなっていて母だけが健在の場合、相続人は母のみとなります。父の代わりに祖父母が相続することはありませんので、注意が必要です。

法定相続分だけじゃない「遺留分」とは?

「遺産のすべてを長男に相続させる」といった内容の遺言書があった場合、他の相続人は財産を全くもらえないのでしょうか。実は、そうではありません。相続人には、法律によって最低限保障された遺産の取り分があり、これを「遺留分(いりゅうぶん)」といいます。

遺留分が認められる相続人の範囲

遺留分を請求できる権利(遺留分侵害額請求権)を持つ相続人は、配偶者、子(直系卑属)、そして直系尊属です。ここで非常に重要なポイントは、兄弟姉妹には遺留分が認められていないという点です。遺言によって兄弟姉妹の相続分がゼロにされていても、遺留分を主張することはできません。

直系尊属の遺留分の割合

直系尊属が相続人になる場合の遺留分は、以下の通り定められています。

相続人の組み合わせ 遺留分の割合(遺産全体に対して)
直系尊属のみ 1/3
配偶者直系尊属 配偶者:1/3、直系尊属:1/6

もし遺言などによって、この割合に満たない財産しか受け取れなかった場合、財産を多く受け取った人に対して、不足分を金銭で支払うよう請求することができます。

直系尊属からの贈与で使える税金の特例

ここまでは相続の話が中心でしたが、生前の対策として「贈与」も重要です。特に、父母や祖父母といった直系尊属から財産をもらう場合には、税金の負担が軽くなる特例制度が用意されています。

贈与税の特例税率

贈与を受けた年の1月1日時点で18歳以上の方が、直系尊属(父母や祖父母)から贈与を受ける場合、通常の贈与税率(一般税率)よりも税率が低く設定された「特例税率」が適用されます。これにより、兄弟間や夫婦間の贈与に比べて税金の負担を抑えることができます。

住宅取得等資金の贈与の非課税制度

父母や祖父母から、マイホームの新築や購入、リフォームのための資金(住宅取得等資金)の援助を受けた場合、一定の要件を満たせば最大で1,000万円まで贈与税が非課税になる制度です。省エネ性能などが高い「省エネ等住宅」の場合は1,000万円、それ以外の住宅の場合は500万円が非課税限度額となります。この制度を利用するには、贈与を受けた翌年に確定申告が必要です。

教育資金・結婚子育て資金の一括贈与の非課税制度

ほかにも、直系尊属からまとまった資金の贈与を受ける際に使える非課税制度があります。

  • 教育資金の一括贈与:30歳未満の子や孫へ、教育資金として最大1,500万円まで非課税で贈与できる制度です。
  • 結婚・子育て資金の一括贈与:18歳以上50歳未満の子や孫へ、結婚や子育てのための資金として最大1,000万円(うち結婚資金は300万円まで)まで非課税で贈与できる制度です。

これらの制度は、専用の金融機関口座を開設するなど一定の手続きが必要ですが、将来の相続財産を前渡しする形で、有効に活用できる場合があります。

まとめ

今回は、「直系尊属」を中心に、相続に関わる親族の呼び方や、相続の基本的なルールについて解説しました。誰が相続人になるかは、第1順位の直系卑属(子など)、第2順位の直系尊属(親など)、第3順位の兄弟姉妹という優先順位で決まります。直系尊属が相続人になるのは、子がいないなど限られたケースですが、その際の相続分や遺留分について正しく理解しておくことが大切です。また、生前対策として、直系尊属からの贈与に使える税金の特例も知っておくと役立ちます。相続はケースバイケースで複雑なことも多いため、もしご自身の状況で不安な点があれば、専門家に相談することをおすすめします。

参考文献

直系尊属・卑属に関するよくある質問まとめ

Q.直系尊属(ちょっけいそんぞく)とは誰のことですか?

A.父母や祖父母、曽祖父母など、自分より前の世代の直系の親族のことです。養父母も含まれますが、配偶者の父母や祖父母は含まれません。

Q.直系尊属と直系卑属の違いは何ですか?

A.直系尊属が父母や祖父母など自分より「上」の世代の直系親族であるのに対し、直系卑属(ちょっけいひぞく)は子や孫など自分より「下」の世代の直系親族を指します。

Q.傍系(ぼうけい)とは誰を指しますか?

A.傍系とは、共通の祖先から分かれた血族のことで、具体的には兄弟姉妹やその子である甥・姪、おじ・おばなどを指します。

Q.親(直系尊属)が相続人になるのはどのような場合ですか?

A.亡くなった方(被相続人)に子や孫などの直系卑属がいない場合に、第2順位の相続人として相続権を持ちます。

Q.亡くなった人に子も親もいない場合、祖父母が相続人になりますか?

A.はい、なります。亡くなった方に子や孫(第1順位)がおらず、父母もすでに亡くなっている場合は、祖父母が第2順位の相続人になります。

Q.直系尊属の法定相続分はどれくらいですか?

A.配偶者がいる場合は、配偶者が3分の2、直系尊属が3分の1を相続します。配偶者がいない場合は、直系尊属がすべて相続します。直系尊属が複数いる場合は、その人数で均等に分けます。

事務所概要
社名
税理士法人プライムパートナーズ
住所
〒107-0052
東京都港区赤坂5丁目2−33
IsaI AkasakA 17階
対応責任者
税理士 島本 雅史

本記事は正確な情報提供を心掛けておりますが、執筆時点の情報に基づいているため、法改正や人的ミス、個別のケースにより適用が異なる可能性があります。最新の情報や具体的なご相談については、お気軽に弊法人の税理士までお問い合わせください。

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