税理士法人プライムパートナーズ

相続手続きに必須!被相続人の住民票の除票とは?取得方法も解説

2026-04-28
目次

ご家族が亡くなられた後の相続手続きでは、普段あまり聞き慣れない書類がたくさん出てきますよね。その一つが「被相続人の住民票の除票」です。一体どんな書類で、何のために必要なのか、どこで手に入れられるのか、わからないことも多いと思います。この記事では、被相続人の住民票の除票について、その役割から取得方法、注意点まで、わかりやすく丁寧にご説明しますね。

被相続人の住民票の除票とは?

人がお亡くなりになると、ご遺族などが市区町村役場に死亡届を提出します。その届出をもって、亡くなった方(被相続人)の住民票は住民基本台帳から消除されます。この消除された住民票のことを「住民票の除票(じょひょう)」と呼びます。つまり、住民票の除票は、亡くなった方が「その住所に確かに住んでいました」ということと、「死亡によって住民登録がなくなりました」ということを公的に証明してくれる大切な書類なんです。

住民票の除票でわかること

住民票の除票には、亡くなった方の最後の情報が記載されています。具体的には、以下のような情報がわかります。

  • 氏名
  • 生年月日
  • 亡くなった時点での住所
  • その住所に住み始めた日
  • 死亡年月日
  • (請求すれば)本籍地、筆頭者、世帯主との続柄など

特に相続手続きでは、亡くなった方の「最後の住所」と「死亡の事実」を証明することが非常に重要になるんですよ。

住民票との違いは?

「住民票」と「住民票の除票」の最も大きな違いは、「今、そこに住民登録があるかどうか」という点です。簡単にまとめると、以下のようになります。

住民票 「現在、その住所に住んでいること」を証明する書類です。
住民票の除票 「過去にその住所に住んでいたけれど、死亡や転出によって今は住民登録がないこと」を証明する書類です。

相続手続きで必要になるのは、亡くなった方の情報が記載されている「住民票の除票」の方ですね。

戸籍の附票との違いは?

住民票の除票と似た書類に「戸籍の附票(こせきのふひょう)」があります。戸籍の附票は、本籍地の市区町村で管理されている書類で、その戸籍が作られてから現在(または消除される)までの住所の移り変わりがすべて記録されています。一方、住民票の除票は、あくまで「最後の住所地」での情報を証明するものです。不動産の登記簿に記載されている住所が古く、亡くなった時の住所と違う場合など、住所の変遷を証明するために戸籍の附票が必要になることがあります。

なぜ相続手続きに住民票の除票が必要なの?

相続手続きでは、さまざまな場面で「亡くなった方の最後の住所地」を公的に証明する必要があります。戸籍謄本には本籍地は記載されていますが、住所は記載されていません。そのため、亡くなった方の最後の住所を証明する書類として、住民票の除票が不可欠となるのです。具体的にどのような場面で必要になるか見ていきましょう。

不動産の名義変更(相続登記)

亡くなった方名義の土地や家を相続する場合、法務局で相続人へ名義を変更する「相続登記」という手続きが必要です。この申請の際に、登記簿に記載されている所有者と亡くなった方が同一人物であることを証明するため、被相続人の住民票の除票(または戸籍の附票)の提出が求められます。

預貯金の解約・名義変更

銀行や信用金庫などの金融機関で、亡くなった方の預貯金を解約したり、相続人の口座へ移したりする手続きでも、住民票の除票の提出を求められるのが一般的です。金融機関が口座名義人の死亡の事実を確認し、手続きに来た人が正当な相続人であることを確認するために使われます。

有価証券(株式など)の名義変更

証券会社で株式などの有価証券を相続する手続きも同様です。被相続人の死亡を証明し、相続手続きを進めるために住民票の除票が必要となります。

自動車の名義変更

亡くなった方が所有していた自動車を相続人が引き継ぐ場合、運輸支局で名義変更(移転登録)を行います。この手続きにおいても、被相続人の最後の住所を証明する書類として住民票の除票が必要になることがあります。

相続放棄の手続き

借金などマイナスの財産が多い場合に、相続の権利をすべて手放す「相続放棄」という手続きがあります。この申立てを家庭裁判所に行う際に、提出書類の一つとして被相続人の住民票の除票が含まれています。

住民票の除票の取得方法

それでは、実際に住民票の除票を取得する方法についてご説明します。ポイントを押さえれば、決して難しい手続きではありませんよ。

どこで取得できる?

住民票の除票は、被相続人が最後に住民登録をしていた市区町村の役所(市役所、区役所、町村役場)の窓口で取得できます。例えば、最後に住んでいたのが神奈川県横浜市であれば、横浜市の区役所で手続きをします。

誰が請求できる?

請求できる人は法律で定められています。基本的には、亡くなった方の相続人などの利害関係人です。相続手続きのために取得する旨を窓口で伝えましょう。もし、相続人以外の方(例えば司法書士など)が代理で請求する場合は、相続人からの委任状が必要になります。

取得に必要なものは?

役所の窓口で請求する場合、主に以下のものが必要です。自治体によって若干異なる場合があるので、事前にウェブサイトなどで確認しておくとスムーズです。

必要なもの 説明
交付申請書 役所の窓口に備え付けられています。ウェブサイトからダウンロードできる場合もあります。
窓口に行く人の本人確認書類 運転免許証、マイナンバーカード、パスポートなど顔写真付きの公的な証明書です。
被相続人との関係がわかる書類 請求者が相続人であることを証明するための戸籍謄本などです。(同一市区町村の戸籍で確認できる場合は不要なこともあります)
手数料 1通300円程度が一般的です。自治体にご確認ください。
委任状(代理人の場合) 相続人本人が作成し、署名・押印した委任状が必要です。

郵送で請求する方法

亡くなった方の最後の住所地が遠方で、直接役所に行けない場合は、郵送で請求することもできます。その際は、各市区町村のウェブサイトから申請書をダウンロードして記入し、「本人確認書類のコピー」「手数料分の定額小為替」「返信用封筒(切手貼付)」などを同封して郵送します。手元に届くまで1週間から10日ほどかかることもあるので、期限がある手続きの場合は余裕をもって請求しましょう。

住民票の除票を取得するときの注意点

住民票の除票を取得する際には、いくつか知っておきたい注意点があります。二度手間にならないよう、事前にチェックしておきましょう。

本籍地・続柄の記載を忘れずに

相続手続き、特に不動産の相続登記では、「本籍地」が記載された住民票の除票の提出を求められることがほとんどです。申請書には「本籍地・筆頭者」や「世帯主との続柄」といった記載事項を選択するチェック欄がありますので、必ず「記載が必要」にチェックを入れるようにしましょう。どの記載事項が必要かは提出先によって異なるため、事前に確認しておくと安心です。

マイナンバー(個人番号)の記載について

亡くなった方の住民票の除票には、原則としてマイナンバー(個人番号)は記載されません。相続手続きでマイナンバーが必要になることは基本的にありませんが、万が一、提出先から求められた場合は、なぜ必要なのか、その利用目的を明確にした上で請求する必要があります。

保存期間に注意!

住民票の除票には役所での保存期間が定められています。以前は5年間でしたが、法律の改正により、2019年6月20日以降に除票となったものについては、保存期間が150年間に延長されました。しかし、法改正以前に亡くなられて5年の保存期間が過ぎている場合、役所で発行してもらえないことがあります。長年放置していた相続手続きなどの場合は注意が必要です。

住民票の除票が取得できない場合の対処法

保存期間が過ぎてしまったなどの理由で、住民票の除票が取得できない場合はどうすれば良いのでしょうか。いくつかの対処法をご紹介します。

戸籍の附票の除票を取得する

まず試したいのが「戸籍の附票の除票」の取得です。前述のとおり、戸籍の附票には住所の履歴が記録されているため、亡くなった方の最後の住所を証明する書類として、住民票の除票の代わりになる場合があります。こちらも本籍地の役所で取得できますが、同様に保存期間があるため注意してください。

不在住証明書・廃棄済証明書を利用する

役所によっては、住民票の除票が廃棄済みであることを証明する「廃棄済証明書」や、その住所に住民登録がないことを証明する「不在住証明書」といった書類を発行してくれることがあります。これらの書類が代替書類として使えるかどうかは、法務局や金融機関など提出先の判断によりますので、事前に確認が必要です。

上申書を作成する

どうしても公的な書類で住所のつながりを証明できない場合、相続登記の手続きでは、相続人全員が「登記簿上の所有者と亡くなった父〇〇は同一人物に相違ありません」といった内容の「上申書」を作成し、実印を押して印鑑証明書を添付することで、手続きが認められることがあります。ただし、これは最終的な手段であり、作成には専門的な知識も必要になるため、司法書士などの専門家に相談することをおすすめします。

まとめ

今回は、被相続人の住民票の除票について詳しく解説しました。住民票の除票は、亡くなった方の最後の住所を証明するとても重要な書類で、不動産の名義変更や預貯金の解約など、さまざまな相続手続きで必要になります。取得する際は、亡くなった方の最後の住所地を管轄する市区町村役場で、相続人であることを証明する書類などを持参して手続きを行います。本籍地の記載を忘れないようにするなど、いくつかのポイントを押さえて、スムーズに手続きを進めてくださいね。もし手続きでわからないことや困ったことがあれば、一人で悩まずに司法書士などの専門家に相談するのも安心ですよ。

参考文献

法務局:不動産を相続した方へ ~相続登記・遺産分割を進めましょう~

国税庁:相続税の申告の際に提出していただく主な書類

被相続人の住民票の除票に関するよくある質問まとめ

Q.被相続人の住民票の除票とは何ですか?

A.亡くなった方(被相続人)が死亡や転出によって住民基本台帳から除かれたことを証明する書類です。最後の住所地を証明するために使われます。

Q.なぜ相続手続きに住民票の除票が必要なのですか?

A.不動産の名義変更(相続登記)や預貯金の解約手続きなどで、被相続人の最後の住所地を証明する公的な書類として提出を求められるためです。

Q.住民票の除票はどこで取得できますか?

A.被相続人が亡くなった当時に住民登録をしていた市区町村の役所の窓口で取得できます。

Q.住民票の除票は誰が取得できますか?

A.原則として、相続人などの利害関係者が請求できます。請求する際には、被相続人との関係を証明する戸籍謄本などが必要になる場合があります。

Q.住民票の除票を取得する際に必要なものは何ですか?

A.主に、請求者の本人確認書類(運転免許証など)、被相続人との関係がわかる書類(戸籍謄本など)、手数料が必要です。自治体によって異なる場合があるため、事前に確認することをおすすめします。

Q.住民票の除票はいつまで取得できますか?

A.法律上の保存期間は原則として150年です。そのため、長期間経過していても取得できる可能性が高いです。

事務所概要
社名
税理士法人プライムパートナーズ
住所
〒107-0052
東京都港区赤坂5丁目2−33
IsaI AkasakA 17階
対応責任者
税理士 島本 雅史

本記事は正確な情報提供を心掛けておりますが、執筆時点の情報に基づいているため、法改正や人的ミス、個別のケースにより適用が異なる可能性があります。最新の情報や具体的なご相談については、お気軽に弊法人の税理士までお問い合わせください。

\ 相続の不安、専門家にまずは無料相談 /
士業の先生向け専門家AI
士業AI【税務】
\ 相続の不安、専門家にまずは無料相談 /