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代襲相続人の遺留分|孫はあり・甥姪はなしの理由を徹底解説!

2026-05-18
目次

祖父母の財産を相続することになったけど、遺留分って自分にもあるの?と疑問に思っていませんか。実は、代襲相続人になる立場によって、遺留分が認められるかどうかが変わってくるんです。特に「孫」と「甥・姪」では大きな違いがあります。この記事では、代襲相続人の遺留分について、誰に権利があって誰にないのか、具体的な割合や注意点などをわかりやすく解説していきますね。

そもそも「代襲相続」と「遺留分」って何?

相続の話でよく出てくる「代襲相続」と「遺留分」という言葉。少し難しく感じるかもしれませんが、基本的な意味を知っておくと、ご自身の状況を理解しやすくなりますよ。まずは、この2つの言葉の意味から見ていきましょう。

代襲相続とは?

代襲相続とは、本来相続人になるはずだった人(例えば、お父さん)が、亡くなった方(おじいちゃん)よりも先に亡くなっている場合に、その子ども(あなた、つまり孫)が代わり(代わって襲名するイメージ)に相続人になる制度のことです。これは、相続人の子どもにも「いずれは財産を受け継げるだろう」という期待を保護するための仕組みなんです。代襲相続が起こる主なケースは、相続人が亡くなった場合のほか、「相続欠格」や「相続廃除」によって相続権を失った場合です。ただし、相続人が「相続放棄」をした場合は、初めから相続人ではなかったことになるため、その子どもが代襲相続することはありません。

遺留分とは?

遺留分とは、亡くなった方の財産について、法律で定められた一定の相続人が最低限受け取れる保証分のことです。「全財産を長男に相続させる」といった内容の遺言書があったとしても、他の相続人(例えば、配偶者や次男)の生活が困らないように、最低限の取り分が確保されています。この権利は、亡くなった方の兄弟姉妹以外の相続人に認められています。具体的には、配偶者、子ども(や孫などの直系卑属)、親(や祖父母などの直系尊属)が遺留分の権利者となります。

代襲相続と遺留分の関係

代襲相続人は、亡くなった本来の相続人の「相続権」を引き継ぎます。これには、財産を相続する権利だけでなく、遺留分の権利も含まれます。つまり、本来の相続人に遺留分が認められていれば、代襲相続人にも同じように遺留分が認められる、という関係になっています。逆に、本来の相続人に遺留分がなければ、代襲相続人にも遺留分はありません。この点が、孫と甥・姪で違いが生まれるポイントなんです。

代襲相続人の遺留分|孫と甥・姪でなぜ違いがあるの?

代襲相続人になる立場として代表的なのが、被相続人から見て「孫」と「甥・姪」です。どちらも代襲相続人になる可能性はありますが、遺留分の権利については、はっきりと違いがあります。なぜこのような違いが生まれるのでしょうか。

孫やひ孫には遺留分が認められる

おじいちゃん(被相続人)の子どもであるお父さん(被代襲者)が先に亡くなっている場合、その子どもである孫は代襲相続人となります。このとき、お父さんには本来、おじいちゃんの財産に対する遺留分が認められています。代襲相続は、このお父さんの権利をそのまま引き継ぐ制度なので、孫にも遺留分が認められます。 これは、ひ孫が再代襲相続人になった場合も同様です。被相続人の直系卑属(子どもや孫)は生活の基盤を被相続人に依存していることも多く、相続への期待も高いため、遺留分によって保護されているんですね。

甥・姪には遺留分が認められない

一方、亡くなった方(被相続人)の兄弟姉妹が先に亡くなっている場合、その子どもである甥や姪が代襲相続人となります。ここで重要なのは、そもそも亡くなった方の兄弟姉妹には遺留分が認められていないという点です。遺留分は、生活保障の意味合いが強い権利ですが、兄弟姉妹は独立して生計を立てていることが多く、保護の必要性が低いと考えられているためです。遺留分のない兄弟姉妹の権利を引き継ぐわけですから、その子どもである甥・姪にも遺留分は認められないのです。相続権はあっても、遺留分という最低保障はない、ということを覚えておきましょう。

【一覧表】代襲相続人の遺留分割合はどのくらい?

では、孫として代襲相続する場合、具体的にどれくらいの遺留分が認められるのでしょうか。遺留分の割合は、誰が相続人になるかによって変わってきます。ここでは、具体的なケースごとに遺留分の割合を分かりやすく表にまとめました。

代襲相続人の遺留分割合

遺留分全体の割合は、相続人が誰かによって決まります。

相続人の組み合わせ 全体の遺留分割合
配偶者と子(孫が代襲相続) 遺産全体の1/2
子のみ(孫が代襲相続) 遺産全体の1/2
配偶者と直系尊属(親など) 遺産全体の1/2
直系尊属(親など)のみ 遺産全体の1/3

この全体の遺留分を、法定相続分に応じて各相続人で分け合います。例えば、「配偶者」と「亡くなった子(代襲相続人として孫が一人)」が相続人の場合を考えてみましょう。
・全体の遺留分:1/2
・配偶者の遺留分:1/2 × 1/2(法定相続分)= 1/4
・孫(代襲相続人)の遺留分:1/2 × 1/2(子の法定相続分)= 1/4
となります。もし、代襲相続人である孫が2人いる場合は、この1/4をさらに2人で分けるので、孫一人あたりの遺留分は1/8になります。

代襲相続人の遺留分の有無まとめ

代襲相続人 遺留分の有無
孫・ひ孫(子の代襲相続) あり
甥・姪(兄弟姉妹の代襲相続) なし

遺留分が侵害されていたらどうする?

もし遺言書の内容によって自分の遺留分が侵害されていることが分かったら、どうすればよいのでしょうか。遺留分は自動的にもらえるものではなく、ご自身で行動を起こす必要があります。

遺留分侵害額請求を行う

遺留分を侵害された場合、財産を多く受け取った人に対して「遺留分侵害額請求」という手続きを行います。これは、侵害された遺留分に相当する金額を金銭で支払ってもらうよう請求することです。まずは、遺言書や贈与の記録などを確認し、相続財産全体を把握することから始めましょう。その上で、ご自身の遺留分額を計算し、不足分を請求します。

請求には時効がある!

とても重要なことですが、遺留分侵害額請求には時効があります。相続の開始と遺留分が侵害されていることを知った時から1年以内に請求しなければ、権利が消滅してしまいます。また、これらの事実を知らなかったとしても、相続開始から10年が経過すると請求できなくなります。期限が短いため、遺留分の侵害に気づいたら、早めに行動することが大切です。

まずは話し合い、難しければ調停へ

請求は、まず内容証明郵便などで相手方に意思表示をすることから始めます。相手方が話し合いに応じてくれれば良いのですが、応じない場合や金額で折り合いがつかない場合は、家庭裁判所に「遺留分侵害額の請求調停」を申し立てることになります。調停でも話がまとまらなければ、最終的には訴訟(裁判)で解決を目指すことになります。

注意!孫でも遺留分が認められないケース

原則として孫には遺留分が認められますが、例外的に認められないケースもあります。ご自身の状況が当てはまらないか、確認しておきましょう。

親が「遺留分を放棄」していた場合

代襲相続の原因となった親(被代襲者)が、亡くなる前に家庭裁判所の許可を得て「遺留分の放棄」をしていた場合、その権利は消滅しています。ない権利は引き継げませんので、代襲相続人である孫にも遺留分は認められません。 親が生前に遺留分を放棄したかどうかは、家庭裁判所で確認することができます。

親が「相続放棄」していた場合

これは代襲相続そのものが発生しないケースですが、親が「相続放棄」をしていた場合、その子ども(孫)は代襲相続人になることができません。相続放棄をすると、その人は初めから相続人ではなかったことになるからです。したがって、相続権も遺留分もありません。

まとめ

今回は、代襲相続人の遺留分について、特に「孫」と「甥・姪」の違いに焦点を当てて解説しました。ポイントをまとめますね。

  • 孫やひ孫(子の代襲相続人)には、遺留分が認められる。
  • 甥や姪(兄弟姉妹の代襲相続人)には、遺留分は認められない。
  • 孫の遺留分割合は、亡くなった親が受け取るはずだった割合と同じ。
  • 遺留分が侵害された場合は、「遺留分侵害額請求」をする必要があり、1年という短い時効に注意が必要。
  • 親が「遺留分放棄」をしていると、孫は遺留分を主張できない。

代襲相続や遺留分の問題は、法律的な知識が必要で、ご家族間の感情的な対立にも発展しやすいデリケートな問題です。もしご自身の権利について不安な点や、他の相続人との話し合いに難しさを感じる場合は、一人で抱え込まずに専門家へ相談することをおすすめします。

参考文献

国税庁 No.4157 相続税額の2割加算

代襲相続と遺留分(孫と甥姪の違い)に関するよくある質問

Q.代襲相続人である孫に遺留分はありますか?

A.はい、あります。孫は、亡くなった親(被相続人の子)が本来受け取るはずだった遺留分をそのまま引き継ぎます。そのため、遺言によって財産がもらえなかった場合でも、最低限の取り分として遺留分を請求する権利があります。

Q.代襲相続人である甥や姪に遺留分はありますか?

A.いいえ、ありません。遺留分が認められているのは配偶者、子(やその代襲相続人である孫)、直系尊属(親など)までです。亡くなった方の兄弟姉妹や、その代襲相続人である甥・姪には遺留分を請求する権利はありません。

Q.なぜ孫には遺留分があって、甥・姪にはないのですか?

A.遺留分は、被相続人に近い関係の相続人の生活保障などを目的としています。法律上、兄弟姉妹は子や親に比べて相続における優先順位が低いため、遺留分も認められていません。その結果、兄弟姉妹を代襲相続する甥・姪にも遺留分がないということになります。

Q.孫が代襲相続する場合の遺留分の割合はどれくらいですか?

A.亡くなった親(被相続人の子)が本来もらえるはずだった遺留分の割合をそのまま引き継ぎます。例えば、相続人が子2人のみで、そのうち1人が亡くなり孫が2人いる場合、亡くなった子の遺留分(全体の1/4)を孫2人で分けるため、孫1人あたりの遺留分は全体の1/8となります。

Q.「遺留分」と「法定相続分」の違いは何ですか?

A.「法定相続分」は法律で定められた相続財産の取り分の目安ですが、「遺留分」は遺言などによって財産がもらえなかった場合に、最低限保障される相続分のことです。遺留分は法定相続分よりも少ない割合になります。

Q.甥や姪に財産を確実に残したい場合、どうすればよいですか?

A.甥や姪には遺留分がありませんが、遺言書を作成して財産を「遺贈」することで、特定の財産を残すことができます。ただし、他の相続人(配偶者や子など)の遺留分を侵害しない範囲で遺贈することが望ましいです。

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対応責任者
税理士 島本 雅史

本記事は正確な情報提供を心掛けておりますが、執筆時点の情報に基づいているため、法改正や人的ミス、個別のケースにより適用が異なる可能性があります。最新の情報や具体的なご相談については、お気軽に弊法人の税理士までお問い合わせください。

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