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源泉所得税の納期の特例とは?申請書の書き方と手続きをわかりやすく解説

2026-01-12
目次

従業員さんにお給料を支払うとき、所得税を天引き(源泉徴収)して、国に納める必要がありますよね。この納付、原則は毎月行わなければならず、結構な手間になります。でも、ある条件を満たせば、この手間を年2回に減らせる「納期の特例」という制度があるんです。この記事では、源泉所得税の納期の特例について、制度の概要から申請書の書き方、注意点まで、わかりやすく解説していきますね。

源泉所得税の納期の特例ってどんな制度?

まずは、「源泉所得税の納期の特例」がどのような制度なのか、基本から見ていきましょう。この特例を上手に活用すれば、経理の負担をぐっと軽くできますよ。

源泉所得税の基本

会社や個人事業主が従業員にお給料を支払う際には、所得税をあらかじめ天引きします。これを「源泉徴収」といい、天引きした所得税を「源泉所得税」と呼びます。源泉徴収した税金は、原則として、お給料を支払った月の翌月10日までに税務署へ納付する義務があります。毎月の給与計算に加えて、この納付手続きも毎月となると、なかなか大変ですよね。

「納期の特例」で事務負担を軽減!

そこで登場するのが「源泉所得税の納期の特例」です。この特例の承認を受けると、毎月行っていた源泉所得税の納付を、年に2回にまとめることができます。具体的には、以下のスケジュールになります。

源泉徴収の対象期間 納付期限
1月~6月分 7月10日
7月~12月分 翌年1月20日

年12回の納付手続きが年2回になるので、事務作業の手間や時間を大幅に削減できるのが大きなメリットです。納付を忘れてしまうリスクも減らせますね。

特例の対象となる所得は?

ただし、どんな所得でもこの特例の対象になるわけではありません。特例の対象となるのは、以下のものに限られています。

  • 給与や賞与
  • 退職金
  • 税理士、弁護士、司法書士など、特定の資格を持つ人へ支払う報酬

例えば、外部のデザイナーさんに支払うデザイン料や、ライターさんに支払う原稿料などから源泉徴収した所得税は、この特例の対象外です。これらの所得については、原則通り、支払った月の翌月10日までに納付する必要があるので注意してくださいね。

納期の特例を受けるための要件

とても便利な納期の特例ですが、誰でも利用できるわけではありません。特例を受けるためには、一つの重要な要件を満たす必要があります。ご自身の状況が当てはまるか、ここでしっかり確認しておきましょう。

従業員の人数がポイント

納期の特例を受けるための要件は、非常にシンプルです。それは、「給与の支給人員が常時10人未満であること」です。「常時10人未満」とは、平常時の従業員数が9人以下であることを指します。繁忙期などで一時的にアルバイトを雇い、従業員数が10人以上になったとしても、通常の状態が9人以下であれば問題ありません。正社員だけでなく、パートやアルバイトも人数に含まれますので、カウントする際は注意しましょう。

申請手続きの方法と流れ

要件を満たしていることが確認できたら、さっそく申請手続きに進みましょう。ここでは、申請書の入手方法から提出まで、具体的な流れをステップごとに解説します。

申請書の入手方法

特例の承認を受けるには、「源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書」という書類を税務署に提出します。この申請書は、お近くの税務署の窓口で受け取るか、国税庁のウェブサイトからダウンロードして印刷することができます。e-Tax(電子申告)を利用してオンラインで提出することも可能ですよ。

申請書の提出先と提出時期

申請書の提出先は、給与を支払う事務所の所在地を管轄する税務署です。提出時期に決まった期限はありませんが、特例の適用を受けたい月の前月末までに提出するのがおすすめです。なぜなら、特例の適用は原則として「申請書を提出した月の翌月に支払う給与」からとなるからです。例えば、4月に申請書を提出した場合、5月に支払う給与からが対象となり、4月分までは通常通り5月10日までに納付が必要です。

税務署からの承認通知は?

申請書を提出した後、税務署から特に却下の通知がなければ、提出した月の翌月末日に承認されたとみなされます。つまり、承認通知のような書類が送られてくるわけではないのです。申請書の控えをしっかり保管しておきましょう。

申請書の書き方を徹底解説!

それでは、実際に「源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書」の書き方を見ていきましょう。項目ごとに記入例を交えながら解説するので、これを見れば迷うことなく作成できますよ。

申請者情報の記入欄

まず、申請書の上部にある申請者情報を記入します。

  • 税務署長殿: 提出先の税務署名を記入します。
  • 提出日: 申請書を提出する日付を記入します。
  • 住所又は本店の所在地: 納税地の住所を記入します。
  • 氏名又は名称: 個人事業主の場合は氏名と屋号(あれば)、法人の場合は法人名と代表者氏名を記入します。押印も忘れずに。
  • 法人番号: 法人の場合は13桁の法人番号を記入します。個人事業主は空欄でOKです。

給与の支払い状況を記入

次に、給与の支払い状況に関する項目です。

  • 給与支払事務所等の所在地: 上記の納税地と異なる場合のみ記入します。同じであれば空欄で大丈夫です。
  • 申請の日前6か月間の各月末の給与の支払を受ける者の人員及び各月の支給金額: 申請書を提出する前の6ヶ月間の給与支払い実績を記入します。まだ開業したばかりで支払い実績がない場合は空欄で問題ありません。各月の支給人員と支給総額を記入しましょう。
  • 国税の滞納等の有無: 滞納がなければ空欄のままで大丈夫です。もし滞納がある場合は、その旨を記載する必要があります。

開業届と一緒に提出する場合

これから事業を始める方で、開業届(個人事業の開業・廃業等届出書)と同時にこの申請書を提出する場合は、開業届の「源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書の提出の有無」という欄の「有」にチェックを入れるのを忘れないようにしましょう。

納期の特例を利用する際の注意点

事務負担が軽くなる便利な制度ですが、いくつか注意しておきたい点もあります。メリットだけでなく、デメリットもしっかり理解した上で活用しましょう。

資金繰りに注意

最大の注意点は、資金繰りです。納付が半年に一度になるため、1回あたりの納税額が大きくなります。源泉所得税は、あくまで従業員から預かっているお金です。うっかり事業資金として使ってしまい、納付のタイミングで資金が足りなくならないように、納税用のお金はきちんと分けて管理しておくことを強くおすすめします。

従業員が10人以上になったら

事業が成長して、従業員数が常時10人以上になった場合は、納期の特例の要件から外れてしまいます。その際は、速やかに「源泉所得税の納期の特例の要件に該当しなくなったことの届出書」を税務署に提出し、原則通り毎月の納付に戻す必要があります。この届出を忘れると、納付遅れによるペナルティが発生する可能性があるので、従業員の人数は常に把握しておきましょう。

まとめ

今回は、源泉所得税の納期の特例について解説しました。給与を支払う従業員が常時10人未満の事業者の方にとって、毎月の納付手続きを年2回に減らせる、とてもメリットの大きい制度です。「源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書」を一枚提出するだけで、経理の負担を大幅に軽減できます。注意点である資金管理をしっかり行いながら、この制度を上手に活用して、事業に集中できる環境を整えていきましょう。

参考文献

国税庁 No.2505 源泉所得税及び復興特別所得税の納付期限と納期の特例

国税庁[手続名]源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請

国税庁 No.2090 新たに事業を始めたときの届出など

源泉所得税の納期の特例に関するよくある質問

Q.源泉所得税の納期の特例とは、どのような制度ですか?

A.給与の支給人員が常時10人未満の事業者が、源泉徴収した所得税の納付を、毎月から年2回(7月10日と翌年1月20日)にまとめられる制度です。事務負担の軽減につながります。

Q.納期の特例を受けるための条件は何ですか?

A.給与を支払う従業員の数が、常時10人未満であることが唯一の条件です。正社員のほか、パートやアルバイトも人数に含まれます。

Q.申請書はいつまでに提出すればよいですか?

A.提出期限は特に定められていません。ただし、特例の適用は申請書を提出した月の翌月に支払う給与からとなるため、適用を受けたい月の前月末までに提出することをおすすめします。

Q.どんな所得でも特例の対象になりますか?

A.いいえ、対象は限定されています。給与、賞与、退職金、そして税理士や弁護士など特定の資格者への報酬が対象です。個人の外注先へ支払う原稿料などは対象外となります。

Q.従業員が10人以上になった場合はどうすればよいですか?

A.速やかに「源泉所得税の納期の特例の要件に該当しなくなったことの届出書」を税務署に提出し、毎月納付に戻す必要があります。

Q.申請後、税務署から承認の通知は届きますか?

A.いいえ、承認の通知書は原則として送付されません。申請書を提出した月の翌月末日までに税務署から却下の連絡がなければ、承認されたものとみなされます。

事務所概要
社名
税理士法人プライムパートナーズ
住所
〒107-0052
東京都港区赤坂5丁目2−33
IsaI AkasakA 17階
電話番号
対応責任者
税理士 島本 雅史

本記事は正確な情報提供を心掛けておりますが、執筆時点の情報に基づいているため、法改正や人的ミス、個別のケースにより適用が異なる可能性があります。最新の情報や具体的なご相談については、お気軽に弊法人の税理士までお問い合わせください。

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