税理士法人プライムパートナーズ

青色申告の特別控除を徹底解説!65万円控除の要件と種類

2025-05-01
目次

個人事業主の方が青色申告を選ぶ大きなメリットの一つが「青色申告特別控除」です。この制度を上手に活用すると、納める税金を大きく減らすことができます。でも、「控除額がいくつかあって、どの要件を満たせばいいのか分からない…」と感じる方も多いのではないでしょうか。実は、控除額は65万円・55万円・10万円の3種類あり、それぞれ満たすべき要件が異なります。この記事では、青色申告特別控除の種類と、それぞれの要件について、わかりやすく丁寧にご説明しますね。

青色申告特別控除とは?3つの控除額

青色申告特別控除とは、青色申告で確定申告を行う方が、所得金額から一定の金額を差し引くことができる、とてもお得な制度です。所得が低くなれば、それに応じて所得税や住民税、国民健康保険料も安くなるため、大きな節税効果が期待できます。この特別控除には、満たす要件によって65万円、55万円、10万円という3つの異なる控除額が設定されています。どの控除額が適用されるかを知り、ご自身の事業に合った方法を選ぶことが大切です。

最大65万円!青色申告特別控除を受けるための要件

どうせなら、一番大きな控除を受けたいですよね。ここでは、最も控除額が大きい65万円の青色申告特別控除を受けるためのステップを解説します。実は、65万円控除は、まず「55万円控除」の要件をすべてクリアした上で、さらに特定の条件を満たすことで適用される仕組みになっています。まずは基本となる55万円控除の要件から見ていきましょう。

55万円控除の基本要件

55万円の青色申告特別控除を受けるためには、以下の要件をすべて満たす必要があります。一つでも欠けると控除額が下がってしまうので、しっかり確認してくださいね。

対象となる所得 事業所得、または事業的規模の不動産所得があること。
記帳方法 日々の取引を複式簿記で記帳していること。
提出書類 複式簿記で作成した貸借対照表損益計算書を確定申告書に添付して提出すること。
申告期限 確定申告の法定申告期限内(原則3月15日)に申告を完了させること。

65万円控除にステップアップするための追加要件

上記の55万円控除の要件をすべて満たした上で、さらに以下のどちらかの要件を満たすと、控除額が65万円にアップします。これは、令和2年分の確定申告からの改正で導入された要件です。

  • e-Tax(電子申告)で確定申告を行う
  • 仕訳帳および総勘定元帳について優良な電子帳簿保存を行っている

多くの方にとっては、e-Taxでの電子申告が比較的取り組みやすい方法です。マイナンバーカードがあれば、自宅から申告を完結できるのでとても便利ですよ。

55万円の青色申告特別控除の詳しい要件

ここでは、65万円控除のベースとなる55万円控除の要件について、もう少し詳しく見ていきましょう。それぞれの項目が何を意味するのか、具体的に解説します。

所得の種類:事業所得または不動産所得であること

55万円(または65万円)の控除を受けられるのは、事業所得または不動産所得がある方に限られます。山林所得のみの場合は、10万円の控除となります。また、不動産所得の場合は、ただ貸しているだけではなく「事業的規模」であることが求められます。一般的に、アパートなら10室以上、戸建てなら5棟以上の貸付が事業的規模の目安とされています。

記帳方法:正規の簿記(複式簿記)で記帳すること

複式簿記とは、一つの取引を「原因」と「結果」の二つの側面から記録する方法です。例えば、「商品を現金で仕入れた」場合、「費用(仕入)が増えた」という側面と「資産(現金)が減った」という側面の両方を記録します。少し難しく聞こえるかもしれませんが、会計ソフトを使えば簿記の知識がなくても自動で複式簿記の帳簿を作成してくれるので、心配いりませんよ。

提出書類:貸借対照表と損益計算書を添付すること

複式簿記で記帳すると、1年間の経営成績を示す「損益計算書」と、期末時点での財産状況を示す「貸借対照表」という書類を作成できます。これらを「青色申告決算書」として確定申告書に添付して提出することが、55万円(または65万円)控除の要件です。これも会計ソフトを使えば、日々の入力から自動で作成が可能です。

申告期限:期限内に申告を済ませること

これは非常に重要なポイントです。どんなに他の要件を完璧に満たしていても、確定申告の法定申告期限(通常は翌年の3月15日)を1日でも過ぎてしまうと、65万円や55万円の控除は受けられなくなり、控除額は10万円になってしまいます。準備は早めに進めて、必ず期限内に申告を終えるようにしましょう。

10万円の青色申告特別控除の要件

「複式簿記はちょっとハードルが高いな…」という方や、事業的規模ではない不動産所得、山林所得のみの方でも、青色申告をすれば10万円の特別控除を受けることができます。10万円控除の要件は、65万円・55万円控除に比べて緩やかです。

  • 青色申告の承認を受けていること
  • 確定申告書と青色申告決算書(損益計算書のみでOK)を提出すること

記帳方法は、お小遣い帳のような簡単な「単式簿記(簡易簿記)」で問題ありません。白色申告にはない特典ですので、まずは青色申告を始めるだけでも節税につながります。

青色申告特別控除額の比較まとめ

これまでご説明した3種類の青色申告特別控除の要件を、分かりやすく表にまとめてみました。ご自身がどの控除を目指せるか、チェックしてみてくださいね。

控除額 主な要件
65万円 ・事業所得または事業的規模の不動産所得
・複式簿記での記帳
・貸借対照表と損益計算書の提出
・期限内申告
+ e-Taxでの申告 or 優良な電子帳簿保存
55万円 ・事業所得または事業的規模の不動産所得
・複式簿記での記帳
・貸借対照表と損益計算書の提出
・期限内申告
10万円 ・青色申告者であること(簡易な記帳でOK)

まとめ

今回は、青色申告の特別控除の種類と要件について詳しく解説しました。青色申告特別控除は、個人事業主にとって非常に強力な節税策です。最大の65万円控除を受けるためには、複式簿記での記帳やe-Taxによる電子申告、そして何よりも期限内申告がカギとなります。会計ソフトなどを上手に活用すれば、要件を満たすことは決して難しくありません。ご自身の状況に合わせて最適な控除を選び、賢く節税につなげていきましょう。

参考文献

国税庁 No.2072 青色申告特別控除

国税庁 No.2070 青色申告制度

青色申告特別控除のよくある質問まとめ

Q. 青色申告特別控除って何ですか?

A. 青色申告で確定申告をする個人事業主が、所得金額から一定額を差し引ける制度のことです。所得が減ることで、所得税や住民税などの節税につながる大きなメリットがあります。

Q. 控除額はいくらですか?

A. 控除額は、満たす要件によって「65万円」「55万円」「10万円」の3種類があります。最も大きな65万円の控除を受けるためには、いくつかの要件をすべて満たす必要があります。

Q. 65万円控除を受けるにはどうすればいいですか?

A. 「複式簿記での記帳」「貸借対照表・損益計算書の添付」「期限内申告」といった基本要件を満たした上で、さらに「e-Taxによる電子申告」または「優良な電子帳簿保存」を行う必要があります。

Q. 確定申告の期限を過ぎて申告したらどうなりますか?

A. たとえ65万円や55万円控除の他の要件をすべて満たしていても、申告が1日でも期限に遅れると、適用できる控除額は10万円になってしまいます。期限内申告は非常に重要です。

Q. 事業が赤字の場合でも控除は受けられますか?

A. 青色申告特別控除は所得(黒字)から差し引くものなので、所得が0円または赤字の場合は控除を適用できません。ただし、青色申告には赤字を翌年以降に繰り越せる「純損失の繰越控除」という別のメリットがあります。

Q. 不動産所得がありますが、規模が小さいです。どの控除が受けられますか?

A. アパート1室のみなど、事業的規模に満たない不動産所得の場合、65万円・55万円控除の対象にはなりませんが、青色申告をすれば10万円の特別控除を受けることができます。

事務所概要
社名
税理士法人プライムパートナーズ
住所
〒107-0052
東京都港区赤坂5丁目2−33
IsaI AkasakA 17階
対応責任者
税理士 島本 雅史

本記事は正確な情報提供を心掛けておりますが、執筆時点の情報に基づいているため、法改正や人的ミス、個別のケースにより適用が異なる可能性があります。最新の情報や具体的なご相談については、お気軽に弊法人の税理士までお問い合わせください。

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