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社会保険料の支払い方法を徹底解説!期限や滞納リスクもこれで安心

2025-06-12
目次

毎月の給与から引かれている社会保険料。会社員の方はあまり意識することがないかもしれませんが、これは私たちの生活を守るための大切な制度です。一方で、自営業の方や会社を退職された方は、ご自身で支払う必要がありますよね。そこで今回は、社会保険料の支払い方法について、基本的な仕組みから具体的な納付方法、うっかり忘れてしまった場合のリスクまで、誰にでも分かりやすく解説していきます。

社会保険料とは?基本的な仕組みをおさらい

まずはじめに、「社会保険」がどのようなものか簡単におさらいしましょう。一般的に社会保険とは、国が提供する公的な保険制度のことで、私たちの生活を支えるセーフティーネットの役割を果たしています。主に5つの種類があり、それぞれが異なるリスクに備えるためのものです。

5つの社会保険の種類と役割

社会保険は、大きく分けて5つの種類があります。会社員の場合は、これらの保険に加入することが義務付けられています。それぞれの役割を理解しておきましょう。

保険の種類 主な役割
健康保険 業務外の病気やケガ、出産、死亡に備える保険です。医療費の自己負担が原則3割になるのはこの保険のおかげです。
厚生年金保険 高齢になったとき、障害を負ったとき、死亡したときに年金が給付される制度です。国民年金に上乗せされる形で支給されます。
介護保険 40歳から加入が義務付けられ、将来介護が必要になったときに介護サービスを受けるための保険です。
雇用保険 失業した際の生活保障(失業手当)や、再就職を支援するための保険です。育児休業給付金などもここから支払われます。
労災保険 仕事中や通勤中の事故による病気、ケガ、障害、死亡に対して保険給付が行われる制度です。

保険料は誰がどのくらい負担するの?

社会保険料は、従業員と会社(事業主)がそれぞれ分担して支払う「労使折半」が基本です。ただし、労災保険料だけは全額を事業主が負担することになっています。保険料率は保険の種類や加入している健康保険組合、都道府県によって異なります。

保険の種類 負担の割合(例:協会けんぽ東京都 令和8年度)
健康保険料(40歳未満) 従業員と事業主で半分ずつ負担(料率9.85%を4.925%ずつ)
健康保険料(40歳~64歳) 介護保険料が上乗せされ、従業員と事業主で半分ずつ負担(料率11.47%を5.735%ずつ)
厚生年金保険料 従業員と事業主で半分ずつ負担(料率18.3%を9.15%ずつ)
雇用保険料 従業員と事業主で分担(事業の種類により異なるが、従業員負担は賃金の0.55%など)
労災保険料 全額を事業主が負担

保険料額はどうやって決まる?標準報酬月額とは

健康保険料や厚生年金保険料の金額は、「標準報酬月額」という基準をもとに計算されます。これは、毎月の給与や手当などの報酬を一定の区切りで等級分けしたものです。原則として、毎年4月、5月、6月に支払われた給与の平均額をもとにその年の9月から翌年8月までの標準報酬月額が決定されます。これを「定時決定」と呼びます。また、昇給などで給与が大幅に変動した場合は、その都度見直し(随時改定)が行われます。

会社員の社会保険料支払い方法

会社にお勤めの場合、社会保険料の支払いはとてもシンプルです。ご自身で金融機関などに出向いて支払う必要はありません。毎月の給与から自動的に天引きされる形で納付が完了します。

給与からの天引き(特別徴収)

会社員の社会保険料は、会社が毎月の給与から従業員負担分を天引きし、会社負担分と合わせて国(日本年金機構など)に納付します。これを特別徴収と呼びます。一般的には、前月分の社会保険料が当月支払われる給与から控除される仕組みになっています。給与明細の「控除」の欄を見れば、健康保険料や厚生年金保険料としていくら引かれているかを確認できますよ。

賞与(ボーナス)からも引かれる?

はい、賞与(ボーナス)からも社会保険料は引かれます。賞与の場合は、税引前の賞与総額から1,000円未満を切り捨てた「標準賞与額」を基準に保険料が計算され、給与と同じように天引きされます。健康保険は年度累計573万円、厚生年金保険は1回あたり150万円という上限額が設けられています。

産休・育休中の社会保険料

従業員の生活を支えるための嬉しい制度として、産前産後休業や育児休業を取得している期間中は、社会保険料が従業員・会社ともに免除されます。ただし、これは自動的に適用されるわけではなく、会社を通じて年金事務所へ「産前産後休業取得者申出書」や「育児休業等取得者申出書」を提出する必要がありますので、忘れずに手続きを行いましょう。

退職後・自営業者の社会保険料支払い方法

会社を退職した場合や、フリーランス・自営業者として働く場合は、ご自身で国民健康保険と国民年金に加入し、保険料を納める必要があります。支払い方法はいくつか選択肢がありますので、ご自身のライフスタイルに合ったものを選びましょう。

納付書(現金)での支払い

最も基本的な方法が、市区町村役場や年金事務所から郵送されてくる納付書を使って支払う方法です。納付書を持っていけば、全国の銀行、信用金庫、郵便局、そしてコンビニエンスストアで現金で支払うことができます。ただし、毎回支払いに行く手間がかかるのがデメリットです。

口座振替

支払い忘れを防ぐのに最も確実な方法が口座振替です。事前に申込書を金融機関や年金事務所に提出しておけば、毎月自動的に指定の口座から保険料が引き落とされます。国民年金保険料では、当月末に引き落とされる「早割」を利用すると、月々60円の割引が適用されるメリットもあります。

クレジットカード払い

国民年金保険料は、事前に申し込むことでクレジットカードでの支払いが可能です。毎月自動で決済されるため手間がかからず、カード会社のポイントが貯まるという大きなメリットがあります。ただし、国民健康保険料については、自治体によって対応が異なるため、お住まいの市区町村のホームページなどで確認が必要です。

電子納付(Pay-easyなど)

納付書に「Pay-easy(ペイジー)」のマークがあれば、インターネットバンキングやモバイルバンキング、対応するATMを利用して電子納付ができます。自宅のパソコンやスマートフォンから24時間いつでも支払いが可能なので、非常に便利です。納付書に記載されている「収納機関番号」「納付番号」「確認番号」を入力して手続きを行います。

社会保険料の納付期限はいつまで?

社会保険料には、それぞれ納付期限が定められています。期限を過ぎてしまうとペナルティが発生する場合があるため、しっかりと把握しておくことが大切です。

会社が納付する場合の期限

会社が納付する健康保険料や厚生年金保険料の納付期限は、納付対象月の「翌月末日」と法律で定められています。例えば、4月分の社会保険料は、5月31日までに納付する必要があります。もし末日が土日祝日にあたる場合は、翌営業日が期限となります。

個人(国民健康保険・国民年金)が納付する場合の期限

個人で納付する場合も、会社と同様の考え方が基本です。国民年金保険料の納付期限は、対象月の「翌月末日」です。国民健康保険料の期限は自治体によって異なりますが、こちらも多くの場合、各納期月の末日が期限とされています。納付書に記載されている期限を必ず確認しましょう。

社会保険料を滞納するとどうなる?

経済的な事情などで、万が一社会保険料を滞納してしまった場合、さまざまなリスクが発生します。決して「支払わなくても大丈夫」ということはありませんので、注意が必要です。

延滞金の発生

納付期限までに社会保険料を納付しないと、延滞金が課せられます。延滞金の利率は高く設定されており、納付が遅れるほど負担額は増えていきます。例えば、会社の厚生年金保険料の場合、納期限の翌日から3か月を経過する日までは年「延滞税特例基準割合+1%」、それ以降は年「延滞税特例基準割合+7.3%」(上限はそれぞれ年7.3%、年14.6%)という高い利率が適用される可能性があります。

督促と財産の差し押さえ

滞納が続くと、まず「督促状」が送られてきます。この督促状で指定された期限までに納付しない場合、財産調査が行われ、最終的には預貯金、給与、不動産、自動車などの財産が強制的に差し押さえられる「滞納処分」が行われる可能性があります。これは非常に強力な法的措置であり、生活に大きな影響を及ぼします。

保険給付の制限

特に国民健康保険料を滞納すると、いざという時に医療サービスを十分に受けられなくなる可能性があります。医療機関での窓口負担が一旦10割(全額自己負担)となり、後から申請して払い戻しを受ける形になるなど、手続きが非常に煩雑になります。

まとめ

今回は、社会保険料の支払い方法について詳しく解説しました。会社員の方は給与から天引き、自営業や退職された方は納付書や口座振替など、ご自身の状況に応じた方法で納付することになります。社会保険は、病気や老後といった人生のリスクに備えるための重要な制度です。支払い方法と期限を正しく理解し、必ず期限内に納付することを心がけましょう。もし支払いが難しい状況になった場合は、放置せずに、すぐにお住まいの役所や年金事務所に相談することが大切です。

参考文献

日本年金機構 厚生年金保険料等の納付

社会保険料の支払い方法に関するよくある質問

Q.社会保険料の支払い方法はどのようなものがありますか?

A.金融機関窓口での納付書払い、口座振替、クレジットカード払い(国民年金など)、Pay-easy(ペイジー)による電子納付などがあります。会社員の場合は給与から天引きされます。

Q.社会保険料の納付期限はいつですか?

A.会社が納付する場合は、対象月の「翌月末日」です。国民年金も同様に「翌月末日」が原則です。

Q.納付書をなくしてしまった場合はどうすればよいですか?

A.国民健康保険の場合はお住まいの市区町村役場、国民年金の場合はお近くの年金事務所に連絡し、再発行を依頼してください。

Q.社会保険料を滞納するとどうなりますか?

A.延滞金が発生するほか、督促状が届きます。それでも支払わない場合、預貯金や給与などの財産が差し押さえられる可能性があります。

Q.会社員ですが、自分で社会保険料を支払う必要はありますか?

A.いいえ、会社員の場合、社会保険料は毎月の給与から天引きされ、会社がまとめて納付するため、ご自身で支払う必要は原則ありません。

Q.産休や育休中でも社会保険料は支払う必要がありますか?

A.いいえ、産前産後休業期間や育児休業期間中は、所定の手続きを行うことで社会保険料の支払いが免除されます。

事務所概要
社名
税理士法人プライムパートナーズ
住所
〒107-0052
東京都港区赤坂5丁目2−33
IsaI AkasakA 17階
対応責任者
税理士 島本 雅史

本記事は正確な情報提供を心掛けておりますが、執筆時点の情報に基づいているため、法改正や人的ミス、個別のケースにより適用が異なる可能性があります。最新の情報や具体的なご相談については、お気軽に弊法人の税理士までお問い合わせください。

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