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相続対策で不動産を活用する賢い方法!節税効果と注意点を解説

2025-06-18
目次

相続税の負担が心配で、何か対策をしたいと考えている方も多いのではないでしょうか。実は、不動産を活用することで、相続税を大きく抑えられる可能性があるんです。でも、「どうして不動産だと節税になるの?」「どんな方法があるの?」と疑問に思いますよね。この記事では、不動産を使った相続対策の基本的な仕組みから、具体的な活用方法、そして知っておきたい注意点まで、わかりやすく解説していきます。

なぜ不動産が相続対策に有効なの?節税の仕組みを解説

不動産が相続対策に有効な理由は、現金や預金と評価方法が違うからです。相続財産の価値は「相続税評価額」で決まりますが、不動産はこの評価額が実際の取引価格(実勢価格)よりも低くなる傾向があるんです。これが節税につながる大きなポイントです。

相続税評価額が実勢価格より低い

現金1億円の相続税評価額はそのまま1億円です。しかし、実勢価格1億円の不動産の場合、相続税評価額は土地なら「路線価」、建物なら「固定資産税評価額」を基準に計算されます。一般的に、路線価は実勢価格の80%程度固定資産税評価額は実勢価格の70%程度が目安とされているため、資産価値を保ちつつ、課税対象額を圧縮できるのです。

財産の種類 相続税評価額の目安
現金・預金 額面通り(100%)
不動産(土地) 実勢価格の約80%(路線価)
不動産(建物) 実勢価格の約70%(固定資産税評価額)

賃貸にするとさらに評価額が下がる

不動産を人に貸している場合、評価額はさらに下がります。これは、土地や建物の所有者が自由に利用できないという制約があるためです。土地の上に賃貸アパートなどを建てると「貸家建付地(かしやたてつけち)」となり、自用地(自分で使っている土地)よりも評価額が下がります。建物も「貸家」として評価が下がるため、ダブルで節税効果が期待できるんです。

小規模宅地等の特例で最大80%減額

小規模宅地等の特例は、相続対策の中でも非常に効果が大きい制度です。亡くなった方が住んでいた土地や事業をしていた土地などを相続する場合、一定の要件を満たせば、土地の評価額を最大80%も減額できます。例えば、5,000万円の土地の評価額が1,000万円になる計算です。この特例をうまく活用できるかが、相続税額を大きく左右します。

不動産を活用した具体的な相続対策4つの方法

不動産を使った相続対策には、いくつかの具体的な方法があります。ご自身の状況や資産に合わせて、最適な方法を選ぶことが大切です。ここでは代表的な4つの方法をご紹介しますね。

賃貸アパート・マンション経営

最も一般的な方法が、土地にアパートやマンションを建てて賃貸経営をすることです。現金で建物を建てることで、現金を評価額の低い建物に変えられます。さらに、土地は「貸家建付地」、建物は「貸家」として評価額が下がり、大きな節税効果が期待できます。家賃収入という新たな収益源も生まれますが、空室リスクや管理の手間も考慮する必要があります。

不動産の買い替え(資産の組み替え)

現在所有している不動産を売却し、より節税効果の高い不動産に買い替える方法です。例えば、郊外の広い土地を売却して、都心部のタワーマンションを購入するケースなどが考えられます。タワーマンションは実勢価格と相続税評価額の差が大きい傾向がありましたが、2024年の税制改正で評価方法が見直されたため注意が必要です。小規模宅地等の特例が適用しやすい物件に組み替えるといった戦略も有効です。

不動産管理会社の設立

不動産賃貸経営を法人化する方法です。個人で家賃収入を得ると所得税・住民税がかかりますが、法人化して役員報酬として家族に所得を分散させることで、個人の資産が増えすぎるのを防ぎ、結果的に相続財産の増加を抑えることができます。設立や維持にコストがかかるため、一定以上の家賃収入がある場合に検討される方法です。

ローンを活用して債務控除を適用

アパートなどを建てる際に金融機関からローンを組むと、その借入金は相続時にマイナスの財産として相続財産全体から差し引くことができます。これを債務控除といいます。例えば、相続財産が2億円あっても、ローン残高が5,000万円あれば、課税対象は1億5,000万円になります。手元の現金を減らさずに、評価額の圧縮と債務控除の両方の効果を得られるのがメリットです。

不動産活用で相続対策するメリット

不動産を活用した相続対策には、税金を抑える以外にも様々なメリットがあります。長期的な視点で資産形成を考える上でも、とても魅力的ですよ。

相続税評価額を圧縮できる

これまでお話ししてきたように、最大のメリットは相続税評価額を大きく圧縮できる点です。現金や有価証券を不動産に変えるだけで、課税対象となる財産の額を下げることができます。特に賃貸不動産や小規模宅地等の特例を組み合わせることで、その効果はさらに高まります。

安定した収益(インカムゲイン)が期待できる

賃貸アパートやマンションを経営すれば、毎月安定した家賃収入を得ることができます。これは、年金の補完や将来の生活資金としても役立ちます。相続後も、ご家族が安定した収入源を引き継げるのは大きな安心材料になりますね。

インフレ対策になる

インフレ(物価上昇)が起こると、現金の価値は実質的に目減りしてしまいます。一方、不動産、特に都心部などの優良物件は、物価の上昇に伴って資産価値や家賃が上昇する傾向があります。大切な資産をインフレから守るという意味でも、不動産を保有することは有効な手段と言えるでしょう。

知っておきたい!不動産活用におけるデメリットと注意点

メリットの多い不動産活用ですが、もちろんデメリットや注意点もあります。対策を始める前に、リスクもしっかりと理解しておくことが成功の鍵です。

空室リスクや家賃下落リスク

賃貸経営には、空室リスクがつきものです。入居者がいなければ家賃収入は得られず、ローンの返済や経費の支払いが負担になる可能性があります。また、建物の老朽化や周辺環境の変化によって、家賃が下落するリスクも考えられます。立地選びや物件管理が非常に重要になります。

流動性が低い(すぐに現金化できない)

不動産は、株や預金のようにすぐに現金化することが難しい資産です。売却しようと思っても、買い手が見つかるまでに時間がかかることがあります。急にまとまったお金が必要になった場合に対応しにくい点は、デメリットと言えるでしょう。納税資金が不足しないよう、ある程度の現金は手元に残しておく必要があります。

遺産分割でトラブルになりやすい

不動産は物理的に分割することが難しいため、複数の相続人がいる場合に遺産分割トラブルの原因になりやすい資産です。誰が不動産を相続するのか、他の相続人にはどうやって公平に財産を分けるのか(代償分割など)、事前に家族で話し合い、遺言書を作成しておくなどの対策が不可欠です。

不動産相続対策の失敗例と回避策

良かれと思って始めた不動産での相続対策が、かえって問題を大きくしてしまうこともあります。よくある失敗例とその回避策を知って、同じ轍を踏まないようにしましょう。

失敗例1:節税効果が思ったよりなかった

実勢価格と相続税評価額の差が小さい物件を選んでしまったり、不動産購入時の諸経費(仲介手数料、不動産取得税など)を考慮していなかったりすると、思ったほどの節税効果が得られないことがあります。

【回避策】 購入前に、物件の相続税評価額がいくらになるのか、諸経費を含めてトータルで節税メリットがあるのかを専門家に相談しながら、しっかりとシミュレーションすることが大切です。

失敗例2:賃貸経営がうまくいかず赤字に

賃貸需要の低いエリアにアパートを建ててしまい、空室が続いて赤字経営に陥るケースです。相続税は減らせても、資産そのものを減らしてしまっては本末転倒です。

【回避策】 人口動態や周辺の家賃相場など、徹底した市場調査を行いましょう。管理会社選びも重要です。自分だけで判断せず、複数の専門家の意見を聞くことをお勧めします。

失敗例3:税務署に否認されてしまった

相続開始直前に不動産を購入・売却するなど、露骨な節税対策は、税務署から「租税回避行為」とみなされ、否認されるリスクがあります。特に、購入後すぐに売却するようなケースは注意が必要です。

【回避策】 相続対策は、時間をかけて計画的に行うことが基本です。少なくとも3年以上の長期的な視点で、不動産を保有・運用する計画を立てましょう。

まとめ

今回は、相続対策として不動産を活用する方法について詳しく解説しました。不動産は、現金や預金に比べて相続税評価額を低く抑えられるため、非常に有効な節税手段です。特に、賃貸物件の経営や小規模宅地等の特例を組み合わせることで、大きな効果が期待できます。しかし、空室リスクや流動性の低さ、遺産分割トラブルの種になりやすいといったデメリットも存在します。メリット・デメリットの両方を正しく理解し、ご自身の資産状況やご家族の状況に合わせて、慎重に計画を進めることが何よりも大切です。不動産を活用した相続対策は、専門的な知識が必要です。少しでも不安な点があれば、税理士などの専門家に相談しながら、最適な方法を見つけていきましょう。

参考文献

国税庁: No.4124 相続した事業の用や居住の用の宅地等の価額の特例(小規模宅地等の特例)

国税庁: No.4103 相続時精算課税の選択

不動産を活用した相続対策のよくある質問まとめ

Q.なぜ不動産は相続税対策になると言われるのですか?

A.現金や預金が額面通りに評価されるのに対し、不動産は実勢価格(時価)よりも低い「相続税評価額(路線価や固定資産税評価額)」で評価されるため、課税対象額を圧縮できるからです。

Q.どんな不動産でも相続税対策になりますか?

A.いいえ、どんな不動産でも良いわけではありません。一般的に、実勢価格と相続税評価額の差が大きい物件ほど節税効果が高くなります。都心部の物件などがその傾向にありますが、個別の物件ごとに確認が必要です。

Q.不動産を購入するための借入金も相続税対策になりますか?

A.はい、なります。借入金はマイナスの財産として相続財産全体から控除(債務控除)できるため、課税対象額を減らす効果があります。

Q.小規模宅地等の特例とは何ですか?

A.亡くなった方が住んでいたり、事業をしていたりした土地を相続した場合に、一定の要件を満たすと土地の評価額を最大で80%減額できる非常に効果の大きい特例制度です。

Q.不動産を相続する際の注意点は何ですか?

A.不動産は現金のように簡単に分けられないため、複数の相続人がいる場合に遺産分割で揉める原因になりやすいです。誰が相続するのか、他の相続人にはどう分配するのか、生前に遺言書などで決めておくことが大切です。

Q.相続対策はいつから始めればよいですか?

A.相続対策は、できるだけ早くから計画的に始めることが重要です。特に不動産活用は時間がかかりますし、相続開始直前の対策は税務署に否認されるリスクもあるため、早めの準備をおすすめします。

事務所概要
社名
税理士法人プライムパートナーズ
住所
〒107-0052
東京都港区赤坂5丁目2−33
IsaI AkasakA 17階
電話番号
対応責任者
税理士 島本 雅史

本記事は正確な情報提供を心掛けておりますが、執筆時点の情報に基づいているため、法改正や人的ミス、個別のケースにより適用が異なる可能性があります。最新の情報や具体的なご相談については、お気軽に弊法人の税理士までお問い合わせください。

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