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上場株式の相続対策!資産管理会社で相続税は減額できる?メリット・デメリット解説

目次
  1. そもそも資産管理会社とは?
  2. 資産管理会社の種類
  3. なぜ上場株式の相続対策に使われるの?
  4. 資産管理会社設立のタイミング
  5. 上場株式を資産管理会社に移す5つのメリット
  6. 相続税評価額の引き下げ効果
  7. 所得の分散による所得税・住民税の節税
  8. 納税資金の計画的な準備
  9. 円滑な遺産分割と資産の散逸防止
  10. 経費計上の範囲が広がる
  11. 知っておくべき4つのデメリットと注意点
  12. 会社の設立・維持にコストがかかる
  13. 資産の自由度が下がる
  14. 株式を会社に移す際に税金がかかる
  15. 税制改正のリスク
  16. 資産管理会社はどんな人におすすめ?
  17. 資産管理会社設立の流れ
  18. まとめ
  19. 参考文献
  20. 資産管理会社のよくある質問まとめ

たくさんの上場株式をお持ちの方にとって、将来の相続は大きな悩みの一つですよね。「相続税はいくらになるんだろう…」「子どもたちにスムーズに資産を引き継がせるにはどうしたらいいの?」そんなお悩みを解決する一つの方法として、資産管理会社の設立があります。上場株式を個人で持つのではなく、会社で管理することで、相続税を減額できる可能性があるんです。でも、良いことばかりではありません。この記事では、相続対策として上場株式の資産管理会社を作るメリットとデメリットを、分かりやすく解説していきますね。

そもそも資産管理会社とは?

資産管理会社とは、ご自身の持つ株式や不動産などの資産を管理・運用するために設立する、あなたやご家族のためのプライベートカンパニーのことです。特に事業を行うわけではなく、主な目的は資産の管理。では、なぜこれが相続対策になるのでしょうか。それは、個人で持っている資産を法人のものにすることで、相続の形が大きく変わるからなんです。

資産管理会社の種類

資産管理会社を設立する場合、主に「株式会社」か「合同会社」のどちらかを選ぶことになります。それぞれに特徴があるので、ご自身の状況に合わせて選びましょう。

会社形態 特徴
株式会社 社会的な信用度が高く、金融機関からの融資などが受けやすいです。ただし、設立費用が合同会社より高く(約25万円~)、役員の任期があり定期的な登記が必要です。
合同会社 設立費用が安く(約10万円~)、運営の自由度が高いのが魅力です。役員の任期もないため、ランニングコストを抑えやすいですが、株式会社に比べると知名度や信用度は低いと見られることがあります。

なぜ上場株式の相続対策に使われるの?

一番のポイントは、相続財産の評価方法が変わる点にあります。個人で上場株式を持っている場合、相続が発生した日の株価(時価)がそのまま相続財産の評価額になります。株価が高ければ、それだけ相続税も高くなってしまいます。しかし、資産管理会社に上場株式を移すと、あなたが相続する財産は「上場株式そのもの」ではなく、「資産管理会社の株式(非上場株式)」に変わります。この非上場株式の評価額は、時価そのものではなく、一定の計算式に基づいて算出されるため、結果的に評価額を圧縮できる可能性があるのです。

資産管理会社設立のタイミング

資産管理会社を設立するなら、できるだけ株価が低いタイミングが理想的です。なぜなら、個人から会社へ株式を移す際に、時価で売買する必要があり、その時の株価が高いと譲渡所得税が高額になるからです。とはいえ、上場後でもメリットは十分に考えられます。配当所得にかかる所得税の節税や、将来の株価上昇を見越した対策など、様々な効果が期待できるため、「もう遅いかも」と諦めずに、専門家へ相談してみるのがおすすめです。

上場株式を資産管理会社に移す5つのメリット

資産管理会社を設立すると、相続税対策以外にも嬉しいメリットがたくさんあります。ここでは、代表的な5つのメリットをご紹介しますね。

相続税評価額の引き下げ効果

これが最大のメリットです。先ほどお伝えした通り、相続財産が「上場株式」から「資産管理会社の株式(非上場株式)」に変わることで、評価額が下がります。非上場株式の評価方法の一つである「純資産価額方式」では、会社が持つ資産(上場株式)の含み益に対して、法人税等相当額として37%を控除できるルールがあります。例えば、時価10億円の上場株式(簿価0円と仮定)を保有する会社の株式を評価する場合、単純に10億円とはならず、含み益10億円にかかる法人税等相当額3億7,000万円が差し引かれ、会社の純資産は約6億3,000万円と評価されます。これにより、相続税の課税対象額を大きく圧縮できる可能性があるのです。

所得の分散による所得税・住民税の節税

上場株式から得られる配当金は、個人で受け取ると所得税と住民税がかかります。所得が高い方だと、最高で約55%もの税率になることも。これを資産管理会社で受け取るようにし、ご家族を役員にして役員報酬として支払うことで、所得を分散できます。例えば、ご自身一人で3,000万円の配当所得を得るのではなく、ご自身と配偶者、お子さん2人の合計4人で750万円ずつ役員報酬を受け取る形にすれば、一人ひとりに適用される税率が下がり、家族全体で見たときの手取り額を増やすことができます。さらに、役員報酬は給与所得控除の対象になるため、その点でも節税につながります。

納税資金の計画的な準備

相続が発生すると、相続税を10か月以内に現金で納付しなければなりません。多額の納税資金を準備するために、大切な上場株式を慌てて売却…なんて事態は避けたいですよね。資産管理会社からご家族へ役員報酬を支払っておけば、それは生前贈与と同じような効果を持ちます。相続人となるご家族が計画的に資金を蓄えておくことができるため、いざという時にスムーズに納税資金を準備できます。

円滑な遺産分割と資産の散逸防止

個人で株式を持っていると、相続の際に株式が相続人の間で細かく分割されてしまうことがあります。そうなると、議決権が分散してしまい、経営方針がまとまらなくなるリスクも。資産管理会社を使えば、相続財産は会社の株式だけになります。会社の株式を誰が引き継ぐかを決めておけば、上場株式そのものは会社の資産として一体で管理できるため、資産の散逸を防ぐことができます。遺言や種類株式(議決権を制限した株式など)を活用すれば、より柔軟な資産承継が可能になります。

経費計上の範囲が広がる

個人では経費として認められにくい費用も、法人であれば経費として計上できる場合があります。例えば、資産管理のための事務所家賃、税理士や司法書士への報酬、調査のための交通費や書籍代などが挙げられます。これらの経費を計上することで、法人の利益を圧縮し、結果的に法人税の負担を軽減することにつながります。

知っておくべき4つのデメリットと注意点

メリットの多い資産管理会社ですが、もちろんデメリットや注意点もあります。設立してから「こんなはずじゃなかった…」とならないように、しっかりと確認しておきましょう。

会社の設立・維持にコストがかかる

会社を作るのにも、維持するのにもお金がかかります。設立時には、定款認証費用や登録免許税などの法定費用がかかります(株式会社で約25万円~、合同会社で約10万円~)。また、設立後も、たとえ赤字であっても毎年法人住民税の均等割(最低でも年7万円)がかかりますし、決算申告を税理士にお願いすればその顧問料も必要になります。これらのコストを上回る節税メリットがあるかどうか、事前にシミュレーションすることが大切です。

資産の自由度が下がる

一度、資産管理会社に移した資産は、もはやあなたの個人資産ではありません。会社の資産です。そのため、個人的な目的で自由に引き出して使うことはできません。もし会社の資金を個人で使いたい場合は、役員報酬や配当といった形で正式な手続きを踏む必要があり、その際には所得税がかかります。個人の財布のように考えてしまうと、税務署から指摘を受けるリスクがありますので注意が必要です。

株式を会社に移す際に税金がかかる

個人が保有する上場株式を資産管理会社に移す際には、一般的に「時価で会社に売却する」という形をとります。このとき、株式の取得価額よりも売却価格(時価)が高い場合、その差額(譲渡益)に対して約20%の譲渡所得税・住民税が課税されます。長年保有していて含み益が非常に大きい株式の場合、この初期コストがかなりの負担になる可能性があります。

税制改正のリスク

税金のルールは、毎年少しずつ変わる可能性があります。現在有効な節税スキームが、将来の税制改正によって効果が薄れたり、使えなくなってしまったりするリスクはゼロではありません。特に、資産管理会社を使った節税方法は注目されやすいため、今後の動向を注視しておく必要があります。

資産管理会社はどんな人におすすめ?

では、具体的にどんな人が資産管理会社の設立を検討すると良いのでしょうか。以下のようなケースに当てはまる方は、メリットが大きいと考えられます。

  • 保有する上場株式の評価額が数億円以上ある方
  • 配当所得が多く、個人の所得税率が高い方(年間の課税所得が1,000万円を超えるなど)
  • 相続人が複数いて、将来の遺産分割で揉めることを避けたい方
  • 長期的な視点で、一族の資産を円滑に次世代へ引き継いでいきたい方

これらの条件に当てはまる場合でも、ご自身の資産状況やご家族の構成によって最適な方法は異なります。まずは一度、相続に詳しい専門家に相談してみることを強くおすすめします。

資産管理会社設立の流れ

実際に資産管理会社を設立する際の、大まかな流れは以下の通りです。専門家のサポートを受けながら進めるのが一般的です。

  1. 目的の明確化と計画策定:なぜ会社を作るのか、どんなメリットを期待するのかを専門家と相談し、シミュレーションを行います。
  2. 会社の基本事項の決定:会社名(商号)、本店の所在地、事業目的、資本金の額などを決めます。
  3. 定款の作成・認証:会社のルールブックである定款を作成し、株式会社の場合は公証役場で認証を受けます。
  4. 資本金の払い込み:発起人(設立者)の個人口座に資本金を払い込みます。
  5. 設立登記申請:法務局に会社の設立登記を申請します。この申請日が会社の設立日となります。
  6. 個人から会社へ上場株式の移転:会社の設立後、個人と会社の間で株式の売買契約を結び、株式を会社名義に移します。

まとめ

上場株式の相続対策として資産管理会社を設立することは、相続税評価額の圧縮や所得分散など、多くのメリットが期待できる非常に有効な手段です。一方で、設立・維持コストや資産の自由度が下がるといったデメリットも存在します。大切なのは、メリットとデメリットを正しく理解し、ご自身の資産やご家族の状況に本当に合っているのかを慎重に見極めることです。安易に自己判断で進めるのではなく、信頼できる税理士などの専門家と一緒に、最適なプランを練っていくことが成功への一番の近道ですよ。

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参考文献

国税庁:相続税のあらまし

国税庁:財産の評価

国税庁:非上場株式等についての相続税・贈与税の納税猶予・免除のあらまし

国税庁:所得税のしくみ

国税庁:法人税

資産管理会社のよくある質問まとめ

Q.資産管理会社を設立すれば、必ず相続税は安くなりますか?

A.必ず安くなるとは限りません。資産規模や構成、設立・維持コストを考慮する必要があります。特に資産額が相続税の基礎控除(3,000万円+600万円×法定相続人の数)に近い場合は、費用倒れになる可能性もあります。

Q.上場株式を資産管理会社に移すとき、税金はかかりますか?

A.はい、個人から法人へ時価で売却する形をとるのが一般的で、その場合、株式の取得時からの値上がり益(譲渡益)に対して約20%の譲渡所得税と住民税がかかります。

Q.会社は株式会社と合同会社のどちらがいいですか?

A.設立コストを抑え、運営の自由度を高めたい場合は合同会社が、社会的信用度を重視する場合は株式会社が選ばれることが多いです。相続税対策という観点では、どちらの形態でも税制上のメリットに大きな差はありません。

Q.資産管理会社の利益を自由に使えますか?

A.いいえ、会社の資産は個人のものではないため自由には使えません。役員報酬や配当として正式な手続きを経て受け取る必要があり、その際には所得税などが課税されます。

Q.どのくらいの資産があれば資産管理会社を検討すべきですか?

A.一概には言えませんが、一般的に金融資産が数億円以上、または個人の年間所得が1,000万円を超えるような場合に、設立のメリットがコストを上回ることが多いとされています。

Q.資産管理会社設立の相談は誰にすれば良いですか?

A.相続や資産税に詳しい税理士や公認会計士に相談するのが最適です。司法書士や弁護士とも連携しながら、現状分析から設立、その後の運営までトータルでサポートしてくれます。

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本記事は正確な情報提供を心掛けておりますが、執筆時点の情報に基づいているため、法改正や人的ミス、個別のケースにより適用が異なる可能性があります。最新の情報や具体的なご相談については、お気軽に弊法人の税理士までお問い合わせください。