税金の納付といえば、納付書を持って金融機関や税務署の窓口に行くイメージが強いかもしれませんね。でも実は、今は納付書を使わずに、自宅やオフィスから簡単に納税できる方法がたくさんあるんですよ。この記事では、そんな便利でスマートな「納付書を使わない納付の方法」について、国税と地方税に分けて、分かりやすく解説していきます。
国税のキャッシュレス納付とは?納付書なしで納税するメリット
国税庁では、納税者の利便性向上を目指して、キャッシュレス納付を推進しています。これは、金融機関や税務署の窓口に出向くことなく、スマートフォンやパソコンを使ってインターネット経由で国税を納付する方法のことです。納付書を使わないことで、さまざまなメリットが生まれます。
時間と場所を選ばない
最大のメリットは、時間と場所を選ばずに納付できることでしょう。金融機関や税務署の窓口が開いている平日の日中に時間を確保する必要がありません。e-Taxの利用可能時間内であれば、深夜や休日でも自宅やオフィスから手続きが完了します。忙しい方にとっては、非常に便利なシステムですよね。
現金不要で安全・確実
納付のために多額の現金を持ち歩く必要がなくなり、紛失や盗難のリスクを避けられます。また、オンラインでの手続きなので、納付履歴がデータとして残るため、管理もしやすくなります。e-Taxを利用したダイレクト納付や振替納税なら、手数料もかからずお得です。
領収書は発行されない点に注意
便利なキャッシュレス納付ですが、一つ注意点があります。それは、領収証書が発行されないことです。金融機関や税務署の窓口で納付したときのような領収印が押された紙の証明書はもらえません。納付の証明が必要な場合は、e-Taxのメッセージボックスに格納される「納付完了通知」や、利用したクレジットカードの明細、預貯金口座の取引履歴などで確認することになります。納税証明書が必要な場合は、別途、税務署に交付請求手続きが必要です。
【国税】納付書を使わない具体的な納付方法5選
それでは、具体的に国税を納付書なしで納める方法を見ていきましょう。ここでは代表的な5つの方法をご紹介します。それぞれに特徴があるので、ご自身のライフスタイルに合った方法を見つけてみてくださいね。
振替納税
振替納税は、事前に税務署に届出をした預貯金口座から、指定された振替日に自動で引き落とされる納付方法です。一度手続きをすれば、その後は自動的に納税が完了するので、納付忘れの心配がありません。特に、所得税や消費税の確定申告分の納付におすすめです。
| 対象税目 | 申告所得税及び復興特別所得税、個人事業者の消費税及び地方消費税など |
| 特徴 | 一度の手続きで毎年自動引き落とし。手数料無料。納期限より約1ヶ月後の引き落としで資金繰りに余裕が持てる。 |
ダイレクト納付(e-Taxによる口座振替)
ダイレクト納付は、e-Taxを利用して、事前に届出をした預貯金口座から、即時または指定した期日に引き落として納付する方法です。振替納税と違い、すべての税目で利用でき、納付日を自分で指定できるのが大きな特徴です。e-Taxで申告したその日にそのまま納付手続きを完了させることも可能です。
| 対象税目 | 全税目 |
| 特徴 | e-Taxから簡単な操作で納付可能。即時納付も期日指定納付もできる。手数料無料。 |
クレジットカード納付
「国税クレジットカードお支払サイト」という専用サイトを通じて、クレジットカードで納付する方法です。24時間いつでも利用でき、分割払いやリボ払いも選択可能です。ただし、納付税額に応じた決済手数料がかかる点には注意が必要です。納税額1,000万円未満まで利用できます。
| 決済手数料(例) | 納付税額10,000円までは83円(税込)、以降10,000円を超えるごとに83円(税込)または84円(税込)が加算されます。 |
| 特徴 | 24時間いつでも納付可能。カード会社のポイントが貯まる場合がある。 |
スマホアプリ納付
PayPayやd払いなどのスマートフォン決済アプリを利用して納付する方法です。e-Taxで申告した後などに、「国税スマートフォン決済専用サイト」にアクセスして手続きします。1回の納付上限額が30万円以下という制限がありますが、手軽さが魅力です。
| 利用上限額 | 30万円以下 |
| 特徴 | スマホ一つで手軽に納付完了。手数料は無料。 |
インターネットバンキング・ATMでの納付(ペイジー)
ペイジー(Pay-easy)という仕組みを利用して、インターネットバンキングやATMから納付する方法です。e-Taxで申告・納税手続きを行うと、納付に必要な番号(収納機関番号、利用者識別番号など)が発行されるので、それを使って手続きします。ほとんどの金融機関で利用可能です。
| 利用可能な場所 | ペイジー対応のインターネットバンキング、金融機関ATM |
| 特徴 | 使い慣れた金融機関のサービスで納付できる安心感。手数料は無料(ATMの時間外手数料は除く)。 |
【地方税】納付書なしは可能?eLTAXを使った納付方法
国税だけでなく、住民税や固定資産税、自動車税といった地方税もキャッシュレスで納付できます。地方税の場合は、「eLTAX(エルタックス)」という地方税ポータルシステムを利用するのが基本となります。
地方税共通納税システムとは
地方税共通納税システムは、eLTAXを利用して、すべての都道府県・市区町村へ、自宅やオフィスのパソコンから電子納税できる仕組みです。これまでのように、自治体ごとに金融機関へ出向く必要がなくなり、複数の地方公共団体への納税を一度の手続きで済ませることができます。
eLTAXで利用できる納付方法
eLTAXでは、国税と同じようにさまざまな納付方法が用意されています。
| ダイレクト納付 | 事前に登録した口座から、期日を指定して直接納付する方法です。 |
| インターネットバンキング | eLTAXで発行された納付情報を使い、インターネットバンキングから納付します。 |
| クレジットカード納付 | 「地方税お支払サイト」からクレジットカードで納付します。国税同様、システム利用料がかかります。 |
これらの方法を使えば、納付書がなくても電子的に納税を完了させることができます。
納付書ありでもキャッシュレス!QRコードやバーコードを利用した方法
ここまでは「納付書を使わない」方法に焦点を当ててきましたが、最近では納付書に印刷されたQRコードやバーコードを使って、簡単にキャッシュレス納付ができるようになっています。厳密には納付書を使いますが、現金を用意したり窓口に並んだりする必要がない、便利な方法です。
【国税】コンビニ納付(QRコード)
確定申告書等作成コーナーや国税庁ホームページで納付用のQRコードを作成し、それをコンビニのキオスク端末で読み取らせてバーコード付きの申込券を発行し、レジで支払う方法です。納付額が30万円以下の場合に利用できます。現金での支払いになりますが、全国のコンビニで24時間いつでも納付できるのがメリットです。
【地方税】スマホ決済アプリ(eL-QR・バーコード)
住民税や固定資産税の納付書に「eL-QR」という統一規格のQRコードが印刷されている場合、それをスマートフォン決済アプリで読み取るだけで納付が完了します。PayPayやLINE Payなど、多くのアプリが対応しています。また、バーコードが印刷されている納付書も、同様にスマホアプリで支払える場合があります。手元に納付書があれば、いつでもどこでも納税できる手軽さが魅力ですね。
キャッシュレス納付を利用するための事前準備
便利なキャッシュレス納付ですが、利用するにはいくつかの事前準備が必要です。ここでは代表的なものを3つご紹介します。
e-Taxの利用開始手続き
ダイレクト納付やスマホアプリ納付など、多くのキャッシュレス納付はe-Tax(国税電子申告・納税システム)の利用が前提となります。まずはe-Taxの利用開始手続きを済ませましょう。マイナンバーカードがあれば、スマートフォンやパソコンから比較的簡単に開始できます。
ダイレクト納付利用届出書の提出
ダイレクト納付を利用したい場合は、事前に納税地の所轄税務署へ「国税ダイレクト方式電子納税依頼書兼国税ダイレクト方式電子納税届出書」を提出する必要があります。書面での提出の場合、手続き完了まで1ヶ月程度かかることがあるので、早めに準備しましょう。オンラインでの提出も可能です。
振替納税依頼書の提出
所得税などの振替納税を利用したい場合は、納期限までに「預貯金口座振替依頼書兼納付書送付依頼書」を税務署または金融機関に提出します。こちらも一度手続きすれば翌年以降も継続されるので、確定申告をされる方は提出しておくと便利ですよ。
まとめ
今回は、納付書を使わない納付の方法について、国税と地方税に分けて詳しく解説しました。キャッシュレス納付には、振替納税、ダイレクト納付、クレジットカード納付、スマホアプリ納付など、さまざまな選択肢があります。時間や場所を問わず、現金不要で安全に納税できるのが大きなメリットです。ただし、領収証書が発行されない点や、方法によっては手数料がかかること、事前の手続きが必要なことなどを理解しておくことが大切です。ご自身の状況に合わせて最適な方法を選び、スマートな納税を実践してみてくださいね。
参考文献
キャッシュレス納付のよくある質問まとめ
Q.納付書を使わない納付方法だと領収書はもらえますか?
A.いいえ、キャッシュレス納付では領収証書は発行されません。納付の証明は、e-Taxの完了通知や通帳の取引履歴などで確認してください。
Q.クレジットカードで税金を納付するメリットは何ですか?
A.時間を問わず納付できる点や、クレジットカードのポイントが貯まる場合がある点です。ただし、決済手数料がかかるのでご注意ください。
Q.スマホ決済アプリで納付できる金額に上限はありますか?
A.はい、国税のスマホアプリ納付は1回の納付額が30万円以下の場合に利用できます。地方税もアプリや自治体によって上限が設けられている場合があります。
Q.ダイレクト納付と振替納税の違いは何ですか?
A.ダイレクト納付は全税目に対応し、納付日を即時または指定できます。一方、振替納税は所得税など一部の税目に限られ、引き落とし日が自動的に決まります。
Q.地方税も納付書なしで納付できますか?
A.はい、eLTAX(地方税ポータルシステム)を利用することで、住民税や固定資産税などもダイレクト納付やクレジットカード納付が可能です。
Q.e-Taxの利用開始には何が必要ですか?
A.マイナンバーカードと、マイナンバーカード読取対応のスマートフォンまたはICカードリーダライタがあれば、オンラインで手続きを開始できます。