宝くじを買って高額当選したら、税金で半分くらい持っていかれてしまうのではないかと心配になる方もいらっしゃるかもしれません。しかし、日本の宝くじは受け取る際に税金がかからない仕組みになっています。この記事では、宝くじが非課税になる理由や、お金の使い道によって発生してしまう贈与税などの注意点を分かりやすく解説していきます。
宝くじの当選金が非課税になるのはなぜ?
宝くじで何億円という高額当選を果たしても、翌年に多額の税金を請求されることはありません。その理由について、宝くじの法律や仕組みから詳しく見ていきましょう。
購入時にすでに税金を払っている仕組み
宝くじの当選金が非課税になる一番の理由は、私たちが宝くじを購入する金額の中にすでに税金と同じような仕組みが含まれているからです。宝くじの販売実績のうち、当選金として支払われるのは約46.9パーセントです。そして約36.6パーセントが全国の都道府県や指定都市に納められ、道路や学校などの公共事業に使われています。このように購入代金の約4割をすでに社会のために負担しているため、「当せん金付証票法」という法律によって所得税や住民税は非課税と定められています。
非課税となる宝くじの種類
日本の法律に基づいて販売されている公的な宝くじやスポーツくじはすべて非課税です。ジャンボ宝くじやロト6、ロト7、ナンバーズ、スクラッチなどはもちろんのこと、totoやBIGといったスポーツ振興くじも非課税の対象となります。どれだけ高額な当選金を受け取っても確定申告の必要はありません。
| くじの種類 | 課税の有無 |
|---|---|
| ジャンボ宝くじ・ロト・スクラッチ | 非課税(所得税・住民税なし) |
| スポーツ振興くじ(toto・BIG) | 非課税(所得税・住民税なし) |
| 競馬・競輪などの公営競技 | 課税対象(年間50万円を超えると一時所得) |
| 海外の宝くじ | 課税対象(日本の非課税ルール適用外) |
海外の宝くじや公営競技との違い
同じようにギャンブルや運試しの要素があるものでも、競馬や競輪、ボートレースなどの払戻金は一時所得となり、年間の利益が特別控除額の50万円を超えると所得税の課税対象になります。また、インターネットなどで海外の宝くじを購入して当選した場合、日本の法律である当せん金付証票法が適用されないため、全額が所得税の対象となってしまいます。日本の宝くじだけが特別な非課税扱いとなっているのです。
非課税の宝くじでも税金がかかる要注意ケース
当選金を受け取ること自体には税金がかかりませんが、そのお金をどのように使うかによっては、別の税金が発生してしまうことがあります。特に注意したいのが贈与税です。
家族や友人に当選金を分配したときの贈与税
高額当選の喜びを家族や友人と分かち合おうとして、当選金の一部を相手の口座に振り込んだり現金で渡したりすると、贈与税の対象になってしまいます。贈与税は、1月1日から12月31日までの1年間に受け取った財産が基礎控除額の110万円を超えると発生します。たとえば、子どもに1,000万円をプレゼントした場合、基礎控除の110万円を差し引いた890万円に対して、金額に応じた税率で贈与税がかかります。良かれと思って分けたお金で相手に多額の税金負担を強いることになるため、十分に気をつけましょう。
| 年間に贈与した金額 | 贈与税の発生有無 |
|---|---|
| 110万円以下 | 贈与税はかからない |
| 110万円超 | 110万円を超えた部分に対して贈与税がかかる |
当選金で家や車をプレゼントした場合
現金をそのまま渡さなくても、当選金で家や車を購入して、配偶者や子どもの名義にした場合も贈与税がかかります。不動産や自動車といった高額な財産を無償で与えたとみなされるためです。また、親の家の住宅ローンを当選金で肩代わりして全額返済してあげた場合も、親に対して借金免除という利益を与えたことになり、やはり贈与税の対象となってしまいます。
共同購入したときの注意点
職場の同僚や友人と宝くじを共同購入して高額当選した場合、代表者が1人で銀行へ行って全額を受け取り、後からそれぞれの口座に分配すると、代表者から他の人への贈与とみなされてしまいます。これを防ぐためには、当選金を受け取る際に共同購入した全員で銀行へ行く必要があります。そして、それぞれの受け取り割合に応じて直接各個人の口座へ振り込んでもらうことで、贈与税を回避することができます。
宝くじが高額当選したときにやるべき対策
余計な税金を払わないため、そして税務署に疑われないために、当選したら必ずやっておくべき具体的な対策をお伝えします。
当選証明書の発行を依頼する
1,000万円を超えるような高額当選をして家や車を購入すると、税務署から「その購入資金はどこから出たのですか」とお尋ねの連絡が来ることがあります。その際に宝くじの当選金であることを証明できないと、申告漏れを疑われてしまうかもしれません。当選金を受け取る際には、銀行の窓口で必ず宝くじ当せん金受取書(当選証明書)を発行してもらい、大切に保管しておきましょう。
共同購入の場合は委任状を準備する
共同購入をした全員で銀行に行くのが原則ですが、どうしても仕事や遠方などの理由で行けない人がいる場合は、委任状を作成することで対応できます。銀行に用意されている所定の用紙に、共同購入者の全員の氏名、住所、受け取る金額の割合を正しく記入し、代表者が窓口に提出します。これで全員が自分の割合の当選金を直接受け取ったことになり、贈与税の心配がなくなります。
当選金を使い切れずに亡くなった場合の相続税
宝くじの当選金が手元に残ったまま亡くなってしまった場合、その残ったお金には相続税がかかります。現金や預金としての財産に変わっているためです。
相続税の基礎控除額とは
相続税には、一定の金額までなら税金がかからない基礎控除額というものがあります。計算式は「3,000万円 + (600万円 × 法定相続人の数)」です。たとえば、相続人が配偶者と子ども2人の合計3人だった場合、基礎控除額は4,800万円となります。宝くじの当選金を含めた亡くなった方の全財産がこの4,800万円を超えていると、相続税の申告と納税が必要になります。
| 法定相続人の数 | 相続税の基礎控除額 |
|---|---|
| 1人 | 3,600万円 |
| 2人 | 4,200万円 |
| 3人 | 4,800万円 |
| 4人 | 5,400万円 |
生前対策としての賢い使い方
将来の相続税負担を減らすためには、生きているうちから計画的に財産を減らしていく生前対策が効果的です。毎年110万円以下の基礎控除の範囲内で家族に現金を渡す暦年贈与を活用したり、子どもが家を建てる際に「住宅取得等資金の贈与税の非課税の特例」を使って最大1,000万円まで非課税で援助したりする方法があります。ルールを守って正しく活用することが大切です。
まとめ
宝くじの当選金は、購入時にすでに社会への貢献が含まれているため、どれだけ高額でも所得税や住民税は非課税となります。しかし、そのお金を家族に分けたり、使い切れずに亡くなったりした場合には、贈与税や相続税といった別の税金がかかることになります。高額当選した際には、まずは銀行で当選証明書をもらい、大きなお金を動かすときには税金のルールをしっかり確認してから行動するようにしましょう。
参考文献
宝くじと税金のよくある質問まとめ
Q.宝くじの当選金に所得税や住民税はかかりますか?
A.宝くじの当選金は当せん金付証票法という法律により非課税と定められているため、いくら高額でも所得税や住民税は一切かかりません。
Q.宝くじが非課税になるのはなぜですか?
A.宝くじの購入代金のうち約40%がすでに公共事業などのために地方自治体に納められており、実質的に税金を負担しているのと同じ仕組みになっているからです。
Q.当選金を家族にプレゼントすると税金はかかりますか?
A.年間110万円を超える現金を渡したり、車や家を買ってあげたりすると、贈与税の対象になります。
Q.職場の同僚と共同購入した宝くじが高額当選した場合はどうすればいいですか?
A.代表者が全額受け取って分配すると贈与税がかかる恐れがあります。全員で銀行に行くか委任状を作成し、それぞれの割合で直接受け取ってください。
Q.宝くじの当選金で親の住宅ローンを返済してもいいですか?
A.当選金で親の借金を肩代わりすると、親に対して贈与を行ったとみなされ、親に多額の贈与税がかかる可能性があるため注意が必要です。
Q.当選金を使い切る前に亡くなった場合、税金はどうなりますか?
A.残った当選金は現金や預金として遺産に含まれるため、相続税の基礎控除額(3,000万円+600万円×法定相続人の数)を超えると相続税がかかります。