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遺産分割における調停と審判の違いとは?手続きの流れを解説

2026-03-29
目次

遺産分割協議がまとまらない場合、家庭裁判所で「調停」や「審判」を行うことになります。しかし、「調停と審判って何が違うの?」と疑問に思う方も多いでしょう。ここでは、調停と審判の違いや優先順位、具体的な手続きの流れ、費用について、分かりやすく解説していきますね。

遺産分割における調停と審判の基本的な違い

調停と審判は、どちらも裁判所を利用して遺産分割の問題を解決する手続きですが、結論を誰が出すのかという点で大きな違いがあります。わかりやすく表にまとめてみました。

項目 内容
決定権を持つ人 調停:相続人全員(合意が必要)
審判:裁判官(合意不要で決定)
手続きの進め方 調停:調停委員を交えた話し合い
審判:書面や証拠に基づく審査

調停はあくまで当事者間の合意を目指す話し合いの場です。一方で審判は、裁判官が法的な見地から強制的に結論を出す手続きです。このように、最終的な意思決定者に大きな違いがあることを覚えておきましょう。

遺産分割調停とは?

遺産分割調停とは、家庭裁判所の調停委員が相続人たちの間に入り、話し合いで適正な解決を目指す手続きです。当事者同士が直接顔を合わせることは少なく、個別に調停委員へ自分の希望を伝えます。最終的に相続人全員が納得して合意すれば調停成立となりますが、1人でも納得しない場合は不成立となります。

遺産分割審判とは?

遺産分割審判とは、調停で話し合いがまとまらなかった場合に、裁判官が遺産の分割方法を決定する手続きです。裁判官は、各相続人の法定相続分や、生前贈与による特別受益、介護などの寄与分といった具体的な事実関係と証拠に基づいて判断を下します。当事者の合意は必要なく、決定事項には強制力があります。

遺産分割調停や審判が必要になるケース

遺産分割は、まず相続人全員での話し合いである遺産分割協議から始まります。しかし、次のような場合には当事者同士での解決が難しく、調停や審判が必要になります。

必要になるケース 理由
相続人間で意見が対立している 特定の遺産の評価額や分け方に納得できず平行線になるため
話し合いに応じない相続人がいる 遺産分割協議には法定相続人全員の合意と署名押印が必要なため

まずは調停での合意を目指しますが、それでも決着がつかなければ審判へ進むという流れになります。

調停と審判の優先順位について

日本の法律では、遺産分割について必ず調停から始めなければならないというルールはありません。そのため、いきなり審判を申し立てることも可能です。しかし実務上は、いきなり審判を申し立てても、裁判所の判断でまずは調停に付されることがほとんどです。そのため、「まずは調停、ダメなら審判」という順番で進むと考えておきましょう。

遺産分割調停の具体的な流れと費用

ここでは、実際に遺産分割調停を行う際の手続きの流れや、必要となる具体的な費用について解説します。

項目 具体的な内容
申立費用 被相続人1人につき収入印紙1,200円分と連絡用の郵便切手代
必要書類 調停申立書、被相続人の出生から死亡までの戸籍謄本、相続人全員の戸籍謄本など

費用自体はそこまで高額ではありませんが、書類を集める手間がかかります。

調停申立書の作成と準備

調停を始めるためには、家庭裁判所に提出する「遺産分割調停申立書」を作成します。書式は裁判所の窓口やホームページで入手可能です。申立書には、分割を求める遺産の目録や、相続人の関係を示す親族関係図なども添付する必要があります。

家庭裁判所への申立てと出頭

書類が揃ったら、相手方である他の相続人の住所地を管轄する家庭裁判所へ提出します。申立てが受理されると、裁判所から調停期日の通知が届きます。指定された日時に裁判所へ出頭し、調停委員を介して自分の主張を伝えていきます。月に1回程度のペースで行われ、解決までには半年から1年以上の期間がかかることが多いです。

遺産分割審判の具体的な流れ

調停で全員の合意が得られず不成立となった場合、自動的に遺産分割審判の手続きへと移行します。改めて審判の申し立てを行う必要はありません。審判では、調停委員ではなく裁判官が中心となって手続きを進めます。

審判の特徴 内容
主張の方法 調停での話し合いとは異なり、訴訟のように書面や証拠を提出して主張する
結果の通知 裁判所に行かずとも、書面(審判書)によって最終的な結果が通知される

審判はより法的な観点が重視される厳格な手続きとなります。

主張と立証の重要性

審判において最も重要なのは、自身の主張を裏付ける客観的な証拠です。たとえば、「親の介護を献身的に行ったから寄与分を認めてほしい」と主張する場合、単に言葉で伝えるだけでなく、月額数万円かかったヘルパー代の領収書や、具体的な介護日誌などの証拠を提出する必要があります。裁判官はこれらの証拠に基づいて法的に妥当な判断を下します。

審判への不服申し立て

裁判官が下した審判の内容にどうしても納得がいかない場合、審判の告知を受けた日から2週間以内に「即時抗告」という不服申し立てを行うことができます。即時抗告を行うと、舞台は高等裁判所へと移り、再度審理が行われます。期限内に誰も即時抗告をしなければ、審判は確定し、法的な強制力を持つことになります。

まとめ

この記事では、遺産分割における調停と審判の違いを中心に解説しました。調停は「話し合いによる合意」を目指し、審判は「裁判官による強制的な決定」という明確な違いがあります。いきなり審判を申し立てることも可能ですが、基本的には調停からスタートし、まとまらなければ審判へ移行するという流れになります。感情的な対立が深まる前に、法的な根拠に基づいた客観的な証拠を準備することが、スムーズな解決への近道となります。

参考文献

裁判所:遺産分割調停
国税庁:相続人の範囲と法定相続分

調停と審判の違いに関するよくある質問まとめ

Q.調停と審判の一番の違いは何ですか?

A.調停は相続人同士が合意を目指して話し合う手続きですが、審判は話し合いではなく、裁判官が法的な証拠に基づいて強制的に結論を決定する手続きです。

Q.いきなり審判を申し立てることはできますか?

A.法律上はいきなり審判を申し立てることも可能ですが、実務上は裁判所の判断により、まずは調停での話し合いから進めるよう指示されることがほとんどです。

Q.調停にはどれくらいの費用がかかりますか?

A.申し立て費用として、被相続人1人につき1,200円分の収入印紙と、連絡用の郵便切手代が必要となります。

Q.調停がまとまらなかったらどうなりますか?

A.調停で相続人全員の合意が得られず不成立となった場合は、自動的に審判の手続きへと移行し、裁判官による決定が行われます。

Q.審判の内容に納得できない場合はどうすればいいですか?

A.審判の結果を記した書面を受け取った日から2週間以内であれば、高等裁判所に対して即時抗告という不服申し立てを行うことができます。

Q.調停にはどのくらいの期間がかかりますか?

A.月に1回程度のペースで話し合いが行われるため、意見の対立が激しい場合は解決までに半年から1年以上かかることも珍しくありません。

事務所概要
社名
税理士法人プライムパートナーズ
住所
〒107-0052
東京都港区赤坂5丁目2−33
IsaI AkasakA 17階
対応責任者
税理士 島本 雅史

本記事は正確な情報提供を心掛けておりますが、執筆時点の情報に基づいているため、法改正や人的ミス、個別のケースにより適用が異なる可能性があります。最新の情報や具体的なご相談については、お気軽に弊法人の税理士までお問い合わせください。

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