税理士法人プライムパートナーズ

住み替え時の税金関係とは?使える特例と節税対策を徹底解説

2025-10-14
目次

住み替えをご検討中ですね。家を売って新しい家を買うときには、さまざまな税金がかかります。「どれくらい税金がかかるのか不安」という方も多いのではないでしょうか。実は、住み替え時には税金の負担を軽くするための特例がいくつも用意されています。この記事では、住み替え時の税金関係について、売却時と購入時に分けて詳しく、そしてわかりやすく解説します。具体的な金額や要件も表でまとめていますので、ぜひ参考にしてみてくださいね。

住み替え時にかかる税金の全体像

住み替えでは、今住んでいる家を売却するときと、新しい家を購入するときの両方で税金が発生します。それぞれどのような税金がかかるのかを事前に知っておくことで、資金計画が立てやすくなります。

売却時にかかる税金

家を売却する際には、主に以下の4つの税金がかかります。売却して利益が出た場合にかかる税金や、手続き上必ずかかる税金があります。

税金の種類 概要と具体的な金額の目安
印紙税 売買契約書に貼る収入印紙代です。売買金額が1,000万円超5,000万円以下の場合は1万円(2027年3月31日までの軽減税率)です。
登録免許税 住宅ローンの抵当権を抹消するための税金です。不動産1個につき1,000円(土地と建物で通常2,000円)かかります。
消費税 不動産会社に支払う仲介手数料や、司法書士への報酬に対して10%の税金がかかります。
譲渡所得税 家を売却して利益(譲渡所得)が出た場合にかかる税金です。所得税、住民税、復興特別所得税が含まれます。

購入時にかかる税金

新しい家を購入する際にも税金がかかります。物件の価格だけでなく、これらの税金も初期費用として見積もっておくことが大切です。

税金の種類 概要と具体的な金額の目安
印紙税 売買契約書や住宅ローン契約書に貼る収入印紙代です。1,000万円超5,000万円以下の住宅ローン契約書の場合は2万円です。
登録免許税 所有権移転登記などにかかる税金です。新築住宅を購入して登記する場合、固定資産税評価額の0.15%(2027年3月31日までの軽減税率)がかかります。
不動産取得税 不動産を取得した際にかかる都道府県税です。土地・建物ともに固定資産税評価額の3%(2027年3月31日までの軽減税率)がかかります。
消費税 不動産会社から建物を購入する場合の建物価格や、仲介手数料に対して10%がかかります。個人から購入する中古住宅の建物部分にはかかりません。

家を売却する際にかかる税金と計算方法

売却時の税金で特に注意したいのが、売却益が出た場合にかかる譲渡所得税です。ここでは具体的な計算方法を見ていきましょう。

譲渡所得とは

譲渡所得とは、家を売却して得た利益のことです。単純に売れた金額ではなく、家を買ったときにかかった費用と、売ったときにかかった費用を差し引いて計算します。この利益がプラスになった場合にのみ税金がかかります。

項目 具体的な内容
取得費 家を購入した際の代金(建物の減価償却費を差し引いた額)や、購入時の仲介手数料などです。
譲渡費用 家を売却した際に支払った仲介手数料、測量費、建物の解体費用などです。

譲渡所得の計算方法

譲渡所得は以下の計算式で求められます。たとえば、3,500万円で購入した家を4,000万円で売却し、売却時の諸費用が127万円だった場合、譲渡所得は「4,000万円 - (3,500万円 + 127万円) = 373万円」となります。

計算式 計算の流れ
譲渡所得 売却価格 - (取得費 + 譲渡費用)
譲渡所得税 譲渡所得 × 税率

所有期間による税率の違い

譲渡所得にかかる税率は、家を所有していた期間によって大きく変わります。売却した年の1月1日時点で、所有期間が5年を超えているかどうかで判断されるため、売却のタイミングには注意が必要です。

所有期間の区分 税率(所得税・住民税・復興特別所得税の合計)
短期譲渡所得(5年以下) 39.63%(所得税30%、住民税9%、復興特別所得税0.63%)
長期譲渡所得(5年超) 20.315%(所得税15%、住民税5%、復興特別所得税0.315%)

売却時に利用できる税金の特例

売却して利益が出た場合でも、国が用意している特例を利用すれば、税金をゼロにしたり、大幅に減らしたりすることができます。住み替え時の税金関係で最も重要なポイントです。

3,000万円の特別控除

マイホームを売却したとき、譲渡所得から最高3,000万円までを差し引くことができる非常に強力な特例です。つまり、利益が3,000万円までなら税金は一切かかりません。

適用要件の例 具体的な内容
居住の実態と期限 自分が実際に住んでいた家であり、住まなくなってから3年目の12月31日までに売却すること。
対象外となる取引 親子や夫婦、生計をともにする親族など、特別な関係にある人への売却ではないこと。

軽減税率の特例

売却した年の1月1日時点で、所有期間が10年を超えているマイホームを売る場合、税率がさらに低くなる特例です。この特例は、先ほど紹介した3,000万円の特別控除と組み合わせて利用することができます。

譲渡所得の金額 軽減後の税率(所得税・住民税・復興特別所得税の合計)
6,000万円以下の部分 14.21%(通常の20.315%から大幅に軽減されます)
6,000万円を超える部分 20.315%(通常の長期譲渡所得と同じ税率です)

特定の居住用財産の買い替え特例

以前の家を売って新しい家を買う場合、売却益にかかる税金の支払いを将来に先送り(繰り延べ)できる特例です。税金が免除されるわけではなく、新しく購入した家を将来売却する際にまとめて課税されます。

主な適用要件 具体的な内容
所有期間と居住期間 売却する年の1月1日時点で、所有期間と居住期間が共に10年を超えていること。
売却と購入の価格 売却代金が1億円以下であり、売却した年の前年から翌年までの3年間に新しい家を購入すること。

売却して損失が出た場合の特例

家を売却して、購入時よりも価格が下がり赤字(譲渡損失)になってしまった場合でも、税金の負担を軽くしてくれる特例があります。

損益通算による節税

家の売却による赤字を、その年の給与所得や事業所得など他の所得から差し引くことができる制度です。これを損益通算と呼びます。所得が減ることで、会社員の方であれば払いすぎた所得税や住民税が還付される可能性があります。

適用要件の例 具体的な内容
新居の購入 売却の年の前年1月1日から翌年12月31日までに、床面積50平方メートル以上の新しい家を購入すること。
住宅ローンの利用 新しく購入する家について、返済期間10年以上の住宅ローンを組むこと。

繰越控除の仕組み

売却による赤字が大きく、その年の給与所得などから全額を引ききれなかった場合、残りの赤字を翌年以降最長3年間にわたって繰り越して差し引くことができる制度です。

控除の期間と回数 具体的な内容
繰り越せる期間 家を売却した年の翌年から数えて最長3年間。
所得の制限 繰越控除を受ける年の合計所得金額が3,000万円以下であること。

家を購入する時に利用できる特例

新しい家を購入する際にも、税金の負担を減らしてくれる心強い制度があります。代表的なものを見ていきましょう。

住宅ローン控除

住宅ローンを組んで家を買うと、年末のローン残高の0.7%が所得税や住民税から差し引かれる制度です。原則として新築住宅なら最長13年間、中古住宅なら最長10年間にわたって控除が受けられます。

住宅の種類(2024年・2025年入居) 対象となる借入限度額
認定長期優良住宅・認定低炭素住宅(新築) 4,500万円(最大控除額は年間31.5万円)
ZEH水準省エネ住宅(新築) 3,500万円(最大控除額は年間24.5万円)

不動産取得税の軽減措置

家や土地を購入した際にかかる不動産取得税にも軽減措置があります。しっかりと要件を満たせば、税金がゼロになるケースも多くあります。

対象となる不動産 軽減内容(2027年3月31日まで)
新築の建物 固定資産税評価額から1,200万円(認定長期優良住宅は1,300万円)を差し引いて計算します。
取得した土地 評価額を半分にした上で3%を掛け、そこから最低45,000円を差し引いて計算します。

まとめ

住み替え時の税金関係について、売却と購入のそれぞれの場面でかかる税金と、負担を軽くするための特例を解説しました。家を売って利益が出た場合は3,000万円の特別控除、損失が出た場合は損益通算と繰越控除、そして購入時には住宅ローン控除など、状況に合わせてさまざまな制度が用意されています。

ただし、これらの特例には「3,000万円の特別控除と住宅ローン控除は併用できない」といった制限があるため、ご自身の状況に合わせて最も有利な組み合わせを選ぶことが重要です。特例を利用するためには売却・購入の翌年に確定申告が必要になりますので、忘れずに手続きを行ってくださいね。

参考文献

国税庁 No.3302 マイホームを売ったときの特例
国税庁 No.3305 マイホームを売ったときの軽減税率の特例
国税庁 No.3355 特定のマイホームを買い換えたときの特例
国税庁 No.3370 マイホームを買い換えた場合に譲渡損失が生じたとき
国税庁 No.1211-1 住宅の新築等をし、令和4年以降に居住の用に供した場合(住宅借入金等特別控除)

住み替え時の税金関係のよくある質問まとめ

Q.住み替え時にかかる税金にはどのようなものがありますか?

A.売却時には印紙税、登録免許税、消費税、譲渡所得税が、購入時には印紙税、登録免許税、不動産取得税などがかかります。

Q.家を売却して利益が出た場合、必ず税金を払わなければなりませんか?

A.一定の要件を満たせば3,000万円の特別控除を利用でき、利益が3,000万円までなら譲渡所得税はかかりません。

Q.3,000万円の特別控除と住宅ローン控除は同時に利用できますか?

A.原則として併用することはできません。どちらの特例を利用した方が税制上有利になるか、事前にシミュレーションして選ぶ必要があります。

Q.家を売却して購入時より価格が下がり、赤字になった場合はどうなりますか?

A.損益通算と繰越控除の特例を利用することで、給与所得など他の所得から赤字分を差し引き、所得税や住民税を減らすことができます。

Q.住み替えの税金の特例を利用するにはどのような手続きが必要ですか?

A.特例を適用するためには、売却または購入した翌年の2月16日から3月15日までの間に、税務署で確定申告を行う必要があります。

Q.親子間で家を売却した場合でも税金の特例は使えますか?

A.親子や夫婦など、特別な関係にある人への売却では、3,000万円の特別控除や軽減税率の特例を利用することはできません。

事務所概要
社名
税理士法人プライムパートナーズ
住所
〒107-0052
東京都港区赤坂5丁目2−33
IsaI AkasakA 17階
対応責任者
税理士 島本 雅史

本記事は正確な情報提供を心掛けておりますが、執筆時点の情報に基づいているため、法改正や人的ミス、個別のケースにより適用が異なる可能性があります。最新の情報や具体的なご相談については、お気軽に弊法人の税理士までお問い合わせください。

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