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貸し駐車場があるマイホーム売却!3000万円控除は使える?

2025-10-27
目次

ご自宅の敷地の一部を月極駐車場などとして人に貸し出している場合、いざマイホームを売却しようとしたときに「3000万円の特別控除は全額使えるのだろうか」と不安に思うことはありませんか。実は、居住用として使っている部分と、事業用として貸し出している部分では、税金の取り扱いが異なります。今回は、駐車場が併設されたご自宅を売却する際の控除の適用範囲や、具体的な計算方法、注意すべきポイントについて分かりやすく解説いたします。

マイホーム売却の3000万円特別控除の仕組み

マイホームを売却して利益(譲渡所得)が出た場合、通常はその利益に対して約20パーセントから39パーセントの税金がかかります。しかし、居住用財産を譲渡した場合の3000万円の特別控除の特例を利用すると、売却益から最高3000万円を差し引くことができ、税金を大幅に減らすことができます。

控除による具体的な節税効果

例えば、5年以上所有したマイホームを売却して2000万円の利益が出た場合、通常は約400万円の税金がかかります。しかし、この控除を適用すれば利益が全額差し引かれてゼロになるため、税金は1円もかかりません。非常に節税効果の高い制度となっています。

特例を利用するための主な条件

この特例を受けるためには、いくつかの具体的な条件を満たす必要があります。主な条件は以下の通りです。

条件の項目 具体的な内容
居住の事実 自分が実際に住んでいる、または住まなくなってから3年目の12月31日までに売却すること
適用間隔 売却した年の前年および前々年にこの特例を利用していないこと(3年に1度だけ利用可能)
売却の相手 親子や夫婦など、生計を共にする特別な関係者への売却ではないこと

住宅ローン控除との併用について

新居に買い替える場合、新しい家で住宅ローン控除を利用したいと考える方も多いでしょう。しかし、売却した家で3000万円特別控除を利用すると、その前後2年間(合計5年間)は新居での住宅ローン控除が利用できなくなります。どちらを利用した方が手元に残るお金が多くなるか、事前に計算して比較することが大切です。

敷地の一部を駐車場にしている場合の適用範囲

ご自宅の敷地の一部を他人に貸し出して駐車場にしている場合、敷地全体に3000万円の控除が使えるわけではありません。居住用と貸付用で明確に分けて考える必要があります。

貸し駐車場部分は控除の対象外

3000万円特別控除は、あくまで居住用財産(マイホーム)に対する特例です。そのため、月極駐車場などとして他人に貸し出して収入を得ている部分は事業用とみなされ、特例の対象から外れてしまいます。控除が使えるのは、ご自宅の建物とその敷地として実際に使っている部分のみとなります。

面積の比率による按分計算の方法

売却した金額や取得にかかった費用は、居住用部分と駐車場部分の面積の比率で分けて計算します。例えば、敷地全体が200平方メートルで、そのうち150平方メートルを自宅の庭や駐車場として使い、残り50平方メートルを他人に貸し出しているとします。この場合、売却益の4分の3が3000万円特別控除の対象となり、残りの4分の1には通常の税金がかかります。

店舗併用住宅などの90パーセントルール

もし、敷地や建物の中で居住用として使っている部分が全体の90パーセント以上を占めている場合は、特例として全体を居住用として扱ってよいというルールがあります。駐車場として貸している面積が全体の10パーセント未満であれば、面積を分けることなく、売却益全体に対して3000万円特別控除を適用することができます。

建物を解体して更地で売却する場合の注意点

古い家を解体して、更地にしてから売却する方が高く売れるケースもあります。更地にした場合でも、しっかり期限を守れば3000万円特別控除を利用することができます。

解体から1年以内の売買契約が必須

建物を解体して更地で売却する場合、家屋を取り壊した日から1年以内に土地の売買契約を結ぶ必要があります。さらに、住まなくなった日から3年目の12月31日までに売却を完了させなければなりません。この期限を過ぎてしまうと、ただの空き地の売却とみなされ、控除が使えなくなってしまいます。

更地を駐車場として貸すと適用外に

家を解体した後、売却相手が見つかるまでの間に「少しでも収入を得よう」と更地を駐車場にして他人に貸し出してしまうと、その時点で居住用財産とは認められなくなります。一時的であっても、事業用や貸付用に使ってしまうと3000万円特別控除は一切使えなくなるため、取り壊し後の土地の活用には十分注意してください。

引っ越しなどで空き家になった場合の取り扱い

転勤や住み替えなどでマイホームから引っ越し、空き家になってから売却する場合でも、期限内に売却すれば控除の対象となります。

住まなくなってから3年目の年末まで

引っ越して空き家になった場合、住まなくなった日から3年を経過する日の属する年の12月31日までに売却すれば、3000万円特別控除を利用できます。例えば、2020年の5月に引っ越した場合、3年目の年末である2023年の12月31日までに引き渡しを終える必要があります。

空き家を賃貸に出した場合の期限

引っ越した後に、売却するまでの期間だけその家を他人に貸し出していた場合でも、上記の「住まなくなってから3年目の12月31日まで」という期限内に売却すれば控除を利用できます。ただし、入居者がいる状態で売却するか、退去してもらってから売却するかで手続きが変わるため、賃貸に出す際は定期借家契約などを利用して、売却時期に合わせて確実に退去してもらえる工夫が必要です。

適用を受けるための確定申告の手続き

3000万円特別控除は、自動的に適用されるわけではありません。売却した翌年に、ご自身で税務署に申告を行う必要があります。

売却した翌年の確定申告が必須

マイホームを売却した年の翌年、原則として2月16日から3月15日までの間に、管轄の税務署で確定申告を行わなければなりません。たとえ計算の結果、控除を適用して税金がゼロ円になる場合でも、申告を忘れると控除が認められず、後から高額な税金を請求されてしまう恐れがあります。

手続きに必要な具体的な書類一覧

確定申告には、売却した事実や居住していた事実を証明するための書類が必要です。早めに準備しておきましょう。

必要書類の名称 入手先や準備方法
譲渡所得の内訳書 税務署の窓口や国税庁のホームページで取得
売買契約書のコピー 購入時と売却時の両方の契約書をご自身で用意
戸籍の附票など 引っ越し等で売却時の住民票の住所と物件住所が違う場合に市区町村役場で取得

まとめ

ご自宅の一部を貸し出し駐車場にしている場合でも、居住用として使っている部分については3000万円特別控除を利用することができます。ただし、駐車場部分は事業用とみなされるため、面積の比率に応じて利益を分けて計算しなければなりません。また、建物を解体して更地にする場合や、引っ越して空き家になった場合には、売却の期限やその間の土地の使い道に厳格なルールが定められています。控除を受けられないと手元に残るお金が大きく変わってくるため、売却の翌年には必ず確定申告を行い、期限や要件をしっかりと守って手続きを進めてください。

参考文献

国税庁 No.3302 マイホームを売ったときの特例

マイホーム売却と3000万円特別控除のよくある質問まとめ

Q.貸し駐車場を含むマイホームを売却した場合、3000万円控除は全額使えますか?

A.駐車場として他人に貸し出している部分は事業用となるため控除の対象外です。居住用部分と貸付部分を面積の比率で分けて計算し、居住用部分のみに控除が適用されます。

Q.駐車場部分がごくわずかな面積でも分けて計算しなければなりませんか?

A.居住用として使っている部分が敷地全体の90パーセント以上であれば、敷地全体を居住用財産とみなして3000万円特別控除を適用できる特例ルールがあります。

Q.家を解体して更地にしてから売却しても控除は使えますか?

A.家屋を取り壊した日から1年以内に売買契約を結び、かつ住まなくなってから3年目の12月31日までに売却すれば使えます。ただし解体後に駐車場として貸し出すと対象外になります。

Q.引っ越して空き家になってから何年以内なら売却しても控除が使えますか?

A.住まなくなった日から3年を経過する日の属する年の12月31日までに売却を完了すれば、3000万円特別控除を利用することができます。

Q.売却して利益が出たものの、控除を使って税金がゼロになる場合、確定申告は必要ですか?

A.はい、確定申告は必須です。特例を適用して税金がゼロになる場合でも、売却した翌年の2月16日から3月15日までの間に必ず税務署へ申告を行ってください。

Q.新居を購入して住宅ローン控除を使いたいのですが、3000万円控除と両方使えますか?

A.原則として同時には使えません。マイホーム売却で3000万円特別控除を利用すると、その前後2年間は新居での住宅ローン控除が利用できなくなるため、どちらがお得か計算が必要です。

事務所概要
社名
税理士法人プライムパートナーズ
住所
〒107-0052
東京都港区赤坂5丁目2−33
IsaI AkasakA 17階
対応責任者
税理士 島本 雅史

本記事は正確な情報提供を心掛けておりますが、執筆時点の情報に基づいているため、法改正や人的ミス、個別のケースにより適用が異なる可能性があります。最新の情報や具体的なご相談については、お気軽に弊法人の税理士までお問い合わせください。

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