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結婚子育て資金贈与とは?1000万円が非課税になる要件と注意点

2026-04-29
目次

お子様やお孫様の将来のために、まとまった資金を援助してあげたいとお考えではないでしょうか。通常、高額なお金を渡すと多額の税金がかかりますが、結婚子育て資金贈与とは、一定の条件を満たすことで最大1,000万円まで贈与税が非課税になるお得な制度です。この記事では、対象となる費用の範囲や具体的な手続きの流れ、利用する上で気をつけるべき注意点まで、わかりやすく解説いたします。

結婚子育て資金の一括贈与とはどのような制度?

最大1000万円まで贈与税が非課税になる仕組み

親や祖父母などの直系尊属から、子どもや孫へ結婚や子育ての資金をまとめて贈与した場合に、最大1,000万円まで贈与税がかからなくなる制度です。この1,000万円の枠のうち、結婚に関する費用として使えるのは300万円までと決められています。将来の経済的な不安を減らし、若い世代が安心して結婚や出産に踏み切れるように国が支援する目的で作られました。

対象となる受贈者(もらう人)の年齢と所得要件

資金を受け取るお子様やお孫様には、年齢と所得の条件があります。年齢は、贈与を受けた年の1月1日時点で18歳以上50歳未満であることが必要です。また、前年の合計所得金額が1,000万円以下である必要があります。この条件を満たさない場合は、非課税の特例を受けることができません。

条件項目 具体的な要件
年齢要件 贈与を受けた年の1月1日時点で18歳以上50歳未満
所得要件 前年の合計所得金額が1,000万円以下

贈与者(あげる人)の範囲と対象期間

資金をあげる人は、受け取る人の直系尊属に限られます。具体的には、ご両親や祖父母、曾祖父母が該当します。配偶者のご両親からの贈与はこの制度の対象になりません。また、この特例措置は期間限定の制度となっており、現在のところ2027年(令和9年)3月31日までの贈与が対象とされています。

非課税の対象となる結婚や子育て費用の範囲

結婚関係で使える費用と対象外のもの

結婚関連の費用としては、全体枠1,000万円のうち300万円まで利用できます。入籍日の1年前以降に支払われた挙式や披露宴の費用、結婚を機に新しく借りた家の家賃や敷金、引っ越し費用などが対象です。一方で、婚約指輪や結婚指輪の購入費用、新婚旅行代、家具や家電の購入費などは非課税の対象外となりますのでご注意ください。

対象となる結婚費用(300万円まで) 対象外となる結婚費用
挙式代、披露宴費用、入籍日前後1年以内の家賃や引っ越し代 婚約・結婚指輪代、新婚旅行代、家具・家電の購入費、エステ代

妊娠や出産にかかる費用の具体例

妊娠や出産に関する費用は、上限1,000万円の範囲内で全額非課税の対象にできます。人工授精などの不妊治療費、妊婦健診の費用、出産時の入院から退院までにかかる分娩費用などが広く認められています。また、出産後1年以内に利用した産後ケアの費用(6泊分または7回分まで)も対象に含まれます。

子育てや育児にかかる保育料や医療費

お子様が生まれてからの育児費用も幅広くカバーされます。未就学児の治療費や予防接種代、乳幼児健診の費用に加え、処方箋に基づく医薬品の購入費が対象です。さらに、幼稚園の入園料や保育園の保育料、施設設備費なども非課税枠の範囲内で支払うことができます。

費用の種類 具体的な内容
妊娠・出産費用 不妊治療費、妊婦健診費、分娩費、入院費、産後ケア費用
育児・子育て費用 未就学児の治療費や予防接種代、処方箋薬代、保育料、幼稚園の入園料

結婚子育て資金贈与を利用するための手続きの流れ

専用口座の開設と非課税申告書の提出

この制度を利用するには、まず取り扱いのある金融機関で、資金を受け取るお子様やお孫様の名義で専用の口座を開設する必要があります。口座開設と同時に、贈与契約書などの必要書類を添えて、金融機関経由で税務署へ「結婚・子育て資金非課税申告書」を提出します。なお、資金は分割ではなく、一括で専用口座に振り込むことが条件です。

金融機関への領収書の提出と引き出し方法

専用口座からお金を引き出す、または立て替えたお金を口座から精算するためには、対象となる支払いを証明する領収書を金融機関に提出しなければなりません。領収書には支払った日付や金額、支払先が明記されている必要があります。提出期限は、支払いをした年の翌年3月15日までと決められているため、大切に保管して期日までに忘れずに手続きをしてください。

制度を利用する際の重要な注意点

受贈者が50歳になったときの残額への課税

資金を受け取ったお子様やお孫様が50歳の誕生日を迎えた時点で、専用口座の契約は強制的に終了となります。もしその時点で口座に使い切れなかったお金(残額)がある場合、その残額に対して贈与税が課税されてしまいます。そのため、将来かかる費用をしっかりと見積もり、確実に使い切れる金額だけを贈与することが大切です。

贈与者が亡くなった場合の相続税の取り扱い

口座の契約期間中に、お金をあげたご両親や祖父母が亡くなった場合、口座に残っている金額は相続によって取得したものとみなされ、相続税の対象となります。さらに、お孫様が受け取っていた場合、お孫様は原則として法定相続人ではないため、残額に対する相続税額が2割加算されるルールが適用される点には特に注意が必要です。

目的外で使ってしまった場合の贈与税

専用口座から引き出したお金を、結婚や子育てとは関係のない目的で使ってしまった場合や、領収書を期限までに提出できなかった場合は、その引き出した金額に対して贈与税がかかります。制度の対象となる支出かどうか迷ったときは、自己判断せずに事前に金融機関などに確認することをおすすめします。

教育資金贈与や都度贈与との違い

必要な時にその都度あげる非課税の贈与との比較

実は、結婚式や出産の費用を、その都度必要な分だけご両親や祖父母が負担して直接支払ってあげる場合は、生活費等の扶養の範囲内とみなされ、そもそも贈与税はかかりません。一括贈与の制度は、認知症などで将来お金を渡せなくなるリスクに備えて、元気なうちにまとまったお金を非課税で専用口座に移しておける点に大きなメリットがあります。

教育資金の一括贈与制度との併用について

似た制度に、1,500万円まで非課税になる「教育資金の一括贈与」があります。この2つの制度は併用することが可能です。ただし、幼稚園の保育料など一部の費用はどちらの対象にもなりますが、同じ領収書を両方の口座に提出して二重にお金を引き出すことはできません。それぞれの目的に合わせて上手に使い分けることが重要です。

まとめ

結婚子育て資金の一括贈与は、お子様やお孫様の新しい門出を応援し、経済的な負担を大きく減らすことができる素晴らしい制度です。最大1,000万円まで贈与税が非課税になるという大きなメリットがある一方で、専用口座での管理や領収書の提出など、手続きには手間がかかります。また、使い切れなかった場合や贈与者が亡くなった場合には税金がかかるリスクもありますので、ご家族でしっかりと話し合い、ライフプランに合わせた計画的な活用をご検討ください。

参考文献

国税庁 No.4511 直系尊属から結婚・子育て資金の一括贈与を受けた場合の非課税
こども家庭庁 結婚・子育て資金の一括贈与に係る贈与税の非課税措置

結婚子育て資金贈与のよくある質問まとめ

Q.結婚子育て資金贈与とは誰から誰への贈与が対象ですか?

A.ご両親や祖父母、曾祖父母などの直系尊属から、18歳以上50歳未満のお子様やお孫様への贈与が対象です。配偶者のご両親からの贈与は対象外となります。

Q.非課税になる金額の上限はいくらですか?

A.受け取る人1人につき最大1,000万円までが非課税となります。ただし、そのうち結婚に関する費用として使えるのは300万円までと決められています。

Q.結婚指輪や新婚旅行の費用は非課税の対象になりますか?

A.結婚指輪や婚約指輪の購入費、新婚旅行代、新居の家具や家電の購入費用は非課税の対象外です。挙式代や入籍日前後1年以内の家賃や引っ越し費用などが対象になります。

Q.いつまでに手続きをする必要がありますか?

A.この制度は期間限定の措置となっており、現在の手続きの期限は2027年(令和9年)3月31日までに行われた贈与が対象となります。

Q.使い切れずに残ったお金はどうなりますか?

A.受け取った方が50歳になった時点で専用口座の契約が終了し、その時に残っていた金額に対しては贈与税が課税されます。そのため計画的な利用が必要です。

Q.口座にお金を入れたままあげる人が亡くなったらどうなりますか?

A.契約期間中に贈与者(あげる人)が亡くなった場合、口座に残っている金額は相続財産とみなされ、相続税の課税対象となります。お孫様の場合は相続税が2割加算されることがあります。

事務所概要
社名
税理士法人プライムパートナーズ
住所
〒107-0052
東京都港区赤坂5丁目2−33
IsaI AkasakA 17階
対応責任者
税理士 島本 雅史

本記事は正確な情報提供を心掛けておりますが、執筆時点の情報に基づいているため、法改正や人的ミス、個別のケースにより適用が異なる可能性があります。最新の情報や具体的なご相談については、お気軽に弊法人の税理士までお問い合わせください。

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