税理士法人プライムパートナーズ

知っておきたい!相続税の
延納・物納・納税猶予をやさしく解説

2025-01-15
目次

相続税って、ある日突然やってくるものですよね。「現金ですぐに払って」と言われても、そんな大金、なかなか用意できない…と困ってしまう方もいらっしゃるかもしれません。でも、ご安心ください。相続税には、支払いが難しい場合に利用できる制度があるんです。
今回は、そんな時に役立つ「延納」「物納」「納税猶予」について、わかりやすくご説明しますね。

延納ってどんな制度?分割払いで無理なく納税

延納は、相続税を一度に全額支払うのが難しい場合に、分割払いできる制度なんです。
「少しずつなら払えるのに…」という方に、ぜひ知っていただきたい制度です。

延納を利用できる条件は?

延納を利用するには、いくつかの条件があります。

  1. 相続税額が10万円を超えていること
  2. 現金で一度に支払うのが難しいこと
  3. 担保を提供すること(延納税額が100万円以下で、延納期間が3年以下の場合は不要)
  4. 延納申請書と担保提供関係書類を、期限までに税務署に提出すること

ちょっと難しそうに感じるかもしれませんが、税理士さんに相談すれば、スムーズに進められますよ。

延納期間と利子税について知っておこう

延納できる期間は、相続財産に占める不動産の割合などによって、最長5年から20年までと幅があります。
ただし、延納期間中は、利子税がかかることを覚えておきましょう。
利子税の割合は、状況によって変わることがあるので、最新の情報を確認してくださいね。

延納の申請手続きはどうすればいい?

延納の申請は、相続税の申告期限までに、税務署に必要書類を提出して行います。
必要書類は、延納申請書や担保提供関係書類などです。
ご自身で用意するのが難しい場合は、税理士さんに相談してみましょう。

物納ってどんな制度?現金以外の財産で納税

物納は、延納でも支払いが難しい場合に、現金ではなく、相続した財産そのもので納税する制度です。
「現金はないけど、土地や建物なら…」という場合に検討できます。

物納できる財産の種類と順位

物納できる財産には、種類と順位があります。

  1. 国債、地方債、不動産、船舶
  2. 社債、株式、証券投資信託または貸付信託の受益証券
  3. 動産

まずは1の財産から物納を検討し、適当なものがない場合に、2、3の順に検討します。
ただし、物納できない財産もあるので、注意が必要です。
例えば、担保になっているものや、権利関係がはっきりしないものなどは、物納できません。

物納の申請手続きはどうすればいい?

物納の申請も、延納と同じく、相続税の申告期限までに、税務署に必要書類を提出して行います。
必要書類は、物納申請書や物納手続関係書類などです。
こちらも、税理士さんに相談すると安心ですね。

物納と売却、どちらがお得?

「物納するくらいなら、売却して現金で払った方がいいのでは?」と思う方もいらっしゃるかもしれません。
確かに、物納する財産の評価額は、時価よりも低くなることが多いです。
しかし、売却すると譲渡所得税がかかる場合もあります。
どちらがお得かは、ケースバイケースなので、税理士さんに相談して、しっかり比較検討しましょう。

納税猶予ってどんな制度?特定の財産は納税が猶予される

納税猶予は、一定の条件を満たす場合に、特定の財産にかかる相続税の納税が猶予される制度です。
例えば、農地や非上場株式などを相続した場合に利用できます。

農地の納税猶予の特例とは?

農業を営んでいた方が亡くなり、その農地を相続した場合、一定の条件を満たせば、相続税の納税が猶予されます。
これは、農業を続ける方が、相続税の支払いのために農地を手放さなくて済むように設けられた制度です。

非上場株式の納税猶予の特例とは?

会社を経営していた方が亡くなり、その会社の株式(非上場株式)を相続した場合も、一定の条件を満たせば、相続税の納税が猶予されます。
これは、事業承継を円滑に進めるための制度です。

納税猶予の注意点

納税猶予は、あくまで「猶予」であって、「免除」ではありません。
猶予期間中に、農業や会社経営をやめてしまうなど、一定の事由に該当すると、猶予されていた相続税を納めなければならなくなります。
また、利子税もかかるので、注意が必要です。

延納・物納・納税猶予、どれを選べばいい?

延納・物納・納税猶予のどれを選ぶべきかは、相続した財産の種類や金額、ご自身の状況などによって異なります。
ご自身だけで判断するのは難しいので、まずは税理士さんに相談してみましょう。
専門家のアドバイスを受けることで、最適な方法を見つけることができますよ。

相続税の支払いで困らないためにできること

相続税の支払いで困らないためには、生前から準備しておくことが大切です。

  • 財産の把握と整理: どんな財産がどれくらいあるのかを把握し、必要に応じて整理しておきましょう。
  • 生前贈与の活用: 年間110万円までの贈与は非課税なので、計画的に行うことで、相続財産を減らすことができます。
  • 生命保険の活用: 相続税の納税資金を準備するために、生命保険を活用することもできます。

まとめ

相続税の支払いが難しい場合に利用できる「延納」「物納」「納税猶予」について解説しました。
これらの制度を上手に活用することで、相続税の負担を軽減することができます。
ただし、制度は複雑で、注意点も多いので、まずは税理士さんに相談することをおすすめします。
専門家と一緒に、ご自身に合った方法を見つけて、安心して相続手続きを進めてくださいね。

相続税の支払いが難しい?延納・物納・納税猶予のよくある質問まとめ

Q. 相続税の延納って何ですか?

A. 延納とは、相続税を一度に納められない場合に、分割払い(年払い)にする制度です。利子税がかかります。

Q. 相続税の物納って何ですか?

A. 物納とは、相続税を現金ではなく、相続した土地や建物などの「物」で納める制度です。

Q. 納税猶予って何ですか?

A. 納税猶予とは、一定の要件を満たす場合に、相続税の納税を先延ばしにできる制度です。

Q. 延納と物納、どちらを選ぶべきですか?

A. 現金での納付が難しい場合、まずは延納を検討し、それでも難しい場合に物納を検討するのが一般的です。

Q. 延納・物納・納税猶予には、それぞれどんな要件がありますか?

A. それぞれに細かな要件があります。税理士などの専門家に相談するか、国税庁のウェブサイトで確認しましょう。

Q. 延納・物納・納税猶予の手続きは難しいですか?

A. 必要書類の準備や申請書の作成など、手続きは複雑です。税理士に相談することをおすすめします。

事務所概要
社名
税理士法人プライムパートナーズ
住所
〒107-0052
東京都港区赤坂5丁目2−33
IsaI AkasakA 17階
電話番号
対応責任者
税理士 島本 雅史

本記事は正確な情報提供を心掛けておりますが、執筆時点の情報に基づいているため、法改正や人的ミス、個別のケースにより適用が異なる可能性があります。最新の情報や具体的なご相談については、お気軽に弊法人の税理士までお問い合わせください。

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