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会社員の税金対策|使える控除と節税制度をやさしく解説

目次
  1. 会社員の税金が決まる仕組み
  2. 給与収入から税額までの流れ
  3. 所得控除・税額控除・非課税制度の違い
  4. 節税額の考え方(所得控除1万円あたりの効果)
  5. 給与所得者が使える所得控除の全体像
  6. 保険料に関する控除(生命保険料控除・地震保険料控除)
  7. 生命保険料控除
  8. 地震保険料控除
  9. iDeCoによる所得控除(小規模企業共済等掛金控除)
  10. 医療費に関する控除(医療費控除・セルフメディケーション税制)
  11. 医療費控除
  12. セルフメディケーション税制
  13. ふるさと納税(寄附金控除)
  14. 住宅ローン控除(住宅借入金等特別控除)
  15. 家族に関する控除(扶養控除・配偶者控除)
  16. 扶養控除
  17. 配偶者控除・配偶者特別控除
  18. 給与所得者の特定支出控除
  19. NISAという非課税制度の活用
  20. 年末調整と確定申告の違い
  21. 会社員の税金対策の優先順位
  22. まとめ
  23. 参考文献
  24. 会社員の税金対策のよくある質問まとめ

「会社員は税金が給料から天引きされるだけで、節税なんてできない」——そう感じている方は少なくありません。毎月の給与明細を見て、引かれていく所得税や住民税に「どうにもできないのだろうか」とため息をつく方も多いはずです。

結論からお伝えすると、会社員(給与所得者)でも使える税金対策は数多くあります。確かに会社員は源泉徴収と年末調整で税金が自動的に計算されるため、自分で動く余地が見えにくいだけです。仕組みを知り、使える制度を選べば、払いすぎを防ぎ手取りを増やすことは十分に可能です。

この記事は、生命保険料控除やiDeCo、ふるさと納税、住宅ローン控除といった会社員が実際に使える税金対策を一つの地図として俯瞰し、優先順位と使い分けを整理する包括ガイドです。「何から手をつければよいか分からない」という方が、自分に合う対策を見つけられるよう、それぞれの効果と手間、注意点を正直にまとめました。個別の制度をさらに深く知りたい場合は、途中の関連コラムへ進んでいただけます。

会社員の税金が決まる仕組み

節税策を並べる前に、まずは「税金がどう決まるのか」を押さえておくと、どの対策がなぜ効くのかが腑に落ちます。会社員が節税を実感しにくいのは、この計算過程が給与から自動で処理され、目に触れないためです。

給与収入から税額までの流れ

会社員の所得税は、給与の額面そのものにかかるわけではありません。まず給与収入から給与所得控除(会社員の必要経費にあたる概算の控除)が差し引かれ、さらに各種の所得控除を引いた「課税所得」に税率をかけて計算します。給与所得控除は令和7年分以後、最低65万円(給与収入190万円まで)から、給与収入850万円超で頭打ちの195万円までの範囲で決まります。国税庁 No.1410 給与所得控除

給与収入 − 給与所得控除 − 所得控除 = 課税所得

この課税所得に、5%から45%までの累進税率をかけ、速算表の控除額を引いたものが所得税額です。たとえば課税所得が400万円の場合、税率は20%、速算控除額は42万7,500円です。国税庁 No.2260 所得税の税率

課税所得400万円 × 税率20% − 控除額42万7,500円 = 所得税額37万2,500円

ポイントは、所得控除を増やすほど課税所得が小さくなり、税額が下がるという点です。会社員が使える税金対策の多くは、この所得控除を積み増す仕組みです。なお、会社員は健康保険や厚生年金などの社会保険料が給与から天引きされ、その全額がすでに社会保険料控除として年末調整に反映されています。気づかないうちに控除を受けている部分もあるわけです。国税庁 No.1130 社会保険料控除

また、令和7年分(2025年分)以後は、すべての人に適用される基礎控除が48万円から58万円へ引き上げられました(合計所得金額2,350万円以下の場合。令和7年分・令和8年分は所得に応じて最大95万円までの上乗せがあります)。国税庁 No.1199 基礎控除

所得控除・税額控除・非課税制度の違い

「控除」と一口に言っても、効き方は大きく3種類に分かれます。ここを区別できると、住宅ローン控除やNISAがなぜ別格に効くのかが分かります。

所得控除 税額計算のもとになる課税所得を小さくする。効果は税率分。生命保険料控除・iDeCo・医療費控除などが該当します。
税額控除 計算後の税額から直接差し引く。1万円の控除がそのまま1万円の減税になり効果が大きい。住宅ローン控除が代表例です。
非課税制度 利益そのものに税金がかからない。所得控除ではないが手取りを守る。NISAが代表例です。

節税額の考え方(所得控除1万円あたりの効果)

所得控除でよくある誤解が「控除額がそのまま戻ってくる」というものです。実際に戻るのは控除額に税率をかけた分です。所得税率20%の会社員がiDeCoで年24万円を積み立てた場合、所得控除24万円に対して軽減される所得税は次のとおりです。

所得控除24万円 × 所得税率20% = 所得税の軽減4万8,000円

さらに、所得控除は住民税(税率はおおむね一律10%)の計算にも反映されるため、住民税も軽くなります。

所得控除24万円 × 住民税率10% = 住民税の軽減2万4,000円
所得税の軽減4万8,000円 + 住民税の軽減2万4,000円 = 年間の軽減額7万2,000円

同じ「24万円の所得控除」でも、税率が高い人ほど戻る金額は大きくなります。自分の税率が何%の区分にあるかを知っておくと、対策の効果をイメージしやすくなります。

給与所得者が使える所得控除の全体像

ここからは、会社員が使える主な税金対策を一覧にします。まずは全体像を眺め、自分に当てはまりそうなものに見当をつけてください。各制度の詳細はこのあとの見出しで一つずつ解説します。

生命保険料控除 生命保険・介護医療保険・個人年金保険の保険料を払っている人。年末調整で完結します。
地震保険料控除 地震保険に加入している人。年末調整で完結します。
iDeCo(小規模企業共済等掛金控除) 老後資金を自分で積み立てたい人。掛金の全額が所得控除になります。
医療費控除 1年間の医療費の自己負担が大きかった人。確定申告が必要です。
セルフメディケーション税制 市販薬の購入が多く、健康診断などを受けている人。確定申告が必要です。
ふるさと納税(寄附金控除) 実質2,000円で返礼品を受け取りたい人。条件を満たせば申告不要です。
住宅ローン控除 住宅ローンでマイホームを取得した人。税額控除のため効果が大きい制度です。
扶養控除・配偶者控除 家族を扶養している人。年末調整で完結します。
特定支出控除 仕事に必要な費用を自己負担で多く払っている人。確定申告が必要です。
NISA 投資の運用益を非課税にしたい人。所得控除ではない非課税制度です。

保険料に関する控除(生命保険料控除・地震保険料控除)

すでに加入している保険があるなら、まず確認したいのが保険料控除です。新たな支出をせずに使え、多くは年末調整の書類提出だけで完結します。

生命保険料控除

生命保険料控除は、契約時期によって上限が異なります。平成24年1月1日以後の契約(新制度)では、一般生命保険料・介護医療保険料・個人年金保険料の3区分それぞれで最高4万円、合計で最高12万円が所得から控除されます。平成23年12月31日以前の契約(旧制度)では、一般・個人年金の2区分がそれぞれ最高5万円で、合計の上限は10万円です。国税庁 No.1140 生命保険料控除

新制度
(平成24年1月1日以後の契約)
一般・介護医療・個人年金の各区分で最高4万円、合計で最高12万円。
旧制度
(平成23年12月31日以前の契約)
一般・個人年金の各区分で最高5万円、合計で最高10万円(介護医療の区分はありません)。

加入している保険会社から秋頃に「生命保険料控除証明書」が届きます。年末調整の際にこの証明書を勤務先へ提出すれば手続きは完了します。証明書を出し忘れると控除を受けられないため、届いたら保管しておくことが大切です。

地震保険料控除

火災保険とセットで地震保険に加入している場合は、地震保険料控除の対象です。その年に支払った地震保険料が5万円以下ならその全額、5万円を超える場合は一律5万円が所得税の控除額となります。国税庁 No.1145 地震保険料控除

なお、平成18年12月31日までに契約した一定の長期損害保険については、経過措置として旧長期損害保険料控除(最高1万5,000円)が使える場合があります。こちらも保険会社から届く控除証明書を年末調整で提出します。

iDeCoによる所得控除(小規模企業共済等掛金控除)

老後資金を準備しながら節税もしたい会社員に人気なのがiDeCo(個人型確定拠出年金)です。最大の魅力は、支払った掛金の全額が「小規模企業共済等掛金控除」として所得から差し引かれる点にあります。国税庁 No.1135 小規模企業共済等掛金控除

先ほどの例のように、所得税率20%の人が年24万円を拠出すれば、所得税と住民税を合わせておよそ7万2,000円の負担軽減につながります。掛金の上限は会社員の勤務先の年金制度によって異なり、企業年金がない会社員なら月2万3,000円が一般的な上限です。掛金の全額が控除されるため、節税効果の面では非常に強力な制度です。

一方で、iDeCoは老後資金づくりの制度であるため、原則60歳まで引き出せないという制約があります。また、受け取るときには受け取り方(一時金か年金か)によって税金の扱いが変わり、出口の設計を誤ると節税メリットが目減りすることもあります。加入前に、途中で使えなくなっても困らない金額かどうかを見極めることが重要です。制度の詳しい注意点は、会社員向けにまとめた次のコラムをご覧ください。なお、本記事は税制上の取り扱いの解説であり、特定の商品の投資助言を行うものではありません。

関連コラム会社員のiDeCo利用の注意点!絶対に知っておきたい基本と対策▸

医療費に関する控除(医療費控除・セルフメディケーション税制)

病気やケガで医療費がかさんだ年、あるいは市販薬をよく買う年は、医療費に関する控除を確認しましょう。どちらも会社員は年末調整では処理できず、確定申告が必要です。

医療費控除

1年間(1月1日から12月31日まで)に支払った医療費が一定額を超えると、超えた部分を所得から控除できます。控除額は、支払った医療費から保険金などで補填された金額を引き、さらに10万円(その年の総所得金額等が200万円未満の人は総所得金額等の5%)を差し引いて計算します。控除の上限は200万円です。国税庁 No.1120 医療費を支払ったとき(医療費控除)

支払った医療費 − 保険金などの補填額 − 10万円 = 医療費控除額(最高200万円)

対象になるのは本人だけでなく、生計を一にする家族の分もまとめて計算できます。通院の交通費(公共交通機関)や、治療のための医薬品なども含められる場合があります。領収書は自分で保管し、明細書を作成して申告する必要があります。

セルフメディケーション税制

大きな医療費はかからないものの、ドラッグストアで市販薬をよく買うという方に向くのがセルフメディケーション税制です。対象となるスイッチOTC医薬品などの年間購入額が1万2,000円を超えた場合、その超えた部分(上限8万8,000円)を所得から控除できます。国税庁 No.1129 特定一般用医薬品等購入費を支払ったとき(医療費控除の特例)【セルフメディケーション税制】

ただし注意点があります。この特例は通常の医療費控除との選択適用で、両方を同時に使うことはできません。また、適用を受けるには、その年に健康診断や予防接種、勤務先の定期健康診断といった「一定の取組」を受けていることが条件です。市販薬中心の年はこちら、入院や手術があった年は通常の医療費控除、というように、その年の状況で有利な方を選ぶことになります。

ふるさと納税(寄附金控除)

手間が少なく効果を実感しやすいことから、多くの会社員が取り入れているのがふるさと納税です。応援したい自治体に寄附をすると、その額から自己負担2,000円を引いた金額が、所得税と住民税から控除されます。国税庁 No.1150 一定の寄附金を支払ったとき(寄附金控除)

ふるさと納税額 − 2,000円 = 控除の対象になる金額

実質2,000円の負担で各地の返礼品を受け取れるため、負担額に対する満足度が高い対策です。ただし、控除される金額には年収や家族構成に応じた上限があり、上限を超えて寄附した分は自己負担になります。自分の上限額の目安を把握してから寄附することが大切です。

関連コラムふるさと納税でお得になる目安はどのくらい?年収と家族構成で解説▸

手続き面では、確定申告が不要な会社員で、かつ寄附先が5団体以内であれば、「ワンストップ特例制度」を使って確定申告なしで控除を受けられます。この場合、控除は所得税ではなく翌年度の住民税から行われます。寄附先が6団体以上になった場合や、医療費控除などで確定申告をする場合は、ワンストップ特例は使えず確定申告で寄附金控除を申告します。国税庁 No.1155 ふるさと納税(寄附金控除)

関連コラム令和8年度税制改正 ふるさと納税 特例控除と指定基準の見直し解説▸

住宅ローン控除(住宅借入金等特別控除)

マイホームを住宅ローンで取得した会社員にとって、最も金額の大きい税金対策になり得るのが住宅ローン控除(住宅借入金等特別控除)です。これは所得控除ではなく税額控除で、計算後の所得税額から直接差し引かれるため、効果が非常に大きいのが特徴です。控除額は、その年の住宅ローンの年末残高に0.7%を掛けた金額が基本で、新築の認定住宅などでは控除期間が13年間となります。国税庁 No.1211-1 住宅の新築等をし、令和4年以降に居住の用に供した場合(住宅借入金等特別控除)

住宅ローンの年末残高 × 0.7% = その年の控除額(上限あり)

会社員が押さえておきたいのは手続きの流れです。入居した最初の年は確定申告が必要ですが、2年目以降は年末調整で控除を受けられます。借入限度額や住宅の性能ごとの要件、改正の動向は年によって変わるため、最新の内容は次のコラムで確認してください。

関連コラム2026年度住宅ローン控除はどうなる?最新の改正内容と対策を解説▸

家族に関する控除(扶養控除・配偶者控除)

家族を養っている会社員は、扶養控除や配偶者控除を受けられます。これらは年末調整の書類(扶養控除等申告書)に記入することで反映されるため、記入漏れがないか毎年確認することが節税の第一歩です。

扶養控除

扶養控除は、生計を一にする16歳以上の親族を扶養している場合に受けられます。控除額は年齢などによって次のように異なります。国税庁 No.1180 扶養控除

一般の控除対象扶養親族
(16歳以上)
38万円
特定扶養親族
(19歳以上23歳未満)
63万円
老人扶養親族
(70歳以上・同居老親等以外)
48万円
老人扶養親族
(同居老親等)
58万円

大学生の年代にあたる特定扶養親族の控除額が63万円と大きい点は、見落とさないようにしたいところです。扶養に入れる家族の合計所得金額の要件は、令和7年分以後、58万円以下(給与収入のみなら123万円以下)に引き上げられました。

配偶者控除・配偶者特別控除

配偶者控除は、配偶者の合計所得金額が58万円以下(給与収入のみなら123万円以下)の場合に受けられます。控除額は、控除を受ける本人の合計所得金額によって次のように変わり、本人の合計所得金額が1,000万円を超えると受けられません。国税庁 No.1191 配偶者控除

本人の合計所得900万円以下 38万円
本人の合計所得900万円超950万円以下 26万円
本人の合計所得950万円超1,000万円以下 13万円

配偶者が70歳以上の老人控除対象配偶者の場合は、それぞれ48万円・32万円・16万円と控除額が大きくなります。また、配偶者の合計所得金額が58万円を超えても、133万円以下であれば配偶者特別控除(最高38万円)を受けられ、収入が増えるにつれて控除額が段階的に減る仕組みです。国税庁 No.1195 配偶者特別控除

いわゆる「103万円の壁」は、令和7年分(2025年分)の改正で基礎控除と給与所得控除の最低額が引き上げられた結果、配偶者や扶養親族の所得要件の面では「123万円の壁」へと引き上げられました。共働きやパート収入のある家庭では、この変更を踏まえて働き方を考えることが大切です。

給与所得者の特定支出控除

あまり知られていませんが、会社員にも「経費」が認められる特例があります。それが特定支出控除です。仕事に必要な支出のうち一定のものが、その年の給与所得控除額の2分の1を超えた場合に、超えた部分を所得から控除できます。国税庁 No.1415 給与所得者の特定支出控除

対象となる特定支出は、通勤費・職務上の旅費・転居費・研修費・資格取得費・帰宅旅費・勤務必要経費(図書費・衣服費・交際費等。合計65万円が上限)の7種類です。勤務先の証明が必要で、給与所得控除額の半分を超えるという条件のハードルは高めですが、資格取得や単身赴任などで自己負担が大きい年には検討する価値があります。適用を受けるには確定申告が必要です。詳しい条件と対象費用は次のコラムで解説しています。

関連コラムサラリーマン必見!特定支出控除の特例って何?条件や対象費用を解説▸

NISAという非課税制度の活用

NISAは、これまでの所得控除とは性格が異なる制度です。NISAは所得控除ではなく、投資で得た配当金や売却益にかかる税金がゼロになる「非課税制度」です。通常、投資の利益にはおよそ20%の税金がかかりますが、NISA口座内の利益にはこれがかかりません。給与所得の税金を直接減らすわけではありませんが、資産づくりの手取りを守るという意味で、広い意味の税金対策に位置づけられます。国税庁 No.1535 NISA制度

令和6年以降のNISAでは、年間の投資枠がつみたて投資枠120万円・成長投資枠240万円、非課税で保有できる限度額は生涯で1,800万円(うち成長投資枠は1,200万円まで)とされています。iDeCoが60歳まで引き出せないのに対し、NISAはいつでも売却して引き出せる柔軟さがあります。老後資金はiDeCo、使い道の自由度を残したい資金はNISA、というように役割を分けて考えると整理しやすくなります。なお、投資には値動きのリスクがあり、本記事は特定の商品を勧めるものではありません。

年末調整と確定申告の違い

会社員の税金対策では、「その控除は年末調整で済むのか、確定申告が必要なのか」を知っておくと動きやすくなります。年末調整は勤務先が代わりに税金の精算をしてくれる手続き、確定申告は自分で税務署に申告する手続きです。控除の種類によって、どちらで手続きするかが分かれます。

年末調整で手続きできる控除 生命保険料控除・地震保険料控除・iDeCo・扶養控除・配偶者控除など(住宅ローン控除は2年目以降)。
確定申告が必要な控除 医療費控除・セルフメディケーション税制・ふるさと納税(6団体以上または他に申告する場合)・住宅ローン控除(初年度)・特定支出控除など。

多くの会社員は年末調整だけで完結しますが、医療費控除やふるさと納税、住宅ローン控除の初年度などがある年は、確定申告をすることで納めすぎた税金が戻る(還付される)ことがあります。また、給与収入が2,000万円を超える人や、副業などの所得が20万円を超える人は、確定申告が必要になる点にも注意が必要です。国税庁 No.1900 給与所得者で確定申告が必要な人

関連コラム税務署から確定申告のハガキが来ない理由|申告要否の判断と手続き▸

会社員の税金対策の優先順位

使える制度が多いと、かえって「どれから手をつければよいか」で迷ってしまいます。手間と効果のバランスから考えると、次のような順序で見直すのがおすすめです。

  1. 年末調整で完結するものを取りこぼさない——生命保険料控除・地震保険料控除・扶養控除・配偶者控除は、書類の提出や記入だけで済みます。まずはここに漏れがないか確認します。
  2. 手間が少なく効果が実感しやすいものから始める——ふるさと納税は、上限額の範囲なら実質2,000円で返礼品が得られ、ワンストップ特例なら申告も不要です。最初の一歩に向いています。
  3. 老後資金づくりを兼ねて所得控除を積む——iDeCoは掛金の全額が控除される強力な制度です。ただし60歳まで引き出せない点を踏まえ、無理のない金額から始めます。
  4. 大きな支出があった年は確定申告で取り戻す——医療費が多かった年の医療費控除、マイホームを買った年の住宅ローン控除など、金額の大きい対策は確定申告で確実に申告します。

すべてを一度に完璧にする必要はありません。自分の生活に関係するものから一つずつ取り入れていくことで、着実に手取りを守ることができます。

まとめ

「会社員は節税できない」という思い込みは、税金が自動で計算される仕組みから来るものにすぎません。実際には、生命保険料控除やiDeCo、ふるさと納税、住宅ローン控除、扶養控除など、会社員が使える税金対策は数多くあります。大切なのは、所得控除・税額控除・非課税制度という効き方の違いを理解し、自分に合うものを優先順位をつけて取り入れることです。

まずは年末調整で完結する控除の取りこぼしを防ぎ、次にふるさと納税やiDeCo、医療費控除といった手の届きやすいものから始めてみてください。制度は年度によって金額や要件が変わるため、実行前には最新の情報を確認することをおすすめします。個別の制度をさらに深く知りたい場合は、本文中の関連コラムもあわせてご覧ください。具体的なケースは税理士へのご相談をおすすめします。

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参考文献

会社員の税金対策のよくある質問まとめ

Q. 会社員でも節税はできますか?

A. できます。会社員は源泉徴収と年末調整で税金が自動計算されるため気づきにくいだけで、所得控除・税額控除・非課税制度を活用すれば手取りを守れます。生命保険料控除やiDeCo、ふるさと納税、住宅ローン控除などが代表例で、年末調整で完結するものも多くあります。

Q. 何から始めるのがおすすめですか?

A. まず年末調整で完結する生命保険料控除や扶養控除の取りこぼしを防ぎ、次に手間が少なく効果を実感しやすいふるさと納税から始めるのがおすすめです。その後、老後資金づくりを兼ねてiDeCo、医療費が多かった年は医療費控除、と生活に合わせて広げていくとよいでしょう。

Q. ふるさと納税は確定申告が必要ですか?

A. 確定申告が不要な会社員で、寄附先が5団体以内であれば、ワンストップ特例制度を使って確定申告なしで控除を受けられます。この場合の控除は翌年度の住民税から行われます。寄附先が6団体以上になった場合や、医療費控除などで確定申告をする場合は、確定申告で寄附金控除を申告します。

Q. 医療費控除とセルフメディケーション税制は両方使えますか?

A. 両方を同時に使うことはできず、どちらか一方を選ぶ選択適用です。入院や手術などで医療費が大きかった年は通常の医療費控除、市販薬の購入が中心の年はセルフメディケーション税制、というように、その年の状況で有利な方を選びます。いずれも会社員は確定申告が必要です。

Q. 「103万円の壁」は変わったのですか?

A. 令和7年分(2025年分)の改正で基礎控除と給与所得控除の最低額が引き上げられ、配偶者控除や扶養控除を受けるための家族の所得要件は、合計所得金額58万円以下(給与収入のみなら123万円以下)に引き上げられました。所得要件の面では、いわゆる103万円の壁が123万円の壁へと変わっています。

Q. NISAは節税になりますか?

A. NISAは所得控除ではなく、投資で得た配当金や売却益にかかる税金が非課税になる制度です。給与にかかる所得税を直接減らすわけではありませんが、通常およそ20%かかる投資の税金がゼロになるため、資産づくりの手取りを守るという意味で広い意味の税金対策になります。

Office

税理士法人プライムパートナーズ

相続税申告・生前対策に特化した税理士法人です。大手監査法人出身の公認会計士・税理士が、東京・赤坂から全国のご相談をお受けしています。

  • オフィスが入居する IsaI AkasakA の外観
  • 税理士法人プライムパートナーズの相談スペース
  • 代表 税理士 島本 雅史
事務所名
税理士法人プライムパートナーズ
所在地
〒107-0052
東京都港区赤坂5丁目2-33
IsaI AkasakA 17階
電話番号
03-6773-5295(受付 全日 9:00〜19:00)
対応責任者
税理士 島本 雅史

本記事は正確な情報提供を心掛けておりますが、執筆時点の情報に基づいているため、法改正や人的ミス、個別のケースにより適用が異なる可能性があります。最新の情報や具体的なご相談については、お気軽に弊法人の税理士までお問い合わせください。