ご家族が亡くなられると、さまざまな手続きに追われて大変ですよね。その中の一つに、NHKの受信契約の解約や名義変更があります。この手続きを忘れてしまうと、見ていないテレビの受信料を支払い続けることになってしまうかもしれません。でも、ご安心ください。手続き自体はそれほど難しくありません。この記事では、NHK契約者が死亡した際の解約方法から、払い過ぎた受信料の返金、未払い料金の取り扱いまで、一つひとつ分かりやすく解説していきますね。
NHKの契約者が死亡したら「解約」または「名義変更」の手続きを
NHKの受信契約は、契約者が亡くなったからといって自動的に解約されることはありません。そのため、ご遺族の方が今後の状況に合わせて「解約」または「名義変更」のどちらかの手続きを行う必要があります。そのまま放置してしまうと、故人様宛に請求が続いてしまいますので、なるべく早めに手続きを進めましょう。
解約が必要なケース
亡くなった契約者の方の受信契約を「解約」する必要があるのは、主に以下のようなケースです。ご自身の状況が当てはまるか確認してみてくださいね。
| 解約が必要なケース | 具体例 |
| 世帯全員が誰もいなくなる場合 | 契約者が一人暮らしで、亡くなった後にその家が空き家になる。 |
| テレビなどの受信機がなくなる場合 | 誰かが住み続けるが、テレビを処分または譲渡して、受信できる機器が一切なくなる。 |
| 他の世帯と一緒になる場合 | 単身赴任先で亡くなり、実家に戻る場合など、複数の世帯が一つになり、すでに別の契約がある。 |
名義変更が必要なケース
一方で、契約を「名義変更」して引き継ぐ必要があるのは、以下のようなケースです。放送受信契約は世帯単位のため、テレビ等の受信機があり、そこに誰かが住み続ける限りは解約できない点に注意しましょう。
| 名義変更が必要なケース | 具体例 |
| 同居の家族が契約を引き継ぐ場合 | 契約者である世帯主が亡くなり、同居していた配偶者や子どもがそのまま住み続け、テレビも利用する。 |
NHK契約者死亡による受信契約の解約方法
NHKの受信契約を解約する手続きは、電話での連絡から始まります。残念ながら、インターネット上だけで解約手続きを完結させることはできません。手続きの流れを順番に見ていきましょう。
NHKふれあいセンターに電話する
まずは、NHKの窓口である「NHKふれあいセンター」に電話をして、契約者が亡くなったことと、受信契約を解約したい旨を伝えます。連絡先は以下の通りです。
| 連絡先 | NHKふれあいセンター(ナビダイヤル) |
| 電話番号 | 0120-151515(フリーダイヤル) |
| 受付時間 | 午前9時~午後6時(土・日・祝日も受付) |
電話の際には、本人確認のために契約者のお名前や住所、お客様番号などを聞かれます。亡くなった方に届いた請求書や領収書などに「お客様番号」が記載されているので、手元に準備しておくと手続きがスムーズに進みますよ。
「放送受信契約解約届」を送付してもらう
電話で解約の意思を伝えると、後日「放送受信契約解約届」という書類が郵送されてきます。この書類に、契約者の情報や解約理由などを記入し、署名・押印をします。
必要な書類を準備する
解約届と一緒に、契約者が亡くなったことを証明する書類の提出を求められます。一般的には、以下のいずれかの書類のコピーで大丈夫です。
- 死亡診断書
- 死亡届の記載事項証明書
- 戸籍謄本(除籍謄本)
- 死亡の事実が記載された住民票
どの書類が必要になるか、電話で確認する際に聞いておくと安心ですね。
解約届と必要書類をNHKに返送する
記入した「放送受信契約解約届」と、準備した「死亡を証明する書類のコピー」を、同封されている返信用封筒に入れてNHKに送ります。NHK側で書類が受理されれば、解約手続きは完了です。これ以降、請求が来ることはありません。
NHK契約者死亡による受信契約の名義変更方法
亡くなった方の家に引き続きご家族が住み、テレビを視聴し続ける場合は、解約ではなく名義変更の手続きを行います。名義変更は、電話またはインターネットで手続きが可能です。
電話で名義変更する方法
電話での手続きは、解約の時と同じく「NHKふれあいセンター(0120-151515)」に連絡します。契約者が亡くなったことと、新しい契約者として名義変更したい旨を伝えましょう。オペレーターの案内に従って、新しい契約者の氏名や連絡先などを伝えれば手続きが進みます。支払い方法の変更も同時に行えます。
インターネットで名義変更する方法
インターネットでの手続きは、NHKの公式サイト「受信料の窓口」から行えます。24時間いつでも手続きできるので、日中お忙しい方にはこちらが便利です。「契約者氏名変更」のページから、画面の指示に従って新しい契約者と亡くなった契約者の情報を入力していくだけで簡単に手続きが完了します。
先払いした受信料の返金手続きについて
NHKの受信料は、2ヶ月、6ヶ月、12ヶ月といった単位で前払いしている方が多いですよね。もし契約者の方が亡くなった時点で、すでに先の期間の受信料を支払っていた場合、その支払い済みの受信料は返金してもらえます。具体的には、解約届が受理された月の翌月以降分の受信料が、指定した口座に振り込まれる形で返金されます。解約手続きの際に返金についても案内がありますので、忘れずに手続きしましょう。
返金された受信料は相続財産!相続放棄の場合は注意
ここで一つ、とても大切な注意点があります。返金された受信料は、亡くなった方の「相続財産」の一部となります。もし、借金などマイナスの財産が多いために「相続放棄」を検討している場合、この返金を受け取ってしまうと、「財産を相続する意思がある」とみなされ、相続放棄が認められなくなる可能性があります。相続放棄を考えている方は、返金された受信料を受け取らないように、くれぐれもご注意ください。
未払い受信料がある場合の取扱い
もし、亡くなった方が生前にNHKの受信料を支払っていなかった場合、その未払金はどうなるのでしょうか。これも相続と深く関わってきます。
未払金は相続財産!相続人が支払う義務がある
遺産相続では、預貯金や不動産といったプラスの財産だけでなく、借金や未払金といったマイナスの財産(債務)も引き継ぐことになります。そのため、亡くなった方のNHK受信料の未払金は、原則として相続人が支払う義務を負います。相続財産の中から支払うか、相続人が立て替えて支払うことになります。
5年以上前の未払金は時効の可能性も
ただし、未払いの受信料すべてを支払わなければならないわけではありません。受信料の支払い義務は、最後の支払いから5年が経過すると時効になる可能性があります(最高裁判所平成26年9月5日判決)。もし10年以上滞納していたとしても、時効を主張(時効の援用)すれば、支払うのは過去5年分のみとなる場合があります。ただし、自動的に時効が成立するわけではないので注意が必要です。
相続放棄すれば未払金の支払い義務はなくなる?
先ほどの返金の話とは逆に、もし相続人全員が相続放棄をした場合は、プラスの財産もマイナスの財産も一切引き継がないことになるため、NHKの未払金を支払う義務もなくなります。ただし、亡くなった方と同居していた配偶者の方などは、「日常家事債務」として支払い義務を負うケースもあるため、一概には言えない点に注意が必要です。
未払金は相続税の「債務控除」の対象になる
もし相続財産から未払いの受信料を支払った場合、その金額は相続税を計算する際に「債務控除」の対象となります。債務控除とは、プラスの相続財産からマイナスの財産を差し引くことで、これによって相続税の課税対象額を減らすことができます。支払った際の領収書は、相続税申告のために必ず保管しておきましょう。
まとめ
ご家族が亡くなられた際のNHK受信契約の手続きについて、ご理解いただけましたでしょうか。最後に大切なポイントをまとめますね。
- NHK契約者が死亡しても自動解約にはならず、「解約」または「名義変更」の手続きが必要です。
- 手続きはまず「NHKふれあいセンター」への電話から始めます。
- 先払いした受信料は、死亡月以降の分が返金されます。
- 返金された受信料は相続財産なので、相続放棄を検討している場合は受け取らないようにしましょう。
- 未払いの受信料は相続人が支払う義務を負いますが、相続税の計算上「債務控除」の対象になります。
大切な方を亡くされ、大変な時期かと思いますが、この記事を参考にしていただき、落ち着いて手続きを進めていただければ幸いです。
参考文献
NHK契約者が死亡した際の解約に関するよくある質問
Q.契約者が死亡した場合、NHKの解約は必要ですか?
A.はい、必要です。契約者が亡くなり、その世帯に誰も住まなくなる場合や、テレビ等の受信機がなくなる場合は解約手続きが必要です。
Q.死亡によるNHK解約の手続き方法を教えてください。
A.NHKのふれあいセンターに電話で連絡します。契約者の氏名、住所、死亡した旨を伝え、必要な手続きについて案内を受けてください。
Q.解約手続きは誰ができますか?
A.ご遺族や同居人など、代理の方が手続きを行うことができます。
Q.支払い済みの受信料は返金されますか?
A.はい、前払いしている受信料のうち、解約月以降の分は返金(返還)されます。手続きの際に返金先の口座情報を伝える必要があります。
Q.未払いの受信料がある場合はどうなりますか?
A.未払い受信料は相続の対象となるため、原則として相続人が支払う義務を負います。相続放棄をした場合は支払う必要はありません。
Q.契約者が死亡した後も家族が住み続ける場合はどうすればいいですか?
A.解約ではなく、契約者の名義変更手続きが必要です。新しい契約者(世帯主など)に変更することで、契約を引き継ぐことができます。