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相続税の早見表|遺産総額と相続人の数で税額の目安が一目でわかる

2026-08-11
目次

ご家族の財産のおおよその額が見えてきたとき、多くの方が最初に知りたくなるのが「うちの場合、相続税はいくらになるのか」という一点です。制度の細かい説明よりも先に、まず金額の目安をつかみたいというお気持ちは、当事務所にご相談いただく方のほとんどに共通しています。

相続税の税額は、遺産の総額だけでは決まりません。相続人が何人いて、その中に配偶者がいるかどうかによって、同じ遺産総額でも納める税額は何倍も変わります。だからこそ、家族構成ごとに分けた早見表が役に立ちます。

この記事では、遺産総額4,000万円から10億円までの相続税額を、配偶者と子がいる場合と子だけの場合に分けて一覧にしました。あわせて、表がどのような前提で作られているのか、そして実際の申告で金額が動く要因も整理します。数字の意味がわかれば、目安を自分の状況に引き寄せて読めるようになります。

相続税早見表の前提条件

早見表は便利な反面、前提を知らずに数字だけを見ると誤解につながります。最初に、この記事の表がどのような条件で計算されているかを明らかにしておきます。

本記事の早見表は、次の前提で計算しています。

  • 「遺産総額」は、預貯金や不動産などの財産から借入金や葬式費用を差し引いた後の、課税価格の合計額とします。
  • 法定相続人は配偶者と子のみとし、相続放棄をした人や養子はいないものとします。
  • 遺産は民法に定める法定相続分どおりに分割したものとします。
  • 配偶者がいる場合は、配偶者の税額の軽減を適用します。
  • 小規模宅地等の特例や生命保険金の非課税枠、未成年者の税額控除などは適用していません。
  • 相続時精算課税や生前贈与の加算はないものとします。

また、表に載せた税額は1万円未満を切り捨てて表示しています。表の金額は相続人全員が納める税額の合計であり、1人あたりの金額ではありません。あくまで目安としてご覧ください。

配偶者がいる場合の相続税早見表

配偶者が財産を取得する場合、配偶者の税額の軽減という制度が使えます。配偶者が取得した財産のうち、1億6,000万円と配偶者の法定相続分相当額のいずれか多い金額までは、配偶者に相続税がかからないという仕組みです国税庁 No.4158 配偶者の税額の軽減

ここでは配偶者が法定相続分どおりに取得する前提で計算しているため、配偶者が負担する相続税はゼロになります。つまり以下の表の金額は、実質的に子が負担する税額の合計です。

配偶者と子1人の場合

法定相続人は2人、基礎控除額は4,200万円です。配偶者の法定相続分は2分の1、子の法定相続分は2分の1となります。

遺産総額 相続税額の合計
4,000万円 0円
5,000万円 40万円
6,000万円 90万円
8,000万円 235万円
1億円 385万円
1億5,000万円 920万円
2億円 1,670万円
2億5,000万円 2,460万円
3億円 3,460万円
5億円 7,605万円
10億円 1億9,750万円

配偶者と子2人の場合

法定相続人は3人、基礎控除額は4,800万円です。配偶者の法定相続分は2分の1、子は2人あわせて2分の1ですので、子1人あたりは4分の1になります。

遺産総額 相続税額の合計
4,000万円 0円
5,000万円 10万円
6,000万円 60万円
8,000万円 175万円
1億円 315万円
1億5,000万円 747万円
2億円 1,350万円
2億5,000万円 1,985万円
3億円 2,860万円
5億円 6,555万円
10億円 1億7,810万円

配偶者と子3人の場合

法定相続人は4人、基礎控除額は5,400万円です。子1人あたりの法定相続分は6分の1になります。

遺産総額 相続税額の合計
4,000万円 0円
5,000万円 0円
6,000万円 30万円
8,000万円 137万円
1億円 262万円
1億5,000万円 665万円
2億円 1,217万円
2億5,000万円 1,800万円
3億円 2,540万円
5億円 5,962万円
10億円 1億6,635万円

税額が0円の欄は、遺産総額が基礎控除額を下回るため相続税がかからず、原則として申告も不要になるケースです。一方で、配偶者の税額の軽減を使った結果として税額が0円になる場合は、申告書の提出が必要になりますので混同しないようご注意ください。ご自宅の遺産総額の出し方から確認したい方は、次の記事もあわせてご覧ください。

関連コラム【相続税がかかるか試算】自分でできる計算方法と基礎控除を解説

配偶者がいない場合の相続税早見表

配偶者がすでに亡くなっている二次相続や、もともと配偶者がいないケースでは、子だけが相続人になります。この場合は配偶者の税額の軽減が使えないため、同じ遺産総額でも税額は大きく上がります。

相続人の順位は、子が第1順位、直系尊属が第2順位、兄弟姉妹が第3順位と定められており、配偶者がいないときは同順位の相続人が均等に取得します国税庁 No.4132 相続人の範囲と法定相続分

子1人のみの場合

法定相続人は1人、基礎控除額は3,600万円です。基礎控除が最も小さく、税率も分散されないため、同じ遺産総額でも税額は最大になります。

遺産総額 相続税額の合計
4,000万円 40万円
5,000万円 160万円
6,000万円 310万円
8,000万円 680万円
1億円 1,220万円
1億5,000万円 2,860万円
2億円 4,860万円
2億5,000万円 6,930万円
3億円 9,180万円
5億円 1億9,000万円
10億円 4億5,820万円

子2人のみの場合

法定相続人は2人、基礎控除額は4,200万円です。子1人あたりの法定相続分は2分の1になります。

遺産総額 相続税額の合計
4,000万円 0円
5,000万円 80万円
6,000万円 180万円
8,000万円 470万円
1億円 770万円
1億5,000万円 1,840万円
2億円 3,340万円
2億5,000万円 4,920万円
3億円 6,920万円
5億円 1億5,210万円
10億円 3億9,500万円

子3人のみの場合

法定相続人は3人、基礎控除額は4,800万円です。相続人が増えるほど基礎控除が広がり、1人あたりの取得金額が小さくなって低い税率が適用されるため、税額は下がります。

遺産総額 相続税額の合計
4,000万円 0円
5,000万円 20万円
6,000万円 120万円
8,000万円 330万円
1億円 630万円
1億5,000万円 1,440万円
2億円 2,460万円
2億5,000万円 3,960万円
3億円 5,460万円
5億円 1億2,980万円
10億円 3億5,000万円

遺産総額1億円で比べると、配偶者と子2人であれば315万円ですが、子2人のみでは770万円と2倍以上になります。配偶者の有無が税額を大きく左右することが、表を並べると一目でわかります。

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早見表の税額が決まる仕組み

早見表の数字がどこから出てきたのかを知っておくと、自分の家庭に当てはめて微調整できるようになります。相続税の計算は、大きく4つの段階に分かれます国税庁 No.4152 相続税の計算

基礎控除額の計算

最初の関門が基礎控除です。課税価格の合計額が基礎控除額以下であれば、相続税はかからず申告も不要になります。基礎控除額は次の算式で求めます国税庁 No.4102 相続税がかかる場合

3,000万円 + 600万円 × 法定相続人の数 = 基礎控除額

法定相続人の数には、養子の人数に上限があります。被相続人に実子がいる場合は養子1人まで、実子がいない場合は養子2人までしか数に含めることができません。相続を放棄した人がいても、放棄がなかったものとして人数を数えます。

相続税の速算表

課税遺産総額を法定相続分で按分した後、各人の取得金額に応じた税率を掛けます。税率は10パーセントから55パーセントまでの8段階で、金額が大きいほど高い税率が適用される超過累進税率です国税庁 No.4155 相続税の税率

法定相続分に応ずる
取得金額
税率と控除額
1,000万円以下 10%(控除額なし)
1,000万円超から3,000万円以下 15%(控除額50万円)
3,000万円超から5,000万円以下 20%(控除額200万円)
5,000万円超から1億円以下 30%(控除額700万円)
1億円超から2億円以下 40%(控除額1,700万円)
2億円超から3億円以下 45%(控除額2,700万円)
3億円超から6億円以下 50%(控除額4,200万円)
6億円超 55%(控除額7,200万円)

ここで注意したいのは、税率を掛ける相手が遺産総額そのものではなく、法定相続分で按分した後の金額だという点です。遺産総額が2億円だからといって、いきなり40パーセントの税率が掛かるわけではありません。

計算例(遺産総額1億円・配偶者と子2人)

早見表の1億円の行がどう導かれるのかを、順を追って見ていきます。法定相続人は配偶者と子2人の合計3人です。

3,000万円 + 600万円 × 3人 = 4,800万円(基礎控除額)
1億円 − 4,800万円 = 5,200万円(課税遺産総額)
5,200万円 × 2分の1 = 2,600万円(配偶者の法定相続分に応ずる取得金額)
5,200万円 × 4分の1 = 1,300万円(子1人あたりの法定相続分に応ずる取得金額)
2,600万円 × 15% − 50万円 = 340万円(配偶者の算出税額)
1,300万円 × 15% − 50万円 = 145万円(子1人あたりの算出税額)
340万円 + 145万円 × 2人 = 630万円(相続税の総額)
630万円 × 2分の1 = 315万円(配偶者の税額軽減適用後の納付税額)

相続税の総額630万円は、実際に取得した割合に応じて各相続人に割り振られます。配偶者の負担分315万円は税額の軽減によってゼロになり、子2人の負担分315万円だけが残るという流れです。この315万円が、早見表の「配偶者と子2人・1億円」の欄の金額にあたります。

遺産総額が基礎控除額以下で申告そのものが不要になる条件については、次の記事で詳しく整理しています。

関連コラム相続税申告、基礎控除以下なら不要!判断基準と例外ケースを解説

配偶者の税額軽減と二次相続の注意点

配偶者の税額の軽減は非常に効果が大きい制度ですが、目先の税額だけで判断すると後で負担が膨らむことがあります。ここが早見表を読むうえで最も誤解の多いところです。

たとえば遺産総額1億円で相続人が配偶者と子2人のケースを考えます。配偶者がすべての財産を取得すれば、1億6,000万円の枠に収まるため一次相続の税額はゼロです。しかし配偶者が亡くなったときに、その1億円をそのまま子2人が相続すると、二次相続で770万円の相続税がかかります。

一方、一次相続で法定相続分どおりに分けた場合は、一次相続で315万円を納め、配偶者が取得した5,000万円について二次相続で80万円がかかります。合計395万円となり、2回の相続を通算すると法定相続分どおりに分けたほうが負担が小さくなるという結果です。

また、配偶者の税額の軽減を受けるには、相続税の申告期限までに遺産分割を終えたうえで、軽減の明細を記載した申告書を提出する必要があります。税額がゼロになる場合でも申告書の提出は必須です。申告期限は、被相続人が死亡したことを知った日の翌日から10か月以内と定められています国税庁 No.4205 相続税の申告と納税

早見表と実際の税額が変わる要因

早見表はあくまで単純化した前提での計算です。実際の申告では、次のような要因で税額が上下します。多くの場合は税額が下がる方向に働きますので、表の金額を見て不安になった方も、まずは適用できる制度を確認してみてください。

土地の評価を下げる特例

被相続人の自宅の敷地などについては、一定の要件を満たすと相続税の課税価格に算入する価額を減額できる制度があります。居住用の宅地であれば330平方メートルまでの部分について80パーセントの減額が受けられます国税庁 No.4124 相続した事業の用や居住の用の宅地等の価額の特例(小規模宅地等の特例)。自宅の土地が財産の大半を占めるご家庭では、この特例の適用可否だけで税額が数百万円単位で変わります。

非課税枠と債務控除

相続人が受け取った死亡保険金には非課税枠があり、法定相続人の数に500万円を掛けた金額までは相続税がかかりません国税庁 No.4114 相続税の課税対象になる死亡保険金。相続人が3人であれば1,500万円までが非課税です。

また、被相続人が死亡したときに現に存在した借入金や未払金などの債務と、葬式費用は、遺産総額から差し引くことができます国税庁 No.4126 相続財産から控除できる債務。早見表に当てはめる遺産総額は、これらを差し引いた後の金額で考えてください。

各相続人ごとの加算と控除

計算した相続税の総額を各人に割り振った後、その人の事情に応じた加算や控除が行われます。相続人が未成年者である場合は、18歳になるまでの年数に10万円を掛けた金額が税額から差し引かれます国税庁 No.4164 未成年者の税額控除

逆に、財産を取得した人が被相続人の一親等の血族および配偶者以外である場合には、その人の相続税額に2割に相当する金額が加算されます国税庁 No.4157 相続税額の2割加算。兄弟姉妹や、代襲相続人ではない孫が財産を取得するケースが該当します。この記事の早見表は配偶者と子だけを相続人とした計算ですので、こうしたケースには当てはまらない点にご注意ください。

申告書の作成から納付までの全体の流れは、次の記事で時系列に整理しています。

関連コラム相続税申告の流れ|10ヶ月のスケジュールと手続きの順序

まとめ

相続税の早見表は、遺産総額と相続人の構成という2つの情報だけで、納税額のおおよその規模をつかむための道具です。配偶者がいる場合は税額の軽減によって負担が大きく下がる一方、配偶者がいない二次相続では同じ遺産総額でも2倍以上になることを、表の比較から読み取っていただけたはずです。

一方で、早見表の金額はあくまで単純化した前提での目安にすぎません。実際の税額は、自宅の土地に小規模宅地等の特例を使えるか、生命保険金の非課税枠がどれだけ残っているか、そして誰がどの財産を取得するかによって動きます。特に土地の評価は、同じ土地でも評価の仕方によって金額が変わる領域です。

早見表で目安をつかんだら、次は自分の家の財産に即した試算に進むことをおすすめします。具体的なケースは税理士へのご相談をおすすめします。二次相続まで見据えた分割の組み立ては、一次相続の段階でしか手を打てないため、早い時期にご相談いただくほど選択肢が広がります。

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参考文献

相続税の早見表のよくある質問まとめ

Q.相続税の早見表はどのように使えばよいですか。

A.まず預貯金や不動産などの財産から借入金と葬式費用を差し引いて遺産総額を出し、次に法定相続人の構成が配偶者と子か子のみかを確認します。その2つが決まれば、該当する表の遺産総額の行を見るだけで税額の目安がわかります。表の金額は相続人全員が納める税額の合計です。

Q.早見表の金額はそのまま納める税額になりますか。

A.目安であり、そのままの金額になるとは限りません。小規模宅地等の特例や死亡保険金の非課税枠を適用すると税額は下がりますし、法定相続分と異なる分け方をした場合や相続人に兄弟姉妹が含まれる場合は金額が変わります。実際の申告では個別に計算する必要があります。

Q.配偶者がいる場合といない場合で税額が大きく違うのはなぜですか。

A.配偶者の税額の軽減が使えるかどうかが理由です。配偶者が取得した財産は1億6,000万円と配偶者の法定相続分相当額のいずれか多い金額まで相続税がかかりません。加えて相続人が1人減ると基礎控除額も600万円小さくなるため、二重に税額が上がります。

Q.早見表に当てはめる遺産総額はどこまでの財産を合計しますか。

A.預貯金、不動産、有価証券、死亡保険金などの財産の合計額から、借入金や未払金などの債務と葬式費用を差し引いた金額です。不動産は時価ではなく相続税評価額で計算します。土地は路線価方式または倍率方式で評価します。

Q.早見表で税額がゼロなら申告も不要ですか。

A.遺産総額が基礎控除額以下でゼロになる場合は、原則として申告は不要です。ただし配偶者の税額の軽減や小規模宅地等の特例を適用した結果ゼロになる場合は、申告書の提出が要件になっているため申告が必要です。

Q.相続人に孫や兄弟姉妹が含まれる場合も早見表は使えますか。

A.この記事の早見表は相続人が配偶者と子の場合を前提としているため、そのままでは使えません。兄弟姉妹や代襲相続人ではない孫が財産を取得する場合は、その人の相続税額に2割に相当する金額が加算されます。法定相続分の割合も異なるため、個別の計算が必要です。

事務所概要
社名
税理士法人プライムパートナーズ
住所
〒107-0052
東京都港区赤坂5丁目2−33
IsaI AkasakA 17階
対応責任者
税理士 島本 雅史

本記事は正確な情報提供を心掛けておりますが、執筆時点の情報に基づいているため、法改正や人的ミス、個別のケースにより適用が異なる可能性があります。最新の情報や具体的なご相談については、お気軽に弊法人の税理士までお問い合わせください。

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