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贈与税の計算方法をわかりやすく解説|速算表と一般・特例贈与財産の計算例

2026-07-11
目次

親から子や孫へまとまったお金や不動産を贈るとき、多くの方が気になるのが「いくら贈与税がかかるのか」という点です。贈与税には年間110万円の基礎控除があり、これを超えた部分に税率をかけて計算します。本記事では、暦年課税の贈与税の計算方法を、一般贈与財産と特例贈与財産それぞれの速算表と具体的な金額の計算例で分かりやすく解説します。

贈与税と暦年課税の基本

贈与税は、個人から財産をもらったときにかかる税金です。もっとも一般的な課税方式が暦年課税で、その年の1月1日から12月31日までの1年間にもらった財産の合計額をもとに税額を計算します。現金だけでなく、不動産や有価証券などの贈与も対象になります。

暦年課税では、1年間にもらった財産の合計額から基礎控除額110万円を差し引き、残った金額に税率を乗じて税額を求めます。したがって、1年間の贈与が110万円以内であれば贈与税はかからず、申告も不要です。国税庁 No.4408 贈与税の計算と税率(暦年課税)

基礎控除110万円の考え方

基礎控除110万円は、財産をもらった人(受贈者)1人あたりに対して1年間で適用される枠です。複数の人から贈与を受けた場合でも、受贈者ごとの基礎控除は年間110万円が上限となります。

計算の第一歩は、1年間の贈与財産の合計額から基礎控除を差し引いて、税率をかける前の金額(基礎控除後の課税価格)を求めることです。

1年間にもらった財産の合計額 − 基礎控除110万円 = 基礎控除後の課税価格

一般贈与財産と特例贈与財産の違い

暦年課税の贈与税には、適用される税率が異なる2つの区分があります。特例贈与財産は、父母や祖父母などの直系尊属から、贈与を受けた年の1月1日において18歳以上の子や孫が受け取った財産をいいます。この特例贈与財産には、税率が緩やかに設定された特例税率が適用されます。

一方で、それ以外の贈与、たとえば夫婦間の贈与、兄弟間の贈与、他人からの贈与、親から18歳未満の子への贈与などは一般贈与財産となり、一般税率が適用されます。どちらの区分に当たるかで税額が変わるため、贈与の当事者の関係と年齢を最初に確認することが大切です。

贈与税の速算表

税額は、基礎控除後の課税価格に速算表の税率をかけ、そこから控除額を引いて求めます。以下に、一般税率と特例税率それぞれの速算表を示します。表の「課税価格」は、基礎控除110万円を差し引いた後の金額です。

一般贈与財産用の速算表

基礎控除後の
課税価格
税率・控除額
200万円以下 税率10%・控除額なし
300万円以下 税率15%・控除額10万円
400万円以下 税率20%・控除額25万円
600万円以下 税率30%・控除額65万円
1,000万円以下 税率40%・控除額125万円
1,500万円以下 税率45%・控除額175万円
3,000万円以下 税率50%・控除額250万円
3,000万円超 税率55%・控除額400万円

特例贈与財産用の速算表

基礎控除後の
課税価格
税率・控除額
200万円以下 税率10%・控除額なし
400万円以下 税率15%・控除額10万円
600万円以下 税率20%・控除額30万円
1,000万円以下 税率30%・控除額90万円
1,500万円以下 税率40%・控除額190万円
3,000万円以下 税率45%・控除額265万円
4,500万円以下 税率50%・控除額415万円
4,500万円超 税率55%・控除額640万円

同じ課税価格でも、特例税率のほうが税負担が軽くなるように設計されています。次の章で、実際の金額を当てはめて計算してみます。

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具体的な金額での計算例

ここでは、代表的な贈与額での税額を段階的に計算します。いずれも、その年に受けた贈与がこの1件のみであることを前提とします。

500万円を贈与した場合

まず、基礎控除後の課税価格を求めます。

500万円 − 基礎控除110万円 = 390万円

この390万円に速算表を当てはめます。一般贈与財産の場合は「400万円以下」の区分で税率20%・控除額25万円となります。

390万円 × 20% − 25万円 = 53万円

親から18歳以上の子への贈与など特例贈与財産に当たる場合は、「400万円以下」の区分で税率15%・控除額10万円が適用されます。

390万円 × 15% − 10万円 = 48万5,000円

同じ500万円の贈与でも、特例贈与財産のほうが税額が4万5,000円軽くなります。

1,000万円を贈与した場合

1,000万円を贈与した場合、基礎控除後の課税価格は次のとおりです。

1,000万円 − 基礎控除110万円 = 890万円

一般贈与財産の場合は「1,000万円以下」の区分で税率40%・控除額125万円となります。

890万円 × 40% − 125万円 = 231万円

特例贈与財産の場合は「1,000万円以下」の区分で税率30%・控除額90万円が適用されます。

890万円 × 30% − 90万円 = 177万円

贈与額が大きくなるほど、一般税率と特例税率の差も大きくなります。1,000万円の贈与では、その差は54万円に達します。

贈与税の申告と納税の期限

1年間の贈与が基礎控除110万円を超えて贈与税がかかる場合には、贈与税の申告と納税が必要です。申告と納税は、原則として財産をもらった人が、もらった年の翌年の2月1日から3月15日までに行います。国税庁 No.4429 贈与税の申告と納税

贈与税の申告書の提出先は、原則として贈与を受けた人の住所を所轄する税務署です。期限を過ぎると加算税や延滞税がかかる場合があるため、余裕をもって準備することをおすすめします。

相続時精算課税との比較

贈与税には、暦年課税のほかに相続時精算課税という選択制の制度があります。相続時精算課税は、原則として60歳以上の父母または祖父母などから、18歳以上の子または孫などへの贈与について選択できる制度です。国税庁 No.4103 相続時精算課税の選択

この制度では、贈与額の累計が特別控除額2,500万円までは贈与税がかからず、これを超えた部分に一律20%の税率がかかります。さらに令和6年1月以降の贈与からは、年間110万円の基礎控除が別途設けられています。ただし、贈与した財産は原則として贈与時の価額で相続財産に加算され、相続税の対象となる点に注意が必要です。

いったん相続時精算課税を選択すると、その贈与者からの贈与について暦年課税へ戻すことはできません。どちらの制度が有利かは、贈与額や財産構成、将来の相続の見通しによって変わります。制度選択の詳細は、次の関連コラムもあわせてご覧ください。

関連コラム相続時精算課税110万円のデメリット|暦年課税に戻せない落とし穴

暦年贈与と相続時精算課税のどちらが得になるかの選び方については暦年贈与と相続時精算課税はどっちが得?2026年の選び方で詳しく解説しています。

贈与税でよくある注意点

贈与税の計算で見落としやすいのが、基礎控除は受贈者ごとに年間110万円という点です。複数の人から贈与を受けた場合でも、その人が使える基礎控除は合計で110万円までとなります。

また、暦年課税と相続時精算課税では税率も仕組みも大きく異なるため、どちらを使うかで税負担が変わります。孫への贈与は生前対策として活用されることが多く、制度の使い分けが重要です。暦年贈与を続ける際の最新の注意点や、孫への贈与のポイントは以下の関連コラムで詳しく解説しています。

関連コラム暦年贈与は2026年もまだ使える?改正後の注意点と早期開始のメリット
関連コラム生前贈与で孫はいくらまで非課税?加算対象外のメリット

まとめ

暦年課税の贈与税は、1年間にもらった財産の合計額から基礎控除110万円を差し引き、残った金額に速算表の税率を乗じて計算します。父母や祖父母から18歳以上の子や孫への贈与は特例贈与財産として税率が軽くなり、たとえば500万円の贈与では税額が48万5,000円と、一般贈与財産の53万円より軽くなります。贈与額や家族構成によっては相続時精算課税の活用も選択肢となります。具体的なケースは税理士へのご相談をおすすめします。

参考文献

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贈与税のよくある質問まとめ

Q.贈与税は年間いくらまでなら非課税ですか?

A.暦年課税では、1年間にもらった財産の合計額が基礎控除110万円以内であれば贈与税はかからず、申告も不要です。基礎控除は財産をもらった人1人あたり年間110万円が上限となります。

Q.一般贈与財産と特例贈与財産の違いは何ですか?

A.特例贈与財産は、父母や祖父母などの直系尊属から、贈与を受けた年の1月1日において18歳以上の子や孫が受け取った財産で、税率の軽い特例税率が適用されます。それ以外の贈与は一般贈与財産となり、一般税率が適用されます。

Q.親から500万円を贈与された場合の贈与税はいくらですか?

A.18歳以上の子が親から500万円を受け取る特例贈与財産の場合、基礎控除110万円を引いた390万円に税率15%を乗じ控除額10万円を引くと、贈与税は48万5,000円となります。一般贈与財産の場合は53万円です。

Q.贈与税の申告と納税の期限はいつですか?

A.贈与税がかかる場合、原則として財産をもらった人が、もらった年の翌年の2月1日から3月15日までに申告と納税を行います。提出先は、原則として贈与を受けた人の住所を所轄する税務署です。

Q.相続時精算課税と暦年課税はどちらが有利ですか?

A.相続時精算課税は累計2,500万円までの特別控除があり、令和6年からは年110万円の基礎控除も設けられていますが、贈与財産は原則として相続財産に加算されます。有利かどうかは贈与額や財産構成、将来の相続の見通しによって変わります。

Q.贈与税の税率はどのように調べればよいですか?

A.基礎控除110万円を差し引いた後の課税価格を求め、一般税率または特例税率の速算表に当てはめて税率と控除額を確認します。速算表は国税庁のタックスアンサーNo.4408で公表されています。

事務所概要
社名
税理士法人プライムパートナーズ
住所
〒107-0052
東京都港区赤坂5丁目2−33
IsaI AkasakA 17階
対応責任者
税理士 島本 雅史

本記事は正確な情報提供を心掛けておりますが、執筆時点の情報に基づいているため、法改正や人的ミス、個別のケースにより適用が異なる可能性があります。最新の情報や具体的なご相談については、お気軽に弊法人の税理士までお問い合わせください。

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