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死亡届の提出期限は7日以内|提出先・届出人・必要書類を解説

2026-09-03
目次

大切なご家族を亡くされた直後は、深い悲しみのなかで葬儀の準備や親族への連絡が一度に押し寄せ、何から手を付ければよいのか分からなくなるものです。そのなかでも最初に必ず行うのが、市区町村への死亡届の提出です。死亡届は死亡の事実を知った日から7日以内に提出する必要があり、これを済ませないと火葬の許可も下りず、その後の年金や相続の手続きにも進めません。

もっとも、実務では葬儀社の担当者が手続きの流れを案内してくれることが多く、ご遺族がすべてを一人で抱え込む必要はありません。大切なのは、期限・提出先・届出人という3つの要点を押さえ、後の手続きに必要な書類を手元に残しておくことです。

この記事では、相続税を専門とする税理士の立場から、死亡届の提出期限と提出先、届出義務者、必要書類、火葬許可証の受け取り、そして提出後に続く相続の手続きまでを、時系列に沿って分かりやすく解説します。

死亡届の提出期限

死亡届の提出期限は、法律で明確に定められています。まずは、いつから数えて何日以内なのかを正確に把握してください。

7日以内という原則と起算日

死亡の届出は、届出義務者が死亡の事実を知った日から7日以内に行わなければなりません。e-Gov法令検索 戸籍法届出期間は届出事件が発生した日から起算するとされているため、実務上は亡くなった日を1日目として数えて7日目までが期限になります。たとえば4月1日に亡くなり、その日にご家族が知った場合は、4月7日が提出期限です。

ご遺体の安置や葬儀の日程調整と並行して進むため、実際には亡くなった翌日か翌々日には提出されるケースがほとんどです。火葬の許可を受けるには死亡届の提出が前提になるため、期限ぎりぎりまで待つ理由はありません。

国外で亡くなった場合の3ヶ月以内

ご家族が旅行先や赴任先など国外で亡くなった場合は、期限が延長され、その事実を知った日から3ヶ月以内が届出期限となります。現地の医療機関が作成した死亡証明書の取り寄せや翻訳、日本語訳の添付といった準備に時間がかかることを考慮した規定です。

国外で亡くなった場合は、現地の日本大使館や領事館へ届け出る方法と、日本の市区町村へ直接届け出る方法があります。いずれの経路を選ぶかで必要書類が変わるため、まずは在外公館か本籍地の市区町村へ相談することをおすすめします。

期限を過ぎた場合の取扱い

期限を過ぎてしまっても、死亡届自体は受理されます。ただし、正当な理由なく期間内に届出をしなかった場合は5万円以下の過料に処するとされており、市区町村から家庭裁判所へ通知されることがあります。ご遺体が長期間発見されなかった場合など、やむを得ない事情があるときは、その経緯を窓口に説明してください。

過料を避けること以上に重要なのは、届出が遅れるほど火葬や年金の停止、相続手続きの一切が止まってしまう点です。事情があって動けない場合でも、まずは窓口へ電話で相談しておくと安心です。

死亡届の提出先

死亡届はどの市区町村でも受け付けてもらえるわけではありません。提出できる窓口は法律で限定されています。

提出できる3つの市区町村

戸籍の届出は、届出事件の本人の本籍地または届出人の所在地で行うこととされており、死亡の届出については加えて死亡地でも行うことができます。つまり、次の3か所のいずれかの市区町村役場が提出先になります。

死亡地 亡くなった場所の市区町村。病院で亡くなった場合はその病院の所在地です。
本籍地 亡くなった方の戸籍が置かれている市区町村。住所地とは異なる場合があります。
届出人の
所在地
届出をするご家族が住んでいる、または現に滞在している市区町村です。

実務では、火葬場の予約や火葬許可証の受け取りとの兼ね合いから、死亡地または届出人の所在地の市区町村へ提出するのが一般的です。本籍地が遠方でも、わざわざ出向く必要はありません。

死亡地が明らかでない場合

事故や災害などで死亡地が特定できないときにも、届出の受付先は用意されています。死亡地が明らかでないときは死体が最初に発見された地、列車などの交通機関のなかで亡くなったときは死体をその交通機関から降ろした地、航海日誌を備えない船舶のなかで亡くなったときはその船舶が最初に入港した地で、それぞれ死亡の届出をすることができます。

こうしたケースでは、警察による死体検案や身元確認が先行するため、届出の起算日も「死亡の事実を知った日」となります。警察から連絡を受けた日を記録しておくと、後の説明がスムーズです。

窓口の選び方の目安

提出先を選ぶ際の判断基準はシンプルです。火葬を行う地域の市区町村に提出すれば、火葬許可の申請を同じ窓口で完結できます。葬儀社が手続きを代行する場合も、火葬場の所在に合わせて窓口を選ぶのが通例です。

なお、死亡届は戸籍の届出のなかでも緊急性が高いため、多くの市区町村で執務時間外や休日も受付を行っています。受付の可否や場所は市区町村ごとに異なりますので、葬儀社または窓口へ事前にご確認ください。

死亡届の届出義務者と届出人

死亡届は誰でも提出できるわけではなく、届け出るべき方の範囲と順序が法律で定められています。

法律が定める届出義務者の順序

死亡の届出をしなければならない方は、第一に同居の親族、第二にその他の同居者、第三に家主・地主または家屋もしくは土地の管理人という順序で定められています。ただし、この順序にかかわらず届出をすることができるとされているため、同居のご家族がいる場合でも、事情に応じて他の順位の方が届け出て差し支えありません。

一人暮らしの方が亡くなり、同居のご家族がいないケースでは、アパートの大家さんや管理会社が届出義務者になることもあります。遠方に住むご親族が対応できない場合の受け皿として設けられた規定です。

義務者以外で届出ができる方

死亡の届出は、同居の親族以外の親族、後見人、保佐人、補助人、任意後見人および任意後見受任者も行うことができます。別居しているお子さまやごきょうだい、成年後見人が就いている方の場合は、これらの立場で届け出ることになります。

届出人となる方は、届書に署名し、本人確認書類を提示します。届書を実際に窓口へ持参する方は届出人本人でなくても差し支えないため、葬儀社の担当者が使者として提出するケースが広く行われています。

届出を怠った場合の責任

届出義務者が正当な理由なく期間内に届出をしなかった場合は、5万円以下の過料の対象となります。義務者が複数いる場合、そのうちの一人が期限内に届け出れば、他の方が責任を問われることはありません。

ご親族の間で「誰が届け出るか」を決めかねているうちに日数が過ぎてしまうのは避けたいところです。葬儀の打合せの席で、届出人を誰にするかを最初に決めておくことをおすすめします。

死亡届の必要書類と記入のポイント

死亡届は独立した用紙ではなく、医師が作成する書類と一体になっている点が大きな特徴です。

死亡診断書・死体検案書との一体様式

死亡届の用紙はA3サイズで、左半分が死亡届、右半分が死亡診断書または死体検案書という一体の様式になっています。病院で亡くなった場合は担当医が死亡診断書を、事故や自宅での急死などで警察が関与した場合は監察医などが死体検案書を作成し、右半分が記入済みの状態でご遺族に交付されます。

届書には診断書または検案書を添付しなければならないと定められているため、この用紙を受け取った時点で、届出の準備は半分終わっていることになります。用紙は病院や警察から渡されますので、ご遺族が別途取り寄せる必要はありません。

記入項目と窓口へ持参するもの

左半分の死亡届欄には、亡くなった方の氏名・生年月日・死亡した日時と場所・住所・本籍・世帯主の氏名などを記入し、届出人が自身の情報を書いて署名します。窓口へは、記入済みの死亡届と届出人の本人確認書類を持参してください。

持ち物 備考
死亡届(死亡診断書と一体の用紙) 左半分に届出人が記入し署名します
届出人の本人確認書類 運転免許証やマイナンバーカードなど
火葬料金・手数料 火葬場の使用料は市区町村により異なります

本籍や世帯主の氏名が分からない場合は、事前に住民票や戸籍謄本で確認しておくと窓口での記入がスムーズです。押印は任意とされていますが、記入誤りの訂正に備えて印鑑を持参しておくと安心です。

提出前のコピー保管

死亡届は提出すると原本が返却されません。生命保険金の請求や勤務先への届出などで死亡診断書の写しを求められることが多いため、提出前に必ずコピーを数部取っておくことを強くおすすめします。この一手間を惜しむと、後から取得し直す負担が生じます。

提出後に写しが必要になった場合は、届書に記載した事項についての証明書(記載事項証明書)を請求できますが、これは利害関係人が特別の事由がある場合に限られる例外的な取扱いです。遺族年金の請求など、法令により提出が義務付けられている場合が典型例とされています。東京法務局 戸籍届書類の記載事項証明書の交付請求について

火葬許可証の申請と葬儀までの流れ

死亡届の提出と火葬の許可は、実務上ワンセットで進みます。この流れを知っておくと、葬儀までの段取りが読めるようになります。

火葬許可の申請

埋葬、火葬または改葬を行おうとする方は、市町村長の許可を受けなければならないとされています。e-Gov法令検索 墓地、埋葬等に関する法律この許可は、死亡の届出を受理した市町村長が行うものとされているため、死亡届の提出と同時に火葬許可申請書を出すのが通常の流れです。

火葬許可証には火葬場の名称を記載するため、申請の前に火葬場の予約を済ませておく必要があります。この予約と申請は葬儀社が代行することがほとんどですので、ご遺族はどの火葬場をいつ使うかを決めることに集中していただければ十分です。

死亡後24時間の制限

埋葬または火葬は、他の法令に別段の定めがあるものを除き、死亡後24時間を経過した後でなければ行ってはならないと定められています。そのため、亡くなった当日に火葬を行うことはできず、通夜・葬儀の日程はこの制限を前提に組まれます。

ご遺体の安置場所を自宅にするか、葬儀社や斎場の安置施設にするかは、この24時間の間に決める必要があります。ご自宅の状況に不安がある場合は、遠慮なく葬儀社にご相談ください。

火葬許可証の受け取りと保管

火葬許可証は火葬場に提出し、火葬後に火葬済みの証明が記載された状態で返却されます。この書類は、お墓や納骨堂に遺骨を納める際に必要になりますので、骨壺の箱に入れたまま紛失しないよう保管してください。

納骨まで期間が空くご家庭も多く、数年後に探して見つからないという相談は少なくありません。遺言書や通帳などの重要書類と同じ場所にまとめておくと安心です。

死亡届の提出後に続く手続き

死亡届は、あくまで一連の手続きの入口です。ここから先は期限のある手続きが順番に控えており、特に税務に関するものは遅れると金銭的な不利益につながります。

期限の早い手続き

死亡届の後は、年金の受給停止や健康保険の資格喪失、世帯主の変更、公共料金の名義変更といった行政・生活面の手続きが続きます。これらは市区町村や年金事務所ごとに窓口が分かれるため、必要な手続きを一覧にして、ご親族で分担することをおすすめします。

相続の面で最も注意が必要なのは相続放棄です。借金などの負債を引き継がないための手続きで、相続の開始を知ったときから3ヶ月以内に家庭裁判所へ申述する必要があり、この期間内に手続きをしなければ単純承認したとみなされます。政府広報オンライン 知っておきたい相続の基本。大切な財産をスムーズに引き継ぐには?【基礎編】

関連コラム相続手続きの期限一覧|死亡後にやること全体像を税理士が解説

準確定申告と相続税の申告期限

亡くなった方に事業所得や不動産所得があった場合などは、相続人が代わりに所得税の確定申告を行います。これを準確定申告といい、相続の開始があったことを知った日の翌日から4ヶ月以内に申告と納税をする必要があります。国税庁 No.2022 納税者が死亡したときの確定申告(準確定申告)

そして相続税の申告と納税は、被相続人が死亡したことを知った日の翌日から10ヶ月以内が期限です。申告期限までに申告をしなかった場合や、実際に取得した財産の額より少ない額で申告をした場合には、本来の税金のほかに加算税や延滞税がかかることがあります。国税庁 No.4205 相続税の申告と納税

なお、相続税は財産を相続したすべての方にかかるわけではなく、遺産の総額が基礎控除額を超える場合に申告が必要になります。政府広報オンライン 相続税はいくらから?基礎控除とは?相続税の基本を確認!10ヶ月という期間は、遺産の把握・戸籍の収集・遺産分割協議まで行うことを考えると決して長くありません。

関連コラム年金受給者の死亡後の手続き|受給停止と未支給年金の期限を税理士が解説

戸籍の収集と広域交付制度

相続の手続きでは、亡くなった方の出生から死亡までの連続した戸籍・除籍の証明書が必要になります。従来は本籍地を移すたびに各市区町村へ請求する必要がありましたが、戸籍証明書等の広域交付制度により、本籍地以外の市区町村の窓口でもまとめて請求できるようになりました。

この制度を使えば、遠方の本籍地へ郵送請求する手間を大きく減らせます。死亡届の提出から数日後、戸籍に死亡の記載が反映されたタイミングで請求すると、その後の口座の解約や不動産の名義変更まで一気に進めやすくなります。

関連コラム相続は何から始める?死亡直後から10ヶ月までの手続きと期限の全体像

まとめ

死亡届は、死亡の事実を知った日から7日以内(国外で亡くなった場合は3ヶ月以内)に、死亡地・本籍地・届出人の所在地のいずれかの市区町村へ提出します。届出義務者は同居の親族が第一順位ですが、順序にかかわらず届け出ることができ、実際の持参は葬儀社が代行することも可能です。用紙は死亡診断書または死体検案書と一体になっているため、提出前のコピー保管だけは忘れないようにしてください。

死亡届を出し、火葬許可証を受け取れば、葬儀までの手続きは一区切りです。その先には相続放棄の3ヶ月、準確定申告の4ヶ月、そして相続税申告の10ヶ月という期限が控えています。特に相続税は、財産の評価方法や特例の適用によって納税額が大きく変わるため、早めに全体像を把握しておくことが安心につながります。

本記事は一般的な取扱いを解説したものであり、ご家族の状況や財産の内容によって必要な手続きは異なります。具体的なケースは税理士へのご相談をおすすめします。当法人では相続税を専門に、初回無料でご相談を承っております。何から手を付けるべきか分からない段階でも、どうぞお気軽にお声がけください。

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参考文献

死亡届の提出のよくある質問まとめ

Q. 死亡届の提出期限はいつまでですか。

A. 死亡の事実を知った日から7日以内です。届出期間は届出事件発生の日から起算するため、亡くなった日を1日目として数えます。国外で亡くなった場合は、その事実を知った日から3ヶ月以内です。

Q. 死亡届はどこの市区町村に提出しますか。

A. 死亡地、亡くなった方の本籍地、届出人の所在地のいずれかの市区町村です。火葬許可の申請を同じ窓口で行えるため、火葬を行う地域の市区町村へ提出するのが一般的です。

Q. 死亡届は家族以外でも提出できますか。

A. 届出義務者は同居の親族、その他の同居者、家主・地主または家屋もしくは土地の管理人の順に定められています。加えて、同居の親族以外の親族、後見人、保佐人、補助人、任意後見人および任意後見受任者も届け出ることができます。

Q. 死亡届の提出が7日を過ぎるとどうなりますか。

A. 届出自体は受理されますが、正当な理由なく期間内に届出をしなかった場合は5万円以下の過料の対象となります。事情がある場合は、早めに窓口へ相談してください。

Q. 死亡届のコピーは提出後に取得できますか。

A. 提出後は原本が返却されず、届書は原則として非公開です。利害関係人が特別の事由を認められる場合に限り記載事項証明書を請求できますが、生命保険や勤務先の手続きに備え、提出前にコピーを取っておくことをおすすめします。

Q. 死亡届を出した後、相続税の申告はいつまでにしますか。

A. 被相続人が死亡したことを知った日の翌日から10ヶ月以内です。期限までに申告しなかった場合や少ない額で申告した場合は、加算税や延滞税がかかることがあります。

事務所概要
社名
税理士法人プライムパートナーズ
住所
〒107-0052
東京都港区赤坂5丁目2−33
IsaI AkasakA 17階
対応責任者
税理士 島本 雅史

本記事は正確な情報提供を心掛けておりますが、執筆時点の情報に基づいているため、法改正や人的ミス、個別のケースにより適用が異なる可能性があります。最新の情報や具体的なご相談については、お気軽に弊法人の税理士までお問い合わせください。

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