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埼玉の相続税は税理士へ|土地評価で差がつく申告先と選び方

2026-08-09
目次

埼玉県内にご自宅や農地、駐車場などをお持ちだった方が亡くなると、相続税の申告で最初に迷いやすいのが「どこの税務署に出すのか」と「土地をいくらで評価するのか」の二点です。とくに埼玉県は、駅前の市街地と、市街化調整区域の農地や雑種地とが同じ市内に混在している地域が少なくありません。同じ面積の土地でも、評価の方法を一つ選び違えるだけで税額が数百万円単位で変わることがあります。

この記事では、埼玉県内に被相続人の住所や不動産がある相続を前提に、申告書の提出先と期限、土地評価の考え方、小規模宅地等の特例の要件、そして税理士に依頼すべきかどうかの判断軸を順に整理します。数値や要件は国税庁が公表している内容にもとづいて記載しています。

「相続人が県外に住んでいるから、近くの税務署でよいのだろうか」「路線価が付いていない土地はどう計算するのか」といった疑問を、一つずつ解消していきます。

埼玉県での相続税申告の提出先と期限

相続税は、財産のある場所ではなく被相続人の住所地を基準に申告先が決まります。ここを取り違えると、書類を提出し直すことになり、期限間際では大きな負担になります。まずは前提となるルールから確認します。

被相続人の住所地を所轄する税務署への提出

相続税の申告書の提出先は、被相続人の死亡の時における住所が日本国内にある場合、被相続人の住所地を所轄する税務署です。相続人の住所地を所轄する税務署ではありません。国税庁 No.4205 相続税の申告と納税

つまり、埼玉県内にお住まいだった方が亡くなった場合、相続人が東京都や大阪府に住んでいても、提出先は埼玉県内の税務署のままです。逆に、埼玉県内に不動産だけを持っていて被相続人が県外に住んでいたのであれば、提出先は県外の税務署になります。判断の軸は「どこに財産があるか」ではなく「どこに住んでいたか」です。

なお申告書は、e-Taxで送信する方法のほか、郵便や信書便による送付、税務署の時間外収受箱への投函でも提出できます。遠方にお住まいでも、来署せずに手続きを完了させることは可能です。

埼玉県内の税務署の管轄区域

埼玉県内の税務署は関東信越国税局の管内にあり、上尾、浦和、大宮、春日部、朝霞、川口、川越、行田、熊谷、越谷、秩父、所沢、西川口、東松山、本庄の各署が置かれています。国税庁 税務署所在地・案内(埼玉県)

注意したいのは、一つの市が複数の税務署に分かれているケースがあることです。さいたま市は区によって浦和税務署・大宮税務署・春日部税務署に分かれ、川口市は川口税務署と西川口税務署に分かれています。市名だけで判断すると誤りやすい部分です。

浦和税務署 さいたま市のうち中央区・桜区・浦和区・南区・緑区
大宮税務署 さいたま市のうち西区・北区・大宮区・見沼区
春日部税務署 さいたま市のうち岩槻区、春日部市、久喜市、蓮田市、幸手市、白岡市など
川口税務署 川口市の一部、草加市
西川口税務署 川口市の一部、蕨市、戸田市

ご自身のケースで管轄がはっきりしないときは、国税庁のサイトで国税局名と都道府県名をたどると、その都道府県が管轄する税務署の一覧を確認できます。国税庁 国税局・税務署を調べる

申告期限と基礎控除の基準

相続税の申告は、被相続人が死亡したことを知った日、通常は死亡の日の翌日から10か月以内に行います。たとえば1月6日に亡くなった場合は、その年の11月6日が申告期限です。この期限が土曜日、日曜日、祝日などに当たるときは、これらの日の翌日が期限とみなされます。

そもそも申告が必要かどうかは、財産の合計額が遺産に係る基礎控除額を超えるかどうかで判断します。基礎控除額は次の式で計算します。国税庁 No.4152 相続税の計算

3,000万円 + 600万円 × 法定相続人の数 = 遺産に係る基礎控除額

配偶者と子ども2人が相続人であれば法定相続人は3人ですので、基礎控除額は次のようになります。

3,000万円 + 600万円 × 3人 = 4,800万円

ここで見落としがちなのが、この判定に使う財産の価額は小規模宅地等の特例を適用する前の金額だという点です。特例を使えば税額がゼロになる場合でも、特例を使わずに計算すると基礎控除を超えるのであれば、申告書の提出そのものは必要になります。埼玉県内に持ち家がある相続では、この形になることが珍しくありません。

関連コラム相続税の課税価格と基礎控除の計算方法をステップ解説

埼玉の土地評価が税額を左右する理由

相続財産の中で金額の振れ幅が最も大きいのが土地です。預貯金は残高証明書で一義的に決まりますが、土地は評価の方法と補正の当て方によって金額が変わります。埼玉県は地域差が大きいため、この差が特に出やすい県だといえます。

路線価方式と倍率方式の使い分け

土地は原則として、宅地、田、畑、山林などの地目ごとに評価します。評価方法には路線価方式と倍率方式の2つがあります。国税庁 No.4602 土地家屋の評価

路線価方式 路線価が定められている地域で用います。路線価を奥行価格補正率などの各種補正率で補正した後、地積を乗じて計算します
倍率方式 路線価が定められていない地域で用います。その土地の固定資産税評価額に一定の倍率を乗じて計算します
家屋 固定資産税評価額に1.0を乗じた金額で評価します。結果として固定資産税評価額と同じ金額になります

路線価とは、その道路に面している標準的な宅地の1平方メートル当たりの価額で、路線価図には千円単位で表示されています。実際の評価では、正面路線価に奥行価格補正率を乗じ、角地であれば側方路線影響加算額を、裏面にも道路があれば二方路線影響加算額を加えて、1平方メートル当たりの価額を求めてから地積を乗じます。国税庁 No.4604 路線価方式による宅地の評価

一方、倍率方式は固定資産税評価額に倍率を乗じるだけの計算です。固定資産税評価額は市役所や町村役場で確認でき、倍率は評価倍率表で確認します。国税庁 No.4606 倍率方式による土地の評価

固定資産税評価額1,200万円 × 倍率1.1 = 評価額1,320万円

埼玉県は、さいたま市や川口市のような市街地には路線価が付されている一方で、秩父地域や県北部の農村部には路線価が付されていない区域が広く存在します。同じ相続の中に路線価地域の自宅と倍率地域の農地が混在することも多く、土地ごとに評価方法を切り替える作業が必要になります。

地積規模の大きな宅地の評価と三大都市圏の判定

広い宅地には、面積に応じて評価額を引き下げる地積規模の大きな宅地の評価という定めがあります。対象となるのは、三大都市圏においては500平方メートル以上、三大都市圏以外の地域においては1,000平方メートル以上の地積の宅地です。国税庁 No.4609 地積規模の大きな宅地の評価

ただし、市街化調整区域に所在する宅地、都市計画法の用途地域が工業専用地域に指定されている地域に所在する宅地、指定容積率が400パーセント以上の地域に所在する宅地などは対象から除かれます。また路線価地域では、普通商業・併用住宅地区および普通住宅地区に所在するものに限られます。

埼玉県の場合、この三大都市圏の判定が実務上の分かれ目になります。国税庁のパンフレットに示された三大都市圏に該当する都市の一覧では、さいたま市、川越市、川口市、所沢市、越谷市、上尾市、春日部市など多くの市町が全域として掲げられ、熊谷市と飯能市は行政区域の一部が該当するものとして掲げられています。国税庁 「地積規模の大きな宅地の評価」が新設されました

逆に、この一覧に掲げられていない秩父市、本庄市、深谷市などに所在する宅地は、基準面積が1,000平方メートル以上になります。600平方メートルの宅地であれば、さいたま市内なら適用の余地があり、秩父市内なら面積要件を満たさない、という違いが生じます。所在地の確認を飛ばすと、使えるはずの減額を落としてしまいます。

実際の計算は、規模格差補正率を求めてから路線価に乗じます。普通住宅地区にある600平方メートルの宅地を例にすると、次の流れになります。

(600平方メートル × 0.95 + 25) ÷ 600平方メートル × 0.8 = 規模格差補正率0.79
路線価300,000円 × 奥行価格補正率0.95 = 285,000円
285,000円 × 規模格差補正率0.79 = 225,150円
225,150円 × 600平方メートル = 135,090,000円

補正率を当てない場合の評価額は、路線価300,000円に奥行価格補正率0.95と地積600平方メートルを乗じた171,000,000円です。規模格差補正率を適用するかどうかで、評価額に3,500万円以上の差が生まれる計算になります。

農地・雑種地・市街化調整区域内の土地の評価

埼玉県では、宅地のほかに農地や資材置場、駐車場といった土地を相続するケースが多く見られます。農地は、純農地、中間農地、市街地周辺農地、市街地農地の4種類に区分して評価します。国税庁 No.4623 農地の評価

純農地と中間農地は倍率方式で評価します。市街地周辺農地は、その農地が市街地農地であるとした場合の価額の80パーセントに相当する金額で評価します。市街地農地は宅地比準方式または倍率方式で評価し、宅地比準方式では、宅地であるとした場合の1平方メートル当たりの価額から宅地への転用に通常必要と認められる1平方メートル当たりの造成費を控除して計算します。同じ「畑」であっても、どの区分に当たるかで評価額は大きく変わります。

雑種地も判断が分かれる財産です。雑種地の価額は、原則としてその雑種地の現況に応じ、状況が類似する付近の土地について評価した1平方メートル当たりの価額を基とし、位置や形状等の条件の差を考慮して評定した価額に地積を乗じて計算します。市街化調整区域に存する雑種地では、周囲の状況に応じて類似する地目を判定し、宅地の価額を基として評価する場合には法的規制等に係るしんしゃく割合を考慮します。国税庁 No.4628 市街化調整区域内の雑種地の評価

市街化調整区域の駐車場や資材置場は、周囲が住宅地なのか農地なのかによって評価の出発点が変わり、しんしゃく割合の判断も必要になります。埼玉県内で相続税の負担感が読みにくいのは、こうした土地が家族の財産に含まれていることが多いためです。

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小規模宅地等の特例と遺産分割の関係

土地の評価額そのものを下げる制度が、小規模宅地等の特例です。適用できるかどうかで納税額が大きく変わるうえ、遺産分割の進み方とも連動します。要件を正確に押さえておく必要があります。

特定居住用宅地等の限度面積と減額割合

この特例は、相続開始の直前において被相続人等の事業の用または居住の用に供されていた宅地等のうち一定のものについて、一定の面積までの部分の評価額を減額する制度です。国税庁 No.4124 相続した事業の用や居住の用の宅地等の価額の特例(小規模宅地等の特例)

特定居住用宅地等 限度面積330平方メートル、減額割合80パーセント
特定事業用宅地等 限度面積400平方メートル、減額割合80パーセント
特定同族会社事業用宅地等 限度面積400平方メートル、減額割合80パーセント
貸付事業用宅地等 限度面積200平方メートル、減額割合50パーセント

自宅の敷地が特定居住用宅地等に当たり、評価額が5,000万円だった場合の減額は次のようになります。

宅地の評価額5,000万円 × 80パーセント = 減額される金額4,000万円
5,000万円 − 4,000万円 = 課税価格に算入する金額1,000万円

被相続人の配偶者が取得する場合、取得者ごとの要件はありません。被相続人の居住の用に供されていた一棟の建物に居住していた親族が取得する場合は、相続開始の直前から相続税の申告期限まで引き続きその建物に居住し、かつその宅地等を申告期限まで有していることが必要です。

事業用・貸付用の宅地の取扱い

埼玉県内では、アパートや貸家、コインパーキングを所有していた方の相続も多くあります。被相続人等の貸付事業の用に供されていた宅地等は貸付事業用宅地等として、200平方メートルまで50パーセントの減額になります。自宅と比べて限度面積も減額割合も小さい点に注意が必要です。

複数の宅地について特例を選ぶ場合、限度面積は単純な足し算になりません。貸付事業用宅地等がない場合は、特定事業用等宅地等が400平方メートルまで、特定居住用宅地等が330平方メートルまでで、両方を選択するときは合計730平方メートルまで適用できます。貸付事業用宅地等がある場合は、それぞれの面積を換算したうえで合計200平方メートル以内に収める必要があります。どの土地に特例を当てれば全体の税額が最も小さくなるかは、土地ごとの1平方メートル当たりの評価額を比べて検討することになります。

申告期限までに分割が調わない場合の取扱い

相続税の申告は、相続財産が分割されていない場合であっても期限までに行わなければなりません。分割されていないことを理由に申告期限が延びることはありません。この場合は、各相続人が民法に規定する相続分または包括遺贈の割合に従って財産を取得したものとして計算し、申告と納税をします。国税庁 No.4208 相続財産が分割されていないときの申告

その際は、小規模宅地等の特例や配偶者の税額の軽減を適用できない申告になります。配偶者の税額の軽減は、配偶者が実際に取得した正味の遺産額が1億6千万円と配偶者の法定相続分相当額のどちらか多い金額までは相続税がかからない制度ですが、申告期限までに分割されていない財産は対象になりません。国税庁 No.4158 配偶者の税額の軽減

もっとも、申告書に申告期限後3年以内の分割見込書を添付したうえで、申告期限から3年以内に分割したときは、税額軽減の対象になります。土地が多く分割協議が長引きやすい埼玉県内の相続では、この書面の添付を失念しないことが実務上の要点になります。

関連コラム相続手続きの期限一覧|死亡後にやること全体像を税理士が解説

相続税申告を税理士に依頼すべきケース

相続税の申告は、必ず税理士に依頼しなければならないものではありません。ご自身で申告される方もいます。判断の分かれ目は、財産の中身が評価の判断を要するものかどうかにあります。

土地の種類や数が多い相続

路線価地域の自宅、倍率地域の畑、市街化調整区域の資材置場というように、地目や区域の異なる土地が複数ある相続は、依頼を検討したい典型例です。土地は地目ごとに評価し、利用の単位となっている1画地ごとに判定していくため、筆の数がそのまま作業量と判断の数になります。

また、地積規模の大きな宅地の評価に当たるかどうかは、面積だけでなく、市街化調整区域か否か、用途地域、指定容積率、路線価図上の地区区分といった複数の条件を順に確認して決まります。ここを一つずつ資料で裏付ける作業は、慣れていないと負担が大きくなります。

特例の適用可否が分かれる相続

小規模宅地等の特例は、取得者ごとの要件や継続要件があり、誰がどの土地を相続するかによって使えたり使えなかったりします。自宅と貸家の両方がある場合には、どちらに特例を当てるかで税額が変わるため、遺産分割の内容を決める前に試算しておく意味があります。

申告内容は、後日の税務調査で確認される可能性もあります。評価の根拠資料をそろえ、判断の理由を説明できる形で申告書を作っておくことが、結果として安心につながります。

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自分で申告できる場合の目安

財産が預貯金と上場株式が中心で、土地は路線価地域にある整形な自宅の敷地1か所だけ、相続人も少なく分割の方針が決まっている、という相続であれば、ご自身で申告される余地はあります。反対に、土地が複数ある、倍率地域や市街化調整区域の土地がある、面積が大きい、貸家やアパートがある、といった要素が一つでも重なると、判断すべき論点が急に増えます。

迷ったときは、まず土地の一覧を作り、それぞれが路線価地域か倍率地域か、地目は何かを書き出してみてください。そのうえで判断がつかない項目が残るようであれば、期限の10か月を意識して早めに相談されることをおすすめします。

埼玉で相続税に強い税理士を選ぶ判断軸

税理士は税務全般を扱う資格ですが、相続税の申告、とりわけ土地評価の経験値は事務所によって差があります。依頼先を比べるときに見るとよい点を整理します。

土地評価の実務経験の確認方法

最初に確認したいのは、倍率地域や市街化調整区域の土地を扱った経験があるかどうかです。埼玉県内の相続では、路線価図だけで完結しない土地がしばしば含まれます。相談の場で、農地の区分の考え方や、雑種地を評価する際の比準先の選び方について具体的な説明があるかどうかは、一つの手がかりになります。

あわせて、地積規模の大きな宅地の評価について、三大都市圏の判定や用途地域・指定容積率の確認をどう進めるかを聞いてみるとよいでしょう。現地確認や役所調査を行うかどうか、といった進め方の説明があるかも比較の材料になります。

報酬体系と業務範囲の確認方法

報酬は、遺産総額を基準とする基本報酬に、土地の筆数や相続人の人数などに応じた加算を組み合わせる形が一般的です。見積りを受け取る際は、土地の評価が何筆まで基本報酬に含まれるのか、書面添付や税務調査対応が範囲に入るのかを確認しておくと、後から認識の差が出にくくなります。

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事務所の所在地と面談方法の考え方

「埼玉県内の事務所でなければ申告できないのではないか」と考える方もいらっしゃいますが、そのような制限はありません。提出先はあくまで被相続人の住所地を所轄する税務署であり、依頼する税理士の所在地によって変わるものではありません。申告書はe-Taxや郵送でも提出できます。

そのうえで、現地確認が必要な土地がある場合や、対面での打ち合わせを重視される場合には、移動のしやすさが実務の進めやすさに影響します。オンライン面談への対応、資料のやり取りの方法、連絡が取れる時間帯といった運用面を、初回の相談で確認しておくと安心です。

まとめ

埼玉県内での相続税申告は、提出先が被相続人の住所地を所轄する税務署である点、期限が相続開始を知った日の翌日から10か月である点が出発点になります。相続人が県外にお住まいでも提出先は変わりませんので、まずは被相続人の住所から管轄税務署を確認してください。

税額を大きく動かすのは土地の評価です。路線価地域と倍率地域の使い分け、地積規模の大きな宅地の評価における三大都市圏の判定、農地や市街化調整区域内の雑種地の評価、そして小規模宅地等の特例の適用可否。この4点がそろって初めて、埼玉県内の土地を含む相続税の全体像が見えてきます。

土地の数や種類、遺産分割の状況によって最適な進め方は変わります。具体的なケースについては、期限に余裕をもって税理士へのご相談をおすすめします。

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参考文献

埼玉の相続税申告と税理士に関するよくある質問

Q. 埼玉県に住んでいた父の相続ですが、相続人である私は県外に住んでいます。申告書はどこの税務署に提出しますか。

A. 被相続人の死亡の時における住所が日本国内にある場合、相続税の申告書の提出先は被相続人の住所地を所轄する税務署です。相続人の住所地を所轄する税務署ではありません。埼玉県内にお住まいだった方の相続であれば、相続人が県外に住んでいても提出先は埼玉県内の税務署のままです。

Q. 埼玉県内の土地はすべて路線価で評価するのですか。

A. いいえ。路線価が定められている地域は路線価方式で評価し、路線価が定められていない地域は倍率方式で評価します。倍率方式では、その土地の固定資産税評価額に一定の倍率を乗じて計算します。埼玉県内では市街地と倍率地域が混在するため、土地ごとに方法を確認します。

Q. 600平方メートルの宅地は地積規模の大きな宅地の評価の対象になりますか。

A. 三大都市圏では500平方メートル以上、それ以外の地域では1,000平方メートル以上が地積規模の大きな宅地に当たります。ただし市街化調整区域や工業専用地域、指定容積率400パーセント以上の地域にある宅地は除かれ、路線価地域では普通商業・併用住宅地区および普通住宅地区に所在するものに限られます。所在地と用途地域の確認が必要です。

Q. 相続税の申告が必要かどうかは何で判断しますか。

A. 取得した財産の価額の合計額が、3,000万円に600万円と法定相続人の数を乗じた金額を加えた遺産に係る基礎控除額を超えるかどうかで判断します。この判定に使う金額は小規模宅地等の特例を適用しない場合の課税価格ですので、特例で税額がゼロになる場合でも申告書の提出は必要です。

Q. 申告期限までに遺産分割がまとまらないときはどうなりますか。

A. 分割されていない場合でも申告期限は延びません。民法に規定する相続分などに従って取得したものとして計算し、期限までに申告と納税を行います。この申告では小規模宅地等の特例や配偶者の税額の軽減は適用できませんが、申告期限後3年以内の分割見込書を添付し、申告期限から3年以内に分割すれば適用を受けられます。

Q. 依頼する税理士事務所が埼玉県外でも問題ありませんか。

A. 問題ありません。申告書の提出先は被相続人の住所地を所轄する税務署で決まり、税理士事務所の所在地によって変わることはありません。申告書はe-Taxや郵送でも提出できます。所在地よりも、倍率地域や市街化調整区域を含む土地評価の経験があるかどうかを確認されるとよいでしょう。

事務所概要
社名
税理士法人プライムパートナーズ
住所
〒107-0052
東京都港区赤坂5丁目2−33
IsaI AkasakA 17階
対応責任者
税理士 島本 雅史

本記事は正確な情報提供を心掛けておりますが、執筆時点の情報に基づいているため、法改正や人的ミス、個別のケースにより適用が異なる可能性があります。最新の情報や具体的なご相談については、お気軽に弊法人の税理士までお問い合わせください。

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