相続が起きて申告の準備を始めると、多くの方が最初に戸惑うのが「相続税そのもの以外に、いったい何にお金がかかるのか」という点です。税額の話は書籍やインターネットで調べればある程度わかっても、書類を集める費用や登記の税金、専門家への報酬まで含めた総額となると、途端に見通しが立たなくなります。
予算が立てられないまま手続きを進めるのは、どなたにとっても不安なものです。実際には、相続税申告を終えるまでにかかるお金は実費・専門家報酬・税金の3つに整理でき、このうち実費と税金は公的に金額や税率が定められているため、事前にかなり正確に見積もることができます。
この記事では、相続税申告を完了させるまでに発生する費用の全体像を、内訳ごとに具体的な金額とともに整理します。ご自身で申告する場合と専門家に依頼する場合の総額の違いまで見ていきますので、予算感をつかむ手がかりにしていただければ幸いです。
相続税申告にかかる費用の全体像
相続税申告にかかる費用は、性質の異なる3種類のお金が積み重なって総額になります。それぞれ支払先も金額の決まり方も違うため、まとめて「申告費用」と考えると見積もりが立てにくくなります。最初に区分を押さえておくと、後の判断がぐっと楽になります。
なお、そもそも相続税の申告が必要になるのは、遺産の総額が基礎控除額を超える場合です。基礎控除額は法定相続人の数によって決まります。国税庁 No.4152 相続税の計算
費用の3つの区分(実費・専門家報酬・税金)
申告を終えるまでに支払うお金は、次の3つに分けられます。実費と税金は法令で金額や税率が決まっているため誰が手続きしても同額になり、変動するのは専門家報酬の部分だけです。ここを分けて考えることが、費用を正しく見積もる第一歩になります。
| 実費 | 戸籍謄本、除籍謄本、住民票、登記事項証明書、固定資産評価証明書などの取得手数料。郵送請求の場合は郵送料や定額小為替の発行手数料も加わります。 |
|---|---|
| 専門家報酬 | 税理士、司法書士、不動産鑑定士などに支払う報酬。依頼する範囲と財産の内容によって金額が変わります。 |
| 税金 | 相続税そのもののほか、不動産の名義変更に伴って納める登録免許税。登録免許税は登記申請の際に納付します。 |
このうち実費は、相続人の人数や被相続人が本籍を移した回数、所有していた不動産の数によって増減します。逆にいえば、必要な書類の枚数さえ見当がつけば、実費はかなり正確に予測できる費目です。
費用が発生する時期
費用は一度にまとめて出ていくわけではなく、手続きの進行に合わせて段階的に発生します。相続税の申告と納税は、被相続人が死亡したことを知った日の翌日から10か月以内に行う必要があり、この期限までに複数の支出が重なります。国税庁 No.4205 相続税の申告と納税
| 相続開始から 2〜3か月ごろ |
戸籍謄本・除籍謄本の取得手数料、住民票や登記事項証明書の取得手数料。金額としては数千円から数万円の範囲に収まることが多い時期です。 |
|---|---|
| 遺産分割協議が まとまったころ |
相続登記の登録免許税、司法書士に登記を依頼する場合の報酬。不動産の評価額に比例するため、ここで金額が大きく動きます。 |
| 申告期限の 前後 |
税理士報酬、相続税の納税資金。報酬は申告書の提出前後に支払う取り決めとするのが一般的です。 |
特に注意したいのは、相続税の納税資金と登録免許税がほぼ同じ時期に重なる点です。不動産の割合が大きい相続では、手元の現金が想定より早く目減りすることがありますので、早い段階で総額を把握しておくことをおすすめします。
関連コラム相続手続きの期限一覧|死亡後にやること全体像を税理士が解説▸
書類の取得にかかる実費
相続税申告では、被相続人と相続人の関係を証明する書類、財産の内容を裏づける書類を数多く集めます。1通あたりの手数料は数百円ですが、必要な通数が多いため合計すると無視できない金額になります。ここは金額が公的に定められているため、事前に計算しやすい部分です。
戸籍関係の書類の手数料
相続税申告と相続登記では、被相続人が生まれてから亡くなるまでの連続した戸籍が必要です。戸籍の交付手数料は市区町村ごとにばらつくものではなく、政令で全国共通の基準が定められています。e-Gov法令検索 地方公共団体の手数料の標準に関する政令第一条
| 戸籍の謄本・抄本 (戸籍証明書) |
1通につき450円 |
|---|---|
| 除かれた戸籍の謄本・抄本 (除籍謄本・改製原戸籍謄本) |
1通につき750円 |
| 戸籍に記載した事項に 関する証明書 |
証明事項1件につき350円 |
被相続人が結婚や転籍で本籍を何度も移していると、たどるべき戸籍の数が増えます。転籍が2〜3回あるケースでは、被相続人分だけで5通から8通程度になることも珍しくありません。相続人全員の現在戸籍も加えると、戸籍関係だけで3000円から6000円程度を見込んでおくと安心です。
遠方の市区町村から郵送で取り寄せる場合は、定額小為替の発行手数料と往復の郵送料が別途かかります。1か所あたり数百円ですが、請求先が5か所、6か所と増えると数千円単位の上乗せになりますので、後述する法定相続情報証明制度とあわせて検討する価値があります。
不動産関係の書類の手数料
不動産を相続する場合は、登記事項証明書と固定資産評価証明書が必要になります。登記事項証明書の交付手数料は、請求方法によって金額が異なります。窓口で請求するより、オンラインで請求したほうが安く済みます。法務局 登記事項証明書等の請求にはオンラインでの手続が便利です
| 登記所の窓口で請求 | 1通600円 |
|---|---|
| オンラインで請求し 郵送で受け取る |
1通520円 |
| オンラインで請求し 登記所等の窓口で受け取る |
1通490円 |
登記事項証明書は不動産1筆・1個ごとに必要です。自宅の土地と建物だけなら2通ですが、私道の持分がある、農地が数筆あるといったケースでは通数が一気に増えます。土地10筆・建物1棟であれば窓口請求で6600円となり、オンライン請求なら5390円まで抑えられる計算です。
固定資産評価証明書は、不動産の所在する市区町村で取得します。こちらの手数料は各自治体の条例で定められているため金額に幅がありますが、当事務所の実務では1通あたり300円から400円程度をご案内することが多い書類です。名寄帳をあわせて取得しておくと、把握もれの防止に役立ちます。
法定相続情報一覧図の活用
実費を抑えるうえで、ぜひ知っておいていただきたいのが法定相続情報証明制度です。戸籍謄本等の束と相続関係を一覧にした図を登記所に提出すると、登記官が確認したうえで認証文を付した写しを無料で交付してくれます。法務局 「法定相続情報証明制度」について
この写しは、相続登記の申請だけでなく、被相続人名義の預金の払戻し、相続税の申告、年金の手続きなど幅広い場面で戸籍の束の代わりに使えます。金融機関ごとに戸籍一式を提出して返却を待つ、という手間と時間が省ける点が大きな利点です。
必要な通数を無料で交付してもらえるため、取引先の金融機関が多いご家庭ほど効果が大きくなります。戸籍一式を各機関に回すために追加で謄本を取り直すと1通450円から750円かかることを考えると、提出先が5か所を超えるようであれば、この制度を使わない理由はほとんどありません。
相続登記にかかる登録免許税
不動産を相続した場合、名義変更のために相続登記を申請します。このとき国に納めるのが登録免許税です。令和6年4月1日から相続登記の申請は義務化されており、不動産を相続した以上は避けて通れない費用と考えておく必要があります。法務局 相続登記・遺贈の登記の申請をされる相続人の方へ(登記手続ハンドブック)
登録免許税の計算方法
相続による所有権の移転登記の税率は、不動産の価額の1000分の4です。課税標準となる不動産の価額は、市町村役場が管理する固定資産課税台帳に登録された価格が原則となります。国税庁 No.7191 登録免許税の税額表
たとえば、土地の固定資産税評価額が2000万円、建物が1000万円のご自宅を相続した場合は、次のように計算します。
相続税の計算で使う評価額と、登録免許税の計算で使う評価額が別物である点にはご注意ください。相続税では土地を路線価などで評価しますが、登録免許税はあくまで固定資産課税台帳の価格を基準とします。同じ土地でも金額が変わりますので、混同しないようにしましょう。
関連コラム相続登記を自分でやる手順と必要書類|費用と注意点▸
免税措置の対象
登録免許税には、相続登記を促すための免税措置が設けられています。土地について相続による所有権の移転登記を受ける場合で、不動産の価額が100万円以下であるときは、令和9年3月31日までの登記について登録免許税が課されません。この措置は令和7年度の税制改正により全国の土地に対象が拡充されました。法務局 相続登記の登録免許税の免税措置について
もう一つ、相続により土地を取得した方が相続登記をしないまま亡くなった場合に、その方を登記名義人とするために受ける登記についても登録免許税が免税となります。いわゆる数次相続で、祖父名義のままになっている土地を整理するようなケースが該当します。
ただし、免税を受けるには申請書に法令の条項を記載しなければならず、記載がなければ免税措置は適用されません。価額100万円以下の土地であれば「租税特別措置法第84条の2の2第2項により非課税」と申請書に書く必要があります。書き忘れると本来納めなくてよい税金を納めることになりますので、対象になりそうな土地がある場合は必ず確認してください。
専門家に支払う報酬
実費と税金は誰が手続きしても金額が変わりませんが、専門家報酬は依頼する範囲によって大きく動きます。ここが総額を左右する最大の変動要因です。どの専門家に何を頼むのかを整理すると、必要な予算が見えてきます。
税理士報酬の位置づけ
相続税の申告書の作成を税理士に依頼する場合の報酬は、遺産総額を基準に算定する料金体系が一般的に用いられています。公的機関が相場を公表している性質のものではありませんが、当事務所の実務でお受けする範囲では、遺産総額の0.5%から1%程度に収まるケースが多くなっています。
費用の全体像という観点で押さえておきたいのは、税理士報酬が「総額のうち最も大きな1項目になりやすい」という点です。遺産総額が1億円であれば、実費が数万円、登録免許税が十数万円であるのに対し、税理士報酬は数十万円規模になります。総額を見積もるときは、まずここを固めるのが近道です。
また、土地の筆数が多い、非上場株式がある、相続人の人数が多いといった事情があると、作業量に応じて報酬が加算される仕組みを採る事務所がほとんどです。見積もりを取る際は、加算の条件がどこまで含まれているかを確認しておくと、後から想定外の金額になることを防げます。
司法書士・その他の専門家
相続登記の申請を司法書士に依頼する場合は、登録免許税とは別に報酬が発生します。こちらも公的な相場は存在しませんが、不動産の数や管轄する法務局の数によって金額が変わる料金体系が広く用いられています。戸籍の収集から遺産分割協議書の作成まであわせて依頼すると、その分の報酬が加算されます。
このほか、遺産分割で相続人同士の意見がまとまらず調停や審判に進む場合は弁護士への依頼が必要になり、費用の性質そのものが変わります。相続人の中に判断能力が十分でない方がいる場合には、成年後見の申立てに伴う費用も検討事項になります。いずれも全員に発生する費用ではありませんので、ご自身の状況で必要かどうかを見極めることが大切です。
不動産の評価が必要な場合
相続税の申告における土地の評価方法には、路線価方式と倍率方式があります。路線価が定められている地域では路線価に各種の補正率を乗じて計算し、路線価が定められていない地域では固定資産税評価額に一定の倍率を乗じて計算します。家屋は固定資産税評価額と同額で評価します。国税庁 No.4602 土地家屋の評価
通常の申告であれば、この方法で評価を行うため不動産鑑定士に依頼する必要はありません。鑑定評価が検討されるのは、崖地や高圧線下の土地など、路線価による評価が実態と大きくかけ離れていると考えられる場合に限られます。
不動産鑑定士による鑑定評価書の作成費用は、対象地1件あたり数十万円規模になるのが実務上の相場感です。鑑定によって下がる評価額と、そこから生じる相続税の減額幅を比較して、費用倒れにならないかを事前に検討することになります。判断に迷う場合は、依頼前に税理士に相談されることをおすすめします。
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税理士法人プライムパートナーズ
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自分で申告する場合と依頼する場合の費用比較
ここまでの内訳を踏まえて、ご自身で申告する場合と専門家に依頼する場合で総額がどれだけ変わるのかを見ていきます。判断のポイントは、支払う報酬と、それによって減る税額や手間をどう天秤にかけるかという点にあります。
自分で行う場合にかかる費用
ご自身で申告と登記まで行う場合、専門家報酬はゼロになり、実費と税金だけが残ります。自宅の土地建物(固定資産税評価額3000万円)と預貯金を相続し、相続人が3人というモデルケースでは、次のような内訳になります。
| 戸籍関係の手数料 | 約5000円(戸籍・除籍・改製原戸籍を合計10通程度取得した場合) |
|---|---|
| 登記事項証明書 | 約1200円(土地・建物の2通を窓口で請求した場合) |
| 固定資産評価証明書 ・住民票等 |
約2000円 |
| 郵送料・定額小為替 発行手数料 |
約3000円 |
| 相続登記の 登録免許税 |
12万円 |
| 実費と税金の合計 | 約13万1200円 |
このとおり、専門家に頼まなければ13万円程度で済み、そのうち9割以上が登録免許税です。書類の実費は1万円強にとどまります。費用面だけを見れば、ご自身で進める選択には確かな効果があります。
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依頼した場合に生じる差
同じケースで税理士と司法書士に依頼すると、実費と登録免許税の約13万円はそのまま残り、そこに専門家報酬が上乗せされます。遺産総額が5000万円であれば、税理士報酬と司法書士報酬をあわせて数十万円というのが一つの目安になります。総額では、ご自身で行う場合のおよそ数倍という水準です。
ただし、この差額をそのまま損失と考えるのは早計です。小規模宅地等の特例や配偶者の税額軽減といった制度は、適用の可否や有利不利の判断で納税額が大きく変わります。土地の評価も、形状や利用状況に応じた補正を適切に反映できるかどうかで結果が変わってきます。報酬を支払った結果として税額のほうが大きく下がるのであれば、依頼したほうが手元に残る金額は増えます。
加えて、申告期限の10か月という制約も無視できません。書類収集と評価、遺産分割協議を並行して進める負担は相応に重く、期限に間に合わなければ加算税や延滞税という別の出費につながります。財産が預貯金だけで基礎控除をわずかに超える程度であればご自身での申告も現実的ですが、不動産が複数ある、特例の適用を検討したいという場合は、専門家への依頼が結果的に費用対効果に優れることが多いといえます。
費用を抑えるための工夫
依頼するかどうかにかかわらず、総額を抑える方法はいくつかあります。いずれも特別な知識を必要としないものばかりですので、できるところから取り入れてみてください。
- 法定相続情報一覧図の写しを無料で必要通数交付してもらい、戸籍の追加取得と提出の往復を減らす
- 登記事項証明書はオンラインで請求し、1通あたり80円から110円の差額を積み上げる
- 戸籍や残高証明書などの書類収集をご自身で行い、専門家に依頼する範囲を申告書の作成に絞る
- 価額100万円以下の土地が含まれていないかを確認し、該当すれば登録免許税の免税措置を申請書に記載する
- 複数の事務所から見積もりを取り、加算報酬の条件まで含めた総額で比較する
特に免税措置の記載もれは、本来払わなくてよい税金を納めてしまう典型的な失敗です。山林や畑、私道の持分など、評価額の小さい土地が含まれているときは必ずご確認ください。
まとめ
相続税申告にかかる費用は、実費・専門家報酬・税金の3つに分けて考えると全体像がつかめます。書類取得の実費は戸籍1通450円、除籍・改製原戸籍1通750円、登記事項証明書1通600円といった単価の積み上げで、多くの場合は合計1万円前後に収まります。
金額が大きくなるのは相続登記の登録免許税と専門家報酬です。登録免許税は不動産の価額の0.4%と決まっているため事前に計算でき、価額100万円以下の土地であれば免税措置の対象になります。専門家報酬は依頼する範囲によって変わりますので、どこまでを自分で行うかを決めることが、そのまま予算の調整につながります。
費用を比べるときは、支払う金額だけでなく、特例の適用や評価の精度によって最終的な納税額がどう変わるかまで含めて考えることが大切です。具体的なケースは税理士へのご相談をおすすめします。
お問い合わせはこちら ▸参考文献
- 国税庁 No.4152 相続税の計算
- 国税庁 No.4205 相続税の申告と納税
- 国税庁 No.4602 土地家屋の評価
- 国税庁 No.7191 登録免許税の税額表
- e-Gov法令検索 地方公共団体の手数料の標準に関する政令第一条
- 法務局 登記事項証明書等の請求にはオンラインでの手続が便利です
- 法務局 「法定相続情報証明制度」について
- 法務局 相続登記の登録免許税の免税措置について
- 法務局 相続登記・遺贈の登記の申請をされる相続人の方へ(登記手続ハンドブック)
相続税申告の費用のよくある質問まとめ
Q.相続税申告を終えるまでに費用は総額でどのくらいかかりますか。
A.書類取得の実費は多くの場合1万円前後に収まります。これに相続登記の登録免許税が加わり、不動産の価額が3000万円であれば12万円となります。専門家に依頼する場合は、ここに税理士報酬や司法書士報酬が上乗せされます。実費と税金は誰が手続きしても同額ですので、総額の見積もりは専門家報酬をいくらに置くかで決まります。
Q.戸籍謄本などの書類取得だけでいくらかかりますか。
A.戸籍の謄本は1通450円、除かれた戸籍の謄本は1通750円と政令で基準が定められています。被相続人の出生から死亡までの戸籍と相続人全員の戸籍をそろえると、合計10通前後になることが多く、金額としては3000円から6000円程度が目安です。郵送で取り寄せる場合は、定額小為替の発行手数料と往復の郵送料が別途かかります。
Q.相続登記の登録免許税はいくらになりますか。
A.相続による所有権の移転登記の税率は不動産の価額の1000分の4です。課税標準となる不動産の価額は、市町村役場が管理する固定資産課税台帳に登録された価格が原則となります。固定資産税評価額の合計が3000万円であれば、登録免許税は12万円です。相続税の計算で用いる路線価による評価額とは基準が異なりますので、混同しないようご注意ください。
Q.法定相続情報一覧図の写しの交付に費用はかかりますか。
A.交付手数料は無料です。戸籍謄本等の束と相続関係を一覧にした図を登記所に提出すると、登記官が確認したうえで認証文を付した写しを無料で交付します。この写しは相続登記の申請のほか、預貯金の払戻しや相続税の申告にも使えますので、提出先の機関が多いほど戸籍を追加取得する費用と手間を節約できます。
Q.自分で申告すれば費用は抑えられますか。
A.専門家報酬が発生しないため、支払う金額そのものは抑えられます。ただし小規模宅地等の特例や配偶者の税額軽減の適用判断、土地の評価の精度によって納税額が大きく変わるため、報酬を払っても最終的な負担が軽くなる場合があります。財産が預貯金中心で基礎控除をわずかに超える程度であればご自身での申告も現実的ですが、不動産が複数ある場合は慎重な検討が必要です。
Q.不動産鑑定士への依頼は必ず必要ですか。
A.通常の相続税申告では必要ありません。土地は路線価方式または倍率方式で評価し、家屋は固定資産税評価額と同額で評価するのが原則です。鑑定評価が検討されるのは、崖地や高圧線下の土地など、路線価による評価が実態と大きく離れていると考えられる場合に限られます。鑑定費用は対象地1件あたり数十万円規模になりますので、減額される税額と比較して判断します。