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横浜の相続は税理士へ|司法書士・弁護士との違いと選び方

2026-08-08
目次

横浜市で相続が発生したとき、「相続の相談は税理士と司法書士のどちらに行けばよいのか分からない」と迷う方は少なくありません。相続の手続きは、税金・登記・話し合いのこじれという三つの分野で担当する専門家が分かれています。最初の相談先を取り違えると、同じ説明を何度も繰り返すことになり、限られた期限を無駄に使ってしまいます。

この記事では、横浜市を中心とする神奈川県内で相続手続きを進める方に向けて、税理士に頼むべき範囲と、それ以外の手続きを担当する専門家を整理します。あわせて、横浜市にお住まいだった方が亡くなった場合に相続税の申告書を出す税務署や、神奈川県が属する東京国税局管内の課税割合など、地域に即した数字も公的資料をもとにご紹介します。相続税の申告期限は10か月と決して長くありませんので、早い段階で全体像をつかんでいただければ幸いです。

横浜・神奈川における相続の相談先

相続の相談先は、大きく税理士・司法書士・弁護士の三つに分かれます。それぞれ法律で業務範囲が定められており、どの専門家でも同じことができるわけではありません。まずは自分の相続で必要になる手続きがどれに当たるかを見極めることが、遠回りを避ける近道になります。

税理士・司法書士・弁護士の役割の違い

税理士の業務は、税務官公署に対する申告などを代理する税務代理と、申告書をはじめとする税務書類の作成であると定められていますe-Gov法令検索 税理士法第2条。相続税の申告書を相続人に代わって作成し、署名して提出できるのは税理士だけです。財産の評価や特例の判断も、この税務代理の一部として税理士が担います。

一方、司法書士の業務は、登記または供託に関する手続きの代理と、法務局に提出する書類の作成などと定められていますe-Gov法令検索 司法書士法第3条。これらは司法書士でない者が業として行うことを禁じられている独占業務にあたります日本司法書士会連合会 司法書士の業務。横浜市内の自宅やアパートの名義を相続人へ変える相続登記は、税理士ではなく司法書士の領域です。

そして、遺産の分け方について相続人の間で話し合いがつかない場合には、家庭裁判所の遺産分割の調停または審判の手続きを利用することになります裁判所 遺産分割調停。この段階に入ると、代理人として相手方と交渉できる弁護士が中心になります。三者の関係を整理すると、次のようになります。

相談先 主に担当する
相続手続き
税理士 相続税の申告書の作成と提出、財産の評価、特例の適用判断、税務調査への対応
司法書士 不動産の相続登記の申請代理、法務局に提出する書類の作成
弁護士 相続人の間で争いがある場合の交渉、家庭裁判所の遺産分割調停や審判の代理

最初に相談すべき専門家の判断基準

実務では、相続財産の総額が基礎控除額を超えるかどうかが最初の分岐点になります。超える見込みがあるなら、期限が最も短い相続税の申告を軸に動く必要があるため、税理士に先に相談したほうがスムーズです。相続登記には税理士から司法書士へ引き継ぐ流れをつくれますが、逆の順序だと申告準備の着手が遅れがちです。

横浜市は住宅地の地価が比較的高く、預貯金が多くない方でも自宅の土地だけで評価額が大きくなるケースがあります。「うちは相続税とは無縁」と思い込んだまま10か月が過ぎてしまう例は、専門事務所として実際に目にする失敗です。財産の全体像がはっきりしない段階でも、まずは概算で判定してもらうことをおすすめします。

関連コラム相続手続きの期限一覧|死亡後にやること全体像を税理士が解説

横浜市で相続税の申告が必要になる基準

相続税は、亡くなった方の財産がいくらであっても必ずかかるものではありません。基礎控除額という非課税のラインが設けられており、財産の合計額がこれを超えた部分に対して課税されます。まずはご自身の相続がこのラインを超えるかどうかを確認しましょう。

相続税の基礎控除額

相続税の基礎控除額は、次の式で計算します国税庁 No.4152 相続税の計算

3,000万円 + 600万円 × 法定相続人の数 = 基礎控除額

たとえば、お父さまが亡くなり、相続人が配偶者であるお母さまと子ども2人の合計3人であれば、次のとおりです。

3,000万円 + 600万円 × 3人 = 4,800万円

この場合、遺産の総額が4,800万円以下であれば相続税の申告は原則として不要です。ただし、後述する特例を使って税額をゼロにする場合は、申告そのものが必要になります。申告不要かどうかの判断は、特例を使う前の金額で行う点に注意してください。

東京国税局管内の課税割合

神奈川県内の税務署は東京国税局が所管しており、横浜市内の税務署も同じ管内に含まれます国税庁 税務署所在地・案内(神奈川県)。そのため、横浜市で相続税がどのくらいの割合で発生しているかを知る手がかりとして、東京国税局管内の統計が参考になります。

国税庁が公表した令和6年分の集計では、全国の被相続人数1,605,378人に対して相続税の申告書の提出に係る被相続人数は166,730人で、課税割合は10.4%でした国税庁 令和6年分 相続税の申告事績の概要。これに対し、東京国税局管内では被相続人数328,773人に対して申告書の提出に係る被相続人数が53,379人で、課税割合は16.2%となっています国税庁 令和6年分 相続税の申告事績の概要(東京国税局)

つまり、東京国税局管内では6人に1人程度の割合で相続税の申告が行われている計算になり、全国平均より高い水準です。横浜市にお住まいだった方の相続では、「自宅と預貯金だけだから大丈夫」という感覚が当てはまらないことが珍しくありません。まずは基礎控除額との比較を早めに行うことが大切です。

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相続税の申告書の提出先と期限

相続税の申告で実務上とくに誤解が多いのが、提出先の税務署と期限の数え方です。ここを取り違えると、せっかく作成した申告書が期限内に正しく届かないおそれがあります。横浜市内にお住まいだった方のケースを想定して整理します。

申告書の提出先となる税務署

相続税の申告書の提出先は、被相続人の死亡の時における住所地を所轄する税務署であり、相続人の住所地を所轄する税務署ではありません国税庁 No.4205 相続税の申告と納税。横浜市に住んでいたお父さまが亡くなり、相続人である子どもが東京都内に住んでいる場合でも、提出先は横浜市内の税務署になります。相続人が全国に散らばっていても、提出先は一つにまとまります。

横浜市は18区に分かれており、区ごとに所轄する税務署が異なります。横浜市内の区を管轄する税務署は次のとおりです。

税務署 管轄する
横浜市内の区
鶴見税務署 鶴見区
神奈川税務署 神奈川区、港北区
横浜中税務署 中区、西区
横浜南税務署 南区、港南区、磯子区、金沢区
保土ケ谷税務署 保土ケ谷区、旭区、瀬谷区
戸塚税務署 戸塚区、栄区、泉区
緑税務署 緑区、青葉区、都筑区

被相続人が施設に入居していた場合や、亡くなる直前に住民票を移していた場合は、どこが住所地に当たるのか判断に迷うことがあります。判断を誤ると提出先そのものが変わってしまうため、住民票や戸籍の附票で最後の住所を確認したうえで進めてください。

申告と納税の期限

相続税の申告書は、その相続の開始があったことを知った日の翌日から10か月以内に、納税地の所轄税務署長に提出しなければならないと定められていますe-Gov法令検索 相続税法第27条。納税の期限も同じ日で、申告だけ済ませて納税が遅れることのないよう資金の準備も並行して進める必要があります。

10か月と聞くと余裕があるように感じますが、実務ではそうでもありません。戸籍謄本の収集や金融機関からの残高証明書の取り寄せ、不動産の評価、相続人全員での遺産分割協議と、一つひとつに時間がかかります。申告で多いのは、遺産分割協議が長引いて期限直前に駆け込みになるケースです。四十九日を過ぎたころには税理士へ相談を始めておくと、無理のない進行になります。

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横浜の不動産を相続した場合の手続き

横浜市内に自宅や収益物件をお持ちの方が亡くなった場合、相続税の申告とは別に、不動産の名義変更である相続登記が必要です。この手続きは税務署ではなく法務局に対して行うもので、担当する専門家も変わります。相続税と相続登記は別の手続きであるという点を押さえておきましょう。

相続登記の申請先

登記の申請は、その申請する不動産の所在地を管轄する法務局に対して行う必要があります法務局 登記申請手続のご案内(相続登記①/遺産分割協議編)。相続税の申告先が被相続人の住所地で決まるのに対し、相続登記の申請先は不動産の所在地で決まります。横浜市内の不動産であれば横浜の管轄法務局へ、別の県に別荘があればその所在地の法務局へと、それぞれ申請することになります。

不動産が複数の管轄にまたがる場合は、その数だけ申請先が増えます。神奈川県内と都内に物件が分かれているようなケースでは、書類の準備も管轄ごとに必要です。手間を減らすためにも、登記は司法書士に依頼するのが現実的な選択になります。

相続登記の申請義務と過料

令和6年4月1日から相続登記の申請が義務化されました。相続によって不動産を取得した相続人は、その所有権の取得を知った日から3年以内に相続登記を申請しなければならず、正当な理由なく義務に違反した場合は10万円以下の過料の対象となります法務局 相続登記が義務化されました(令和6年4月1日制度開始)。令和6年4月1日より前に開始した相続も義務化の対象です。

相続税の申告期限は10か月、相続登記の期限は3年と長さが違うため、後回しにされがちなのが登記です。しかし、遺産分割協議書や戸籍一式は申告と登記で共通して使う書類が多く、まとめて進めたほうが結果的に費用も労力も抑えられます。相続税申告を依頼する際に、登記まで含めた進め方を相談しておくと安心です。

小規模宅地等の特例

横浜市のように地価の高い地域では、自宅の土地の評価額だけで基礎控除額に迫ることがあります。そこで実務上とくに重要になるのが、被相続人等の居住用や事業用だった宅地の評価額を減額できる小規模宅地等の特例です。区分ごとの限度面積と減額割合は次のとおりです国税庁 No.4124 相続した事業の用や居住の用の宅地等の価額の特例(小規模宅地等の特例)

特定居住用宅地等 330平方メートルまで80%減額
特定事業用宅地等 400平方メートルまで80%減額
貸付事業用宅地等 200平方メートルまで50%減額

この特例を受けるには、相続税の申告書に適用を受けようとする旨を記載し、計算明細書や遺産分割協議書の写しなど一定の書類を添付する必要があります。つまり、特例で税額がゼロになる場合でも申告書の提出は欠かせません。「税額がゼロなら申告しなくてよい」という誤解のまま期限を過ぎてしまうと、特例が使えず本来不要だった税金が生じることがあります。

横浜で相続税に強い税理士を選ぶ際の確認点

税理士は税金の専門家ですが、全員が相続税を日常的に扱っているわけではありません。法人の決算や所得税の確定申告を中心にしている事務所も多く、相続税の申告は経験差が出やすい分野です。相談先を選ぶときは、次の三点を確認してみてください。

相続税申告の取扱実績と担当体制

まず確認したいのは、年間でどのくらいの相続税申告を取り扱っているかです。相続税は財産評価の判断が結果を大きく左右するため、経験の蓄積がそのまま品質につながります。とくに横浜市内は、傾斜地や間口の狭い土地、私道に接する土地など、評価に手間のかかる形状の宅地が多い地域です。

あわせて、誰が実際に担当するのかも聞いておきましょう。初回の面談は代表税理士でも、その後の実務は経験の浅い担当者が進めるという体制もあります。書面添付制度を利用しているかどうかも、税務調査への姿勢を測る手がかりになります。

二次相続を見据えた提案の有無

配偶者の税額の軽減は、配偶者が実際に取得した正味の遺産額が1億6千万円と配偶者の法定相続分相当額のいずれか多い金額までは、配偶者に相続税がかからないという制度です国税庁 No.4158 配偶者の税額の軽減。効果が大きいため、この制度を最大限使って今回の税額をゼロにする分け方を提案されることがあります。

しかし、配偶者に財産を寄せると、次にその配偶者が亡くなったときの相続で税負担が重くなることがあります。実務では、一次相続と二次相続の合計で有利になる分け方を試算したうえでご提案します。目の前の税額だけを示す提案なのか、その先まで示してくれるのかは、税理士を選ぶうえで分かりやすい判断材料です。

なお、この制度は配偶者が実際に取得した財産をもとに計算するため、相続税の申告期限までに分割されていない財産は対象になりません。申告期限までに遺産分割がまとまらない見込みであれば、申告書に申告期限後3年以内の分割見込書を添付しておく対応が必要です。

税理士報酬の目安と見積りの確認

相続税申告の報酬は、遺産総額に応じた基本報酬に、土地の筆数や相続人の数、非上場株式の有無などによる加算を組み合わせる形が一般的です。見積りを取る際は、基本報酬だけでなく、どのような場合にいくら加算されるのかを事前に確認しておくと、後から金額が膨らむ心配がありません。

また、相続登記の司法書士報酬や登録免許税、戸籍の取得費用などは税理士報酬とは別に発生します。総額でいくらかかるのかを把握したうえで比較することが大切です。

相続税申告の料金体系を見る

関連コラム相続税申告の税理士費用|報酬相場と料金体系の見方

まとめ

横浜・神奈川で相続が発生したときの相談先は、手続きの種類で決まります。相続税の申告書の作成と提出は税理士、不動産の相続登記は司法書士、相続人間の争いは弁護士という切り分けを押さえておけば、最初の一歩を間違えずに済みます。

相続税の申告書は被相続人の死亡時の住所地を所轄する税務署に、相続の開始があったことを知った日の翌日から10か月以内に提出します。神奈川県は東京国税局の管内にあり、令和6年分の課税割合は管内で16.2%と全国の10.4%を上回っています。横浜市内に不動産をお持ちだった場合は、小規模宅地等の特例の適用可否や、3年以内という相続登記の申請義務もあわせて確認しておきましょう。

相続は財産の内容も家族の状況もご家庭ごとに異なり、同じ制度でも有利になる進め方は変わります。具体的なケースについては、税理士へのご相談をおすすめします。

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参考文献

横浜の相続と税理士選びのよくある質問まとめ

Q. 横浜市に住んでいた父が亡くなりました。相続税の申告先はどこの税務署になりますか。

A. 相続税の申告書の提出先は、被相続人の死亡の時における住所地を所轄する税務署です。相続人の住所地を所轄する税務署ではありません。お父さまが横浜市に住んでいたのであれば、相続人が都内や他県に住んでいても、提出先は横浜市内の該当する税務署になります。横浜市内は区ごとに所轄が分かれており、鶴見区は鶴見税務署、中区と西区は横浜中税務署といった具合です。

Q. 相続の相談は税理士と司法書士のどちらに先に行けばよいですか。

A. 財産の総額が基礎控除額を超える見込みがあるなら、まず税理士にご相談ください。相続税の申告期限は10か月と短く、財産の評価や特例の判断に時間がかかるためです。相続登記は3年以内が期限で、税理士から司法書士へ引き継ぐ流れをつくれます。相続税がかからないことがはっきりしていて不動産の名義変更だけが必要な場合は、司法書士に直接ご相談いただくのがよいでしょう。

Q. 相続税がかからない場合でも税理士に相談する意味はありますか。

A. かからないと判断した根拠を確かめる意味があります。基礎控除額を超えるかどうかは、小規模宅地等の特例や配偶者の税額の軽減を使う前の金額で判定します。特例を使って税額がゼロになる場合は申告書の提出が必要で、提出しなければ特例そのものが使えません。判定を誤ったまま期限を過ぎると、本来不要だった税負担が生じることがあります。

Q. 横浜の自宅を相続しました。相続登記も税理士に依頼できますか。

A. 登記の申請代理は司法書士の業務であり、税理士が行うことはできません。ただし、相続税申告と相続登記では戸籍一式や遺産分割協議書など共通して使う書類が多いため、税理士事務所を窓口として司法書士と連携しながら進めることは可能です。当事務所でも、相続税申告のご依頼にあわせて登記までの流れをご案内しています。

Q. 遺産分割が申告期限までにまとまらない場合はどうなりますか。

A. 配偶者の税額の軽減や小規模宅地等の特例は、実際に取得した財産をもとに計算するため、申告期限までに分割されていない財産は原則として対象になりません。この場合は、相続税の申告書に申告期限後3年以内の分割見込書を添付したうえで、いったん法定相続分などで申告と納税を行います。その後3年以内に分割できれば、更正の請求により特例を適用できます。

Q. 相続税申告を税理士に依頼する場合、費用の目安はどれくらいですか。

A. 多くの事務所では、遺産総額に応じた基本報酬に、土地の筆数や相続人の数、非上場株式の有無などによる加算を組み合わせる形をとっています。見積りを取る際は、どのような場合にいくら加算されるのかまで確認しておくと安心です。あわせて、相続登記の司法書士報酬や登録免許税は税理士報酬とは別にかかりますので、総額で比較することをおすすめします。

事務所概要
社名
税理士法人プライムパートナーズ
住所
〒107-0052
東京都港区赤坂5丁目2−33
IsaI AkasakA 17階
対応責任者
税理士 島本 雅史

本記事は正確な情報提供を心掛けておりますが、執筆時点の情報に基づいているため、法改正や人的ミス、個別のケースにより適用が異なる可能性があります。最新の情報や具体的なご相談については、お気軽に弊法人の税理士までお問い合わせください。

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