この記事は、個人事業主やフリーランスとして事業を営んでいる方に向けて、「自分の所得税がどのような順番で計算されるのか」を一つの流れで整理した解説です。結論から申し上げると、個人事業主の所得税は「総収入金額−必要経費」で事業所得を出し、ほかの所得と合計して所得控除を差し引き、残った課税所得に超過累進税率をかけ、税額控除と復興特別所得税を反映したうえで、源泉徴収税額や予定納税額と精算するという順番で決まります。
令和8年分(2026年分)は、税制改正で所得税の基礎控除が引き上げられた最初の年です。本記事では令和8年分の取扱いを前提に、各ステップの考え方を説明したあと、設例の数字で最初から最後まで計算してみます。住民税・事業税の計算や納付スケジュールは別の記事で解説していますので、ここでは所得税の計算の仕組みに絞ってお伝えします。
個人事業主の所得税は7つのステップで計算する
所得税は、1月1日から12月31日までの1年間に生じた所得をもとに計算し、翌年の確定申告で税額を確定させる税金です。源泉徴収された税金や予定納税額がある場合は、この確定申告で過不足を精算します。国税庁 No.2020 確定申告
全体の流れを先に押さえておくと、個々の論点がどこに位置するのかが分かりやすくなります。
- 事業所得を計算する:総収入金額から必要経費を差し引き、青色申告者は青色申告特別控除も差し引きます。
- ほかの所得と合計する:給与所得や不動産所得などがあれば合計し、赤字があれば一定の範囲で損益通算をします。
- 所得控除を差し引く:基礎控除・社会保険料控除などを差し引き、課税される所得金額を求めます。
- 税率をかける:課税される所得金額に5%から45%の超過累進税率を適用します。
- 税額控除を差し引く:住宅ローン控除や配当控除などがあれば差し引きます。
- 復興特別所得税を加える:基準所得税額の2.1%を加えます。
- 源泉徴収税額・予定納税額と精算する:すでに納めた分を差し引き、納付額または還付額が決まります。
以下、この順番どおりに見ていきます。
ステップ1:事業所得は「総収入金額−必要経費」で計算する
事業所得とは、農業、漁業、製造業、卸売業、小売業、サービス業その他の事業を営んでいる人の、その事業から生ずる所得をいいます。事業所得の金額は「総収入金額−必要経費」で計算します。国税庁 No.1350 事業所得の課税のしくみ(事業所得) なお、不動産の貸付けや山林の譲渡による所得は、原則として事業所得ではなく不動産所得や山林所得になります。
総収入金額には売上以外のものも含まれる
総収入金額は、通帳に入金された売上だけではありません。国税庁は、売上金額のほかに次のようなものも総収入金額に含まれると示しています。
- 金銭以外の物や権利その他の経済的利益の価額
- 商品を自家用に消費した場合や贈与した場合のその商品の価額
- 棚卸資産について損失を受けたことにより支払を受ける保険金や損害賠償金等
- 空箱や作業くずなどの売却代金
- 仕入割引やリベート収入
たとえば飲食店や小売業の方が店の商品を家族で消費した場合、その商品の価額は売上と同じように総収入金額に含めて考えます。
必要経費と家事関連費の区分
必要経費とは、収入を得るために直接必要な売上原価や販売費、管理費その他の費用をいい、売上原価、給与・賃金、地代・家賃、減価償却費などが該当します。家事上の経費は必要経費になりませんが、家事上の経費に関連する経費のうち、業務の遂行上必要な部分を明らかに区分できる場合は、その部分が必要経費になります。
自宅の一部を仕事場にしている方の家賃や電気代、私用と兼用している車の費用などがこれに当たります。実務では、床面積や使用時間など説明のつく基準で事業用の割合を決め、その根拠を記録として残しておくことが大切です。
また、生計を一にする配偶者その他の親族に支払う給料は原則として必要経費になりませんが、青色申告者が届出書に記載した範囲内で支払う青色事業専従者給与や、白色申告者の事業専従者控除といった特例があります。
青色申告特別控除は「事業所得の計算段階」で差し引く
青色申告者には、所得金額から55万円(一定の要件を満たす場合は65万円)または10万円を控除する青色申告特別控除があります。国税庁 No.2072 青色申告特別控除 ここで押さえておきたいのは、青色申告特別控除は後で説明する「所得控除」ではなく、事業所得(または不動産所得)の金額を計算する段階で差し引く控除だという点です。
| 55万円 | 不動産所得または事業所得を生ずべき事業を営み、正規の簿記の原則(一般的には複式簿記)で記帳し、貸借対照表・損益計算書等を添付した確定申告書を確定申告期限(翌年3月15日)までに提出すること |
|---|---|
| 65万円 | 55万円の要件に加え、仕訳帳・総勘定元帳の電子帳簿保存を行っているか、確定申告書・貸借対照表・損益計算書等を期限までにe-Taxで送信していること |
| 10万円 | 55万円・65万円の要件に当てはまらない青色申告者 |
55万円・65万円の控除は、還付申告をする方であっても確定申告期限までに申告書を提出しなければ受けられません。また、現金主義による所得計算の特例を選択している方は55万円の控除を受けられない点にも注意が必要です。
青色申告特別控除で事業所得が小さくなると、次のステップで使う「合計所得金額」も小さくなります。令和8年分は基礎控除の額が合計所得金額によって変わるため、青色申告特別控除は基礎控除の金額にも影響します(後の設例で確認します)。
ステップ2:ほかの所得と合計し、赤字は損益通算する
事業所得は、給与所得や不動産所得などと合計して税額を計算する総合課税の対象です。各種の所得金額を合計した総所得金額から所得控除の合計額を差し引き、その残額に税率をかけて税額を計算します。国税庁 No.2220 総合課税制度 会社員として給与を受けながら副業で事業を営んでいる方や、事業と並行して不動産を貸している方は、ここで所得を合計します。
事業所得に赤字(損失)が出た場合は、一定の順序で他の所得の金額から差し引く損益通算ができます。損益通算の対象となるのは、不動産所得・事業所得・譲渡所得・山林所得の損失です。国税庁 No.2250 損益通算 一方で、配当所得・給与所得・一時所得・雑所得の損失は、他の所得から差し引くことはできません。
損益通算をしても控除しきれない純損失の金額は、青色申告者であれば翌年以後3年間にわたって繰り越し、各年分の所得金額から控除できます。前年も青色申告をしている場合は、前年分に繰り戻して所得税の還付を受ける方法もあります。国税庁 No.2070 青色申告制度
関連コラム青色申告の欠損金の繰越控除|法人10年・個人3年の違いと要件を解説▸
ステップ3:所得控除を差し引いて課税所得を求める
所得控除は、納税者の個人的な事情への配慮や最低生活費の保障などの趣旨から設けられているもので、各種所得の金額の合計額から差し引きます。国税庁 No.1100 所得控除のあらまし 所得控除の種類は次のとおりです。
- 雑損控除、医療費控除、社会保険料控除、小規模企業共済等掛金控除
- 生命保険料控除、地震保険料控除、寄附金控除
- 障害者控除、寡婦控除、ひとり親控除、勤労学生控除
- 配偶者控除、配偶者特別控除、扶養控除、特定親族特別控除(令和7年分以降)
- 基礎控除
個人事業主の場合、会社員のように勤務先が社会保険料を天引きして年末調整をしてくれるわけではありません。ご自身で支払った国民健康保険料や国民年金保険料(社会保険料控除)、小規模企業共済の掛金(小規模企業共済等掛金控除)などを、確定申告で漏れなく計上することになります。
令和8年分の基礎控除は合計所得金額で変わる
基礎控除は、納税者本人の合計所得金額に応じて控除額が決まります。国税庁 No.1199 基礎控除 令和7年分と、令和8年度税制改正後の令和8年分・令和9年分を比べると次のとおりです。
| 納税者本人の 合計所得金額 |
令和7年分 | 令和8年分・ 令和9年分 |
|---|---|---|
| 132万円以下 | 95万円 | 104万円 |
| 132万円超336万円以下 | 88万円 | 104万円 |
| 336万円超489万円以下 | 68万円 | 104万円 |
| 489万円超655万円以下 | 63万円 | 67万円 |
| 655万円超2,350万円以下 | 58万円 | 62万円 |
| 2,350万円超2,400万円以下 | 48万円 | 48万円 |
| 2,400万円超2,450万円以下 | 32万円 | 32万円 |
| 2,450万円超2,500万円以下 | 16万円 | 16万円 |
| 2,500万円超 | 0円 | 0円 |
令和10年分以後は、合計所得金額132万円以下が99万円、132万円超2,350万円以下が62万円となります。令和8年度税制改正による基礎控除の引上げは、原則として令和8年12月1日に施行され、令和8年分以後の所得税に適用されます。国税庁 令和8年度税制改正による所得税の基礎控除の引上げ等について 個人事業主の方は、令和9年2月から3月に行う令和8年分の確定申告で、引上げ後の基礎控除を適用することになります。
所得金額の合計額から所得控除の合計額を差し引いた残りが「課税される所得金額」です。課税される所得金額は、1,000円未満の端数を切り捨てた金額を使います。
ステップ4:速算表で税率をかける(超過累進税率)
所得税の税率は、分離課税に対するものなどを除くと、5%から45%の7段階に区分されています。国税庁 No.2260 所得税の税率 課税される所得金額に対する税額は、次の速算表を使うと簡単に求められます。
| 課税される所得金額 | 税率 | 控除額 |
|---|---|---|
| 1,000円から1,949,000円まで | 5% | 0円 |
| 1,950,000円から3,299,000円まで | 10% | 97,500円 |
| 3,300,000円から6,949,000円まで | 20% | 427,500円 |
| 6,950,000円から8,999,000円まで | 23% | 636,000円 |
| 9,000,000円から17,999,000円まで | 33% | 1,536,000円 |
| 18,000,000円から39,999,000円まで | 40% | 2,796,000円 |
| 40,000,000円以上 | 45% | 4,796,000円 |
超過累進税率とは、所得全体に一つの税率をかけるのではなく、所得を段階に区切り、上の段階に入った部分にだけ高い税率をかける仕組みです。速算表の「控除額」は、この段階ごとの計算を一度で済ませるための調整額です。そのため、課税所得が段階の境目を少し超えても、所得全体の税率が一気に上がるわけではありません。
ステップ5・6:税額控除を差し引き、復興特別所得税を加える
税額控除とは、課税所得金額に税率をかけて算出した所得税額から、一定の金額を直接差し引くものです。主なものに、配当控除、外国税額控除、政党等寄附金特別控除、認定NPO法人等寄附金特別控除、(特定増改築等)住宅借入金等特別控除などがあります。国税庁 No.1200 税額控除 所得控除が「税率をかける前の所得」を減らすのに対し、税額控除は「税額そのもの」を減らす点が異なります。
税額控除を差し引いた後の金額(基準所得税額)には、復興特別所得税がかかります。平成25年から令和29年までの各年分は、所得税と復興特別所得税(原則として基準所得税額の2.1%)を併せて申告・納付します。令和8年度税制改正で防衛特別所得税の創設と復興特別所得税の税率の引下げ・課税期間の延長が行われ、令和9年分以後に適用されますが、両者の合計税率は改正前と変わらないとされています。令和8年分は、これまでどおり2.1%で計算します。
ステップ7:源泉徴収税額と予定納税額を差し引いて精算する
デザイナー、ライター、講師などの報酬を受け取っている方は、支払の段階で所得税および復興特別所得税が源泉徴収されていることがあります。原稿料や講演料などの報酬では、支払金額のうち100万円までは10.21%、100万円を超えた部分には20.42%の税率で源泉徴収されます。国税庁 No.2795 原稿料や講演料等を支払ったとき この源泉徴収はあくまで前払いであり、確定申告で年間の税額と精算します。年間の税額より源泉徴収税額のほうが多ければ、差額は還付されます。
また、前年分の申告納税額などをもとに計算した予定納税基準額が15万円以上となる方は、その年の所得税および復興特別所得税の一部を、原則として7月と11月の2回に分けて前納する予定納税の対象になります。翌年の確定申告で、計算した税額から予定納税額を差し引いて過不足を精算します。国税庁 No.2040 予定納税
なお、令和8年分の予定納税額の計算では、令和8年度税制改正による基礎控除の見直しは考慮されていません。基礎控除の見直しは確定申告の際に反映され、年間の所得税額で精算されます。予定納税を納めた方は、確定申告で差し引くのを忘れないようにしてください。
関連コラム源泉徴収の対象となる支払いとは|義務者の判定・報酬の範囲と税率を税理士が解説▸
設例:フリーランスの令和8年分の所得税を計算してみる
ここまでのステップを、架空の設例で通して計算してみます。数字は説明用に設定したものです。
- 職業:フリーランスのデザイナー(青色申告、e-Taxで期限内に申告)
- 総収入金額(売上):800万円(うち300万円は源泉徴収の対象となる報酬)
- 必要経費:250万円
- 青色申告特別控除:65万円
- ほかの所得:なし
- 社会保険料控除(国民健康保険料・国民年金保険料):79万5,000円
- 小規模企業共済等掛金控除:36万円
- 税額控除:なし/予定納税:なし
事業所得と所得控除の計算
まず、事業所得を計算します。
ほかの所得がないため、合計所得金額は485万円です。令和8年分の基礎控除は「336万円超489万円以下」の区分に当たるので104万円になります。所得控除の合計は次のとおりです。
税額の計算と源泉徴収税額の精算
課税される所得金額2,655,000円は、速算表の「1,950,000円から3,299,000円まで」に当たるので、税率10%・控除額97,500円を使います。
次に、報酬300万円から差し引かれていた源泉徴収税額を計算します。報酬は1回100万円以下に分けて支払われたものとし、10.21%で計算します。
この設例では、年間の税額よりも前払いした源泉徴収税額のほうが多いため、確定申告をすると134,772円が還付される計算になります。報酬の多くが源泉徴収の対象になっているフリーランスの方は、このように確定申告で還付になることが珍しくありません。
青色申告特別控除がない場合との比較
同じ設例で、青色申告特別控除を受けない場合(白色申告など)を計算してみます。事業所得は550万円となり、合計所得金額が489万円を超えるため、令和8年分の基礎控除は67万円に下がります。
| 項目 | 青色申告特別控除 65万円あり |
青色申告特別控除 なし |
|---|---|---|
| 事業所得(合計所得金額) | 485万円 | 550万円 |
| 基礎控除 | 104万円 | 67万円 |
| 課税される所得金額 | 265万5,000円 | 367万5,000円 |
| 適用される税率 | 10% | 20% |
| 所得税額(復興特別所得税を除く) | 168,000円 | 307,500円 |
控除額は65万円の差ですが、合計所得金額が基礎控除の区分の境目(489万円)をまたいだことで基礎控除も37万円変わり、課税される所得金額の差は102万円になりました。さらに税率の段階も変わっています。令和8年分は、合計所得金額が基礎控除の区分の境目の近くにある方ほど、青色申告特別控除や必要経費の計上漏れが税額に大きく響きます。
実務で多い計算の誤りと確認ポイント
個人事業主の方の申告をお手伝いしていると、計算の仕組み自体よりも、入力や集計の段階でのつまずきを多く見かけます。申告で多いのは次のようなケースです。
- 売上を入金額で計上してしまう:源泉徴収された報酬を、差し引かれた後の入金額で売上に計上してしまうケースです。売上は源泉徴収される前の額面で計上し、差し引かれた税額は「源泉徴収税額」として申告書で精算します。入金額で計上すると、売上と源泉徴収税額の両方が少なく申告され、還付を受けられるはずの税額を取り逃がすことがあります。
- 家事関連費の按分根拠を残していない:自宅家賃や通信費を事業用に按分していても、割合の根拠を説明できないと、税務調査で必要経費として認められないおそれがあります。
- 65万円控除の要件を満たしていない:e-Taxで申告したつもりでも、期限を過ぎてから提出していたり、貸借対照表を添付していなかったりして、控除額が想定と違ってしまうケースです。
- 予定納税額を差し引き忘れる:7月・11月に納めた予定納税額を申告書に記入し忘れると、二重に納めることになります。
特に令和8年分は基礎控除の区分が細かく、設例のように合計所得金額が数万円違うだけで基礎控除が大きく変わることがあります。年末が近づいたら一度、その年の見込みの所得を試算しておくと、翌年の申告や納税資金の準備がしやすくなります。
住民税・個人事業税は所得税とは別に計算される
個人事業主には、所得税のほかに住民税と、業種によっては個人事業税がかかります。これらは所得税とは別の税金で、計算の方法や納付の時期も所得税とは異なります。所得税の計算だけで納税額の全体を見積もると、翌年の住民税や事業税の納付で資金繰りが苦しくなることもあるため、あわせて確認しておきましょう。
関連コラム所得税・住民税・事業税はいつ払う?計算方法と納税スケジュールを徹底解説▸
また、事業の所得が大きくなり、超過累進税率の上の段階に入るようになると、法人を設立して事業を移す「法人成り」を検討される方もいます。法人成りは税率だけでなく、社会保険や事務負担も含めて判断する必要があります。
関連コラム法人成りのメリット・デメリット|判断基準とタイミングを税理士が解説▸
まとめ
- 個人事業主の所得税は、事業所得の計算→所得の合計・損益通算→所得控除→税率→税額控除→復興特別所得税→源泉徴収税額・予定納税額の精算、の順番で決まります。
- 事業所得は「総収入金額−必要経費」で計算し、青色申告者はここで青色申告特別控除(55万円・65万円・10万円)を差し引きます。
- 令和8年分は基礎控除が引き上げられ、合計所得金額489万円以下なら104万円、489万円超655万円以下なら67万円などと区分ごとに変わります。
- 税率は5%から45%の7段階の超過累進税率で、速算表の控除額を使えば一度で計算できます。令和8年分の復興特別所得税は基準所得税額の2.1%です。
- 源泉徴収税額や予定納税額は前払いなので、確定申告で精算し、納めすぎていれば還付されます。
所得税の計算は、売上や経費の集計、控除の要件、基礎控除の区分など、どこか1か所の誤りが最終的な税額に影響します。具体的なケースは税理士へのご相談をおすすめします。所得税・消費税の実務でお困りなら、まずは税理士にご相談ください。
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参考文献
- 国税庁 No.2020 確定申告
- 国税庁 No.1350 事業所得の課税のしくみ(事業所得)
- 国税庁 No.2072 青色申告特別控除
- 国税庁 No.2220 総合課税制度
- 国税庁 No.2250 損益通算
- 国税庁 No.2070 青色申告制度
- 国税庁 No.1100 所得控除のあらまし
- 国税庁 No.1199 基礎控除
- 国税庁 令和8年度税制改正による所得税の基礎控除の引上げ等について
- 国税庁 No.2260 所得税の税率
- 国税庁 No.1200 税額控除
- 国税庁 No.2795 原稿料や講演料等を支払ったとき
- 国税庁 No.2040 予定納税
個人事業主の所得税に関するよくある質問
Q. 個人事業主は所得がいくらから所得税がかかりますか。
A. 所得の合計額が所得控除の合計額を超えると所得税がかかります。令和8年分で所得控除が基礎控除だけの場合、合計所得金額が104万円以下であれば課税される所得金額は生じません。社会保険料控除などがあれば、その分だけ所得税がかからない範囲は広がります。
Q. 青色申告特別控除は所得控除の一つですか。
A. 所得控除ではありません。青色申告特別控除は事業所得や不動産所得の金額を計算する段階で差し引く控除です。そのため合計所得金額も小さくなり、令和8年分では基礎控除の区分にも影響します。
Q. 報酬から源泉徴収されていれば確定申告は不要ですか。
A. 源泉徴収は前払いの性質を持つもので、事業所得がある方は確定申告で年間の税額と精算します。経費や所得控除を反映すると、源泉徴収税額のほうが多く還付になることも少なくありません。
Q. 令和8年分の予定納税額には基礎控除の引上げが反映されていますか。
A. 反映されていません。国税庁は、令和8年度税制改正による基礎控除の見直しは予定納税額の計算上考慮されておらず、確定申告の際に年間の所得税額で精算すると案内しています。
Q. 事業が赤字の年は所得税はどうなりますか。
A. 事業所得の損失は、給与所得など他の所得と損益通算できます。それでも控除しきれない純損失は、青色申告者であれば翌年以後3年間繰り越して各年分の所得金額から控除できます。
Q. 令和9年分以後は復興特別所得税の計算が変わりますか。
A. 令和8年度税制改正で防衛特別所得税が創設され、復興特別所得税の税率引下げと課税期間の延長が令和9年分以後に適用されます。国税庁は両者の合計税率は改正前と変わらないと案内しています。令和8年分は従来どおり基準所得税額の2.1%です。


