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教育資金贈与1500万円非課税を2026年適用期限まで解説

2026-06-23
目次

子や孫の学費を、まとまった金額で援助したいと考える方は少なくありません。その際に活用できるのが、直系尊属から教育資金の一括贈与を受けた場合の贈与税の非課税措置です。金融機関等との契約に基づき、受贈者1人につき1,500万円までの教育資金を贈与税の負担なく渡せる制度で、うち学校等以外の者に支払う金銭は500万円が限度とされています。

ただし、この特例は令和8年3月31日までとされていた適用期限が延長されずに終了することとされており、令和8年4月1日以後は新たに適用を受けることができません。また、受贈者が30歳に達したときなどに使い切れなかった残額があれば贈与税が課され、贈与者が死亡した際に残額があれば相続税の課税対象になる場合もあります。本記事では、制度の要件と非課税限度額、適用期限、そして契約終了時や贈与者死亡時の課税関係までを整理して解説します。

教育資金の一括贈与に係る贈与税の非課税措置の概要

この制度は、平成25年度税制改正で創設された措置です。平成25年4月1日から令和8年3月31日までの間に、教育資金管理契約を締結する日において30歳未満の受贈者が、教育資金に充てるため、金融機関等との教育資金管理契約に基づき、贈与者である直系尊属から信託受益権を取得した場合などに、その価額のうち1,500万円までの金額に相当する部分について、受贈者の贈与税が非課税となります[国税庁 No.4510 直系尊属から教育資金の一括贈与を受けた場合の非課税]

非課税の適用を受けるためには、取扱金融機関の営業所等を経由して教育資金非課税申告書を提出する必要があります。金融機関との契約を通じて資金を管理し、教育資金の支払いに充てるたびに領収書等を提出する仕組みである点が、通常の贈与とは大きく異なります。

贈与者と受贈者の要件

贈与者となれるのは、受贈者の直系尊属である父母や祖父母などです。受贈者は、教育資金管理契約を締結する日において30歳未満の人に限られます。加えて、受贈者の信託受益権等を取得した日の属する年の前年分の所得税に係る合計所得金額が1,000万円を超える場合には、この特例の適用を受けることができません[国税庁 財産をもらったとき]

贈与者と受贈者の関係は、直系尊属から直系卑属への贈与が対象です。誰が直系尊属に当たるかについては、以下の記事で詳しく解説しています。

直系尊属とは?直系卑属との違いや相続順位・相続分を徹底解説

非課税限度額と教育資金の範囲

非課税限度額は受贈者1人につき1,500万円です。ただし、教育資金として認められる支払いには2つの区分があり、区分によって上限が異なります。

1,500万円の枠と500万円の枠

教育資金は、学校等に支払われるものと、学校等以外の者に支払われるものに分けられます。前者は1,500万円までが対象となりますが、後者については別枠の上限が設けられています。

支払先の区分 非課税の上限額
学校等に支払う金銭
(入学金・授業料など)
1,500万円
学校等以外の者に支払う金銭
(塾・習い事など)
500万円

ここで注意すべきは、500万円は1,500万円の枠内の内数であるという点です。学校等以外への支払いに使えるのは、全体の1,500万円のうち最大500万円までであり、500万円が上乗せで別に非課税になるわけではありません[国税庁 No.4510 直系尊属から教育資金の一括贈与を受けた場合の非課税]

対象となる教育資金の例

学校等に支払われるものには、入学金、授業料、入園料、保育料、施設設備費などが含まれます。学校等以外の者に支払われるものには、学習塾やそろばん教室などの月謝、スポーツや文化芸術に関する活動の指導料などがあり、これらは500万円の枠内で非課税の対象となります。教育資金に該当するかどうかは支払先や用途によって細かく定められているため、契約する金融機関で確認することが確実です。

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適用期限は令和8年3月31日で終了

この制度を検討するうえで最も重要な点が適用期限です。国税庁は、この特例は令和8年3月31日までとされていた適用期限が延長されずに終了することとされたため、令和8年4月1日以後については、この特例の適用を受けることはできないと明記しています[国税庁 No.4510 直系尊属から教育資金の一括贈与を受けた場合の非課税]

したがって、この非課税措置を利用するためには、令和8年3月31日までに教育資金管理契約を締結し、信託受益権の取得や金銭等の預入れなどを行う必要があります。ただし、令和8年3月31日までにこの特例の適用を受けた信託受益権または金銭等については、令和8年4月1日以後も引き続きこの特例が適用されます。すでに契約を締結して運用している資金が期限到来で直ちに課税されるわけではない点は、押さえておくべきポイントです。

制度の詳細は、国税庁のパンフレットでも確認できます。

祖父母などから教育資金の一括贈与を受けた場合の贈与税の非課税制度のあらまし

契約終了時と贈与者死亡時の課税関係

非課税措置は資金を渡した時点で完結するものではなく、その後の使い切りと契約の終了までを見据える必要があります。国税庁も、教育資金管理契約の契約期間中に贈与者が死亡した場合や、教育資金管理契約が終了した場合には、それぞれ相続税または贈与税がかかることがあると注意を促しています[国税庁 No.4510 直系尊属から教育資金の一括贈与を受けた場合の非課税]

30歳到達時などに残額があると贈与税の対象

教育資金管理契約は、受贈者が30歳に達した場合などに終了します。契約終了時に、非課税で拠出された金額から教育資金として支出された金額を差し引いた残額があると、その残額はその年に贈与により取得したものとして贈与税の課税対象となります。援助した金額を教育資金として使い切れずに終わると、余った部分に贈与税が課される可能性があるということです。

贈与者が死亡した場合の相続税の取扱い

契約期間中に贈与者が死亡した場合、一定の要件に該当すると、その死亡日における管理残額が相続または遺贈により取得したものとみなされ、相続税の課税対象となる場合があります。生前贈与によって相続財産を減らす目的で活用しても、使い切れなかった残額が相続税の対象に戻る可能性があるため、贈与する金額は受贈者の教育計画に見合った範囲で検討することが大切です。

贈与と相続税の関係については、暦年贈与の相続時加算を扱った以下の記事も参考になります。

死亡前7年以内の贈与は相続税対象!暦年贈与の相続時加算を徹底解説

結婚・子育て資金の一括贈与や暦年贈与との違い

教育資金の一括贈与とよく比較されるのが、結婚・子育て資金の一括贈与に係る贈与税の非課税措置です。両者は名称が似ていますが、対象となる資金の使途も非課税限度額も異なる別の制度です。結婚・子育て資金の一括贈与は、結婚や妊娠・出産・育児に要する費用を対象とし、非課税限度額は1,000万円とされています。制度の要件や注意点は以下の記事で詳しく解説しています。

結婚子育て資金贈与とは?1000万円が非課税になる要件と注意点

また、教育費や生活費として必要な都度支払う贈与は、そもそも贈与税の対象外とされています。まとまった金額を一括で渡す必要がなければ、毎年の基礎控除の範囲内で贈与を続ける暦年贈与も選択肢になります。暦年贈与の活用については、以下の記事もあわせてご覧ください。

暦年贈与は2026年もまだ使える?改正後の注意点と早期開始のメリット

まとめ

教育資金の一括贈与に係る贈与税の非課税措置は、直系尊属から受贈者1人につき1,500万円まで(うち学校等以外への支払いは500万円が限度)を贈与税の負担なく援助できる制度です。受贈者は契約締結時に30歳未満であること、前年分の合計所得金額が1,000万円を超えないことなどが要件となります。

もっとも、この特例は令和8年3月31日で適用期限を迎え、延長されずに終了することとされており、令和8年4月1日以後は新規の適用ができません。さらに、30歳到達時などに残額があれば贈与税が、贈与者の死亡時に管理残額があれば相続税が課される場合があります。制度を活用する際は、期限と使い切りの計画、そして相続対策全体との整合性を踏まえて判断することが重要です。個別の状況に応じた検討は、相続税・生前対策に精通した税理士へご相談ください。

本記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、個別の税務判断を保証するものではありません。実際の適用に当たっては、必ず最新の法令および国税庁の情報をご確認のうえ、専門家にご相談ください。

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参考文献

教育資金の一括贈与に関するよくある質問まとめ

Q. 教育資金の一括贈与は誰から誰への贈与が対象ですか。

A. 受贈者の直系尊属である父母や祖父母などから、契約締結日において30歳未満の受贈者への贈与が対象です。受贈者の前年分の合計所得金額が1,000万円を超える場合は適用を受けられません。

Q. 非課税限度額はいくらですか。

A. 受贈者1人につき1,500万円までが非課税となります。ただし、学習塾や習い事など学校等以外の者に支払う金銭については、その1,500万円の枠内で500万円が限度とされています。

Q. この非課税措置の適用期限はいつまでですか。

A. 令和8年3月31日までとされていた適用期限が延長されずに終了することとされており、令和8年4月1日以後は新たに適用を受けることができません。令和8年3月31日までに適用を受けた分は、その後も引き続き特例が適用されます。

Q. 教育資金を使い切れなかった場合はどうなりますか。

A. 受贈者が30歳に達した場合などに契約が終了し、非課税拠出額から教育資金の支出額を差し引いた残額があると、その残額はその年に贈与により取得したものとして贈与税の課税対象となります。

Q. 贈与者が亡くなった場合は相続税がかかりますか。

A. 契約期間中に贈与者が死亡した場合、一定の要件に該当すると、死亡日における管理残額が相続または遺贈により取得したものとみなされ、相続税の課税対象となる場合があります。

Q. 結婚・子育て資金の一括贈与とは何が違いますか。

A. 両者は別の制度です。教育資金の一括贈与は教育資金を対象に1,500万円までが非課税となるのに対し、結婚・子育て資金の一括贈与は結婚や妊娠・出産・育児に要する費用を対象とし、非課税限度額は1,000万円とされています。

事務所概要
社名
税理士法人プライムパートナーズ
住所
〒107-0052
東京都港区赤坂5丁目2−33
IsaI AkasakA 17階
対応責任者
税理士 島本 雅史

本記事は正確な情報提供を心掛けておりますが、執筆時点の情報に基づいているため、法改正や人的ミス、個別のケースにより適用が異なる可能性があります。最新の情報や具体的なご相談については、お気軽に弊法人の税理士までお問い合わせください。

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