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NHK解約は契約者死亡でどうなる?名義変更・必要書類・返金を解説

目次
  1. NHKの契約者が死亡したら「解約」または「名義変更」の手続きを
  2. 解約か名義変更かは「2つの質問」で決まります
  3. 解約が必要なケース
  4. 名義変更が必要なケース
  5. 手続きをせずに放置するとどうなる?
  6. NHK契約者死亡による受信契約の解約方法
  7. 電話とインターネット、どちらでできる?(手続き別の早見表)
  8. 解約手続きの流れ(全体像)
  9. NHKふれあいセンターに電話する
  10. 「放送受信契約解約届」を送付してもらう
  11. 「放送受信契約解約届」の書き方と解約理由の伝え方
  12. 必要な書類を準備する
  13. 解約届と必要書類をNHKに返送する
  14. 「解約できない」と言われるのはどんなとき?
  15. 空き家になったご実家のテレビはどうする?
  16. 解約できたかどうかを確認する方法
  17. NHK契約者死亡による受信契約の名義変更方法
  18. 電話で名義変更する方法
  19. インターネットで名義変更する方法
  20. 名義変更の前に決めておく2つのこと
  21. 名義変更のときに一緒に確認しておきたいこと
  22. 世帯主が亡くなったときは「世帯主変更届」もセットで
  23. 引き落とし口座・クレジットカードの変更も忘れずに
  24. 先払いした受信料の返金手続きについて
  25. 返金はいつ・どこに振り込まれる?
  26. 年払い・6か月前払いだといくら戻る?
  27. 返金された受信料は相続財産!相続放棄の場合は注意
  28. 未払い受信料がある場合の取扱い
  29. 未払金は相続財産!相続人が支払う義務がある
  30. 5年以上前の未払金は時効の可能性も
  31. 相続放棄すれば未払金の支払い義務はなくなる?
  32. 未払金は相続税の「債務控除」の対象になる
  33. 名義変更した場合、受信料は誰がどこまで負担する?
  34. まとめ
  35. 参考文献
  36. NHK契約者が死亡した際の解約に関するよくある質問

NHKの受信契約は、契約者が亡くなっても自動では解約されません。ご遺族が「解約」または「名義変更」のどちらかを届け出るまで、故人様の名義で受信料の請求が続きます。手続きはNHKふれあいセンターへの電話から始まり、送られてきた解約届に死亡を証明する書類のコピーを添えて返送すれば完了です。

まず、迷いやすいポイントだけ先にまとめますね。

  • 解約か名義変更か…その住まいに誰も住まなくなる・受信機が無くなるなら「解約」、ご家族が住み続けてテレビを使うなら「名義変更」です。
  • 必要書類…解約届+死亡診断書や除籍謄本など、死亡の事実が分かる書類のコピー1点です。
  • 先払いした受信料…解約が受理された月の翌月以降の分は返金されます。ただし返金されたお金は相続財産です。
  • 未払いの受信料…相続人が引き継ぐ債務です。相続税の計算では債務控除の対象になります。

実際には、解約したくても解約できず、名義変更になるケースがかなり多いのがNHKの受信契約です。放送受信契約が「人」ではなく「世帯」に対する契約だからで、ここを取り違えると電話で二度手間になってしまいます。

ご家族が亡くなられると、さまざまな手続きに追われて大変ですよね。この記事では、NHK契約者が死亡した際の解約方法から、名義変更のやり方と決めておくこと、払い過ぎた受信料の返金、未払い料金の取り扱いまで、一つひとつ分かりやすく解説していきますね。

NHKの契約者が死亡したら「解約」または「名義変更」の手続きを

NHKの受信契約は、契約者が亡くなったからといって自動的に解約されることはありません。そのため、ご遺族の方が今後の状況に合わせて「解約」または「名義変更」のどちらかの手続きを行う必要があります。そのまま放置してしまうと、故人様宛に請求が続いてしまいますので、なるべく早めに手続きを進めましょう。

解約か名義変更かは「2つの質問」で決まります

どちらの手続きになるかは、ご事情を細かく整理しなくても、次の2つを順番に確認するだけでほぼ判断できます。電話をかける前に、ここだけ決めておくと話が早いですよ。

確認する順番 質問 答えで決まる手続き
① その住まいに、これからも誰か住み続けますか? 住み続ける → ②へ/誰も住まない → 解約へ進めます
② テレビなどの受信機は残りますか? 残る → 名義変更/すべて処分・譲渡する → 解約

ポイントは、「見るか見ないか」ではなく「受信機が残るかどうか」で決まることです。ご家族が住み続けてテレビもそのまま使うのであれば、たとえ契約者が亡くなっていても解約はできず、名義変更で契約を引き継ぐ形になります。

解約が必要なケース

亡くなった契約者の方の受信契約を「解約」する必要があるのは、主に以下のようなケースです。ご自身の状況が当てはまるか確認してみてくださいね。

解約が必要なケース 具体例
世帯全員が誰もいなくなる場合 契約者が一人暮らしで、亡くなった後にその家が空き家になる。
テレビなどの受信機がなくなる場合 誰かが住み続けるが、テレビを処分または譲渡して、受信できる機器が一切なくなる。
他の世帯と一緒になる場合 単身赴任先で亡くなり、実家に戻る場合など、複数の世帯が一つになり、すでに別の契約がある。

名義変更が必要なケース

一方で、契約を「名義変更」して引き継ぐ必要があるのは、以下のようなケースです。放送受信契約は世帯単位のため、テレビ等の受信機があり、そこに誰かが住み続ける限りは解約できない点に注意しましょう。

名義変更が必要なケース 具体例
同居の家族が契約を引き継ぐ場合 契約者である世帯主が亡くなり、同居していた配偶者や子どもがそのまま住み続け、テレビも利用する。

手続きをせずに放置するとどうなる?

「そのうちやろう」と手続きを後回しにすると、次のような困りごとが起きやすくなります。

  • 受信料の請求が止まらない…契約が生きたままなので、誰も見ていないテレビの受信料が積み上がっていきます。
  • 口座振替やクレジットカードが止まって未払いになる…金融機関が名義人の死亡を把握すると口座は凍結され、カードも解約されます。引き落としができなくなった分は、そのまま未払いとして残ります。
  • あとから相続人にまとめて請求が来る…未払いになった受信料は相続人が引き継ぐ債務です。放置した期間が長いほど、遺産分割や相続税申告のときに金額の確定で手間がかかります。

なお、故人様の口座が凍結される時期や解除の方法については、名義人の死亡による口座凍結はいつ?解除方法をわかりやすく解説でも詳しくご説明しています。NHK以外にも忘れがちな解約手続きは意外と多いので、相続時に要注意!放置で損する?忘れがちな8つの解約手続きもあわせてご覧ください。

NHK契約者死亡による受信契約の解約方法

NHKの受信契約を解約する手続きは、電話での連絡から始まります。残念ながら、インターネット上だけで解約手続きを完結させることはできません。手続きの流れを順番に見ていきましょう。

電話とインターネット、どちらでできる?(手続き別の早見表)

「わざわざ電話しなくても、ネットで済ませられないの?」と思われる方は多いですよね。手続きの種類によって、ネットで完結できるものとできないものが分かれます。

手続き 電話 インターネット
契約者死亡による解約 ○(ここから始めます) ×(届出書の返送が必要)
契約者の名義変更 ○ ○(受信料の窓口から)
引き落とし口座・カードの変更 ○ ○
住所変更 ○ ○

解約だけは、死亡を証明する書類を紙で提出する必要があるため、ネット上で完結させることはできません。まず電話をして、届いた書類を返送する、という2段構えになるとお考えくださいね。

解約手続きの流れ(全体像)

全体像はシンプルで、次の4ステップです。

ステップ やること 手元にあると良いもの
1 NHKふれあいセンターに電話し、契約者が亡くなったことと解約したい旨を伝える 請求書や領収書(お客様番号の確認用)
2 「放送受信契約解約届」を郵送してもらう 受け取れる住所(転送設定の確認)
3 解約届に記入し、死亡を証明する書類のコピーを準備する 死亡診断書・除籍謄本など
4 解約届と書類を返信用封筒でNHKへ返送する 返金がある場合は振込先の口座情報

NHKふれあいセンターに電話する

まずは、NHKの窓口である「NHKふれあいセンター」に電話をして、契約者が亡くなったことと、受信契約を解約したい旨を伝えます。連絡先は以下の通りです。

連絡先 NHKふれあいセンター(ナビダイヤル)
電話番号 0120-151515(フリーダイヤル)
受付時間 午前9時~午後6時(土・日・祝日も受付)

電話の際には、本人確認のために契約者のお名前や住所、お客様番号などを聞かれます。亡くなった方に届いた請求書や領収書などに「お客様番号」が記載されているので、手元に準備しておくと手続きがスムーズに進みますよ。

「放送受信契約解約届」を送付してもらう

電話で解約の意思を伝えると、後日「放送受信契約解約届」という書類が郵送されてきます。この書類に、契約者の情報や解約理由などを記入し、署名・押印をします。

なお、空き家になったご自宅宛に書類が届いても受け取れませんので、電話のときに送り先の住所(ご遺族の住所)を伝えておくと安心です。

「放送受信契約解約届」の書き方と解約理由の伝え方

届いた解約届を前にして、どこに何を書けばよいか迷われる方が多いところです。様式は変わることがありますが、おおむね次のような欄が設けられています。

記入欄 書き方の目安
お客様番号 請求書・領収書や、電話のときに案内された番号を記入します。
契約者の氏名・住所 亡くなった方(従前の契約者)の氏名と、契約していた住所を書きます。
解約の理由 「契約者死亡により世帯がなくなったため」「契約者死亡にともない受信機を処分したため」のように、世帯・受信機がどうなったかが分かる書き方にします。
受信機の状況・解約日 テレビを処分・譲渡した日など、受信機がなくなった時期を書きます。
届出人(ご遺族)の氏名・住所・続柄・連絡先 実際に手続きをするご遺族の情報です。書類の送り先と同じにしておくと行き違いがありません。
返金先の口座 前払い分の返金がある場合に記入します。別紙の返金先指定書で案内されることもあります。

迷いやすいのは解約理由の欄です。単に「見ないから」と書くと受理されないことがあります。NHKが確認したいのは「その世帯に受信機が残っていないか」なので、誰も住まなくなった/テレビを処分したという事実をそのまま書くのがいちばん確実ですよ。

必要な書類を準備する

解約届と一緒に、契約者が亡くなったことを証明する書類の提出を求められます。一般的には、以下のいずれかの書類のコピーで大丈夫です。

書類 取得先の目安
死亡診断書(コピー) 病院で受け取ったもの。死亡届の提出前にコピーを取っておくと便利です。
死亡届の記載事項証明書 死亡届を提出した市区町村役場
戸籍謄本(除籍謄本) 本籍地の市区町村役場
死亡の事実が記載された住民票 住所地の市区町村役場

どの書類が必要になるか、電話で確認する際に聞いておくと安心ですね。戸籍謄本や住民票は、相続税申告や預貯金の解約でも使いますので、まとめて多めに取得しておくと後々ラクになります。

解約届と必要書類をNHKに返送する

記入した「放送受信契約解約届」と、準備した「死亡を証明する書類のコピー」を、同封されている返信用封筒に入れてNHKに送ります。NHK側で書類が受理されれば、解約手続きは完了です。これ以降、請求が来ることはありません。

「解約できない」と言われるのはどんなとき?

「電話したのに解約できないと言われた」というご相談は少なくありません。これは放送受信契約が「人」ではなく「世帯」に対する契約だからです。次のようなケースでは、解約ではなく名義変更を案内されます。

状況 取り扱い
同居のご家族が住み続け、テレビもそのまま使う 解約はできません。名義変更で契約を引き継ぎます。
空き家になったが、テレビを置いたままにしている 受信機がある状態なので、原則として解約できません。処分・譲渡してから改めて申し出ます。
すぐには家を片付けられない 受信機を撤去した時点で解約の申し出をします。撤去の時期が分かるものを残しておくと説明がスムーズです。

つまり、解約できるかどうかの分かれ目は「その世帯に受信機が残っているか」です。ご実家の片づけが済んでいない段階では、まず現状をそのまま伝えて、いつ解約できる状態になるのかを確認しておきましょう。

空き家になったご実家のテレビはどうする?

ご実家が空き家になるケースでは、「テレビはまだ置いたままだけれど、解約したい」というご相談がとても多いです。受信機が残っている間は原則として解約できませんので、片づけの順番を意識すると手続きがスムーズになります。

状況 おすすめの進め方
すぐに遺品整理ができる テレビを処分・譲渡してから電話をすると、一度の連絡で解約まで進めやすくなります。
遠方でしばらく片づけられない 先に電話をして状況を伝え、いつ解約の申し出ができるか確認しておきます。その間の受信料は発生し続けます。
家を売却・解体する予定がある 引き渡しや解体の日が受信機のなくなる日の目安になります。日付の分かる書類を残しておきましょう。

テレビを処分した日が分かるように、リサイクル券の控えや引き取りの領収書を残しておくと、解約日の説明がしやすくなります。遺品整理をいつから始めるかで迷われている場合は、相続の期限との兼ね合いもあわせてご確認くださいね。
関連コラム遺品整理はいつから?開始時期の目安と相続の期限▸
関連コラム空き家の相続で損しない判断軸|税金・登記義務・3000万円控除▸

解約できたかどうかを確認する方法

書類を返送したあと、「本当に解約されたのだろうか」と気になりますよね。解約が完了したことは、次のような形で確認できます。

  • 請求が止まっているか…翌月以降、故人様宛の請求書や引き落としがなくなっているかを確認します。
  • 返金の案内が届いたか…前払い分がある場合、返金の手続きが進むこと自体が受理された証拠になります。
  • 電話で照会する…お客様番号を伝えれば、解約の処理状況を教えてもらえます。書類の不備で止まっていることもあるので、1ヶ月ほど動きがなければ一度確認しておくと安心です。

なお、解約したことの証明書が一律に発行されるわけではありません。相続の資料として残しておきたい場合は、返送した解約届のコピーと、添付した書類の控えを手元に保管しておきましょう。

NHK契約者死亡による受信契約の名義変更方法

亡くなった方の家に引き続きご家族が住み、テレビを視聴し続ける場合は、解約ではなく名義変更の手続きを行います。名義変更は、電話またはインターネットで手続きが可能です。

電話で名義変更する方法

電話での手続きは、解約の時と同じく「NHKふれあいセンター(0120-151515)」に連絡します。契約者が亡くなったことと、新しい契約者として名義変更したい旨を伝えましょう。オペレーターの案内に従って、新しい契約者の氏名や連絡先などを伝えれば手続きが進みます。支払い方法の変更も同時に行えます。

インターネットで名義変更する方法

インターネットでの手続きは、NHKの公式サイト「受信料の窓口」から行えます。24時間いつでも手続きできるので、日中お忙しい方にはこちらが便利です。「契約者氏名変更」のページから、画面の指示に従って新しい契約者と亡くなった契約者の情報を入力していくだけで簡単に手続きが完了します。

名義変更の前に決めておく2つのこと

名義変更の電話は数分で終わりますが、その場で答えられないと止まってしまうことが2つあります。先に決めておきましょう。

決めること 考え方の目安
新しい契約者を誰にするか その住まいに住み、実際にテレビを使う方のうち、生計を維持している方(新しい世帯主)にするのが自然です。遠方に住む相続人の名義にすると、住んでいる世帯と契約者がずれてしまうので避けます。
受信料をどの口座・カードから払うか 故人様の口座は凍結されるため、新しい契約者ご本人名義の口座かカードを用意します。すぐ決まらない場合は、いったん請求書払いに切り替える方法もあります。

名義変更に遺産分割協議書や相続人全員の同意書が必要になることは、通常はありません。遺産分割がまだ終わっていなくても、名義変更は先に進めて大丈夫とお考えください。受信契約は遺産を分ける手続きではなく、これから誰が受信料を払うかを決める手続きだからです。

名義変更のときに一緒に確認しておきたいこと

名義変更の連絡は、契約の中身を見直せる数少ない機会でもあります。オペレーターに聞かれる前に、こちらから次の点を確認しておくと、あとから「払いすぎていた」と気づく事態を防げます。

  • 契約が何件あるか…二世帯住宅や、別棟・離れがあるご実家では、契約が2件になっていることがあります。世帯がひとつになるなら1件は解約の対象です。お客様番号で照会してもらいましょう。
  • 衛星契約(BS)になっているか…衛星契約は地上契約より受信料が高く設定されています。BSを受信できる機器を処分したのであれば、契約の種別も見直せないか確認します。
  • 割引が適用されていたか…前払いの割引や、別住居に住むご家族に関する割引などが付いていた場合、契約者が変わると条件が変わることがあります。引き続き使えるかを聞いておきます。
  • 前払い分がどう扱われるか…故人様が前払いしていた期間が残っている場合、名義変更後の契約にそのまま引き継がれるのか、精算されるのかを確認します。返金になる場合は相続財産として扱います。

名義変更は、車や不動産のように登記・登録が絡む手続きと違い、電話やインターネットだけで完結できる軽い手続きです。逆に言えば後回しにされやすいので、ほかの名義変更とまとめて片づけてしまうのがおすすめですよ。
関連コラム車の相続手続き|名義変更の流れと必要書類・相続税評価を税理士が解説▸

世帯主が亡くなったときは「世帯主変更届」もセットで

NHKの名義変更とあわせて忘れやすいのが、市区町村への世帯主変更届です。こちらは住民票上の世帯主を変える手続きで、亡くなった日から14日以内が期限とされています(残る世帯員が1人だけの場合など、届出が不要なケースもあります)。

NHKの契約は「住民票の世帯主」ではなく実際にテレビを使っている世帯に対するものなので、二世帯住宅のように玄関・生計が分かれている場合は、契約が2件あるかどうかで扱いが変わります。ご実家に契約が何件あるか分からないときは、電話のときにお客様番号で確認しておくと重複契約に気づけますよ。
関連コラム世帯主変更届とは?親から子への手続き方法・流れ・書き方を解説▸

引き落とし口座・クレジットカードの変更も忘れずに

名義変更で見落としやすいのが、支払い方法の切り替えです。名義だけ新しい契約者に変えても、引き落とし口座が故人様のままだと支払いができなくなってしまいます。

金融機関が名義人の死亡を把握すると、その口座は凍結されて入出金ができなくなります。クレジットカードも同様に解約されますので、名義変更の連絡をするときに、あわせて新しい契約者名義の口座やカードへ変更しておきましょう。口座振替の変更には、金融機関の届出印が必要になることがありますので、電話のときに何が必要か確認しておくと二度手間になりません。

名義変更と支払い方法の変更は、電話で一度にお願いするのが効率的です。手元に用意しておくものをまとめておきますね。

変更する支払い方法 手元に用意するもの
口座振替(新しい契約者名義の口座へ) 通帳・キャッシュカード(金融機関名・支店・口座番号)、金融機関の届出印
クレジットカード払い 新しい契約者名義のカード(番号・有効期限)
請求書(払込用紙)での支払いに切り替える 請求書の送り先住所。口座やカードがすぐ用意できないときの当面の方法です。

口座振替もクレジットカードも、名義は新しい契約者ご本人にそろえるのが基本です。故人様名義のまま放置すると引き落としができず、未払いとして積み上がってしまいます。

口座凍結の時期や解除の手続きについては、名義人の死亡による口座凍結はいつ?解除方法をわかりやすく解説で詳しくご説明していますので、あわせてご覧ください。

先払いした受信料の返金手続きについて

NHKの受信料は、2ヶ月、6ヶ月、12ヶ月といった単位で前払いしている方が多いですよね。もし契約者の方が亡くなった時点で、すでに先の期間の受信料を支払っていた場合、その支払い済みの受信料は返金してもらえます。具体的には、解約届が受理された月の翌月以降分の受信料が、指定した口座に振り込まれる形で返金されます。解約手続きの際に返金についても案内がありますので、忘れずに手続きしましょう。

返金はいつ・どこに振り込まれる?

返金は、NHKが解約届を受理してから手続きが始まります。そのため、解約届を返送しないままだと、いつまでも返金は行われません。電話をした時点ではなく、書類が届いた時点が起点になるとお考えください。

振込先には、故人様以外の口座(ご遺族名義の口座)を指定するのが一般的です。前述のとおり故人様の口座は凍結されて入金を受けられないことがあるためで、解約届に振込先を記入する欄が用意されています。振込までにどのくらいかかるかは状況によって異なりますので、急ぐ場合は電話で目安を確認しておくと安心です。

年払い・6か月前払いだといくら戻る?

返金額は、すでに支払った期間のうち、解約後に対応する分という考え方で決まります。月単位で精算されるとイメージしていただくと分かりやすいです。

支払い方法 返金の考え方
12か月前払い(年払い) 前払いした12か月のうち、解約が受理された月の翌月以降に当たる月数分が戻ります。戻る月数がいちばん大きくなりやすい支払い方です。
6か月前払い 同じく、解約後に当たる月数分が戻ります。
2か月払い・毎月払い 前払いしている期間が短いため、返金が生じないこともあります。

前払いには割引が適用されているため、返金額は「月額×残り月数」ちょうどにならないことがあります。金額の内訳が気になる場合は、解約の電話のときに精算後の見込み額を聞いておくと安心ですよ。

なお、生前に払い過ぎていた分があった場合も、同じように精算されて返金の対象になります。返金は自動で振り込まれるのではなく、返金先の口座を届け出て初めて手続きが進む点にご注意ください。

返金された受信料は相続財産!相続放棄の場合は注意

ここで一つ、とても大切な注意点があります。返金された受信料は、亡くなった方の「相続財産」の一部となります。もし、借金などマイナスの財産が多いために「相続放棄」を検討している場合、この返金を受け取ってしまうと、「財産を相続する意思がある」とみなされ、相続放棄が認められなくなる可能性があります。相続放棄を考えている方は、返金された受信料を受け取らないように、くれぐれもご注意ください。

相続放棄は原則として相続の開始を知ったときから3ヶ月以内に家庭裁判所へ申述する必要があります。手続きの流れは相続放棄のやり方と3ヶ月の期限|必要書類と申述手続きでご説明していますので、迷われている段階でしたら先にこちらをご確認ください。

未払い受信料がある場合の取扱い

もし、亡くなった方が生前にNHKの受信料を支払っていなかった場合、その未払金はどうなるのでしょうか。これも相続と深く関わってきます。

未払金は相続財産!相続人が支払う義務がある

遺産相続では、預貯金や不動産といったプラスの財産だけでなく、借金や未払金といったマイナスの財産(債務)も引き継ぐことになります。そのため、亡くなった方のNHK受信料の未払金は、原則として相続人が支払う義務を負います。相続財産の中から支払うか、相続人が立て替えて支払うことになります。

5年以上前の未払金は時効の可能性も

ただし、未払いの受信料すべてを支払わなければならないわけではありません。受信料の支払い義務は、最後の支払いから5年が経過すると時効になる可能性があります(最高裁判所平成26年9月5日判決)。もし10年以上滞納していたとしても、時効を主張(時効の援用)すれば、支払うのは過去5年分のみとなる場合があります。ただし、自動的に時効が成立するわけではないので注意が必要です。

相続放棄すれば未払金の支払い義務はなくなる?

先ほどの返金の話とは逆に、もし相続人全員が相続放棄をした場合は、プラスの財産もマイナスの財産も一切引き継がないことになるため、NHKの未払金を支払う義務もなくなります。ただし、亡くなった方と同居していた配偶者の方などは、「日常家事債務」として支払い義務を負うケースもあるため、一概には言えない点に注意が必要です。

未払金は相続税の「債務控除」の対象になる

もし相続財産から未払いの受信料を支払った場合、その金額は相続税を計算する際に「債務控除」の対象となります。債務控除とは、プラスの相続財産からマイナスの財産を差し引くことで、これによって相続税の課税対象額を減らすことができます。支払った際の領収書は、相続税申告のために必ず保管しておきましょう。

なお、債務控除の対象になるのは亡くなった時点で確定していた債務です。亡くなった後の期間に対応する受信料は、故人様の債務ではありませんのでご注意ください。どこまでが対象になるかは、相続税の債務控除と葬式費用の範囲|対象・対象外の一覧と注意点で一覧にしてご説明しています。

名義変更した場合、受信料は誰がどこまで負担する?

名義変更をすると、「亡くなった日をまたぐ受信料は誰の負担になるのか」が分かりにくくなります。相続税の債務控除にも関わるところなので、線引きを整理しておきますね。

対象の期間 負担する人 相続税での扱い
亡くなった日までの未払い分 相続人が引き継ぎます 亡くなった時点で確定している債務なので債務控除の対象です
亡くなった日より後の分 新しい契約者(引き継いだご家族) 故人様の債務ではないため対象外です
亡くなった日より後の分を前払いしていた — 返金されれば相続財産、契約に引き継がれれば負担が減った分として扱います

金額としては大きくないことが多いのですが、「亡くなった日で区切る」という考え方は、電気・ガス・水道・携帯電話など、ほかの継続的な支払いでもまったく同じです。相続税申告では一件ずつ拾っていくことになりますので、亡くなった前後の請求書は捨てずに残しておいてくださいね。

死亡直後から四十九日ごろまでにやるべき手続きの順番は、次の記事で一覧にしています。NHKの手続きをどのタイミングで入れるかの目安にしてください。
関連コラム四十九日までにやること一覧|期限のある手続きと相続の初動▸

まとめ

ご家族が亡くなられた際のNHK受信契約の手続きについて、ご理解いただけましたでしょうか。最後に大切なポイントをまとめますね。

  • NHK契約者が死亡しても自動解約にはならず、「解約」または「名義変更」の手続きが必要です。
  • 手続きはまず「NHKふれあいセンター」への電話から始めます。解約はネットだけでは完結せず、名義変更や口座・カードの変更はネットでもできます。
  • 必要書類は解約届+死亡の事実が分かる書類のコピー1点です。
  • ご家族が住み続けてテレビも使う場合は解約できず、名義変更になります。引き落とし口座の変更も忘れずに。
  • 名義変更は遺産分割を待たずに進めて大丈夫です。新しい契約者と支払い方法だけ先に決めておきましょう。
  • 受信料の負担は亡くなった日で区切ります。それ以前の未払いは債務控除の対象、それ以降は新しい契約者の負担です。
  • 先払いした受信料は、解約届が受理された月の翌月以降の分が返金されます。年払いなら戻る月数が大きくなりやすく、返金先の口座を届け出て初めて手続きが進みます。
  • 返金された受信料は相続財産なので、相続放棄を検討している場合は受け取らないようにしましょう。
  • 未払いの受信料は相続人が支払う義務を負いますが、相続税の計算上「債務控除」の対象になります。

NHKの手続き自体は難しくありませんが、返金や未払金の扱いは相続財産・相続税の話に直結します。死亡後にやるべき手続き全体の順番と期限は相続手続きの期限一覧|死亡後にやること全体像を税理士が解説で整理していますので、抜け漏れの確認にお使いください。

大切な方を亡くされ、大変な時期かと思いますが、この記事を参考にしていただき、落ち着いて手続きを進めていただければ幸いです。相続財産や相続税申告でご不安な点がありましたら、私たち税理士法人プライムパートナーズにお気軽にご相談くださいね。

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参考文献

国税庁 No.4126 相続財産から控除できる債務

NHK契約者が死亡した際の解約に関するよくある質問

Q.契約者が死亡した場合、NHKの解約は必要ですか?

A.はい、必要です。契約者が亡くなり、その世帯に誰も住まなくなる場合や、テレビ等の受信機がなくなる場合は解約手続きが必要です。

Q.死亡によるNHK解約の手続き方法を教えてください。

A.NHKのふれあいセンターに電話で連絡します。契約者の氏名、住所、死亡した旨を伝え、必要な手続きについて案内を受けてください。その後、届いた「放送受信契約解約届」に死亡を証明する書類のコピーを添えて返送します。

Q.NHKの解約に必要な書類は何ですか?

A.「放送受信契約解約届」と、死亡の事実が分かる書類のコピー1点です。死亡診断書、死亡届の記載事項証明書、戸籍謄本(除籍謄本)、死亡の記載がある住民票のいずれかが一般的です。

Q.解約手続きは誰ができますか?

A.ご遺族や同居人など、代理の方が手続きを行うことができます。

Q.死亡を伝えたのに解約できないと言われたのはなぜですか?

A.放送受信契約が世帯単位の契約だからです。ご家族が住み続けてテレビを使う場合や、空き家でも受信機が残っている場合は解約できず、名義変更または受信機の撤去後の申し出になります。

Q.手続きをせずに放置するとどうなりますか?

A.契約が続いたままなので受信料の請求も続きます。故人名義の口座は凍結されて引き落としができなくなるため、未払いが積み上がり、最終的に相続人が債務として引き継ぐことになります。

Q.支払い済みの受信料は返金されますか?いつ振り込まれますか?

A.はい、前払いしている受信料のうち、解約が受理された月の翌月以降の分は返金されます。返金手続きは解約届が受理されてから始まりますので、書類の返送が遅れると返金も遅くなります。振込先はご遺族名義の口座を指定するのが一般的です。

Q.名義変更のとき、引き落とし口座はどうすればいいですか?

A.故人名義の口座は凍結されるため、新しい契約者名義の口座やクレジットカードへ変更してください。名義変更の連絡と同時に、支払い方法の変更も申し出るとスムーズです。

Q.未払いの受信料がある場合はどうなりますか?

A.未払い受信料は相続の対象となるため、原則として相続人が支払う義務を負います。相続放棄をした場合は支払う必要はありません。なお、亡くなった時点で確定していた未払分は相続税の債務控除の対象になります。

Q.解約と名義変更、どちらを選べばいいですか?

A.2つの質問で決まります。①その住まいに誰か住み続けるか、②テレビなどの受信機が残るか、です。誰も住まない、または受信機をすべて処分するなら解約、住み続けてテレビも使うなら名義変更です。「見るか見ないか」ではなく「受信機が残るかどうか」が分かれ目になります。

Q.NHKの名義変更に期限はありますか?

A.NHKの名義変更そのものに法律上の期限はありませんが、放置すると故人名義の口座からの引き落としができず未払いが積み上がります。なお、市区町村への世帯主変更届は亡くなった日から14日以内が期限ですので、あわせて進めるのが安心です。

Q.名義変更は誰の名義にすればいいですか?

A.その住まいに住み、実際にテレビを使う方のうち、生計を維持している方(新しい世帯主)にするのが自然です。遠方に住む相続人の名義にすると、住んでいる世帯と契約者がずれてしまうため避けましょう。

Q.遺産分割が終わっていなくても名義変更できますか?

A.できます。受信契約の名義変更に遺産分割協議書や相続人全員の同意書が必要になることは通常ありません。遺産を分ける手続きではなく、これから誰が受信料を払うかを決める手続きだからです。

Q.名義変更した場合、亡くなった日をまたぐ受信料は誰が払いますか?

A.亡くなった日までの未払い分は相続人が引き継ぎ、相続税では債務控除の対象になります。亡くなった日より後の分は新しい契約者の負担で、債務控除の対象外です。電気・ガス・携帯電話なども同じ考え方で区切ります。

Q.契約者が死亡した後も家族が住み続ける場合はどうすればいいですか?

A.解約ではなく、契約者の名義変更手続きが必要です。新しい契約者(世帯主など)に変更することで、契約を引き継ぐことができます。

Q.NHKの解約はインターネットでできますか?

A.契約者死亡による解約は、インターネットだけでは完結しません。まずNHKふれあいセンターに電話し、届いた放送受信契約解約届に死亡の事実が分かる書類のコピーを添えて返送します。名義変更や引き落とし口座・クレジットカードの変更は、インターネットでも手続きできます。

Q.解約届の「解約理由」には何と書けばいいですか?

A.世帯と受信機がどうなったかが分かる書き方にします。「契約者死亡により世帯がなくなったため」「契約者死亡にともない受信機を処分したため」といった書き方が確実です。単に見ないからという理由では受理されないことがあります。

Q.年払い(12か月前払い)していた受信料はいくら戻りますか?

A.前払いした期間のうち、解約が受理された月の翌月以降に当たる月数分が返金されます。前払いには割引が適用されているため、月額×残り月数ちょうどにならないことがあります。金額の目安は解約の電話のときに確認しておくと安心です。

Q.世帯主が亡くなった場合、NHK以外に必要な手続きはありますか?

A.市区町村への世帯主変更届が必要になる場合があり、期限は亡くなった日から14日以内です。残る世帯員が1人だけの場合など、届出が不要なケースもあります。NHKの契約は住民票上の世帯主ではなく、実際にテレビを使っている世帯に対するものです。

Q.空き家になった実家のテレビをまだ処分できていません。解約できますか?

A.受信機が残っている間は原則として解約できません。テレビを処分・譲渡してから申し出るとスムーズです。すぐ片づけられない場合は先に電話で状況を伝え、いつ解約の申し出ができるかを確認しておきましょう。処分日が分かるリサイクル券の控えなどを残しておくと説明しやすくなります。

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