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甥姪の相続|相続人になる条件・法定相続分と2割加算の注意点

目次
  1. 甥・姪が相続人になるケース
  2. 相続人の範囲と順位
  3. 兄弟姉妹の代襲相続による甥・姪の相続
  4. 再代襲が認められない理由
  5. 甥・姪の法定相続分
  6. 配偶者がいる場合の相続分
  7. 甥・姪が複数いる場合の按分
  8. 半血兄弟姉妹がいる場合の相続分
  9. 甥・姪に遺留分が認められない理由
  10. 甥・姪が相続する場合の相続税
  11. 相続税額の2割加算
  12. 基礎控除額と申告が必要になる基準
  13. 生命保険金・死亡退職金の非課税枠の可否
  14. 甥2人が相続する場合の税額の計算例
  15. 甥・姪に財産を遺すための生前対策
  16. 遺言による遺贈
  17. 遺贈と代襲相続の税務上の違い
  18. 甥・姪が相続人になったときの手続きと期限
  19. 相続人の確定に必要な戸籍
  20. 相続放棄の期限
  21. 相続税の申告期限
  22. 相続登記の申請義務
  23. まとめ
  24. 参考文献
  25. 甥姪の相続に関するよくある質問

叔父や叔母が亡くなり、「自分は甥(姪)だけれど、相続人になるのだろうか」と戸惑う方は少なくありません。普段はあまり行き来のなかった親族の相続に、ある日突然、金融機関や役所から連絡が届くこともあります。

甥・姪は、常に相続人になるわけではありません。しかし一定の条件がそろったときには、代襲相続人として法定相続人になります。そして相続人になった場合には、法定相続分の計算方法も、相続税の負担も、子や配偶者が相続する場合とは異なる独自のルールが適用されます。とくに相続税額の2割加算と遺留分が認められないという2点は、甥・姪の相続を考えるうえで避けて通れません。

この記事では、甥・姪が相続人になる条件、法定相続分の計算、相続税の2割加算、遺言による生前対策、そして相続放棄や申告の期限までを、公的機関の情報にもとづいて整理します。

甥・姪が相続人になるケース

甥・姪が相続人になるのは、兄弟姉妹が相続人となる場面で、その兄弟姉妹がすでに亡くなっている場合に限られます。まずは相続人の順位から確認します。

相続人の範囲と順位

被相続人の配偶者は、常に相続人になりますe-Gov法令検索 民法第890条。配偶者以外の親族は、次の順位で相続人になります。先順位の人が1人でもいる場合、後順位の人は相続人になりません国税庁 No.4132 相続人の範囲と法定相続分。

第1順位 子(子が亡くなっているときは孫などの直系卑属)
第2順位 父母(父母が亡くなっているときは祖父母などの直系尊属)
第3順位 兄弟姉妹(兄弟姉妹が亡くなっているときはその子=甥・姪)

つまり、被相続人に子も孫もおらず、父母や祖父母もすでに亡くなっているときに、はじめて兄弟姉妹が相続人になります。兄弟姉妹の相続権と、直系尊属の相続権は、いずれも同じ条文に定められていますe-Gov法令検索 民法第889条。

関連コラム兄弟の相続|法定相続分・代襲相続と遺留分なし・2割加算の注意点▸

兄弟姉妹の代襲相続による甥・姪の相続

相続人になるはずだった人が被相続人より先に亡くなっているとき、その子が代わりに相続人になる仕組みを代襲相続といいます。この仕組みはもともと、子が先に亡くなった場合に孫が相続人になる規定として置かれていますe-Gov法令検索 民法第887条。

そして兄弟姉妹の相続についても、この代襲の規定が準用されます。したがって、被相続人の兄弟姉妹がすでに亡くなっている場合、その子である甥・姪が代襲相続人となります。甥・姪が相続人になるのは、この経路がほぼすべてです。

兄弟姉妹が相続開始前に亡くなっている場合のほか、相続欠格や廃除によって相続権を失った場合にも代襲は起こります。ただし、兄弟姉妹が自分の意思で相続放棄をした場合には代襲相続は起こらず、その子である甥・姪に相続権は移りません。

関連コラム代襲相続とは|起きるケースと相続人の範囲・相続分を解説▸

再代襲が認められない理由

子の系統では、孫も先に亡くなっていれば、さらにひ孫へと代襲が続きます。これを再代襲といい、条文上も繰り返し代襲が起こる形で定められています。

一方、兄弟姉妹の系統では事情が異なります。兄弟姉妹の相続権を定めた条文は、代襲を定めた規定のうち一代限りの代襲を定めた部分だけを準用し、再代襲を定めた部分は準用していません。この条文構造から、甥・姪がすでに亡くなっていても、その子(甥・姪の子)は相続人にならないという結論になります。

兄弟姉妹の系統の代襲は甥・姪の一代限りである、と覚えておくと整理しやすくなります。被相続人と血縁の遠い人まで際限なく相続人が広がることを防ぐための線引きです。

甥・姪の法定相続分

甥・姪が相続人になった場合の相続分は、本来の相続人であった兄弟姉妹の相続分をそのまま引き継ぐと考えます。まず兄弟姉妹全体の取り分を確定し、それを親ごとに分け、さらに甥・姪の頭数で分けるという順序です。

配偶者がいる場合の相続分

配偶者と兄弟姉妹が相続人になる場合、配偶者が4分の3、兄弟姉妹側が4分の1となりますe-Gov法令検索 民法第900条。兄弟姉妹が複数いるときは、その4分の1を頭数で均等に分けます。

被相続人に配偶者がいない場合は、兄弟姉妹側が遺産の全部を取得します。

遺産総額 1億2,000万円のとき
配偶者の相続分 = 1億2,000万円 × 3/4 = 9,000万円
兄弟姉妹側の相続分 = 1億2,000万円 × 1/4 = 3,000万円

甥・姪が複数いる場合の按分

甥・姪の相続分は、亡くなった親(被相続人の兄弟姉妹)が受け取るはずだった相続分を、その子である甥・姪の人数で均等に分けた額になります。同じ甥・姪でも、親が何人きょうだいだったかによって取り分が変わる点に注意が必要です。

たとえば被相続人に兄と姉の2人のきょうだいがおり、兄には子が2人(甥2人)、姉には子が1人(姪1人)いて、兄と姉がいずれも先に亡くなっているとします。配偶者がいる場合、兄弟姉妹側の取り分3,000万円は次のように配分されます。

兄の相続分 = 3,000万円 × 1/2 = 1,500万円
甥1人あたり = 1,500万円 ÷ 2 = 750万円
姉の相続分 = 3,000万円 × 1/2 = 1,500万円
姪1人あたり = 1,500万円 ÷ 1 = 1,500万円

同じ立場の甥・姪でも、750万円と1,500万円という差が生じます。頭数で均等に分けるのではなく、いったん親ごとに分けてから頭数で割るという順序が結論を左右します。

半血兄弟姉妹がいる場合の相続分

父母の一方だけを同じくする兄弟姉妹(半血兄弟姉妹)の相続分は、父母の双方を同じくする兄弟姉妹(全血兄弟姉妹)の2分の1になります。この扱いは、その子である甥・姪が代襲する場合にもそのまま引き継がれます。

兄弟姉妹側の取り分が3,000万円で、全血の兄1人と半血の弟1人が相続人となる場合、比は2対1になります。

全血の兄の系統 = 3,000万円 × 2/3 = 2,000万円
半血の弟の系統 = 3,000万円 × 1/3 = 1,000万円

被相続人に前婚の子がいた場合など、家族関係が複雑なケースでは、この半血の扱いを見落とすと相続分の計算を誤ります。戸籍を最後まで確認することが欠かせません。

甥・姪に遺留分が認められない理由

遺留分とは、一定の相続人に最低限保障される取り分のことです。遺言によって取り分がゼロにされた場合でも、遺留分を持つ相続人は金銭の支払いを請求できます。

しかし、遺留分が認められるのは兄弟姉妹以外の相続人に限られますe-Gov法令検索 民法第1042条。兄弟姉妹に遺留分がない以上、その代襲相続人である甥・姪にも遺留分は認められません。

この点は、立場によって意味がまったく変わります。相続人である甥・姪の側から見れば、被相続人が第三者や一部の親族に全財産を遺す遺言を残していた場合、取り分は原則としてゼロになり、これを争う法的な手段は基本的にありません。

一方、子も親も配偶者もいない方が「自分の財産を誰に遺すか」を考える側から見ると、これは強力な生前対策になります。遺言書を1通残しておけば、遺留分による修正を受けることなく、意図したとおりに財産を渡せるからです。特定の甥・姪に確実に遺したい場合も、逆に疎遠な甥・姪ではなく世話になった第三者に遺したい場合も、遺言の効力がそのまま実現します。

裏を返せば、遺言がなければ、疎遠な甥・姪を含む全員での遺産分割協議が必要になります。連絡先の分からない甥・姪を戸籍から探し出すところから始まり、手続が長期化する例は珍しくありません。

甥・姪が相続する場合の相続税

甥・姪が財産を取得した場合、相続税の負担は子や配偶者より重くなります。中心にあるのが2割加算です。

相続税額の2割加算

被相続人の一親等の血族(子・父母)と配偶者以外の人が財産を取得した場合、その人の相続税額に2割相当額が加算されます。加算の対象となる人として、兄弟姉妹、おい・めいが明示されています国税庁 No.4157 相続税額の2割加算。

2割加算について押さえておきたいのは、次の3点です。

確認する点 内容
対象となる取得の形 相続や遺贈で財産を取得した場合のほか、相続時精算課税に係る贈与で財産を取得した場合も加算の対象になる
代襲相続でも加算される 甥・姪は代襲相続人であっても一親等の血族にはあたらないため、加算の対象から外れない
加算額の計算の順序 加算額は、各種の税額控除を差し引く前の相続税額に0.2を掛けて計算する

3点目は見落としやすい部分です。先に税額控除を引いてから2割を掛けるのではなく、控除前の税額に2割を上乗せしてから、税額控除を差し引くという順序になります。

関連コラム相続税の2割加算とは|対象になる人・ならない人と孫・兄弟姉妹の計算方法▸

基礎控除額と申告が必要になる基準

相続税は、遺産のすべてにかかるわけではありません。正味の遺産額が基礎控除額を超える場合に、申告と納税が必要になります国税庁 No.4102 相続税がかかる場合。

基礎控除額 = 3,000万円 + 600万円 × 法定相続人の数

この算式は、法定相続人の数によって基礎控除額が変わります国税庁 No.4152 相続税の計算。甥・姪が代襲相続人となるケースでは、亡くなった兄弟姉妹1人に対して甥・姪が2人いれば法定相続人の数は2人と数えるため、基礎控除額もその分だけ大きくなります。

生命保険金・死亡退職金の非課税枠の可否

被相続人の死亡によって受け取る生命保険金には、500万円 × 法定相続人の数という非課税枠があります。ただし、この非課税の規定が使えるのは相続人が取得した保険金に限られ、相続人以外の人が取得した保険金には適用がありません国税庁 No.4114 相続税の課税対象になる死亡保険金。死亡退職金についても同じ枠と同じ制限が置かれています国税庁 No.4117 相続税の課税対象になる死亡退職金。

甥・姪の場合、この「相続人かどうか」で結論が真っ二つに分かれます。

代襲相続人として
取得する甥・姪
相続人にあたるため、生命保険金・死亡退職金の非課税枠を使える
遺贈だけで
取得する甥・姪
相続人ではないため、非課税枠を使えず、受け取った金額の全額が課税対象になる

同じ甥・姪が同じ金額の保険金を受け取っても、相続人であるかどうかで税額が変わります。兄弟姉妹が存命の状態で、甥・姪を保険金の受取人に指定している場合は、その甥・姪は相続人ではないため非課税枠を使えません。生前対策として保険を活用する際に見落としやすい落差です。

甥2人が相続する場合の税額の計算例

被相続人に配偶者・子・直系尊属がおらず、唯一の兄弟姉妹である兄がすでに亡くなっていて、その子である甥2人が相続人となる場合を考えます。遺産総額は1億円とします。

基礎控除額 = 3,000万円 + 600万円 × 2人 = 4,200万円
課税遺産総額 = 1億円 − 4,200万円 = 5,800万円
法定相続分に応ずる各人の取得金額 = 5,800万円 × 1/2 = 2,900万円

取得金額2,900万円は速算表の「3,000万円以下」の区分にあたり、税率15%・控除額50万円が適用されます国税庁 No.4155 相続税の税率。

法定相続分に応ずる
取得金額
税率と控除額
1,000万円以下 税率10%・控除額なし
3,000万円以下 税率15%・控除額50万円
5,000万円以下 税率20%・控除額200万円
1億円以下 税率30%・控除額700万円
2億円以下 税率40%・控除額1,700万円
1人あたりの税額 = 2,900万円 × 15% − 50万円 = 385万円
相続税の総額 = 385万円 × 2人 = 770万円

この総額を、実際に取得した割合で按分します。甥2人が2分の1ずつ取得したとすると、各人の相続税額は385万円です。ここに2割加算を上乗せします。

2割加算額 = 385万円 × 0.2 = 77万円
甥1人の納付税額 = 385万円 + 77万円 = 462万円
甥2人の納付税額の合計 = 462万円 × 2人 = 924万円

2割加算がなければ770万円だったところ、154万円多い924万円を納めることになります。納税資金を現金で用意できるかという観点は、甥・姪が相続人になるケースでは特に重要です。不動産が中心の遺産では、売却しなければ納税できない状況も起こり得ます。

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甥・姪に財産を遺すための生前対策

子も親も配偶者もおらず、兄弟姉妹も亡くなっている方にとって、甥・姪は最も近い親族であることが少なくありません。世話になった甥・姪に財産を遺したい場合、どのような方法があるのかを整理します。

遺言による遺贈

最も確実な方法は遺言書を残すことです。甥・姪は遺留分を持たないため、遺言の内容がそのまま実現します。

遺言が有効に働く場面は、大きく3つあります。1つ目は、兄弟姉妹が存命で甥・姪が相続人ではない場合です。この状態では甥・姪は法定相続人にあたらないため、遺言がなければ財産は渡りません。2つ目は、複数いる甥・姪のうち特定の1人に多く遺したい場合です。法定相続分どおりでは実現できない配分を、遺言で指定できます。3つ目は、疎遠な甥・姪を含む遺産分割協議を避けたい場合です。遺言があれば、全員の合意を集める手続そのものが不要になります。

あわせて、遺言執行者を指定しておくと、名義変更などの手続を任せられ、受け取る側の負担が軽くなります。

遺贈と代襲相続の税務上の違い

同じ甥・姪が財産を受け取る場合でも、代襲相続人として受け取るのと、遺贈によって受け取るのとでは、税務上の扱いが一部異なります。

比較する項目 代襲相続と遺贈の違い
2割加算 代襲相続・遺贈のいずれの場合も加算の対象になり、違いはない
生命保険金・死亡退職金の
非課税枠
代襲相続人であれば使えるが、遺贈だけで取得する場合は使えない
基礎控除額への影響 基礎控除額は法定相続人の数で決まるため、遺贈で財産を渡しても基礎控除額は増えない

2割加算はどちらの場合も避けられません。一方で、非課税枠の可否と基礎控除額への影響は立場によって変わるため、生前対策を検討する際は「その甥・姪が相続開始の時点で相続人にあたるか」を先に確認する必要があります。

甥・姪が相続人になったときの手続きと期限

甥・姪の相続では、そもそも相続人であることの証明に手間がかかります。期限のある手続も複数あるため、早い段階で全体像をつかんでおくことが大切です。

相続人の確定に必要な戸籍

甥・姪が相続人であることを示すには、先順位の相続人が誰もいないことと、親である兄弟姉妹が被相続人より先に亡くなっていることの両方を戸籍で証明しなければなりません。

兄弟姉妹の子が相続放棄を申述する際の添付書類として、被相続人の出生から死亡までのすべての戸籍謄本、被相続人の子およびその代襲者で死亡している人の出生から死亡までのすべての戸籍謄本、被相続人の直系尊属の死亡の記載のある戸籍謄本、申述人の親である兄弟姉妹(被代襲者)の死亡の記載のある戸籍謄本などが求められます裁判所 相続の放棄の申述。これは相続放棄の場面の要件ですが、必要となる戸籍の範囲は相続人の確定作業そのものと重なります。

集めた戸籍の束を金融機関や法務局に何度も出し直す負担を減らす仕組みとして、法定相続情報証明制度があります。法務局に戸籍一式と相続関係を一覧にした図を提出すると、認証文付きの写しが無料で交付され、各種の相続手続でこの写しを戸籍の束の代わりに使えます法務局 「法定相続情報証明制度」について。金融機関の口座が複数ある場合ほど効果が大きい制度です。

相続放棄の期限

被相続人に借入金などの債務が多い場合、相続放棄を検討することになります。相続人は、自己のために相続の開始があったことを知った時から3か月以内に、単純承認・限定承認・放棄のいずれかを選ばなければなりませんe-Gov法令検索 民法第915条。

甥・姪の場合、この起算点が独特です。被相続人が亡くなった日ではなく、自分が相続人になったことを知った時から数えます。先順位の相続人が相続放棄をしたために自分に相続権が回ってきたケースでは、その事実を知った時が起算点になります。

3か月では財産の調査が終わらない場合、家庭裁判所に期間の伸長を申し立てることができます。放棄の申述先は被相続人の最後の住所地を管轄する家庭裁判所で、申述人1人につき収入印紙800円と連絡用の郵便切手が必要です。期限を過ぎてしまうと単純承認したものとみなされ、債務も引き継ぐことになるため、迷った時点で早めに専門家へ相談することをおすすめします。

相続税の申告期限

相続税の申告と納税の期限は、被相続人が死亡したことを知った日の翌日から10か月以内です国税庁 No.4205 相続税の申告と納税。申告書は被相続人の死亡時の住所地を所轄する税務署に提出します。

甥・姪の相続では、戸籍の収集だけで1か月以上かかることも珍しくありません。さらに、疎遠だった被相続人の財産の全容を把握する作業が加わります。10か月という期間は、着手が遅れるとあっという間に消化されます。

相続登記の申請義務

遺産に不動産が含まれる場合、相続登記が必要です。令和6年4月1日から相続登記の申請が義務化され、不動産を相続で取得したことを知った日から3年以内に登記を申請しなければならず、正当な理由なく怠ると10万円以下の過料の対象となります。施行日より前に発生した相続についても義務の対象で、この場合は令和9年3月31日までに申請する必要があります政府広報オンライン 不動産の相続登記義務化!過去の相続分は?所有不動産を一覧的にリスト化する新制度も開始!。

甥・姪が相続人となるケースでは、被相続人が地方に所有していた土地や実家の存在を把握していないこともあります。過料を避けるためにも、不動産の有無は早い段階で確認しておく必要があります。

まとめ

甥・姪の相続について、押さえておきたい点を整理します。

甥・姪が相続人になるのは、被相続人に子も直系尊属もおらず、兄弟姉妹がすでに亡くなっている場合の代襲相続に限られます。代襲は甥・姪の一代限りで、その子には引き継がれません。相続分は、亡くなった兄弟姉妹の取り分を頭数で分けた額となり、配偶者がいる場合は兄弟姉妹側全体で4分の1です。

税務面では、相続税額の2割加算が必ず適用されます。生命保険金や死亡退職金の非課税枠は、代襲相続人であれば使えるが、遺贈だけで取得する場合は使えないという差があります。また、甥・姪には遺留分がありません。この性質は、財産を遺す側にとっては遺言による確実な承継という利点になります。

手続の面では、相続人であることの証明に広範な戸籍が必要となり、相続放棄は3か月、相続税の申告は10か月、相続登記は3年という期限が並行して進みます。

甥・姪の相続は、相続人の確定・相続分の計算・2割加算を含む税額計算のいずれもが、子や配偶者が相続する場合より複雑になります。財産の内容やご家族の状況によって結論は変わりますので、具体的なケースについては税理士へのご相談をおすすめします。

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参考文献

※国税庁タックスアンサーの内容は、いずれも令和7年4月1日現在の法令等にもとづいています。

甥姪の相続に関するよくある質問

Q. 甥・姪はどのような場合に相続人になりますか。

A. 被相続人に子や孫などの直系卑属がおらず、父母や祖父母などの直系尊属もすでに亡くなっているため兄弟姉妹が相続人となる場面で、その兄弟姉妹が被相続人より先に亡くなっている場合に、その子である甥・姪が代襲相続人として相続人になります。兄弟姉妹が存命の場合、甥・姪は相続人になりません。

Q. 甥・姪が亡くなっている場合、その子は相続人になりますか。

A. 相続人になりません。兄弟姉妹の相続権を定めた条文は、代襲を定めた規定のうち一代限りの代襲を定めた部分だけを準用し、再代襲を定めた部分は準用していないためです。兄弟姉妹の系統の代襲は甥・姪の一代限りとなります。

Q. 甥・姪の法定相続分はどのように計算しますか。

A. まず兄弟姉妹側全体の相続分を確定します。配偶者がいる場合は配偶者が4分の3、兄弟姉妹側が4分の1です。次にその取り分を兄弟姉妹の頭数で分け、さらに亡くなった兄弟姉妹の相続分を、その子である甥・姪の人数で均等に分けます。全体を甥・姪の頭数で均等に割るわけではありません。

Q. 甥・姪に遺留分は認められますか。

A. 認められません。遺留分が認められるのは兄弟姉妹以外の相続人に限られており、兄弟姉妹の代襲相続人である甥・姪にも遺留分はありません。そのため、被相続人が他の人に全財産を遺す遺言を残していた場合、甥・姪の取り分は原則としてゼロになります。

Q. 甥・姪が相続する場合、相続税は2割加算されますか。

A. 加算されます。被相続人の一親等の血族と配偶者以外の人が財産を取得した場合、相続税額に2割相当額が加算され、おい・めいは加算の対象として明示されています。代襲相続人であっても加算は避けられず、遺贈で取得した場合や相続時精算課税に係る贈与で取得した場合も対象です。加算額は税額控除を差し引く前の相続税額に0.2を掛けて計算します。

Q. 甥・姪が生命保険金を受け取った場合、非課税枠は使えますか。

A. 代襲相続人として相続人にあたる甥・姪であれば、500万円に法定相続人の数を掛けた非課税枠を使えます。一方、相続人ではない甥・姪が遺贈や受取人指定によって保険金を受け取った場合は、この非課税の規定の適用がなく、受け取った金額の全額が相続税の課税対象になります。死亡退職金についても同じ扱いです。

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本記事は正確な情報提供を心掛けておりますが、執筆時点の情報に基づいているため、法改正や人的ミス、個別のケースにより適用が異なる可能性があります。最新の情報や具体的なご相談については、お気軽に弊法人の税理士までお問い合わせください。