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権利金とは?礼金・敷金との違いと相場をわかりやすく解説【土地・賃貸】

目次
  1. 権利金とは?借りる権利に対して支払う「対価」
  2. 権利金と礼金・敷金・保証金との違い
  3. なぜ権利金の支払いが必要なの?
  4. 権利金の支払いは法律で決まっている?
  5. 建物(賃貸物件・店舗・事務所)を借りるときの権利金
  6. 事業用に建物を借りた場合の権利金の税務
  7. 土地の権利金の相場はいくらくらい?
  8. 相場の目安は「借地権価格」
  9. 「土地の更地価格」の調べ方
  10. 「借地権割合」の調べ方
  11. 権利金を支払わないとどうなる?
  12. 親の土地に子が家を建てる場合(使用貸借)
  13. 地主が法人の場合は「権利金の認定課税」に注意
  14. 「相当の地代」とは?
  15. 通常の地代との違い
  16. 相当の地代の計算方法
  17. 権利金を受け取った地主側の税金
  18. 権利金以外に必要になる費用
  19. まとめ
  20. 参考文献
  21. 権利金に関するよくある質問
  22. Q.権利金とは何ですか?
  23. Q.権利金はなぜ支払う必要があるのですか?
  24. Q.権利金と礼金・敷金の違いは何ですか?
  25. Q.土地の権利金の相場はどのくらいですか?
  26. Q.親の土地に子が権利金なしで家を建てると贈与税がかかりますか?
  27. Q.事業用の建物を借りるときに支払った権利金は経費にできますか?

権利金とは、土地や建物を借りるときに、毎月の地代・家賃とは別に「借りる権利の対価」として貸主へ支払う一時金のことです。敷金のような預け金ではないため、原則として返ってきません。土地を借りて家を建てる「借地」でも、店舗や事務所・住まいを借りる「建物の賃貸」でも登場する言葉ですが、意味合いや税金の扱いは少しずつ異なります。

この記事では、権利金の意味と必要な理由、礼金・敷金・保証金との違い、相場の目安、そして親族間で権利金なしで土地を貸し借りしたときの税金の注意点まで、専門用語をできるだけかみ砕いてご説明しますね。

  • 返還:権利金は原則として戻らない一時金です(敷金・保証金は原則として返還される預け金)。
  • 相場:土地の場合は「借地権価格(更地価格×借地権割合)」が目安になります。
  • 税金:権利金を払う慣行がある地域で権利金なしに借地権を設定すると、税金の問題(認定課税など)が生じることがあります。

権利金とは?借りる権利に対して支払う「対価」

土地の賃貸借契約における権利金とは、簡単に言うと「その土地を利用させてもらう権利(借地権)を設定してもらうことへの対価」として、借主(借地人)から貸主(地主)へ支払われる一時金のことです。土地を建物の所有を目的として貸すときには、借地権の設定の対価として権利金などの一時金を受け取るのが通例とされています国税庁 No.3111 土地を貸し付けて権利金などをもらったとき。

一度支払うと基本的には返還されないお金という点で、アパートを借りるときの「礼金」に似ているかもしれません。しかし、その背景にある意味合いは少し異なります。

権利金と礼金・敷金・保証金との違い

権利金と似たようなタイミングで支払うお金として、礼金や敷金、保証金があります。これらはそれぞれ目的や性質が異なりますので、違いを表で整理しておきましょう。

種類 性質と目的 返還
権利金 借地権や建物を借りる権利を設定してもらうことへの対価。 原則なし
礼金 大家さんへのお礼として支払うお金。主に建物の賃貸借で使われる言葉です。 なし
敷金 家賃滞納や部屋の損傷に備えるための担保(預り金)。退去時に原状回復費用などを差し引いて返還されます。 原則あり
保証金 主に事業用物件や関西地方で使われることが多く、敷金と似た担保としての性質を持ちます。契約内容によって一部が返還されない「償却」がある場合も。 原則あり(償却分を除く)

「権利金」と「礼金」はどちらも戻らないお金ですが、権利金は借りる権利そのものへの対価、礼金は貸してくれたことへのお礼という位置づけの違いがあります。名目にかかわらず、戻るお金か戻らないお金かは契約書の記載で決まりますので、必ず確認しましょう。

なぜ権利金の支払いが必要なの?

「土地を借りるだけなのに、なぜ権利の対価が必要なの?」と思いますよね。その理由は、借地権が借主(借地人)にとって非常に強く保護された権利だからです。

一度土地を貸して借地人が建物を建てると、地主は正当な理由がなければ契約の更新を断ったり、土地を返してもらったりすることが難しくなります。つまり、地主は自分の土地でありながら、長期間にわたって自由な利用が大きく制限されてしまうのです。この地主が受ける制約や不利益に対する補償、そして借地人が得る強い権利への対価として、権利金の授受という慣習が生まれました。

権利金の支払いは法律で決まっている?

実は、権利金の支払い自体は、法律で義務付けられているわけではありません。あくまで地主と借地人の間の契約(合意)によって定められるものです。そのため、地域や当事者間の関係性によっては、権利金の授受がないケースもあります。

しかし、都市部を中心に権利金の授受は一般的な慣習となっており、新規で借地契約を結ぶ際には、支払いを求められることが多くあります。契約を結ぶ前には、契約書に権利金に関する記載があるか、金額はいくらかを必ず確認しましょう。

建物(賃貸物件・店舗・事務所)を借りるときの権利金

「権利金とは」と調べると、マンションやアパート、店舗・事務所を借りるときの初期費用として目にすることも多いと思います。建物を借りるときの権利金も、借りる権利の対価として支払い、原則として戻らない一時金という点は土地の場合と同じです。住まいの賃貸では礼金とほぼ同じ感覚で扱われることもありますが、名目や返還の有無は契約によって異なるため、重要事項説明や契約書で確認することが大切です。

事業用に建物を借りた場合の権利金の税務

会社が店舗や事務所などの建物を借りるために支払った権利金のうち、支出の効果が1年以上に及ぶものは、支払った年に一度に経費(損金)にするのではなく繰延資産として計上し、一定の期間で償却していきます国税庁 No.5460 建物を賃借するための権利金等。償却期間の考え方は次のとおりです。

権利金の内容 償却期間
建物の新築に際して支払い、金額が賃借部分の建設費の大部分にあたり、建物が存続する間は借りられる場合 その建物の耐用年数の10分の7
上記以外で、契約や慣習により明渡しの際に借家権として転売できる場合 賃借後の見積残存耐用年数の10分の7
上記以外の権利金 5年(賃借期間が5年未満で、更新時に再び権利金の支払いが必要なことが明らかな場合はその賃借期間)

なお、不動産会社に支払った仲介手数料は、支払った事業年度の損金にすることができます。土地を借りて借地権を設定するための権利金は、建物を借りるための権利金とは扱いが異なりますので、事業で土地を借りる場合は個別に確認するようにしてくださいね。

土地の権利金の相場はいくらくらい?

権利金の額は当事者間の話し合いで決まりますが、全く基準がないわけではありません。一般的には「借地権価格」が相場の目安とされています。

相場の目安は「借地権価格」

権利金の相場は、その土地の「借地権価格」を基準に考えるのが一般的です。相続税などで借地権を評価するときも、更地としての価額に借地権割合を掛けて求めます国税庁 No.4611 借地権の評価。

借地権価格 = 土地の更地価格 × 借地権割合

例えば、更地価格が5,000万円で借地権割合が60%の土地であれば、借地権価格は次のとおり3,000万円となります。

更地価格5,000万円 × 借地権割合60% = 借地権価格3,000万円

権利金は、この借地権価格と同等か、その数割程度になることが多いようです。最終的には地域の慣行と当事者間の交渉で決まります。

「土地の更地価格」の調べ方

土地の更地価格とは、その土地が建物などのない更地の状態だった場合の市場価値(時価)のことです。正確な価格は不動産鑑定士に依頼しないと分かりませんが、目安としては以下のような方法で調べることができます。

  • 公示価格・基準地価:国や都道府県が公表している公的な土地の価格。
  • 実勢価格:実際に周辺で取引された土地の価格。
  • 不動産会社の査定:近隣の取引事例などをもとに査定してもらう。

「借地権割合」の調べ方

借地権割合とは、土地の価値全体のうち、借地権が占める割合のことです。この割合は、借地事情が似ている地域ごとに定められており、国税庁が公表している「路線価図」や「評価倍率表」で確認することができます。路線価図を見ると、道路ごとに「300C」のように数字とアルファベットが書かれています。このアルファベットが借地権割合を示しており、「C」なら70%、「D」なら60%といった具合に定められています。

権利金を支払わないとどうなる?

権利金の支払いは法律上の義務ではないため、当事者間で合意すれば権利金なしで土地を貸し借りすることも可能です。特に、親から子へ土地を貸すなど、親族間で貸借する場合には権利金なしのケースがよく見られます。ただし、貸し借りの形によって税金の扱いが変わるので注意が必要です。

親の土地に子が家を建てる場合(使用貸借)

地代も権利金も支払わずに土地を貸し借りすることを使用貸借といいます。親の土地を使用貸借して子が家を建てた場合、使用貸借で土地を使う権利の価額はゼロとして扱われるため、子が借地権相当額の贈与を受けたとして贈与税がかかることはありません国税庁 No.4552 親の土地に子供が家を建てたとき。

その代わり、将来親からその土地を相続するときは、他人に貸している土地(貸宅地)ではなく、自分で使っている土地(自用地)として評価されます。相続税の評価額は下がらない点を覚えておきましょう。

地主が法人の場合は「権利金の認定課税」に注意

法人が所有する土地を他人に貸して建物を建てさせたときは、借地権が設定されたことになります。権利金を受け取る慣行があるのに権利金を受け取らない場合は、権利金の認定課税が行われます国税庁 No.5730 権利金の認定課税について。つまり、本来受け取るべき権利金を借地人に与えたものとして、課税関係が生じてしまうのです。

ただし、次のいずれかに該当する場合には、権利金の認定課税は行われません。

  1. 相当の地代を収受している場合
    権利金を受け取らない代わりに、土地の価額からみて相当の地代(後述)を受け取っているとき。
  2. 土地の無償返還に関する届出書を提出している場合
    契約書で「将来、借地人がその土地を無償で返還する」と定め、かつ「土地の無償返還に関する届出書」を借地人と連名で遅滞なく税務署長に提出しているとき。

なお、2の場合でも、実際の地代が相当の地代より少ないときは、その差額を借地人に贈与したものとして扱われます。

「相当の地代」とは?

認定課税を避けるための一つの方法として「相当の地代」を支払う方法があります。これは具体的にどのようなものでしょうか。

通常の地代との違い

通常の地代は、権利金を支払った上で、土地の固定資産税などを参考に決められる比較的低額な土地の使用料です。一方、相当の地代は、権利金を受け取らない代わりに、その土地の価値に見合った地代を受け取るという考え方に基づいています。そのため、通常の地代よりもかなり高額になります。

相当の地代の計算方法

相当の地代の額は、原則として、その土地の更地価額のおおむね年6%程度の金額とされています国税庁 No.5732 相当の地代及び相当の地代の改訂。

相当の地代(年額) = 土地の更地価額 × おおむね6%

例えば、更地価格5,000万円の土地であれば、年間の相当の地代は次のとおりです。

更地価額5,000万円 × 6% = 年300万円(月額25万円)

更地価額は時価が原則ですが、課税上弊害がない限り、近くの類似した土地の公示価格などから合理的に計算した価額や、相続税評価額(またはその過去3年間の平均額)によることも認められています。また、土地の値上がりに応じて地代を改訂する方法をとる場合は、おおむね3年以下の期間ごとに見直す必要があります。

権利金を受け取った地主側の税金

個人の地主が建物の所有を目的として土地を貸し、権利金を受け取った場合、その権利金は原則として不動産所得になります。ただし、権利金の額が土地の時価の2分の1を超えるなど相当多額のときは、土地の一部を譲渡したのと同じと考えて、分離課税の譲渡所得として課税されます。

また、消費税では、借地権などの土地の上に存する権利を含めて土地の貸付けは原則として非課税とされています(1か月未満の貸付けや駐車場などの施設の利用に伴うものを除きます)国税庁 No.6201 非課税となる取引。

権利金以外に必要になる費用

土地の賃貸借契約では、権利金の他にも様々な費用が発生することがあります。契約前に総額でどのくらいかかるのか把握しておくことが大切です。

費用 内容
地代(借地料) 毎月支払う土地の使用料です。
保証金・敷金 地代の滞納などに備えて地主に預けるお金です。契約終了時に精算され、残金が返還されます。
更新料 契約期間の満了時に、契約を更新するための費用です。金額は契約内容や地域の慣行によって異なります。
各種承諾料 借地上の建物を建て替えたり(建替承諾料)、第三者に売却したり(名義書換料・譲渡承諾料)する際に、地主の承諾を得るために支払う費用です。

まとめ

権利金は、土地や建物を借りる権利を設定してもらうための対価で、原則として返ってこないお金です。土地の場合は、地主が長期間にわたり土地の利用を制限されることへの補償という意味合いを持ち、相場は借地権価格(更地価格×借地権割合)が目安になります。法律上の義務ではありませんが、慣習として広く行われています。

親族間で権利金なしに土地を貸し借りする場合は、使用貸借なら贈与税はかかりませんが、地主が法人の場合は認定課税への備え(相当の地代・無償返還の届出)が欠かせません。具体的なケースは税理士へのご相談をおすすめします。土地の賃貸借は長期間にわたる契約ですので、権利金をはじめとするお金について正しく理解し、納得した上で契約を進めるようにしてくださいね。

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参考文献

権利金に関するよくある質問

Q.権利金とは何ですか?

A.土地や建物を借りるときに、毎月の地代・家賃とは別に、借りる権利の対価として貸主へ支払う一時金です。敷金のような預け金ではないため、原則として返還されません。

Q.権利金はなぜ支払う必要があるのですか?

A.借地権という長期間にわたり安定して土地を利用できる強い権利を得るための対価として支払います。貸主側から見れば、土地の利用が長期間制限されることへの補償という意味合いがあります。

Q.権利金と礼金・敷金の違いは何ですか?

A.権利金は借りる権利への対価、礼金は貸主へのお礼で、どちらも原則として返還されません。敷金や保証金は賃料滞納などに備えて預けるお金で、契約終了時に原則として返還されます。

Q.土地の権利金の相場はどのくらいですか?

A.借地権価格(更地価格×借地権割合)が目安とされ、権利金はこれと同等かその数割程度になることが多いようです。最終的には地域の慣行と当事者間の交渉によって決まります。

Q.親の土地に子が権利金なしで家を建てると贈与税がかかりますか?

A.地代も権利金も支払わない使用貸借であれば、土地を使う権利の価額はゼロとして扱われるため、借地権相当額の贈与税はかかりません。将来相続するときは、その土地は自用地として評価されます。

Q.事業用の建物を借りるときに支払った権利金は経費にできますか?

A.法人が建物を借りるために支払った権利金で支出の効果が1年以上に及ぶものは繰延資産となり、原則5年などの償却期間にわたって損金に算入します。土地を借りて借地権を設定するための権利金は扱いが異なるため、個別に確認が必要です。

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