03-6773-5295 受付 全日 9:00〜19:00 無料相談会 土日開催・オンライン可

借地権の相続税評価|借地権割合と評価方法をわかりやすく解説

目次
  1. 借地権の相続税評価の基本
  2. 借地権とは
  3. 借地権評価の基本算式
  4. 借地権割合と路線価図の見方
  5. 借地権割合の確認方法
  6. 借地権割合の具体例
  7. 普通借地権の評価方法
  8. 定期借地権・使用貸借の扱い
  9. 定期借地権等の評価
  10. 使用貸借の扱い
  11. 貸宅地・貸家建付地との違い
  12. 貸宅地の評価
  13. 貸家建付地の評価
  14. まとめ
  15. 参考文献
  16. 借地権の相続税評価のよくある質問まとめ

借地権を相続したものの、その相続税評価額をどう計算すればよいのか分からず不安に感じている方は多いはずです。借地権は土地そのものを所有していなくても財産としての価値があり、相続税の課税対象になります。評価額は自用地としての価額に借地権割合を乗じて求めるのが基本ですが、普通借地権や定期借地権、使用貸借など権利の種類によって扱いが大きく異なります。この記事では、借地権の相続税評価の考え方と計算方法を、具体的な数値を交えてわかりやすくご説明します。

借地権の相続税評価の基本

借地権とは、他人の土地を借りてその上に建物を所有する権利です。土地を借りているだけでも、その権利には財産価値があるため、相続財産として評価し相続税の課税対象に含める必要があります。

借地権とは

借地権は、建物の所有を目的とする地上権または土地の賃借権をいいますe-Gov法令検索 借地借家法。相続税評価の場面では、旧借地法・借地借家法に基づく一般的な借地権のほか、定期借地権、事業用定期借地権等、建物譲渡特約付借地権、一時使用目的の借地権に区分され、それぞれ評価方法が定められています国税庁 No.4611 借地権の評価。土地の所有権そのものを相続する場合とは評価の仕組みが異なる点に注意が必要です。

借地権評価の基本算式

一般的な借地権(普通借地権)の相続税評価額は、その借地権が設定されている宅地の自用地としての価額に借地権割合を乗じて計算します。自用地としての価額とは、その土地を自分で利用していると仮定した場合の評価額のことです。計算式は次のとおりです。

自用地としての価額5000万円 × 借地権割合60% = 借地権の評価額3000万円

このように、借地権割合が高い地域ほど借地権の評価額は大きくなります。借地権割合は借地事情が似ている地域ごとに定められており、路線価図や評価倍率表で確認できます。

借地権割合と路線価図の見方

借地権の評価で最も重要になるのが借地権割合です。土地ごとに異なるため、対象の土地がどの割合に該当するかを正しく確認する必要があります。

借地権割合の確認方法

借地権割合は、国税庁が公表する路線価図・評価倍率表で確認します。路線価図では、各道路に付された路線価の金額とあわせて、借地権割合を示す記号が表示されています。市街地では30%から90%の範囲で地域ごとに定められており、商業地など地価の高い地域ほど借地権割合が高く設定される傾向があります。まずは対象地の自用地としての価額と借地権割合を路線価図から把握することが出発点となります。

関連コラム相続した不動産の路線価の調べ方|国税庁サイトでの評価手順▸

借地権割合の具体例

借地権割合は路線価図に記号で表示されます。定期借地権が設定された宅地の評価で用いられる底地割合と対応させると、借地権割合の水準は次のように整理できます国税庁 No.4612 一般定期借地権の目的となっている宅地の評価。

借地権割合 底地割合
70% 55%
60% 60%
50% 65%
40% 70%
30% 75%

借地権割合が高い地域ほど借りている側の権利の価値が大きく、逆に土地所有者側に残る底地の割合は小さくなる関係にあります。

普通借地権の評価方法

普通借地権とは、契約の更新が認められ、建物が存続する限り土地を借り続けられる一般的な借地権です。相続税評価では、自用地としての価額に借地権割合を乗じた金額で評価します。たとえば自用地としての価額が8000万円、借地権割合が70%の土地であれば、次のように計算します。

自用地としての価額8000万円 × 借地権割合70% = 借地権の評価額5600万円

なお、借地権の取引慣行があると認められる地域以外の地域にある借地権は、原則として評価しないものとされています国税庁 財産評価基本通達 第2節 宅地及び宅地の上に存する権利。対象地に借地権の取引慣行があるかどうかは、路線価図に借地権割合が表示されているかどうかが一つの目安になります。

定期借地権・使用貸借の扱い

同じ借地権でも、定期借地権や使用貸借は普通借地権とは評価方法が異なります。誤った方法で評価すると、相続税を過大または過少に申告してしまうおそれがあります。

定期借地権等の評価

定期借地権等は、契約で定めた期間が満了すると更新されずに土地を返還する借地権です。その価額は、原則として課税時期において借地権者に帰属する経済的利益とその存続期間を基として評定した価額により評価します。ただし課税上弊害がない限り、自用地としての価額に一定の算式で計算した数値を乗じて評価することもでき、この場合は定期借地権等の評価明細書を用います。普通借地権のように借地権割合を単純に乗じるわけではない点に注意が必要です。

使用貸借の扱い

親の土地を子が無償で借りて家を建てるようなケースは、賃料も権利金も支払わない使用貸借にあたります。この場合、土地を使用する権利の価額はゼロとして取り扱われるため、借地権相当額の贈与を受けたとして贈与税が課税されることはありません国税庁 No.4552 親の土地に子供が家を建てたとき。そして、使用貸借されている土地を相続する場合は、借地権が設定された貸宅地としてではなく、自用地としての評価額で評価します。使用貸借は権利金の授受がなく、地代を低く抑えている場合に認定課税が問題となることもあるため、契約の実態を確認しておくことが大切です。

関連コラム無償返還届出で権利金の認定課税は回避?低い地代の贈与リスク解説▸

貸宅地・貸家建付地との違い

借地権を評価する場面では、土地を貸している側(地主側)の評価である貸宅地や貸家建付地との違いを押さえておくと理解が深まります。借りている側と貸している側で評価の対象が異なります。

貸宅地の評価

貸宅地とは、借地権が設定されている土地を所有者側から見た呼び方です。地主が相続した場合の評価額は、自用地としての価額から借地権の価額を控除して求めます国税庁 No.4613 貸宅地の評価。自用地としての価額が5000万円、借地権割合が60%の場合は次のとおりです。

自用地としての価額5000万円 − 自用地としての価額5000万円 × 借地権割合60% = 貸宅地の評価額2000万円

借地権の評価額3000万円と貸宅地の評価額2000万円を合計すると、自用地としての価額5000万円と一致します。借りている側と貸している側で土地の価値を分け合っている関係にあることが分かります。なお借地権の取引慣行がないと認められる地域では、借地権割合を20%として計算します。

貸家建付地の評価

貸家建付地とは、自分の土地に建てたアパートなどの貸家を他人に貸している場合の、その敷地のことです。借地権とは異なり、土地も建物も自分で所有している点が特徴です。評価額は次の算式で計算します国税庁 No.4614 貸家建付地の評価。

自用地としての価額5000万円 − 自用地としての価額5000万円 × 借地権割合60% × 借家権割合30% × 賃貸割合100% = 貸家建付地の評価額4100万円

借家権割合は財産評価基準書で確認しますが、全国的に30%とされています。借地権の評価とは対象も算式も異なるため、混同しないよう整理して考えることが大切です。

まとめ

借地権の相続税評価は、普通借地権であれば自用地としての価額に借地権割合を乗じて計算するのが基本です。借地権割合は路線価図で確認でき、市街地では30%から90%の範囲で地域ごとに定められています。一方、定期借地権等は経済的利益と存続期間を基に評価し、使用貸借による土地は権利の価額をゼロとして自用地評価になるなど、権利の種類によって扱いが大きく変わります。地主側の貸宅地・貸家建付地とあわせて仕組みを理解しておくことで、適正な申告につながります。借地権の評価は権利関係や契約内容によって判断が分かれやすく、具体的なケースは税理士へのご相談をおすすめします。

お問い合わせはこちら

この記事を読んだ方へ

Inheritance Tax 相続税申告は、相続専門の税理士法人へ 公認会計士・税理士が担当し、全国オンラインで対応します。初回のご相談は無料です。 相続税申告のサービスを見る Price 相続税申告の料金を確認する 遺産総額に応じた明朗な料金体系です。加算報酬の考え方も掲載しています。 料金体系を見る

参考文献

借地権の相続税評価のよくある質問まとめ

Q.借地権の相続税評価額はどう計算しますか。

A.普通借地権は、自用地としての価額に借地権割合を乗じて計算します。自用地としての価額が5000万円で借地権割合が60%なら、評価額は3000万円です。

Q.借地権割合はどこで確認できますか。

A.国税庁が公表する路線価図・評価倍率表で確認できます。路線価の金額とあわせて借地権割合を示す記号が表示され、市街地では30%から90%の範囲で定められています。

Q.使用貸借の土地を相続した場合の評価はどうなりますか。

A.賃料も権利金も支払わない使用貸借の土地は、借地権が設定された貸宅地ではなく、自用地としての評価額で評価します。使用する権利の価額はゼロとして取り扱われるためです。

Q.定期借地権の評価は普通借地権と同じですか。

A.異なります。定期借地権等は借地権者に帰属する経済的利益と存続期間を基に評価します。課税上弊害がない限り、自用地としての価額に一定の算式で計算した数値を乗じて評価することもできます。

Q.貸宅地と借地権の評価はどう違いますか。

A.借地権は土地を借りている側の権利の評価、貸宅地は土地を貸している地主側の評価です。貸宅地は自用地としての価額から借地権の価額を控除して求めます。

Q.借地権の取引慣行がない地域でも評価しますか。

A.借地権の取引慣行があると認められる地域以外にある借地権は、原則として評価しません。地主側の貸宅地の評価では、この場合の借地権割合を20%として計算します。

Office

税理士法人プライムパートナーズ

相続税申告・生前対策に特化した税理士法人です。大手監査法人出身の公認会計士・税理士が、東京・赤坂から全国のご相談をお受けしています。

  • オフィスが入居する IsaI AkasakA の外観
  • 税理士法人プライムパートナーズの相談スペース
  • 代表 税理士 島本 雅史
事務所名
税理士法人プライムパートナーズ
所在地
〒107-0052
東京都港区赤坂5丁目2-33
IsaI AkasakA 17階
電話番号
03-6773-5295(受付 全日 9:00〜19:00)
対応責任者
税理士 島本 雅史

本記事は正確な情報提供を心掛けておりますが、執筆時点の情報に基づいているため、法改正や人的ミス、個別のケースにより適用が異なる可能性があります。最新の情報や具体的なご相談については、お気軽に弊法人の税理士までお問い合わせください。