この記事は、個人で所有している土地・建物を自分の株式会社(資産管理会社など)へ現物出資しようと考えている事業者・経営者・資産家の方に向けたものです。「株式と引き換えに不動産を会社へ移すだけなので、売ったわけではない」と考える方は少なくありませんが、税務上の扱いは異なります。
結論から申し上げると、不動産の現物出資は所得税法上の「譲渡」に当たり、受け取る株式の時価が譲渡所得の収入金額になります。さらに、受け取る株式の時価が不動産の時価の2分の1に満たない場合は、不動産の時価で譲渡したものとみなして課税されます。つまり、検索で見かける「不動産の時価によって譲渡所得税が計算される」という理解は、多くの場面でおおむね正しいものの、正確には「株式の時価が出発点で、低すぎる場合は不動産の時価に置き換わる」という二段構えです。以下、計算の仕組みと設例、消費税・会社側・他の株主への影響、手続面の注意点を順に整理します。
現物出資が譲渡所得の対象となる理由
現物出資とは、金銭の代わりに不動産などの財産を会社に給付し、その対価として株式を受け取る出資の方法です。所得税の世界では、お金を受け取ったかどうかではなく、資産が他人に移ったかどうかで「譲渡」を判断します。
所得税法上の「譲渡」の範囲
国税庁は、譲渡とは有償無償を問わず、所有資産を移転させる一切の行為をいい、通常の売買のほか、交換、競売、代物弁済、財産分与、収用、法人に対する現物出資なども含まれると説明しています国税庁 No.3105 譲渡所得の対象となる資産と課税方法。不動産を会社に現物出資した時点で、個人は不動産を手放し、その見返りに株式という財産を受け取っています。経済的には「不動産を売って、代金を株式で受け取った」のと同じ構図になるため、譲渡所得の課税対象になるわけです。
同じページでは、法人に対する贈与や遺贈、時価の2分の1未満の価額による譲渡があった場合には、時価(通常売買される価額)で資産の譲渡があったものとされることも示されています。ここでいう時価は、相続税の路線価や固定資産税評価額ではなく、通常の取引で成立する価額である点に注意が必要です。
個人間の移転との違い
個人から個人へ無償で財産を渡した場合、渡した側に所得税はかからず、受け取った側の贈与税が問題になります。一方で、相手が法人になると、渡した個人の側に譲渡所得の課税が生じる場面が出てきます。現物出資はまさに「個人から法人への資産の移転」ですので、出資する個人の所得税を中心に考える必要があります。
法人へ無償で財産を移した場合の課税関係については、次のコラムで詳しく扱っています。
関連コラム個人から法人への贈与にかかる税金|贈与税ではなく法人税・所得税に注意▸
現物出資における収入金額の考え方
譲渡所得の計算でまず決めなければならないのが「収入金額(売った金額)」です。現物出資では代金が現金で入ってこないため、何を収入金額とするかがポイントになります。
原則は取得する株式の時価
国税庁は、金銭の代わりに物や権利などを受け取った場合はその物や権利の時価が収入金額になるとしたうえで、法人に対して土地建物を現物出資した場合は、受け取る出資持分や株式の時価が収入金額になると明示しています国税庁 No.3214 土地建物を売ったときの収入金額に含める金額。
実務で多いのは、出資者が100%株主となっている資産管理会社への現物出資です。この場合、会社は受け入れた不動産の価値の分だけ財産が増え、その増えた価値はすべて出資者の株式に反映されます。1株当たりの払込金額を出資時の株価に見合う水準で決めていれば、受け取る株式の時価と不動産の時価は近い金額になるのが通常です。「不動産の時価で課税される」と説明されることが多いのはこのためです。
時価の2分の1未満となる場合の扱い
他の株主がいる会社へ出資する場合や、出資の条件を低く設定した場合には、受け取る株式の時価が不動産の時価を大きく下回ることがあります。所得税法第59条第1項第2号と所得税法施行令第169条は、法人に対して時価の2分の1に満たない対価で資産を譲渡した場合、その時の時価で資産の譲渡があったものとみなすと定めています。国税庁も、個人が法人に対して土地建物を時価の2分の1を下回る価額で売った場合は、その土地建物の時価が収入金額になると説明しています国税庁 No.3217 時価より低い価額で売ったとき。現物出資も「譲渡」に含まれますので、受け取る株式の時価が不動産の時価の2分の1に満たないときは、この低額譲渡の規定により、不動産の時価で譲渡したものとみなされることになります。
また、2分の1以上であれば常に安心というわけでもありません。所得税基本通達59-3では、時価の2分の1以上の対価による法人への譲渡であっても、同族会社等の行為又は計算の否認の規定に該当する場合には、税務署長の認めるところによって時価で譲渡所得を計算することができるとされています国税庁 法第59条《贈与等の場合の譲渡所得等の特例》関係。オーナーとその会社の取引は、価格を当事者の都合で決めやすいからこそ、適正な時価で行うことが基本になります。
| 受け取る株式の時価が 不動産の時価の2分の1以上 |
原則として受け取る株式の時価が収入金額。ただし同族会社との取引で所得税の負担を不当に減少させる結果となる場合は、時価で計算される余地があります |
|---|---|
| 受け取る株式の時価が 不動産の時価の2分の1未満 |
不動産の時価で譲渡したものとみなして収入金額を計算します |
| 対価なしで移転(贈与) | 法人への贈与として、不動産の時価で譲渡があったものとされます |
土地と建物をまとめて出資する場合の判定
賃貸物件を現物出資する場合、土地と建物を同時に出資するのが一般的です。所得税基本通達59-4は、法人に対し一の契約により2以上の資産を譲渡した場合、低額譲渡に当たるかどうかは個々の資産ごとではなく、その契約で譲渡したすべての資産の対価の合計額を基として判定するとしています。土地だけ、建物だけを切り出して2分の1かどうかを判断するのではない点を押さえておくとよいでしょう。
譲渡所得の計算の仕組み
収入金額が決まれば、あとは通常の不動産売却と同じ流れで計算します。土地や建物の譲渡所得は、給与所得や事業所得とは分けて税額を計算する分離課税です国税庁 No.3202 譲渡所得の計算のしかた(分離課税)。
取得費となるもの
取得費には、売った土地や建物の購入代金、建築代金、購入手数料のほか、設備費や改良費なども含まれます。建物については、購入代金や建築代金から所有期間中の減価償却費相当額を差し引いた金額が取得費になります国税庁 No.3252 取得費となるもの。購入時に納めた登録免許税や不動産取得税も取得費に含まれますが、業務の用に供される資産の場合には、これらの税金は取得費に含まれません。賃貸物件を出資する場合はこの点に気を付けてください。
先祖代々の土地や購入時期が古い物件で取得費が分からない場合は、売った金額の5パーセント相当額を取得費とすることができます国税庁 No.3258 取得費が分からないとき。実際の取得費が売った金額の5パーセント相当額を下回る場合も同じです。現物出資では「売った金額」が株式の時価(または不動産の時価)になりますので、その5パーセントです。取得費が5パーセントにとどまると譲渡所得が大きくなりやすいため、購入時の契約書や領収書が残っていないか、出資を検討する段階で確認しておくことをおすすめします。
関連コラム譲渡所得の取得費5パーセントとは?概算取得費の計算と注意点を税理士が解説▸
相続や贈与で取得した不動産を出資する場合は、被相続人や贈与者が購入したときの代金などを基に取得費を計算し、取得の時期も被相続人や贈与者のものがそのまま引き継がれます国税庁 No.3270 相続や贈与によって取得した土地・建物の取得費と取得の時期。親から相続したばかりの物件でも、親の購入時期から数えて長期か短期かを判定します。
譲渡費用となるもの
譲渡費用は、土地や建物を売るために直接かかった費用で、仲介手数料、売主が負担した印紙税、借家人への立退料、建物の取壊し費用などが該当します。修繕費や固定資産税のように資産の維持・管理のためにかかった費用は譲渡費用になりません国税庁 No.3255 譲渡費用となるもの。自分の会社への現物出資は仲介業者を通さないことが多く、売却に比べて譲渡費用が少なくなる傾向があります。出資に伴って支出した費用が譲渡費用に当たるかどうかは、支出の内容ごとに確認することになります。
長期譲渡・短期譲渡の区分と税率
土地や建物の譲渡所得は、譲渡した年の1月1日において所有期間が5年を超えるものが長期譲渡所得、5年以下のものが短期譲渡所得に区分されます。現物出資した日ではなく「出資した年の1月1日」で判定するため、取得から丸5年を過ぎていても長期にならないことがあります。
| 長期譲渡所得 | 所得税15%、住民税5%国税庁 No.3208 長期譲渡所得の税額の計算 |
|---|---|
| 短期譲渡所得 | 所得税30%、住民税9%国税庁 No.3211 短期譲渡所得の税額の計算 |
| 復興特別所得税 | 平成25年から令和29年までの各年分は、基準所得税額に2.1%を掛けた額を所得税と併せて申告・納付 |
短期譲渡所得の税率は長期の約2倍です。取得から日が浅い物件の現物出資は、出資の時期を1月1日をまたいで検討するだけで税負担が大きく変わることがあります。
設例で見る現物出資の譲渡所得税
ここでは、架空の設例で実際の計算の流れを確認します。数字はすべて説明のための仮のものです。
設例の前提条件
| 出資者 | 個人A(不動産賃貸業を営む。消費税の計算はこの設例では考慮しない) |
|---|---|
| 出資先 | Aが発行済株式の100%を保有する株式会社B社 |
| 出資する不動産 | 15年前に購入した賃貸物件(2026年中に現物出資) |
| 出資時の時価 | 6,000万円(土地4,000万円、建物2,000万円) |
| 交付を受ける株式の時価 | 6,000万円 |
| 土地の取得費 | 購入代金3,000万円 |
| 建物の取得費 | 購入代金から減価償却費相当額を差し引いた後の金額2,200万円 |
| 譲渡費用 | なし(仲介を通さず、売るために直接かかった費用がない前提) |
譲渡所得と税額の計算
B社はAの100%子会社ですので、Aが受け取る株式の時価は不動産の時価と同じ6,000万円とします。これが収入金額です。取得費は土地と建物の合計で計算します。
2026年1月1日時点の所有期間は5年を超えていますので、長期譲渡所得の税率を適用します。
現金が1円も入ってこない取引にもかかわらず、翌年の確定申告で約162万円の納税が必要になる点が、現物出資で見落とされやすいところです。納税資金をどこから用意するかも、出資の計画段階で決めておく必要があります。
取得費が分からない場合との比較
仮に購入時の資料が残っておらず、概算取得費(収入金額の5パーセント)を使うしかない場合は、次のようになります。
| 実額の取得費を使える場合 | 税額の合計162万5,200円 |
|---|---|
| 概算取得費を使う場合 | 税額の合計1,157万9,550円 |
同じ物件でも、取得費を証明できるかどうかで税額に1,000万円近い差が出ます。実務では、出資の可否を判断する前に、まず購入時の売買契約書・建築請負契約書・減価償却の明細をそろえるところから始めることが少なくありません。
建物部分にかかる消費税
現物出資で見落とされやすいのが消費税です。消費税の「資産の譲渡」には、売買だけでなく現物出資、負担付贈与、代物弁済なども含まれます国税庁 No.6117 「資産の譲渡等」とは。不動産賃貸業を営む個人が消費税の課税事業者である場合、事業用の建物を現物出資すると、その建物部分は消費税の課税対象になります。
課税標準となる対価の額
土地の譲渡は消費税の非課税取引ですので国税庁 No.6201 非課税となる取引、課税対象になるのは建物部分だけです。消費税法施行令第45条は、金銭以外の資産の出資の対価の額をその出資により取得する株式の取得の時における価額に相当する金額とし、課税資産と非課税資産を同時に譲渡して対価が合理的に区分されていないときは、それぞれの資産の価額の割合で按分すると定めていますe-Gov法令検索 消費税法施行令第45条。先ほどの設例でAが課税事業者だった場合、建物部分の対価は次のとおりです。
この2,000万円に消費税額等が含まれている扱いであれば、110分の100を掛けた金額が課税標準になります。
所得税だけを見て資金計画を立てると、消費税の納税で資金が不足することがあります。出資する年の消費税の申告で建物部分の譲渡を計上する必要があるか、事前に確認しておきましょう。
会社側の課税仕入れ
受け入れる会社側では、現物出資で取得した建物が課税仕入れに当たる場合、その支払対価の額は、出資者との間で授受することとした株式の交付の時における株式の価額に相当する金額(課税資産に対応する部分に限る)とされています国税庁 第4節 課税仕入れに係る支払対価の額。出資者側の売上げと会社側の仕入れは同じ株式の価額を基準に計算されますので、両者の金額をそろえて処理することが大切です。
会社側の受入れと他の株主への影響
現物出資は出資者個人の所得税だけで完結しません。受け入れる会社と、その会社の他の株主にも影響が及びます。
会社側の受入れ
法人税の計算では、株式を発行して給付を受けた金銭以外の資産の価額に相当する金額を基に、資本金等の額が増加しますe-Gov法令検索 法人税法施行令第8条。会社が受け入れた不動産をいくらで計上するかは、資本金等の額や、建物の減価償却費の計算の出発点にもなります。出資者側で収入金額とした株式の時価と、会社側で受け入れた不動産の価額とが説明のつく関係になっているかどうかは、税務調査でも確認されやすいポイントです。
同族会社の他の株主へのみなし贈与
出資先の会社に、出資者以外の株主(配偶者や子など)がいる場合は特に注意が必要です。相続税法基本通達9-2では、同族会社の株式の価額が時価より著しく低い価額で現物出資があったことにより増加したときは、その株主が株式の価額の増加部分に相当する金額を、現物出資をした者から贈与によって取得したものとして取り扱うとされています国税庁 第9条《その他の利益の享受》関係。ここでいう「著しく低い価額」は、所得税の2分の1の基準とは別の取扱いです。所得税で2分の1以上を満たしているからといって、贈与税の問題が生じないとは言い切れません。
たとえば、父と長男が株主の会社に父が不動産を出資する際、不動産の価値に比べて父に割り当てる株式を極端に少なくすると、会社の価値は不動産の分だけ増える一方、その増加分の一部が長男の株式の値上がりに回ります。この値上がり分が父から長男への贈与として扱われ、長男に贈与税がかかる可能性があります。現物出資の価額を低く決めることは、出資者の所得税を抑えるどころか、家族の贈与税という別の課税を呼び込むおそれがあるということです。
関連コラム同族会社の株式譲渡で注意!みなし贈与リスクと具体的な回避策▸
現物出資の手続面の注意点
税金の計算と並んで、会社法と登記の手続も確認しておく必要があります。手続の段階で決めた出資の価額が、そのまま税務上の判断材料にもなるからです。
検査役の調査と専門家の証明
会社法第207条では、株式会社が現物出資を受けて株式を発行するときは、原則として裁判所に検査役の選任を申し立て、現物出資財産の価額の調査を受けなければならないとされていますe-Gov法令検索 会社法第207条。ただし、次のような場合は検査役の調査が不要になります(会社を設立するときの現物出資は、同法第33条に別の定めがあります)。
| 価額の総額が少額 | 現物出資財産について定めた価額の総額が500万円を超えない場合 |
|---|---|
| 専門家の証明 | 弁護士、公認会計士、税理士などから、定めた価額が相当である旨の証明を受けた場合(不動産は、その証明に加えて不動産鑑定士の鑑定評価が必要) |
| 割当株式が少数 | 引受人に割り当てる株式の総数が発行済株式の総数の10分の1を超えない場合 |
不動産の現物出資では、税理士等の証明と不動産鑑定士の鑑定評価を組み合わせて検査役の調査を省略するケースが多く見られます。なお、会社の取締役や、現物出資をする本人(募集株式の引受人)はこの証明をすることができません。鑑定評価の結果は、会社法の手続だけでなく、税務上の「時価」を説明する資料としても役立ちます。
所有権移転登記と登録免許税
現物出資で不動産の名義を会社へ移すには、所有権移転登記が必要です。登録免許税は、原則として固定資産課税台帳に登録された価格を課税標準として計算し、土地の売買による移転は1,000分の20(令和11年3月31日までの登記は1,000分の15の軽減税率)、贈与・交換などの「その他」の原因による移転は1,000分の20、建物の売買や「その他」の原因による移転は1,000分の20とされています国税庁 No.7191 登録免許税の税額表。土地の軽減税率は「売買」による移転に設けられたものですので、現物出資による移転にどの税率が適用されるかは、登記の申請前に登記所や司法書士に確認しておくと安心です。不動産取得税など地方税の負担も別途生じますので、移転コスト全体を見積もったうえで判断しましょう。
現物出資と売却のどちらで会社へ移すか、適格要件や法人化全体の損得については、次のコラムも参考になります。
関連コラム個人から法人へアパートを現物出資!適格要件と節税効果を解説▸
現物出資の税負担は、取得費の資料がそろうか、所有期間が5年を超えているか、他の株主がいるか、出資者が消費税の課税事業者か、といった事情の組み合わせで大きく変わります。出資の価額を決めてしまってから税額が分かるのでは手遅れになりやすいため、具体的なケースはまずは税理士にご相談ください。
まとめ
個人が不動産を株式会社に現物出資すると、所得税法上は「譲渡」として扱われ、受け取る株式の時価が譲渡所得の収入金額になります。受け取る株式の時価が不動産の時価の2分の1に満たない場合は不動産の時価で譲渡したものとみなされ、2分の1以上でも同族会社との取引では時価で計算し直される余地があります。100%出資の資産管理会社であれば、株式の時価と不動産の時価は通常近い金額になるため、結果として「不動産の時価で課税される」と考えておくのが実務的です。
計算は通常の不動産売却と同じく、収入金額から取得費と譲渡費用を差し引き、出資した年の1月1日時点の所有期間で長期・短期の税率を当てはめます。あわせて、建物部分の消費税、会社側の受入れ価額、他の株主へのみなし贈与、検査役の調査や登記費用まで含めて全体を設計することが大切です。現金が入らない取引でも納税は発生しますので、資料の確認と資金計画を早めに進めましょう。
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参考文献
- 国税庁 No.3105 譲渡所得の対象となる資産と課税方法
- 国税庁 No.3214 土地建物を売ったときの収入金額に含める金額
- 国税庁 No.3217 時価より低い価額で売ったとき
- 国税庁 法第59条《贈与等の場合の譲渡所得等の特例》関係
- 国税庁 No.3202 譲渡所得の計算のしかた(分離課税)
- 国税庁 No.3252 取得費となるもの
- 国税庁 No.3258 取得費が分からないとき
- 国税庁 No.3270 相続や贈与によって取得した土地・建物の取得費と取得の時期
- 国税庁 No.3255 譲渡費用となるもの
- 国税庁 No.3208 長期譲渡所得の税額の計算
- 国税庁 No.3211 短期譲渡所得の税額の計算
- 国税庁 No.6117 「資産の譲渡等」とは
- 国税庁 No.6201 非課税となる取引
- e-Gov法令検索 消費税法施行令第45条
- 国税庁 第4節 課税仕入れに係る支払対価の額
- e-Gov法令検索 法人税法施行令第8条
- 国税庁 第9条《その他の利益の享受》関係
- e-Gov法令検索 会社法第207条
- 国税庁 No.7191 登録免許税の税額表
不動産の現物出資と譲渡所得のよくある質問まとめ
Q.不動産を自分の会社に現物出資すると所得税はかかりますか?
A.かかります。現物出資は所得税法上の「譲渡」に含まれるため、受け取る株式の時価を収入金額として譲渡所得を計算し、利益が出れば所得税と住民税が課税されます。
Q.現物出資の譲渡所得は不動産の時価で計算されるのですか?
A.原則は受け取る株式の時価が収入金額です。ただし株式の時価が不動産の時価の2分の1未満の場合は、不動産の時価で譲渡したものとみなされます。100%出資の会社では両者が近い金額になるのが通常です。
Q.出資の価額を時価の2分の1以上にしておけば問題ありませんか?
A.必ずしもそうとは限りません。同族会社との取引で所得税の負担を不当に減少させる結果となる場合は、時価で譲渡所得を計算される余地があります。適正な時価での出資が基本です。
Q.現物出資の譲渡所得の税率は何%ですか?
A.出資した年の1月1日で所有期間が5年を超えていれば長期譲渡所得で所得税15%・住民税5%、5年以下なら短期譲渡所得で所得税30%・住民税9%です。別途、所得税額の2.1%の復興特別所得税がかかります。
Q.賃貸建物を現物出資すると消費税もかかりますか?
A.出資者が消費税の課税事業者であれば、建物部分は課税対象になります。対価の額は取得する株式の価額で、土地と建物の価額の割合で按分して建物部分を求めます。土地部分は非課税です。
Q.家族が株主の会社へ安く現物出資するとどうなりますか?
A.時価より著しく低い価額で現物出資をして同族会社の株式の価額が増加すると、他の株主はその増加部分を出資者から贈与により取得したものとして扱われ、贈与税の対象になる可能性があります。


