「親から200万円借りたいけれど、贈与税がかかるのでは?」——結論から申し上げると、返済能力・返済実績からみて本当に貸し借りだと認められる場合、借りたお金そのものに贈与税はかかりません。金額が200万円でも500万円でも1,000万円でも同じです。ただし、無利子だったり「ある時払いの催促なし」だったりすると、その部分が贈与として扱われます国税庁 No.4420 親から金銭を借りた場合。
この記事では、親からの貸付と贈与それぞれの税金の仕組みを比較し、金額別の贈与税額、税務署に贈与と認定されないための借用書の作り方、そして将来の相続税まで見据えるとどちらが有利になるのかを、わかりやすくご説明しますね。
貸付と贈与の基本的な違い
まず、親子間のお金のやり取りにおける「貸付」と「贈与」の基本的な違いから確認しましょう。この二つは似ているようで、税法上の扱いは全く異なります。税務署は形式だけでなく、その実態を見て判断するため、正しく理解しておくことがとても大切です。
貸付(金銭消費貸借契約)とは?
貸付とは、「将来返すことを約束してお金を借りること」を指します。法律的には「金銭消費貸借契約」といいます。親子間であっても、単なる口約束ではなく、きちんと契約書を交わし、実際に返済していくことが重要です。もし契約書がなかったり、返済の実績がなかったりすると、税務署から「それは実質的な贈与ですよね?」と指摘され、贈与税が課せられる可能性があります。
贈与とは?
贈与とは、「返済する必要なく、無償で財産をもらうこと」です。これは、あげる側(贈与者)の「あげます」という意思と、もらう側(受贈者)の「もらいます」という双方の合意によって成立します。贈与された財産には、その金額に応じて贈与税がかかる場合があります国税庁 No.4402 贈与税がかかる場合。
税務署はどう判断する?
国税庁は、親子や祖父母と孫など特殊の関係がある人どうしの金銭の貸借について、「借入金の返済能力や返済状況などからみて、真に金銭の貸借であると認められる場合には、借入金そのものは贈与にならない」としています。実務では、次の4点が客観的な判断材料になります。
- 金銭消費貸借契約書の有無:貸主、借主、金額、返済期間、利息などが明記されているか。
- 返済の事実:実際に契約書通りに返済が行われているか。手渡しではなく、銀行振込などで記録が残っているかが重要です。
- 利息の設定:無利息や市場金利と比べて著しく低い金利ではないか。
- 借主の返済能力:借りた側に返済できるだけの収入や資力があるか。
これらの要件を満たしていないと、「貸付」と主張しても「贈与」と認定され、思わぬ税金がかかってしまうことがあるので注意しましょう。
【金額別】親から200万円・500万円・1,000万円を借りたときの税金
検索でとても多いのが「親から200万円借りると贈与税はいくら?」というご質問です。ここは金額そのものではなく、「貸付として認められるかどうか」で結論が180度変わります。
本当に貸付なら、金額が大きくても贈与税はかからない
贈与税には年間110万円の基礎控除がありますが、これは「もらった財産」に対する枠です。借りたお金は返す義務があるので、そもそも贈与ではなく、110万円を超えていても贈与税の対象にはなりません。200万円でも1,000万円でも、契約書があり、返済能力に見合った返済が実際に続いていれば同じです。
逆に言えば、「200万円だから大丈夫」「少額なら見逃される」という金額の線引きは税法上ありません。大切なのは金額ではなく、貸借の実態です。
もし「贈与」と認定されたら贈与税はいくら?
契約書も返済実績もなく、贈与と認定されてしまった場合の税額を見てみましょう。以下は、18歳以上の子が親から受けた贈与に使う特例税率で計算したものです国税庁 No.4408 贈与税の計算と税率(暦年課税)。
90万円 × 10% = 贈与税9万円
390万円 × 15% − 控除額10万円 = 贈与税48万5千円
890万円 × 30% − 控除額90万円 = 贈与税177万円
| 金額 | 貸付として認められる場合 | 贈与と認定された場合の贈与税 |
|---|---|---|
| 200万円 | 贈与税はかからない | 9万円 |
| 300万円 | 贈与税はかからない | 19万円 |
| 500万円 | 贈与税はかからない | 48万5千円 |
| 1,000万円 | 贈与税はかからない | 177万円 |
(注)その年に他の贈与がない場合の金額です。実務では、贈与税に加えて無申告加算税・延滞税がかかることもあります。
関連コラム贈与税の税率はいくら?一般・特例の速算表と計算例を解説▸
借用書に貼る収入印紙はいくら?
金銭消費貸借契約書(金銭借用証書)は印紙税法上の第1号文書にあたり、契約金額に応じた収入印紙が必要です国税庁 No.7140 印紙税額の一覧表(その1)第1号文書から第4号文書まで。
| 契約金額 | 印紙税額 |
|---|---|
| 10万円を超え50万円以下 | 400円 |
| 50万円を超え100万円以下 | 1,000円 |
| 100万円を超え500万円以下 | 2,000円 |
| 500万円を超え1,000万円以下 | 1万円 |
| 1,000万円を超え5,000万円以下 | 2万円 |
200万円・500万円を借りるなら2,000円、1,000万円なら1万円の印紙が必要です。実務でも「印紙を貼っていない借用書」は形式面で弱く見えてしまうので、忘れずに貼っておきましょう。
相続のご質問、まずは無料相談
税理士法人プライムパートナーズ
無料相談はこちら
これをやると贈与扱いになる3つのNGパターン
親子間の貸付が否認される理由は、だいたい次の3つに集約されます。契約書を作るときの落とし穴でもあるので、順に見ていきましょう。
NG1:無利子で貸す(利息相当額が贈与になる)
国税庁は、借入金が無利子などの場合には「利子に相当する金額の利益を受けたものとして、その利益相当額は贈与として取り扱われる場合がある」としています。つまり、元本そのものは贈与にならなくても、本来払うはずだった利息分だけが贈与とみなされる可能性があるということです。
では利率はどのくらいに設定すればよいのでしょうか。税法に「親子間はこの利率」という決まりはありませんが、民法は利息の定めがない場合の法定利率を年3%(3年ごとに見直される変動制)と定めており、実務ではこれが一つの目安になりますe-Gov法令検索 民法第404条。金額が大きいほど利息相当額も大きくなるため、高額な貸付ほど利息を設定しておく意味があります。
NG2:「ある時払いの催促なし」「出世払い」にする
国税庁は、実質的に贈与であるにもかかわらず形式上貸借としている場合や、「ある時払いの催促なし」「出世払い」というような貸借の場合には、借入金そのものが贈与として取り扱われると明記しています。返済期限を書かない、返済方法を決めない、というのは最も危険なパターンです。契約書には必ず具体的な返済期日と毎回の金額を入れてください。
NG3:返済能力を超える金額を借りる
たとえば年収300万円の方が、35年返済の計画もなく3,000万円を借りるといったケースでは、「返せる見込みがない=実質は贈与」と見られやすくなります。完済時の年齢と、毎月の返済額が手取り収入に対して無理のない範囲かを、契約前に必ず確認しておきましょう。
貸付金にかかる税金
次に、親から「貸付」という形でお金を受け取った場合に、どのような税金が関係してくるのかを見ていきましょう。贈与税はかからないと思われがちですが、注意点があります。
受け取った利息は親の所得になる
子が親に利息を支払うと、その利息は親側の所得になります。個人が事業以外で貸したお金の利子(非営業用貸金の利子)は雑所得として扱われ、他の所得と合算して所得税を計算します国税庁 No.1500 雑所得。親が年金生活者の場合など、確定申告が必要になるケースもあるため、利息を設定するときは受け取る側の申告もセットで考えておくと安心です。
親が亡くなった場合、貸付金はどうなる?
親が亡くなった場合、子どもへの貸付金のうち、まだ返済されていない残額(未返済分)は、「貸付金債権」というプラスの財産として親の相続財産に含まれます。国税庁 No.4105 相続税がかかる財産
つまり、子どもが親から借りていたお金は、親の相続財産の一部となり、相続税の課税対象になるのです。もし子ども自身が相続人であれば、自分が借りている借金も含めた財産全体を相続し、それに対して相続税を支払うことになります。貸付は生前の財産を減らす効果はない、ということを覚えておきましょう。
逆に「子から親へ貸した」場合はどうなる?
親の生活費や事業資金を子が立て替えるケースも実務ではよくあります。この場合、子から親への貸付金は親にとっての借入金(債務)ですので、親が亡くなったときの相続税の計算では、遺産総額から差し引くことができます国税庁 No.4126 相続財産から控除できる債務。
ただし差し引けるのは「被相続人が死亡したときに現に存在した債務で、確実と認められるもの」に限られます。ここでも契約書と振込記録が決め手になりますので、「親のために出したお金」は必ず記録を残しておいてください。なお、子が肩代わりした分を返してもらわないままにすると、親側が債務を免除された利益を受けたとみなされ、贈与税の問題になり得る点にも注意が必要です。
贈与にかかる税金
続いて、「贈与」としてお金を受け取った場合の税金についてです。贈与税にはいくつかの制度があり、うまく活用することで税負担を抑えることが可能です。
贈与税の基礎知識(暦年贈与)
贈与税の最も基本的な仕組みが「暦年贈与」です。これは、1人の人が1月1日から12月31日までの1年間にもらった財産の合計額から、基礎控除額110万円を差し引いた残りの金額に対して贈与税がかかるというものです。
つまり、年間の贈与額が110万円以下であれば贈与税はかからず、申告も不要です。この非課税枠を使い、毎年コツコツと贈与していくことで、将来の相続財産を計画的に減らし、相続税対策につなげることができます。
| 基礎控除後の課税価格 | 税率 | 控除額 |
|---|---|---|
| 200万円以下 | 10% | — |
| 400万円以下 | 15% | 10万円 |
| 600万円以下 | 20% | 30万円 |
| 1,000万円以下 | 30% | 90万円 |
| 1,500万円以下 | 40% | 190万円 |
| 3,000万円以下 | 45% | 265万円 |
| 4,500万円以下 | 50% | 415万円 |
| 4,500万円超 | 55% | 640万円 |
(注)兄弟間・夫婦間の贈与や、受贈者が18歳未満の場合は「一般税率」で計算するため、税率と控除額が変わります。
相続時精算課税制度とは?
「相続時精算課税制度」は、原則として60歳以上の親や祖父母から、18歳以上の子や孫へ贈与する際に選択できる制度です。この制度を選ぶと、合計2,500万円までの贈与には贈与税がかかりません。ただし、贈与した人が亡くなったとき、この制度で贈与した財産は相続財産に加算して相続税を計算する必要があります国税庁 No.4103 相続時精算課税の選択。
2024年(令和6年)1月1日以降の贈与からは、この2,500万円の特別控除とは別に、年間110万円の基礎控除が新設されました。この110万円以下の部分については、贈与税の申告も不要で、将来の相続財産に加算する必要もありません。これにより、以前よりも使いやすい制度になりました。
関連コラム相続時精算課税110万円のデメリット|暦年課税との選び方を解説▸
相続開始前の贈与加算に注意
亡くなる直前に駆け込みで贈与して相続税を不当に免れることを防ぐため、一定期間内に行われた贈与は、相続財産に持ち戻して相続税を計算するというルールがあります。これを「生前贈与加算」といいます。
この加算対象期間は2024年(令和6年)1月1日以後の贈与から順次延長されており、いきなり7年になるわけではなく、相続が発生した時期によって次のように変わります国税庁 No.4161 贈与財産の加算と税額控除(暦年課税)。
| 被相続人の相続開始日 | 加算対象期間 |
|---|---|
| ~令和8年12月31日 | 相続開始前3年以内 |
| 令和9年1月1日~令和12年12月31日 | 令和6年1月1日から死亡の日までの間 |
| 令和13年1月1日~ | 相続開始前7年以内 |
加算対象期間内の贈与は、基礎控除額110万円以下であっても相続財産に加算されます。せっかく暦年贈与で財産を移しても、直前の贈与は相続税対策として効きにくくなるため、贈与は早めに計画的に行うことが重要です。
関連コラム生前贈与加算7年はいつから?相続開始年別の早見表▸
貸付と贈与、どっちが有利?ケース別シミュレーション
では、具体的にどちらの方法が有利になるのでしょうか。いくつかのケースを想定して比較してみましょう。
ケース1:住宅購入資金として3,000万円の援助を受ける場合
【貸付の場合】
3,000万円の借金として、契約書に基づき返済していくことになります。親が亡くなった時点で残っている返済額は、相続財産として相続税の対象となります。
【贈与の場合】
「住宅取得等資金の贈与税の非課税措置」という特例が使える可能性があります。この特例では、贈与を受けた人ごとに省エネ等住宅なら1,000万円まで、それ以外の住宅なら500万円までの住宅取得等資金が非課税になります国税庁 No.4508 直系尊属から住宅取得等資金の贈与を受けた場合の非課税。暦年贈与の110万円と併用することも可能です。
このケースでは、贈与税の特例を最大限活用できる「贈与」の方が、税負担を大きく軽減できる可能性が高く、有利と言えるでしょう。ただし、贈与を受けた年の翌年3月15日までに住宅を取得して居住することなど、要件が細かく定められている点には注意が必要です。
関連コラム住宅取得等資金の贈与の非課税|1000万円・500万円と2026年の期限▸
ケース2:生活費の補填として5年間で合計500万円の援助を受ける場合
【貸付の場合】
500万円の借金となり、親の相続財産は減りません。親が亡くなった時に相続税がかかる可能性があります。
【贈与の場合】
毎年100万円ずつ5年間に分けて贈与を受ければ、暦年贈与の基礎控除(110万円)の範囲内なので、贈与税は一切かかりません。そして、親の財産は確実に500万円減少するため、将来の相続税の節税につながります。ただし、加算対象期間内に相続が発生すると、その分は相続財産に加算される点には注意が必要です。このケースでも、計画的な「贈与」が有利になることが多いです。
親子間の貸付で注意すべきポイント
もし「貸付」を選択する場合には、税務署から「贈与」とみなされないために、以下のポイントを必ず守るようにしてください。
金銭消費貸借契約書に必ず書く7つの項目
口約束は絶対に避け、正式な契約書を作成しましょう。親子間だからと簡略化せず、金融機関の契約書と同じレベルの内容にしておくのが安全です。最低限、次の7項目は必ず記載してください。
- 貸主・借主の氏名と住所(それぞれ自署・押印する)
- 契約日と実際にお金を渡した日
- 貸付金額(数字の改ざんを防ぐため漢数字での記載が一般的)
- 返済期日または返済期間(「ある時払い」は絶対に避ける)
- 返済方法(毎月○日に○円を指定口座へ振込、など具体的に)
- 利率(無利息にする場合も、その旨と理由を明記しておく)
- 遅延損害金や期限の利益喪失の定め
作成した契約書は貸主・借主が1通ずつ保管し、契約金額に応じた収入印紙を貼付します。
関連コラム親からの借入で贈与税!?契約書など必要な書類を分かりやすく解説▸
実際に返済し、記録を残す
契約書通りに、毎月きちんと返済を続けることが最も重要です。返済の証拠を残すため、手渡しではなく、必ず銀行振込を利用しましょう。通帳に「〇〇(子)から〇〇(親)へ」という記録が残ることで、客観的な証拠となります。実務で否認されるケースの多くは、契約書はあるのに「振込の履歴が数か月で途切れている」というパターンです。
無利息や低すぎる金利は避ける
前述の通り、無利息の貸付は利息相当額が贈与とみなされる場合があります。特に高額な貸付の場合は、トラブルを避けるためにも、民法の法定利率(年3%)などを参考に、実態に合った利息を設定しておくと安心です。設定した利息は、契約書に書くだけでなく、元本と一緒に実際に支払うところまでセットで行ってください。
まとめ
親からの資金援助において、「貸付」と「贈与」のどちらが有利かは、その目的、金額、ご家庭の資産状況によって異なります。それぞれのメリット・デメリットをしっかり理解して、最適な方法を選びましょう。
| 貸 付 | |
|---|---|
| メリット | ・贈与税がかからない(適正な契約・返済が前提) ・金額の上限がなく、一度に多額の資金を動かせる |
| デメリット | ・相続財産が減らないため、相続税対策にはならない ・契約書の作成や返済の手間がかかる ・贈与とみなされるリスクがある |
| 贈 与 | |
| メリット | ・暦年贈与(年間110万円)の非課税枠が使える ・計画的に行うことで相続財産を減らせる(相続税対策) ・住宅取得等資金など各種特例を使える場合がある |
| デメリット | ・非課税枠を超えると贈与税がかかる ・加算対象期間内の贈与は相続財産に加算される ・一度に多額の資金を非課税で動かすのは難しい |
結論として、将来の相続税まで考慮すると、多くの場合で非課税枠や特例をうまく活用した「贈与」の方が有利になることが多いと言えます。一方で、住宅購入のようにまとまった資金がすぐに必要な場面では、契約書と返済実績をきちんと整えた「貸付」が現実的な選択になることもあります。
税務判断は個別性が高く、同じ金額でもご家庭の資産状況によって最適解は変わります。具体的なケースは税理士へのご相談をおすすめします。
お問い合わせはこちらこの記事を読んだ方へ
Gift Tax 贈与税申告の料金を確認する 暦年課税・相続時精算課税の申告に対応。料金表を掲載しています。 贈与税申告の料金を見る
Prime Souzoku Club
生前対策は、プライム相続クラブで早めに
相続税の試算や対策の相談を、継続して受けられる会員サービスです。
相続クラブを見る
参考文献
- 国税庁 No.4420 親から金銭を借りた場合
- 国税庁 No.4402 贈与税がかかる場合
- 国税庁 No.4408 贈与税の計算と税率(暦年課税)
- 国税庁 No.7140 印紙税額の一覧表(その1)第1号文書から第4号文書まで
- 国税庁 No.1500 雑所得
- 国税庁 No.4105 相続税がかかる財産
- 国税庁 No.4126 相続財産から控除できる債務
- 国税庁 No.4103 相続時精算課税の選択
- 国税庁 No.4161 贈与財産の加算と税額控除(暦年課税)
- 国税庁 No.4508 直系尊属から住宅取得等資金の贈与を受けた場合の非課税
- e-Gov法令検索 民法第404条
親からの貸付と贈与に関するよくある質問まとめ
Q.親から200万円借りると贈与税はかかりますか?
A.返済能力や返済状況からみて本当に金銭の貸借だと認められる場合は、200万円を借りたこと自体に贈与税はかかりません。贈与税の110万円の基礎控除は「もらった財産」に対する枠であり、返す義務のある借入金はそもそも贈与にあたらないためです。ただし契約書も返済実績もない場合は贈与と認定され、特例税率では9万円の贈与税がかかります。
Q.親から500万円・1,000万円を借りた場合の贈与税はいくらですか?
A.貸付として認められれば贈与税はかかりません。仮に贈与と認定された場合、18歳以上の子が親から受けた贈与に使う特例税率では、500万円なら48万5千円、1,000万円なら177万円の贈与税がかかります(その年に他の贈与がない場合)。
Q.親からの貸付が「贈与」と見なされないためには、何に注意すればいいですか?
A.贈与と認定されないためには、①金銭消費貸借契約書(借用書)を作成する、②返済能力に見合った返済計画を立てる、③実際に定期的に返済した記録を銀行振込で残す、④適正な利息を設定する、といった客観的な証拠が重要です。
Q.親子間の借入を無利子にしても大丈夫ですか?
A.国税庁は、借入金が無利子などの場合には利子に相当する金額の利益を受けたものとして、その利益相当額が贈与として取り扱われる場合があるとしています。元本そのものが贈与になるわけではありませんが、金額が大きいほど利息相当額も大きくなるため、民法の法定利率(年3%)などを参考に利息を設定するのが安全です。
Q.「ある時払いの催促なし」の借入はどう扱われますか?
A.国税庁は、実質的に贈与であるにもかかわらず形式上貸借としている場合や「ある時払いの催促なし」「出世払い」というような貸借の場合には、借入金そのものが贈与として取り扱われるとしています。返済期日と返済方法を必ず契約書に明記してください。
Q.借用書には収入印紙が必要ですか?
A.金銭消費貸借契約書は印紙税法上の第1号文書にあたり、契約金額に応じた収入印紙が必要です。100万円を超え500万円以下なら2,000円、500万円を超え1,000万円以下なら1万円です。
Q.親から借りたお金を返済中に親が亡くなった場合、その借金はどうなりますか?
A.親からの借金(貸付金)は親の「相続財産」として扱われ、相続税の課税対象となります。借金の残額は、相続人が引き継ぐ債権となり、基本的にはその相続人に返済を続けることになります。
Q.逆に子が親にお金を貸していた場合、相続税はどうなりますか?
A.子から親への貸付金は親にとっての債務ですので、親が亡くなったときの相続税の計算では遺産総額から差し引くことができます。ただし差し引けるのは、死亡したときに現に存在した債務で確実と認められるものに限られるため、契約書と振込記録を残しておくことが大切です。
Q.高額な資金援助を受けたい場合、年間110万円の非課税枠以外に使える制度はありますか?
A.はい、「相続時精算課税制度」や、住宅購入資金のための「住宅取得等資金の贈与税の非課税措置」(省エネ等住宅は1,000万円、それ以外は500万円)、教育資金のための「教育資金の一括贈与に係る贈与税の非課税措置」など、特定の目的や条件を満たす場合に利用できる特例制度があります。


