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贈与税の税率はいくら?一般・特例の速算表と計算例を解説

目次
  1. 贈与税の税率の基本構造
  2. 超過累進課税と速算表の控除額
  3. 一般税率と特例税率の適用区分
  4. 贈与税の速算表
  5. 一般贈与財産用の速算表
  6. 特例贈与財産用の速算表
  7. 贈与税額の計算手順
  8. 贈与額別の贈与税額の計算例
  9. 300万円の贈与を受けた場合
  10. 500万円の贈与を受けた場合
  11. 1,000万円の贈与を受けた場合
  12. 3,000万円の贈与を受けた場合
  13. 一般贈与財産と特例贈与財産が混在する場合
  14. 相続時精算課税を選んだ場合の税率
  15. 相続税の税率との比較
  16. まとめ
  17. 参考文献
  18. 贈与税の税率のよくある質問まとめ

「まとまったお金を子どもに渡したいけれど、贈与税がいくらかかるのか見当がつかない」と不安に感じる方は少なくありません。贈与税は税率の刻みが細かく、しかも誰から誰への贈与かによって使う税率表が変わるため、金額だけを見ても税額を思い浮かべにくい税金です。

結論からお伝えすると、暦年課税の贈与税の税率は10%から55%までの8段階で、1年間に受け取った財産の合計額から基礎控除額110万円を差し引いた金額に対してかかります。この記事では、一般税率と特例税率の速算表の数値をすべて示したうえで、300万円から3,000万円までの贈与について、途中式を省略せずに税額を計算していきます。

贈与税の税率の基本構造

贈与税の課税方法には暦年課税と相続時精算課税の2つがあり、何も手続きをしなければ暦年課税が適用されます。暦年課税では、その年の1月1日から12月31日までの1年間に贈与によりもらった財産の価額を合計し、そこから暦年課税に係る基礎控除額110万円を差し引いた残りの額に税率を乗じます。国税庁 No.4402 贈与税がかかる場合

この税率は一律ではなく、金額が大きくなるほど段階的に高くなる仕組みです。さらに、税率表そのものが一般贈与財産用(一般税率)と特例贈与財産用(特例税率)の2種類に分かれており、同じ金額の贈与でもどちらを使うかで税額が変わります。国税庁 No.4408 贈与税の計算と税率(暦年課税)

超過累進課税と速算表の控除額

贈与税は超過累進課税です。法律上は、基礎控除後の課税価格をいくつかの金額帯に区分し、それぞれの帯に対応する税率を乗じた金額を合計して税額を出すと定められています。e-Gov法令検索 相続税法第21条の7

つまり、400万円の贈与を受けたからといって、400万円全体にいきなり高い税率がかかるわけではありません。低い金額帯には低い税率、それを超えた部分にだけ高い税率がかかります。ただし帯ごとに計算していくのは手間がかかるため、実務では国税庁が公表している速算表を使います。

速算表に載っている「控除額」は、割引や特典ではなく、この段階ごとの計算を1回の掛け算に置き換えるための調整額です。基礎控除後の課税価格に税率を乗じ、そこから控除額を引くだけで、段階計算をした場合と同じ税額になるように設計されています。

一般税率と特例税率の適用区分

どちらの速算表を使うかは、贈与者と受贈者の関係と受贈者の年齢で決まります。特例税率を使えるのは、贈与を受けた年の1月1日において18歳以上の人が、直系尊属(父母や祖父母など)から贈与により取得した財産です。それ以外はすべて一般税率になります。

間違えやすいのは、配偶者の親から受けた贈与です。義父や義母は自分の直系尊属ではないため、特例税率は使えません。また、親から子への贈与であっても、その年の1月1日時点で子が18歳未満であれば一般税率です。なお、令和4年3月31日以前の贈与については「18歳」は「20歳」と読み替えます。

贈与の例 適用する税率
父から18歳以上の子への贈与 特例税率
祖父から18歳以上の孫への贈与 特例税率
父から18歳未満の子への贈与 一般税率
夫から妻への贈与 一般税率
兄から弟への贈与 一般税率
配偶者の父から受けた贈与 一般税率

基礎控除額110万円は、贈与をした人ごとではなく贈与を受けた人ごとに1年間で110万円です。父から100万円、母から100万円を同じ年に受け取った場合、合計200万円から差し引けるのは110万円だけで、残る90万円に税率がかかります。国税庁 No.4410 複数の人から贈与を受けたとき

関連コラム暦年贈与とは?110万円の非課税枠と7年加算の注意点▸

贈与税の速算表

ここからが本題の税率表です。速算表は基礎控除額110万円を差し引いた後の金額を当てはめて使います。贈与を受けた金額そのものを当てはめると税率の段が1つずれてしまうことがあるため、この点は必ず確認してください。

一般贈与財産用の速算表

特例贈与財産に該当しないすべての贈与に使う表です。夫婦間の贈与、兄弟間の贈与、親から18歳未満の子への贈与などが該当します。

基礎控除後の
課税価格
税率と控除額
200万円以下 税率10%/控除額なし
300万円以下 税率15%/控除額10万円
400万円以下 税率20%/控除額25万円
600万円以下 税率30%/控除額65万円
1,000万円以下 税率40%/控除額125万円
1,500万円以下 税率45%/控除額175万円
3,000万円以下 税率50%/控除額250万円
3,000万円超 税率55%/控除額400万円

特例贈与財産用の速算表

18歳以上の子や孫が、父母や祖父母などの直系尊属から贈与を受けた場合に使う表です。一般税率と比べて、同じ金額でも税率が低く、控除額が大きく設定されています。

基礎控除後の
課税価格
税率と控除額
200万円以下 税率10%/控除額なし
400万円以下 税率15%/控除額10万円
600万円以下 税率20%/控除額30万円
1,000万円以下 税率30%/控除額90万円
1,500万円以下 税率40%/控除額190万円
3,000万円以下 税率45%/控除額265万円
4,500万円以下 税率50%/控除額415万円
4,500万円超 税率55%/控除額640万円

2つの表を見比べると、金額帯の区切りそのものが違うことに気づきます。一般税率は3,000万円超で最高税率55%に達しますが、特例税率は4,500万円超まで55%になりません。高額の贈与ほど、特例税率が使えるかどうかで税額の差が大きく開くのはこのためです。

贈与税額の計算手順

贈与税額は、次の3つの段階で計算します。順番を守ることが正確な税額を出す近道です。

  • その年に贈与によりもらった財産の価額を合計して課税価格を出します
  • 課税価格から基礎控除額110万円を差し引きます
  • 残った金額を速算表に当てはめ、税率を乗じて控除額を差し引きます

たとえば、22歳の子が父から500万円の贈与を受けた場合を考えます。18歳以上の子が直系尊属から受けた贈与なので、特例税率を使います。

贈与財産の合計額500万円 − 基礎控除額110万円 = 基礎控除後の課税価格390万円
基礎控除後の課税価格390万円 × 特例税率15% − 控除額10万円 = 贈与税額48.5万円

同じ500万円でも、これが夫から妻への贈与であれば一般税率を使うことになり、税額は次のように変わります。

基礎控除後の課税価格390万円 × 一般税率20% − 控除額25万円 = 贈与税額53万円

贈与税がかかる場合は、財産をもらった人が、贈与を受けた年の翌年2月1日から3月15日までの間に申告と納税をする必要があります。実務では、税額の計算そのものよりも申告期限を過ぎてしまうご相談のほうが多い印象です。

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贈与額別の贈与税額の計算例

ここからは代表的な金額について、一般税率と特例税率の両方で税額を計算します。いずれも1年間にその金額だけを贈与で受け取ったケースです。

300万円の贈与を受けた場合

300万円 − 110万円 = 190万円
190万円 × 一般税率10% = 贈与税額19万円
190万円 × 特例税率10% = 贈与税額19万円

基礎控除後の課税価格が200万円以下の場合は、一般税率も特例税率も10%で控除額がないため、税額は同じになります。310万円までの贈与であれば、どちらの表を使っても税額は変わりません。

500万円の贈与を受けた場合

500万円 − 110万円 = 390万円
390万円 × 一般税率20% − 控除額25万円 = 贈与税額53万円
390万円 × 特例税率15% − 控除額10万円 = 贈与税額48.5万円

差額は4.5万円です。この水準ではまだ大きな差にはなりません。

1,000万円の贈与を受けた場合

1,000万円 − 110万円 = 890万円
890万円 × 一般税率40% − 控除額125万円 = 贈与税額231万円
890万円 × 特例税率30% − 控除額90万円 = 贈与税額177万円

差額は54万円まで広がります。一般税率では税率が40%の段に入るのに対し、特例税率では30%の段にとどまるためです。

3,000万円の贈与を受けた場合

3,000万円 − 110万円 = 2,890万円
2,890万円 × 一般税率50% − 控除額250万円 = 贈与税額1,195万円
2,890万円 × 特例税率45% − 控除額265万円 = 贈与税額1,035.5万円

差額は159.5万円です。一般税率の場合、受け取った3,000万円のうち約4割が贈与税として出ていく計算になります。

贈与を受けた金額 贈与税額
(一般税率/特例税率)
300万円 19万円/19万円
500万円 53万円/48.5万円
1,000万円 231万円/177万円
3,000万円 1,195万円/1,035.5万円

実務でよくお伝えするのは、1回の贈与額を大きくするほど1円あたりの税負担が重くなるという点です。3,000万円を一度に渡すと1,000万円前後の贈与税がかかりますが、金額と年数を分けて渡せば負担はまったく違ってきます。

一般贈与財産と特例贈与財産が混在する場合

同じ年に、直系尊属からの贈与と、それ以外からの贈与を両方受けることもあります。たとえば18歳以上の方が、自分の父と配偶者の両方から贈与を受けたようなケースです。この場合は2つの税率表を按分して使います。

手順は、まず全額を一般贈与財産として計算した税額のうち一般贈与財産に対応する部分を求め、次に全額を特例贈与財産として計算した税額のうち特例贈与財産に対応する部分を求め、最後に両者を合計するという流れです。一般贈与財産が100万円、特例贈与財産が400万円のケースで確認します。

はじめに、合計額500万円をすべて一般贈与財産とみなして税額を計算し、一般贈与財産の割合をかけます。

一般贈与財産100万円 + 特例贈与財産400万円 = 合計500万円
500万円 − 110万円 = 390万円
390万円 × 一般税率20% − 控除額25万円 = 53万円
53万円 × 100万円 ÷ 500万円 = 一般贈与財産に対応する税額10.6万円

次に、同じ合計額500万円をすべて特例贈与財産とみなして税額を計算し、特例贈与財産の割合をかけます。

500万円 − 110万円 = 390万円
390万円 × 特例税率15% − 控除額10万円 = 48.5万円
48.5万円 × 400万円 ÷ 500万円 = 特例贈与財産に対応する税額38.8万円

最後に、2つの税額を合計したものが納付すべき贈与税額です。

一般贈与財産の税額10.6万円 + 特例贈与財産の税額38.8万円 = 贈与税額49.4万円

ここで注意したいのは、基礎控除額110万円をそれぞれの贈与から二重に引かないことです。基礎控除は合計額から1回だけ差し引きます。この点を誤ると税額が大きくずれるため、申告書を作る際は必ず合計額から出発してください。

関連コラム贈与税の申告手続き|期限と必要書類・e-Taxでの提出方法▸

相続時精算課税を選んだ場合の税率

もう一つの課税方法である相続時精算課税を選択すると、税率の考え方が根本から変わります。原則として60歳以上の父母または祖父母などから、18歳以上の子または孫などへの贈与について選択でき、贈与者ごとに選ぶ制度です。国税庁 No.4103 相続時精算課税の選択

この制度では、贈与者ごとに1年間の課税価格から相続時精算課税に係る基礎控除額110万円を控除し、さらに特別控除額(限度額2,500万円)を控除した後の金額に、一律20%の税率を乗じて贈与税額を計算します。速算表のような段階的な税率は使いません。

父から3年続けて1,000万円ずつ贈与を受け、初年度に相続時精算課税を選択した場合の計算を追ってみます。国税庁 No.4409 贈与税の計算(相続時精算課税の選択をした場合)

1年目 1,000万円 − 基礎控除額110万円 − 特別控除額890万円 = 0円
2年目に繰り越される特別控除額 2,500万円 − 890万円 = 1,610万円
2年目 1,000万円 − 基礎控除額110万円 − 特別控除額890万円 = 0円
3年目に繰り越される特別控除額 1,610万円 − 890万円 = 720万円
3年目 1,000万円 − 基礎控除額110万円 − 特別控除額720万円 = 170万円
170万円 × 20% = 贈与税額34万円

暦年課税なら1,000万円の贈与に177万円(特例税率)の贈与税がかかるところ、相続時精算課税では3年間の合計でも34万円で済みます。ただし相続時精算課税は、贈与者が亡くなったときに贈与財産を相続税の課税価格に加算して精算する制度であり、一度選択すると同じ贈与者からの贈与について暦年課税には戻せません。目先の贈与税だけで判断しないことが大切です。

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相続税の税率との比較

「贈与税は高い」と言われるのは、相続税と比べて同じ金額での税率が高く設定されているためです。相続税の税率も10%から55%の8段階ですが、税率を乗じる対象が異なります。相続税は、正味の遺産額から基礎控除額を差し引いた課税遺産総額を法定相続分で按分した金額に税率を乗じます。国税庁 No.4155 相続税の税率

相続税では、法定相続分に応ずる取得金額が1,000万円以下なら10%、3,000万円以下なら15%、5,000万円以下なら20%です。一方の贈与税は、基礎控除後の課税価格が1,000万円以下の段ですでに特例税率で30%、一般税率では40%に達します。1回あたりの金額が同じなら、贈与税のほうが明らかに重いという設計になっています。

それでも生前贈与に意味があるのは、贈与税が1年ごと・受け取る人ごとに課税される税金だからです。相続税は財産全体に対して一度きり課税されますが、贈与は年数と人数に分けることができます。基礎控除額110万円の範囲内で長期間続ければ、贈与税をかけずに財産を移すこともできます。

ただし、相続や遺贈で財産を取得した人が被相続人から加算対象期間内に暦年課税の贈与を受けていた場合、その財産は相続税の課税価格に加算されます。令和6年1月1日以後の贈与については、加算対象期間が相続開始前7年以内へと順次延びていきます。国税庁 No.4161 贈与財産の加算と税額控除(暦年課税)

そのため、実務では「贈与税の税率が何%か」だけでなく、将来の相続税の税率と見比べてどこまで贈与するかを考えます。相続税の適用税率が30%になる見込みの方であれば、贈与税を10%から15%支払ってでも早めに移したほうが、家族全体の税負担は軽くなることがあります。

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まとめ

暦年課税の贈与税の税率は10%から55%の8段階で、一般贈与財産用と特例贈与財産用の2つの速算表があります。18歳以上の人が父母や祖父母などの直系尊属から受けた贈与だけが特例税率の対象で、それ以外はすべて一般税率です。

計算は、その年の贈与財産を合計し、基礎控除額110万円を差し引き、残った金額を速算表に当てはめるという3段階で進めます。500万円の贈与なら特例税率で48.5万円、一般税率で53万円、1,000万円なら特例税率で177万円、一般税率で231万円です。金額が大きくなるほど、どちらの税率を使うかによる差も広がります。

また、相続時精算課税を選択すれば税率は一律20%になり、基礎控除額110万円と特別控除額2,500万円を差し引いた後の金額にだけ課税されます。ただし一度選択すると暦年課税には戻せず、贈与財産は相続時に精算されます。どの方法が有利かは、財産の総額や家族構成、贈与できる年数によって変わります。具体的なケースは税理士へのご相談をおすすめします。

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参考文献

贈与税の税率のよくある質問まとめ

Q.贈与税の税率は何%からですか。

A.暦年課税の贈与税の税率は10%から55%までの8段階です。1年間に贈与でもらった財産の合計額から基礎控除額110万円を差し引いた後の金額が200万円以下であれば10%で、金額が大きくなるほど段階的に高くなります。

Q.一般税率と特例税率の違いは何ですか。

A.贈与を受けた年の1月1日において18歳以上の人が、父母や祖父母などの直系尊属から受けた贈与には特例税率を使います。それ以外の贈与、たとえば夫婦間や兄弟間の贈与、配偶者の親からの贈与、18歳未満の子への贈与には一般税率を使います。

Q.500万円の贈与にかかる贈与税はいくらですか。

A.基礎控除額110万円を差し引いた390万円が課税価格です。特例税率なら390万円に15%を乗じて控除額10万円を引き48.5万円、一般税率なら390万円に20%を乗じて控除額25万円を引き53万円になります。

Q.1,000万円の贈与にかかる贈与税はいくらですか。

A.基礎控除額110万円を差し引いた890万円が課税価格です。特例税率なら890万円に30%を乗じて控除額90万円を引き177万円、一般税率なら890万円に40%を乗じて控除額125万円を引き231万円になります。

Q.速算表の控除額とは何ですか。

A.贈与税は金額帯ごとに異なる税率を乗じて合計する超過累進課税ですが、その段階計算を1回の掛け算で済ませるための調整額が控除額です。控除額を引くことで、段階ごとに計算した場合と同じ税額になります。

Q.相続時精算課税の税率は何%ですか。

A.一律20%です。贈与者ごとに1年間の課税価格から基礎控除額110万円と特別控除額2,500万円を差し引いた残額に対して20%の税率を乗じます。速算表のような段階的な税率は使いません。

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本記事は正確な情報提供を心掛けておりますが、執筆時点の情報に基づいているため、法改正や人的ミス、個別のケースにより適用が異なる可能性があります。最新の情報や具体的なご相談については、お気軽に弊法人の税理士までお問い合わせください。