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法人税 延滞税 税率|令和8年は年2.8%と9.1%・計算方法を税理士が解説

目次
  1. 結論:法人税の延滞税の税率(割合)は年2.8%と年9.1%(令和8年)
  2. 法人税の延滞税とは?かかる場面と「本税だけが対象」という原則
  3. 法人税の納期限はいつか
  4. 「法定納期限」と「納期限」は別物
  5. 法人税の延滞税の計算方法(計算例つき)
  6. 計算例:3月決算・本税300万円・6か月遅れて納付した場合
  7. 利子税との違い|割合も損金算入も異なる
  8. 加算税との違い|延滞税は「利息」、加算税は「ペナルティ」
  9. 延滞税の負担を軽くできる場合
  10. 計算期間の特例(1年ルール)
  11. 猶予制度(換価の猶予・納税の猶予)
  12. まとめ
  13. 参考文献
  14. よくある質問
  15. 法人税の延滞税の税率は法人税の種類や会社の規模で変わりますか?
  16. 延滞税がいくらになるか、納付前に自分で確認できますか?
  17. 延滞税は経費(損金)になりますか?
  18. 納付が遅れそうです。先に申告だけしておくべきですか?

この記事は、法人税を納期限までに納められなかった会社・納め忘れに気づいた経理担当の方に向けたものです。まず結論からお伝えしますね。法人税の延滞税の割合は、令和8年(2026年)中の期間は、納期限の翌日から2か月を経過する日までが年2.8%、それを過ぎた期間は年9.1%です国税庁 延滞税の割合。

延滞税に「法人税だけの特別な税率」はありません。所得税や消費税と同じ国税共通のルールで計算されます。ただし法人税には申告期限の延長の特例があり、そこで出てくる「利子税」は延滞税と割合も損金算入の扱いも違います。ここを取り違えて決算書の処理を誤る会社が実務では少なくありません。この記事では、割合の一覧・計算のしかた・利子税や加算税との違い・負担を軽くする方法までを順番にご説明しますね。

結論:法人税の延滞税の税率(割合)は年2.8%と年9.1%(令和8年)

延滞税の割合は、法律上の本則(年7.3%・年14.6%)と、市中金利に連動する「延滞税特例基準割合」を使った特例のうち、低いほうが適用されます。近年はずっと特例のほうが低いため、実際に使うのは下表の右側の数字です。

期間の区分 法律上の
本則の割合
令和8年
(2026年)
令和4年〜
令和7年
納期限の翌日から2か月を経過する日まで 年7.3% 年2.8% 年2.4%
納期限の翌日から2か月を経過した日以後 年14.6% 年9.1% 年8.7%

令和7年までの年2.4%/年8.7%から、令和8年は年2.8%/年9.1%へ引き上げられています。延滞税特例基準割合は前年11月30日までに財務大臣が告示する金利をもとに毎年決まるため、年をまたいで滞納している場合は、年ごとに違う割合で区切って計算する点にご注意ください。

なお、ここでいう「税率」は法人税そのものの税率(資本金1億円以下の中小法人の年800万円超の部分は23.2%など)とはまったく別のものです国税庁 No.5759 法人税の税率。延滞税は本来納めるべき税額に対して、納付が遅れた日数分だけ上乗せされる利息に相当するものです。

法人税の延滞税とは?かかる場面と「本税だけが対象」という原則

延滞税は、税金が定められた期限までに納付されない場合に、法定納期限の翌日から納付する日までの日数に応じて自動的に課されるものです。税務署から「課します」という処分があって初めて発生するのではなく、遅れた時点で当然に発生します。具体的には次の3つの場面です国税庁 No.9205 延滞税について。

  • 申告などで確定した税額を法定納期限までに完納しないとき
  • 期限後申告書または修正申告書を提出した場合で、納付しなければならない税額があるとき
  • 更正または決定の処分を受けた場合で、納付しなければならない税額があるとき

もう一つ押さえておきたいのが、延滞税は本税だけを対象として課され、加算税などには課されないという点です。つまり「無申告加算税にさらに延滞税が乗る」という二重の上乗せは起きません。ここは経理の方が不安に思われやすいところなので、覚えておくと安心です。

法人税の納期限はいつか

法人税の確定申告書の提出期限と納付期限は、原則として各事業年度終了の日の翌日から2か月以内ですe-Gov法令検索 法人税法。3月決算の会社なら5月31日、9月決算の会社なら11月30日が目安になります。

実務で見落とされやすいのが、その日が日曜日・祝日などにあたるときは翌日が期限になるというルールですe-Gov法令検索 国税通則法。たとえば令和8年5月31日は日曜日なので、3月決算法人の法定納期限は令和8年6月1日(月)になります。延滞税の日数は1日単位で効いてくるため、起算日を1日間違えると金額も合わなくなります。

「法定納期限」と「納期限」は別物

延滞税の計算では、似た言葉が2つ出てきます。計算の起算日になるのは「法定納期限の翌日」ですが、割合が年2.8%から年9.1%へ切り替わる基準になるのは「納期限」で、これは次のように決まります国税庁 延滞税の計算方法。

期限内に申告した場合 法定納期限(事業年度終了の日の翌日から2か月以内の日)
期限後申告・修正申告の場合 申告書を提出した日
更正・決定の場合 更正決定等通知書を発した日から1か月後の日

つまり期限後申告や修正申告では、申告書を出した日が「納期限」になります。そこから2か月以内に納めれば、高いほうの年9.1%は適用されません。逆に言えば、申告書を出しただけで納付を後回しにすると、2か月を過ぎた日から一気に割合が上がります。

関連コラム期限後申告の延滞税はいつから|起算日と割合・加算税を税理士が解説▸

法人税の延滞税の計算方法(計算例つき)

延滞税の基本の計算式は次のとおりです。割合の違う期間に分けて、それぞれ計算して合計します。

延滞税額 = 本税の額 × 延滞税の割合 × 滞納日数 ÷ 365日

ここで使う「本税の額」は、1万円未満の端数を切り捨てた金額です。また、計算した延滞税額は100円未満を切り捨て、全額が1,000円未満のときはその全額を切り捨てるため納付は不要になります。

計算例:3月決算・本税300万円・6か月遅れて納付した場合

次の前提で、実際に計算してみますね。

  • 3月決算法人(令和8年3月期)/期限内に申告済み
  • 法定納期限:令和8年6月1日(5月31日が日曜日のため翌日)
  • 法人税の本税:300万円
  • 完納した日:令和8年12月1日

まず期間を2つに分けます。延滞税の起算日は納期限の翌日(令和8年6月2日)、割合が切り替わるのは納期限の翌日から2か月を経過する日(令和8年8月1日)です。

令和8年6月2日 〜 令和8年8月1日 = 61日(年2.8%の期間)
令和8年8月2日 〜 令和8年12月1日 = 122日(年9.1%の期間)

それぞれに割合を当てはめます。

300万円 × 年2.8% × 61日 ÷ 365日 = 14,038円
300万円 × 年9.1% × 122日 ÷ 365日 = 91,249円
14,038円 + 91,249円 = 105,287円
105,287円 − 100円未満の端数87円 = 105,200円(納付する延滞税)

この例では6か月の遅れで約10万5千円です。前半2か月(年2.8%)が14,038円なのに対し、後半4か月(年9.1%)は91,249円と6倍以上になっています。実務でまずお伝えするのは「資金繰りが苦しくても、納期限から2か月以内に一部でも入れると負担がまったく変わる」ということです。全額が難しくても、先に一部を納付すれば、その分だけ後の高い割合の対象が減ります。

関連コラム所得税の延滞税計算ツール|国税庁の使い方と手計算を税理士が解説▸

利子税との違い|割合も損金算入も異なる

法人税では、定款の定めなどにより事業年度終了の日の翌日から2か月以内に定時株主総会が招集されない常況にある場合、申請により確定申告書の提出期限を延長できます国税庁 C1-17 定款の定め等による申告期限の延長の特例の申請。この延長期間に対応して課されるのが利子税です。遅れたことへの上乗せである延滞税とは、性格からして別物です。

利子税の割合も市中金利に連動しており、令和8年中の期間は年1.3%です(令和4年〜令和7年は年0.9%)。同じ期間の延滞税(年2.8%/年9.1%)と比べると、ずいぶん低い水準ですね。

種類 性格 令和8年の割合 法人税の計算上の
損金算入
延滞税 納付が遅れたことに対する利息相当 年2.8%/年9.1% 損金不算入
加算税(無申告・過少申告・重加算税など) 申告義務を果たさなかったことへの制裁 税額に対する一定の割合 損金不算入
利子税 認められた延長期間に対する利息相当 年1.3% 損金算入できる

各種加算税・加算金、延滞税および延滞金、罰金・科料などは損金の額に算入されません。一方で国税の利子税は損金の額に算入でき、その時期は納付した事業年度です(その事業年度の期間に対応する未納額を損金経理により未払金に計上したときは、その損金経理をした事業年度)国税庁 No.5300 租税公課等の損金算入の可否と租税の損金算入時期。

実務で多いのは、延滞税と利子税をまとめて「租税公課」に計上したまま、別表四で加算し忘れるという誤りです。申告期限の延長を受けている会社は利子税と延滞税が両方出てくることがあるため、納付書や納税証明書で内訳を確認し、損金不算入分だけを加算する必要があります。金額が小さいうちは見逃されがちですが、税務調査で指摘されると過少申告加算税と延滞税が追加で発生します。

なお、申告期限を延長しても納付期限そのものは延びません。延長した期間には利子税がかかるため、見込納付(概算での前倒し納付)を行って利子税を抑えるのが一般的な対応です。

加算税との違い|延滞税は「利息」、加算税は「ペナルティ」

延滞税と加算税は混同されやすいのですが、役割がはっきり分かれています。

延滞税 納付が遅れた日数に応じてかかる。期限内に申告していても、納付が遅れれば発生する
加算税 申告しなかった・申告額が少なかったという申告の内容に対してかかる。納付が期限内でも、申告に問題があれば発生する

したがって「申告は期限内、納付だけ遅れた」場合は延滞税だけ、「期限後に申告して同時に納付した」場合は無申告加算税と延滞税の両方、という組み合わせになります。前述のとおり延滞税は本税だけが対象なので、加算税の額に対して延滞税が重ねてかかることはありません。

関連コラム無申告加算税 法人税|税率・計算と免除される場合を税理士が解説▸

延滞税の負担を軽くできる場合

計算期間の特例(1年ルール)

偽りその他不正の行為により国税を免れた場合等を除き、次のケースでは一定の期間が延滞税の計算期間から除かれます。

  • 期限内申告書が提出されていて、法定申告期限後1年を経過してから修正申告または更正があったとき
  • 期限後申告書が提出されていて、その申告書提出後1年を経過してから修正申告または更正があったとき
  • 確定申告書を提出した後に減額更正がされ、その後さらに修正申告または更正があったとき(平成29年1月1日以後に法定納期限が到来する国税について適用)

数年前の事業年度について修正申告をしたのに、届いた延滞税の額が思ったより小さい、ということがあります。その多くはこの特例が効いているためです。ただし重加算税が課された場合はこの特例の対象外で、法定納期限の翌日から全期間について延滞税が計算されます。ここが重加算税の実質的な重さにつながっています。

関連コラム修正申告の延滞税納付書はいつ届く?届いた後の対応を税理士が解説▸

猶予制度(換価の猶予・納税の猶予)

国税を一時に納付することが困難な理由がある場合は、税務署に申請することで財産の換価(売却)や差押えなどの猶予が認められることがあり、猶予期間中の延滞税が免除または軽減されます国税庁 No.9206 国税を期限内に納付できないとき。会社の場合、実務で使う場面が多いのは「換価の猶予」です。

換価の猶予の主な要件 国税を一時に納付することで事業の継続または生活の維持を困難にするおそれがあること/納税について誠実な意思があること/ほかの国税の滞納がないこと/納期限から6か月以内に申請書が提出されていること/原則として担保の提供があること
猶予される期間 原則として1年以内(やむを得ない理由があれば、当初の期間と合わせて2年を超えない範囲で延長が認められることがある)
担保が不要な場合 猶予を受ける金額が100万円以下のとき/猶予を受ける期間が3か月以内のとき/担保として提供できる種類の財産がないといった事情があるとき
納付のしかた 猶予を受けた国税は、原則として猶予期間中の各月に分割して納付する

実務でいちばん惜しいのは、「納期限から6か月以内」という申請期限を過ぎてから相談に来られるケースです。資金繰りが厳しいと分かった時点で早めに動けば、年9.1%の期間を丸ごと軽くできた可能性があります。納められそうにないと分かったら、放置せずに所轄税務署の徴収担当か顧問税理士にご相談ください。

まとめ

法人税の延滞税について、要点を整理します。

  • 令和8年(2026年)の延滞税の割合は、納期限の翌日から2か月を経過する日までが年2.8%、それ以後は年9.1%。法人税だけの特別な率はなく国税共通
  • 割合が切り替わる基準の「納期限」は、期限後申告・修正申告なら申告書を提出した日。出しただけで納付を後回しにすると2か月後から負担が跳ね上がる
  • 計算は「本税(1万円未満切捨て)×割合×日数÷365日」。延滞税額は100円未満切捨て、全額1,000円未満なら納付不要
  • 申告期限の延長にともなう利子税は令和8年で年1.3%、しかも損金算入できる。延滞税・加算税は損金不算入なので別表での処理を分けて考える
  • 修正申告の1年ルールや、換価の猶予・納税の猶予で負担が軽くなる場合がある。猶予は納期限から6か月以内の申請が鍵

延滞税の金額そのものは機械的に決まりますが、「どの期間が計算に入るのか」「利子税と延滞税をどう区分して経理するのか」「猶予を申請すべきか」といった判断は、会社の状況によって変わります。税務判断は個別性が高いため、具体的なケースはまずは税理士にご相談ください。早い段階で動くほど、選べる手は多く残っています。

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参考文献

よくある質問

法人税の延滞税の税率は法人税の種類や会社の規模で変わりますか?

変わりません。延滞税は国税共通のルールで課されるため、法人税・所得税・消費税のいずれでも同じ割合です。資本金の大小や法人の区分によって延滞税の割合が変わることもありません。令和8年中の期間であれば、納期限の翌日から2か月を経過する日までが年2.8%、それ以後は年9.1%です。

延滞税がいくらになるか、納付前に自分で確認できますか?

本税の額・法定納期限・納付予定日が分かれば、本記事の計算式で概算できます。国税庁は所得税と個人事業者の消費税および地方消費税について延滞税を計算できる画面を用意していますが、法人税については用意されていないため、手計算で見積もるか税務署・顧問税理士に確認するのが確実です。年をまたぐ場合や計算期間の特例が絡む場合は、割合の区切り方が複雑になります。

延滞税は経費(損金)になりますか?

なりません。延滞税および延滞金、各種加算税・加算金、罰金や科料などは損金の額に算入されません。一方、国税の利子税と地方税の納期限の延長に係る延滞金は損金の額に算入でき、その時期は原則として納付した事業年度です。決算では「租税公課」に一括計上せず、損金不算入となるものを区分しておくと申告時の加算漏れを防げます。

納付が遅れそうです。先に申告だけしておくべきですか?

はい、申告は期限内に済ませることをおすすめします。申告が期限内であれば無申告加算税は課されず、遅れた分の延滞税だけで済みます。また、資金繰りが厳しい場合は納期限から6か月以内に換価の猶予を申請することで、猶予期間中の延滞税が免除または軽減される可能性があります。申請には要件と書類があるため、早めに税理士にご相談ください。

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