この記事は、所得税の確定申告をする個人事業主の方と、決算・申告の書類をそろえる経営者・経理担当の方に向けたものです。結論から申し上げます。確定申告書は、国税庁ホームページからダウンロードして印刷する方法が最も確実です。このほか、国税庁の「確定申告書等作成コーナー」で作成する方法、税務署の窓口で受け取る方法、コンビニエンスストアのマルチコピー機で印刷する方法があります。税務署から用紙が郵送されてくる前提で待っていると、「お知らせはがき」だけが届いて慌てることになりかねません。本記事では、2026年10月時点で公表されている令和7年分の様式を前提に、入手先ごとの特徴、郵送で提出する際の注意点、控えの取扱い、法人税申告書の様式の入手先までを整理します。
確定申告書の入手方法の結論
「確定申告の用紙はどこでもらえるのか」「税務署に行かないと手に入らないのか」と迷う方は少なくありません。現在は、税務署へ足を運ばなくても用紙を入手したり、申告書そのものを作成したりできる手段がそろっています。まずは全体像を一覧で確認してください。
| 国税庁ホームページ | 年分ごとの様式ページから申告書・決算書等をダウンロードして印刷する |
|---|---|
| 確定申告書等作成コーナー | 画面の案内に沿って入力し、申告書を作成してe-Taxで送信または印刷する |
| 税務署の窓口 | 総合窓口で用紙の交付を受ける(受付時間は原則午前9時から午後3時) |
| コンビニのマルチコピー機 | 対象店舗で主な申告書等を印刷する(印刷費用は利用者負担) |
| 税務署からの郵送 | 用紙に代えて「お知らせはがき」等が届く方が増えており、用紙が届くとは限らない |
確定申告書の主な入手先
入手先ごとに、手間や向いている方が異なります。ここでは4つの入手先を順に確認します。
国税庁ホームページからのダウンロード
国税庁ホームページでは、所得税の確定申告書、明細書、手引きなどを年分ごとにまとめて掲載しており、様式を印刷して使用できると案内されています国税庁 確定申告書等の様式・手引き等(令和7年分の所得税及び復興特別所得税の確定申告分)。令和7年分のページには、申告書第一表・第二表【令和7年分以降用】のほか、分離課税用の第三表、損失申告用の第四表、収支内訳書、所得税青色申告決算書、医療費控除の明細書などが並んでいます。
個人事業主の方であれば、申告書本体に加えて、青色申告者は青色申告決算書、白色申告者は収支内訳書も同じページから入手できます。また、確定申告書にはマイナンバー(個人番号)の記載と、本人確認書類の提示または写しの添付が必要とされています。印刷する際は、申告書と決算書をセットでそろえておくと、提出直前の書類不足を防げます。
確定申告書等作成コーナーでの作成
手書きにこだわらないのであれば、用紙を入手するより、国税庁ホームページの確定申告書等作成コーナーで申告書そのものを作成するほうが効率的です。画面の案内に沿って金額を入力すれば、自宅等で確定申告書等の作成・提出ができ、必要な付表や明細書も入力に応じて自動的に作成されます国税庁 No.2020 確定申告。
作成コーナーで作った申告書は、e-Taxで送信するほか、印刷して書面で提出することもできます。e-TaxをIDとパスワードで利用する場合の発行手続は、次の記事で詳しく解説しています。
関連コラムe-TaxのID・パスワードはどこで発行?税務署での手続を税理士が解説▸
税務署の窓口での受取り
紙の用紙を直接受け取りたい場合は、税務署の総合窓口を利用します。国税庁は、総合窓口で申告・申請書等の受理、用紙の交付、納税、納税証明書の交付などを行っていると案内しています国税庁 令和8年10月1日からの税務署総合窓口の受付時間について。
注意したいのは受付時間です。令和8年10月1日以降、全ての税務署で総合窓口の受付時間は原則として午前9時から午後3時とされました。受付時間外でも開庁時間内(午前8時30分から午後5時)であれば対応するとされていますが、可能な限り受付時間内の来署が求められています。土曜日・日曜日・祝日は通常、税務署の執務は行われていません。
なお、申告書を窓口へ提出する場合の提出先は、住所地等の所轄税務署です。所轄の税務署は、国税庁ホームページで所在地から確認できます国税庁 国税局・税務署を調べる。
コンビニのマルチコピー機での印刷
自宅にプリンターがない方は、コンビニエンスストアのマルチコピー機で申告書等を印刷する方法があります。国税庁は、税務署の窓口に行かなくても、マルチコピー機で申告書・申請書・届出書等を印刷できるサービスを案内しています国税庁 マルチコピー機で印刷できる申告書・申請書・届出書等。
利用できるのは、ファミリーマート・ポプラグループ・ミニストップ・ローソンのうちシャープ株式会社製のマルチコピー機を設置している店舗と、セブン‐イレブンのうち富士フイルムビジネスイノベーション株式会社製のマルチコピー機を設置している店舗です。事前の登録等は不要ですが、所定の印刷費用がかかります。印刷できるのは主な様式に限られるため、必要な明細書がすべてそろうとは限らない点にご注意ください。
税務署から郵送される申告書の扱い
「以前は毎年1月になると申告書が届いていたのに、今年は届かない」という相談は、事業者の方からも多く寄せられます。これは手続の漏れではなく、国税庁の送付方針の変更によるものです。
申告書用紙に代わるお知らせはがき
国税庁は、パソコンやスマートフォンを利用した申告が増え、送付した申告書用紙が使われる割合が低下していることなどから、ICTを利用して申告した方などに対して、申告書の送付に代えて「お知らせはがき」等を送付しています。さらに令和5年分からは、前年に送付した申告書用紙を使わずに申告書を提出した方等にも、用紙に代えてお知らせはがき等を送付するとしています国税庁 確定申告書の事前送付に関するお知らせ。
つまり、前年に作成コーナーで作成した方や、自分で印刷した用紙で提出した方には、申告書用紙は届かない可能性が高いということです。はがきが届かない場合の申告要否の考え方は、次の記事で整理しています。
関連コラム税務署から確定申告のハガキが来ない理由|申告要否の判断と手続き▸
年分ごとの様式の違い
確定申告書は、どの年分の申告かによって使う様式が異なります。令和7年分の様式ページには第一表・第二表の【令和7年分以降用】が掲載され、様式変更に伴う記入要領の変更点も案内されています。一方、令和6年分以前の確定申告書は別のページで提供されています国税庁 確定申告書(令和6年分以前用)。
税務署の窓口やコンビニで入手した用紙も含め、用紙の年分表示と申告する年分が一致しているかを必ず確認してください。手元に残っていた前年の用紙を流用すると、様式の違いから記入欄がずれ、訂正の手間が生じることがあります。
確定申告書の提出方法と期限
用紙を入手したら、次に考えるのは提出の方法と期限です。入手の段階で提出方法まで決めておくと、作業の段取りが立てやすくなります。
申告期限と受付期間
所得税の確定申告の期間は、原則としてその年の翌年2月16日から3月15日までで、申告と納付の期限は原則として翌年3月15日です。令和7年分の相談と申告書の受付期間は令和8年2月16日(月)から同年3月16日(月)までとされています国税庁 令和7年分の所得税等の確定申告の相談及び申告書の受付。なお、還付申告書は令和8年2月13日(金)以前でも提出できます。
3つの提出方法
確定申告書の提出方法は、e-Taxによる送信、郵便または信書便による送付、所轄税務署の受付への提出の3つです国税庁 申告書の提出方法。
| e-Taxで申告する | 確定申告書等作成コーナー等で作成した申告書を電子データで送信する |
|---|---|
| 郵便または信書便で送付する | 住所地等の所轄税務署、または業務センターへ送付する |
| 税務署の受付に提出する | 所轄税務署の受付へ提出する(時間外収受箱への投函も可) |
一部の税務署では、複数の税務署の内部事務を業務センターで集約処理しています。対象の税務署に郵送で提出する場合は業務センター宛てに送付する必要があり、業務センターへ直接持参して提出することはできません。
郵送で提出する際の注意点
確定申告書は「信書」にあたるため、税務署へ送付する場合は郵便物(第一種郵便物)または信書便物として送る必要があり、荷物扱いで送ることはできません国税庁 申告書の税務署への送付について。郵便または信書便で送付した場合は、通信日付印により表示された日が提出日とみなされますが、それ以外の方法では税務署に到達した日が提出日になります。
期限ぎりぎりに投函する場合、送付手段を誤ると提出日が後ろにずれるおそれがあります。期限内の日付が表示されるよう、余裕をもって発送してください。
申告書の控えと収受日付印の取扱い
従来は、申告書の控えを一緒に出すと税務署の収受日付印が押されて戻ってきました。しかし令和7年1月から、申告書等の控えへの収受日付印の押なつは行われていません。書面で提出する際は提出用の正本のみを提出し、控えは必要に応じて自分で作成・保有し、提出年月日も自分で記録・管理するよう求められています国税庁 令和7年1月からの申告書等の控えへの収受日付印の押なつについて。
当分の間の対応として、窓口では収受した日付や税務署名を記載したリーフレットを希望者に渡しており、郵送の場合も切手を貼った返信用封筒を同封すれば、同様のリーフレットが返送されます。e-Taxで提出した場合は、メッセージボックスに格納される受信通知で受付日時等を確認できます。金融機関から融資や各種手続の際に申告書の控えを求められる事業者の方は、どの方法で提出事実を示すかを事前に決めておくと安心です。提出済みの申告書の内容を後から確認する方法は、次の記事で解説しています。
関連コラム税務署への開示請求|申告書の控えを確認する2つの方法を税理士が解説▸
法人税申告書の様式の入手先
法人の経理担当の方からは、「法人税の申告書も同じように入手できるのか」という質問もいただきます。法人税の申告書(別表等)は、国税庁ホームページの手続案内のページで、提供時期ごとの様式と記載要領が掲載されています国税庁 C1-1 法人税、地方法人税及び防衛特別法人税の申告(法人税申告書別表等)。様式は「令和7年4月1日以後終了事業年度等分」のように事業年度の終了時期で区分されているため、申告する事業年度に対応したものを選ぶ必要があります。
確定申告書の提出時期は、原則として事業年度終了の日の翌日から2か月以内です。提出方法はe-Taxソフト等による電子申告が案内されていますが、書面で作成して持参または送付により提出することもできます。
ただし、事業年度開始の時において資本金の額または出資金の額が1億円を超える法人や通算法人などは、e-Taxによる申告の特例(電子申告の義務化)の対象となり、届出書の提出も必要です国税庁 C1-79、D1-61 e-Taxによる申告の特例に係る届出。この対象となる法人は、書面の申告書を入手して提出するという選択肢そのものを前提にしない点にご注意ください。
実務での取り扱い事例
ここからは、申告の現場でよく見られる場面を2つ取り上げます。いずれも「用紙をどこでもらうか」より先に、「どの年分の、どの書類を、どう提出するか」を決めることが鍵になります。
用紙が届かなかった個人事業主の事例
前年に作成コーナーで申告書を作成し、印刷して郵送した個人事業主の方の例です。翌年に届いたのは申告書用紙ではなくお知らせはがきで、「税務署へ用紙をもらいに行かなければならないのか」と心配されていました。
実務では、このようなケースでは用紙を取りに行くより、作成コーナーで青色申告決算書から順に入力して申告書まで一気に作成するほうが、転記の手間と計算誤りを減らせます。印刷して郵送する場合は、正本のみを封入し、作成した控えのPDFと送付日の記録を残しておくのが基本です。また、申告書を提出しても税務署から納付書が送られてくるわけではないため、振替納税やダイレクト納付などの納付手段もあわせて決めておく必要があります。納付手段の選び方は、次の記事をご参照ください。
関連コラム税金を税務署で払う方法|窓口納付の可否と納付手段の選び方を税理士が解説▸
過去の年分を申告する事例
申告を忘れていた令和6年分を、令和7年分の申告とあわせて提出したいという相談もあります。この場合、令和6年分は令和6年分以前用の様式を、令和7年分は【令和7年分以降用】の様式を使い分ける必要があります。同じ時期に提出する書類でも年分ごとに様式が違うため、ダウンロードするページを取り違えないことが大切です。期限後の申告では加算税や延滞税がかかる場合もあるため、提出前に専門家へ確認しておくと安心です。
入手・提出の際の注意点
確定申告書の入手は難しい手続ではありませんが、細かな確認漏れが提出後の訂正につながることがあります。最後に、事業者の方が押さえておきたい点を整理します。
- 用紙の年分表示と、申告する年分が一致しているか確認する
- 土地建物や株式等の譲渡所得がある場合は第三表(分離課税用)、損失を翌年以後に繰り越す場合は第四表(損失申告用)もあわせて用意する
- 事業所得や不動産所得がある場合は、青色申告決算書または収支内訳書も同時にそろえる
- マイナンバーの記載と、本人確認書類の提示または写しの添付を忘れない
- 郵送する場合は郵便または信書便で送り、正本のみを封入する
- 控えと提出年月日は自分で保存・記録する
どの様式を使うべきか、どの明細書が必要かは、所得の種類や適用する特例によって変わります。具体的なケースは税理士へのご相談をおすすめします。とくに、事業所得と不動産所得が併存する場合や、過去の年分の申告が残っている場合は、書類の組み合わせを誤りやすいため、まずは税理士にご相談ください。
まとめ
確定申告書は、国税庁ホームページからのダウンロード、確定申告書等作成コーナーでの作成、税務署の窓口、コンビニのマルチコピー機のいずれかで入手できます。税務署から用紙が郵送されるとは限らないため、自分で入手する前提で準備しておくことが大切です。
- 最も確実なのは、国税庁ホームページの年分ごとの様式ページから印刷する方法
- 作成コーナーを使えば、用紙を入手せずに申告書と付表を作成できる
- 税務署の総合窓口の受付時間は、令和8年10月1日から原則午前9時から午後3時
- 前年に作成コーナー等で申告した方には、用紙に代えてお知らせはがき等が届く
- 令和7年分の受付期間は令和8年2月16日から3月16日まで
- 令和7年1月から控えへの収受日付印は押されないため、控えと提出日は自分で管理する
- 法人税の申告書は事業年度の終了時期に対応した様式を使い、資本金1億円超の法人等は電子申告が前提
書類の準備や提出方法に迷う場合は、申告期の直前ではなく早めに確認しておくことで、余裕をもって申告を終えられます。まずは税理士にご相談ください。
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参考文献
- 国税庁 確定申告書等の様式・手引き等(令和7年分の所得税及び復興特別所得税の確定申告分)
- 国税庁 No.2020 確定申告
- 国税庁 令和8年10月1日からの税務署総合窓口の受付時間について
- 国税庁 国税局・税務署を調べる
- 国税庁 マルチコピー機で印刷できる申告書・申請書・届出書等
- 国税庁 確定申告書の事前送付に関するお知らせ
- 国税庁 確定申告書(令和6年分以前用)
- 国税庁 令和7年分の所得税等の確定申告の相談及び申告書の受付
- 国税庁 申告書の提出方法
- 国税庁 申告書の税務署への送付について
- 国税庁 令和7年1月からの申告書等の控えへの収受日付印の押なつについて
- 国税庁 C1-1 法人税、地方法人税及び防衛特別法人税の申告(法人税申告書別表等)
- 国税庁 C1-79、D1-61 e-Taxによる申告の特例に係る届出
確定申告書の入手方法のよくある質問まとめ
Q.確定申告書は税務署以外でももらえますか?
A.はい。国税庁ホームページの「確定申告書等の様式・手引き等」からダウンロードして印刷できるほか、対象店舗のコンビニエンスストアのマルチコピー機でも主な様式を印刷できます。確定申告書等作成コーナーで申告書を作成する方法もあります。
Q.税務署の窓口で申告書をもらえる時間を教えてください。
A.令和8年10月1日以降、税務署の総合窓口の受付時間は原則として午前9時から午後3時です。受付時間外でも開庁時間内(午前8時30分から午後5時)であれば対応するとされていますが、受付時間内の来署が求められています。
Q.昨年は申告書が郵送されてきたのに、今年は届かないのはなぜですか?
A.国税庁は、前年にパソコンやスマートフォンで申告した方や、送付した用紙を使わずに申告した方などに対して、申告書用紙に代えて「お知らせはがき」等を送付しています。用紙が必要な場合はご自身で入手してください。
Q.確定申告書を郵送で提出するときの注意点は何ですか?
A.申告書は信書にあたるため、郵便物(第一種郵便物)または信書便物として送る必要があります。通信日付印の日が提出日とみなされます。業務センターの対象となる税務署の場合は業務センター宛てに送付します。
Q.申告書の控えに受付印を押してもらえますか?
A.令和7年1月から、申告書等の控えへの収受日付印の押なつは行われていません。当分の間は、日付と税務署名を記載したリーフレットを希望者に渡す対応がとられており、郵送の場合は返信用封筒の同封で返送されます。
Q.法人税の申告書はどこで入手できますか?
A.国税庁ホームページの「法人税、地方法人税及び防衛特別法人税の申告(法人税申告書別表等)」のページに、事業年度の終了時期ごとの様式と記載要領が掲載されています。資本金の額等が1億円を超える法人などは電子申告の対象です。


